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イチローをどう起用するか

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 イチローをどう起用するか。  大リーグの話題のうち、巷で最も議論されているのがこれだろう。  これだけ状態がよければ、常にレギュラーとして使うべきだという声もあれば、レギュラーでなくても出場機会をもっと増やすべきだという声もあれば、代打中心でレギュラーを休ませるときだけ先発出場で良いという声もある。

 一般社会にも優れた実績・知識・技術を持ち、現場で目覚ましい手腕を発揮するベテランだが、年齢や持病によって無理できないという社員はいる。こうした社員をいかに有効に活用するかは、企業にとっても、ベテラン社員にとっても重要である。巧みに活用すれば企業の業績は伸びるであろうし、間違った起用をすれば業績が落ち、社員も潰してしまいかねない。

 42歳ながら出場すれば若々しいプレーでファンを魅了する今年のイチローの好調ぶりがイチローの起用方法議論を白熱させている。  確かにイチローは、突然2、3試合に限定して出場すれば、大リーグのどの野手よりもヒットを打つのが巧い。  それは、3試合で13打数10安打という快記録が証明した。

 しかし、全試合に出場して3割以上を残せるか。それは、ここ5年間3割を超えていないシーズン成績を見ても分かるように、首を縦に振ることはできない。

 どんな名選手でも、30歳を過ぎれば、徐々に衰えを見せ始める。もちろん個人差はあるが、35歳を超えた頃から引退する選手が増え、40歳を超えた頃にはほとんどの選手が引退する。そして、50歳までにはすべての選手が引退する。  山本昌が50歳まで現役を続ける快挙を成し遂げたが、現実的には山本昌のキャリアは、16試合に登板して5勝を挙げた48歳の2013年が戦力になった最後の年である。

 イチローは、42歳ながら日頃の摂生によって、他の42歳とは比較にならないほど、高い身体能力を保っている。  しかし、それでも年齢による衰えは、どうしようもない。疲労の抜け方はどんどん遅くなっていくし、反射神経や動体視力も衰えていく。

 第四の外野手として、代打中心で時おりレギュラー選手の代役として先発出場するイチローを見ていると、私は、落合監督時代の井上一樹を思い出す。  井上は、28歳のシーズンとなる1999年にレギュラーとして中日のリーグ優勝に貢献した外野手で、明るい性格と勝負強い打撃で人気があった。  27歳から31歳までの全盛期5年間は、1875打席に立って打率.272、39本塁打を記録した。32歳のシーズンは打率.253、26安打、2本塁打と成績を落とすが、33歳のシーズンに落合博満監督が就任してから状況が好転する。

 落合監督は、好調時にレギュラーとして起用し、そうでないときは代打中心で起用するという采配によって、井上は、成績を上げ、打率.276、11本塁打を記録してリーグ優勝に貢献する。35歳になる翌年にも同様の起用方法で打率.302、10本塁打を記録した井上は、36歳になるシーズンに自己最高の打率.311、11本塁打を記録してまたしてもリーグ優勝に貢献する。  井上は、33歳から37歳まで晩年5年間に1224打席に立って打率.295、36本塁打を記録したのである。

 井上は、38歳になるシーズンに不振に陥って現役を引退するが、レギュラーとして活躍した全盛期5年間よりも、スーパーサブとして活躍した晩年5年間の方が年平均100打席以上を減らしながら成績が良いという信じがたい結果が残ったのである。

 2016年のイチローも、どれくらいの成績が残せるかは、ドン・マッティングリー監督の起用方法にかかっていると言っても過言ではない。  イチローの卓越した技術を重視して常にレギュラーで起用すればシーズン打率3割を残すことは困難だろうが、イチローの疲労や好不調を見極めて代打中心で好調時に時おり先発という起用方法を一貫すれば、かなりの好成績が期待できるのである。

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井上一樹
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イチローをどう起用するか

僕はイチロー選手をスタメンで起用し続けて欲しいと思っている者です。

一般論として、球団は原則として全ての選手とはスタメンで起用するために契約するべきだと思っています。その原則を踏まえた上で、全ての控え選手はレギュラーポジション獲得を目指す若手の選手であるべきで、ベテラン選手はシーズンを通して常時スタメンで出場し続ける実力が無くなれば引退すべきだと思っています。

そして、イチロー選手はまだまだ常時スタメンで出場し活躍できる実力を持っていると信じています。MLB3000本安打とか殿堂入り確実とかそんな記録事は引退後に振り返ればいい。イチロー選手はまだ現役選手なのですから、MLBだろうがNPB(日本)だろうが、常時スタメンで起用する意向がある球団と契約してチームメイトと切磋琢磨しながらプロ野球選手人生を続けて欲しいものです。

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