2008年02月17日
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
2007年度パ・リーグの最多勝利、最高勝率、最高防御率をそれぞれマークした涌井、成瀬、ダルビッシュ。彼らは現状パ・リーグを代表する先発投手といっても過言ではないでしょう。先日のNHKのニュース番組で、涌井はスタミナ、成瀬はコントロール、ダルビッシュはスピードでは彼らライバルに負けないとコメントしていました。果たして彼ら自身の「ウリ」はデータにも現れているのでしょうか。今回は彼らのデータを見てみようと思います。
■スタミナ登板試合数、投球回数ともに涌井がトップ、続いてダルビッシュ、成瀬という結果になっています。1試合あたりの投球回数を見ると、 【1試合あたりの投球回数】 ダルビッシュ:7.987回 成瀬:7.222回 涌井:7.607回 となり、登板の際に責任を持って長いイニングを投げたのはダルビッシュだったことがわかります。 【総球数】 ダルビッシュ:2969球(1試合平均:114.19球) 成瀬:2523球(1試合平均:105.13球) 涌井:3385球(1試合平均:120.89球) また、上記のように今シーズン一番多くの球数を放ったのは涌井でした。球数が多いのがチームにとっていいとは一概に言えませんが、スタミナに自信のある投手でないと無理であることは事実でしょう。これらのデータを見る限り、涌井がダルビッシュ、成瀬よりもスタミナに自信があることはデータにも現れているといえます。とはいえ、涌井とダルビッシュの間の差はそう大きいものではないと思います。 ■コントロール 与四死球率からコントロールに優れた投手か否かを判断しようと思います。 【与四死球率】 ダルビッシュ:2.64 成瀬:1.61 涌井:2.32 リーグ平均与四死球率が2.91だったので、3投手ともリーグ平均を下回っているのですが、成瀬がダントツで低い数値に抑えています。1試合平均球数が少ないながらも1試合平均7回以上投げられるのは、コントロール重視で四球を与えないという投球スタイルが関係していると考えられます。ここから考えるに、コントロールは成瀬に軍配が上がるでしょう。 ■スピード 平均スピード値が用意できれば良かったのですが、今回は奪三振率で考えようと思います。 【奪三振率】 ダルビッシュ:9.10 成瀬:7.17 涌井:5.96 奪三振はスピードだけではないでしょうが、打者のバットにボールを当てさせないほどダルビッシュの球にキレ、スピードがあることはここからある程度推測できると思います。 ■まとめ かなり大雑把に見てみましたが、各投手とも自分のウリだとしているところは実際に結果として数字に表れていると思います。以下では3投手をデータで比較した場合、誰が一番良い投手なのかを考えてみようと思います。 ■データから見たNo.1は誰なのか 野球は「相手チームに点を取られず、自チームが点を取る」ことで勝利に近づくゲームです。つまり投手には点を取られないようにすることが一番求められるわけです。これを調べるために、その投手が同一リーグの平均的な投手と比べてどの程度失点を防いでいるかを表すRSAAという指標を用いてみましょう。また運や野手による守備に左右されない四死球、本塁打、奪三振だけで投手の能力を評価した指標としてDIPSeraというものがあります。今回は同一リーグ・同一年度の成績での比較であり同年のリーグ平均との比較をあまり重要視しなくてもいいので、被出塁率や被本塁打率も含めて3投手の指標も見ましょう。
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RSAAは数値が高ければ高いほど良く、DIPSeraは数値が低ければ低いほど良いとされています。全ての項目においてダルビッシュが優れていることがわかります。投手として自らが投げている時のパフォーマンスはダルビッシュが一番高かったといえるでしょう。 ただ上記指標では、先発として如何に長いイニングを少ない失点で投げられたかはわかりません。MLBで先発投手が6イニング以上投げ自責点3以内に記録されるクオリティ・スタート(QS)と完投数を用いて確認してみます。
この数値をどう評価するかはQS率を重要視するのか、それとも完投率を重要視するかで変わってくるでしょうが、3投手とも非常に高い数値を示しています。成瀬のQS率は驚異的ですが、ダルビッシュ、涌井と比べると完投率の低さが気になります。個人的にはQS率が75%を超え、なおかつ完投率も.462も非常に高いダルビッシュを一番評価したいと思います。 ということで、個人的には投球内容及び先発としての役割の両面において優れているダルビッシュがパ・リーグNo.1投手だと考えています。 蛇足ですが、ダルビッシュは非常に高い奪三振率とリーグ平均よりやや良い与四死球率(3投手の中では最下位)であることは既に述べました。ここから考えると、3投手の中では1イニングあたりの平均球数が一番悪そうに思われますが、実際には1イニングあたりの平均球数は14.30で成瀬(14.56)、涌井(15.89)よりも良いという結果でした。効率よいピッチングが長いイニングを投げること、多くの試合で投げることを支えているのかもしれません。逆に涌井は燃費が一番悪いことがわかります。今後涌井がステップアップするには、彼の持ち味であるスタミナを効率よく活用するために「1イニングあたりの球数を抑えること」が求められるでしょう。現状与四死球率は悪くありませんので、被打率(現状.251)をもう少し下げる必要があるでしょう。特に右打者には.276とかなり打たれています。対右打者への攻め方がキーになるのではないでしょうか。 ■追伸 しかし、これだけの先発投手を抱えられるなんて、阪神ファンの私からすると非常に羨ましい限りです…。
posted by dongking |02:40 |
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【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
興味深いデ-タ、ありがとうございます。
いろいろな角度から観戦すると、野球はますます面白くなりますね。
開幕が待ち遠しい限りです。
阪神にも、パ3人衆に負けないような先発投手が育つといいですね。
posted by ウニちくちく | 2008-02-17 06:14
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
今年はこの3人に楽天田中あたりが加わるのでは。
しかし全員25才未満というのもすごい。
パリーグ恐るべし。
posted by デリカード | 2008-02-17 06:50
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
成瀬は今年YFK解散なので投球回数が増える可能性があるかも?
この3人は下手に代えるよりも続投された方が嫌なピッチャーですし
posted by 芋 | 2008-02-17 10:45
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
週刊ベースボールの中で、パリーグはDH制があるため、投手が代えられにくく、長いイニングが投げられる為、成長が早い!という話が出てました。
確かに現在のプロ野球を代表する先発投手は、明らかにパリーグのほうが充実してますよね☆
このままプロ野球を盛り上げてほしいですね!
でも大リーグで投げてる姿もみたいかも…
posted by 成瀬と同い年より… | 2008-02-17 12:19
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
JFKがいたら先発は育たん
posted by ya | 2008-02-17 15:38
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
ダルビッシュは底知れない・・・。これまでの日本人投手の常識があてはまらない(当り前か)投手。
posted by 渕コロ助 | 2008-02-17 18:56
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
バレンタイン監督は、どんな連戦になっても、
2軍レベルの投手を谷間に登板させるほど
「投手に無理をさせない」スタイルなんです。
ジョニーのような投手をもう出したくない、
ファンもそう思っています。
だから成瀬の投球回数など、
そういうところにももうちょっと触れてほしかったです。
データだけでは見えない点だから。
posted by セーフ | 2008-10-12 13:17
【プロ野球】ダルビッシュ、成瀬、涌井をデータから見る
>セーフ様、
成瀬の平均球数を見ると、MLBと同じように100球を目処に変える傾向があるのだろうとは思いました。
あくまでデータからの考察ですので、実際のチーム戦術などについてはコメントいただけますと非常に助かります。
posted by dongking(管理人) | 2008-10-14 13:01

登板試合数、投球回数ともに涌井がトップ、続いてダルビッシュ、成瀬という結果になっています。1試合あたりの投球回数を見ると、
RSAAは数値が高ければ高いほど良く、DIPSeraは数値が低ければ低いほど良いとされています。全ての項目においてダルビッシュが優れていることがわかります。
この数値をどう評価するかはQS率を重要視するのか、それとも完投率を重要視するかで変わってくるでしょうが、3投手とも非常に高い数値を示しています。

