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F1新予選方式でQ1をシミュレートしてみる

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 2月下旬にジュネーブで催されたF1委員会において採択された2016年シーズンにおけるF1の新予選方式は、3月4日のFIAモータースポーツ評議会での承認を経て、どうやら開幕戦オーストラリアGPから導入されることで決着したようです。発表当時は賛否両論であり、またタイミングシステムの改修が間に合わないとして実施がスペインGPまで遅れる、はては廃案にまでなるのではないかとも取り沙汰されましたが、結局当初の発表どおりスタートを切ることになりました。この記事の執筆時点では新しいスポーティング・レギュレーションには反映されておらず、細かい規則が見えてきませんが、「エリミネーション(除外)システム」とも「椅子取りゲーム方式」とも呼ばれる新予選は、大雑把に言って「一定時間ごとにその時点でもっとも持ちタイムの遅いドライバーが1人ずつ脱落していく」というものと伝えられています。もう少し詳しく見ると以下のような流れになるようです。
■Q1(16分間)

・開始7分の時点で最も持ちタイムの遅いドライバーが脱落。

・以降90秒経過ごとにその時点で最も遅いドライバーが脱落。

・すなわち7、8.5、10、11.5、13、14.5、16分で1人ずつ、計7人がQ1で脱落し、15人がQ2へ進む。
■Q2(15分間)

・開始6分の時点で最も持ちタイムの遅いドライバーが脱落、以下Q1と同じ。

・すなわち6、7.5、9、10.5、12、13.5、15分で1人ずつ、計7人がQ1で脱落し、8人がQ3へ進む。
■Q3(14分間)

・開始6分の時点で最も持ちタイムの遅いドライバーが脱落、以下同じ。

・すなわち5、6.5、8、9.5、11、12.5分で1人ずつ脱落し、14分時点で最も速いタイムを持つドライバーがポール・ポジションを獲得する。
 FIA最高責任者のバーニー・エクレストンが公言しているとおり変更の意図はかなり明白で、脱落の機会をつねに設定することで速い車を後方グリッドに下げる可能性を高め、そうした車が決勝で追い上げる場面を増やして盛り上がりに繋げたいということ。競技性よりも興行性を露骨に重視した方式であるのは間違いありません。当のエクレストンはレース中のオーバーテイクこそ唯一の正義と言わんばかりに「本当はリバース・グリッドを採用したかった」と不満たらたらですが、速ければ速いほど不利になるこの提案はさすがにチームから拒否されました。商業的成功を旨とするプロスポーツに競技の本質から外れた不純はとかく混入するものとはいえ、新方式の純度は「速さを競う」原則から言えばぎりぎりの線といったところなのでしょう。もちろんより透明な水を求める人にとっては随分な改悪に見えるはずですが、数年に一度のオリンピックや世界選手権で競技者個々人の力を競う陸上競技のようにはいかないのも事実です。

 しかし賛否はともかくとして、導入が決定した以上、チーム・ドライバーは新規則に沿って動かなければなりませんし、われわれファンも(見るのをやめる、という選択肢を取らないのであれば)付き合っていかなければなりません。言いたいことは数あれど変化そのものは楽しんでみようということで、新規則下の予選はどのように行われうるかをシミュレートしてみました、というのが本記事のテーマです。あいかわらず前置きが長いですね。以下本題に入ります。
***
 さて新予選も、一定の時間で区切って下位者を払っていくという意味においては昨季までの予選と本質的に変わるものではありません。ただ肝心の区切られる時間と払われる対象者が次々に変わっていくことが大きな違いというわけです。旧予選では概ね「とりあえず早めの時間に保険の1アタック、セッション終了間際に勝負の1アタック」が定跡として固まっていました。また、リスクは高いもののセッション終了間際まで待ち、1回だけのアタックで通過を決めてしまうことも不可能ではなかったといえます。要するにチェッカー・フラッグが振られるまでに一度でも速いタイムを出してしまえればよかったわけですが、新方式でそんな悠長なことはいっていられません。7分で早々と1人脱落するのだから遅くとも5分の時点ではコースに入らなければ最後尾グリッドが確定です。その後もできればタイヤは温存しつつ、脱落を避けて行動する判断が求められそうです。

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