プロ野球の魅力を語る

それでも中村紀洋の中日復帰を願う

このエントリーをはてなブックマークに追加

 中村紀洋の契約がまだ決まらない。横浜DeNAを懲罰による戦力外となって、無所属のまま、春季キャンプの時期に突入しようとしている。

 私は、中村紀洋のファンだ。神主打法からの見事な右打ち、そして、一発を狙った豪快なスイング。打った瞬間それと分かる本塁打。他の打者が打てないときに打てる勝負強さ。あの立浪和義でさえ、天才的と称したその打撃は、一見の価値がある。さらには、安定したスローイング技術と卓越した強肩が光る守備。

 中村紀洋は、魅力的な打者であり、内野手である。球団によっては、まだまだレギュラー三塁手、一塁手、DHとして起用できるであろうし、代打としてならほぼすべての球団で戦力として扱われるだろう。  しかし、現在、まだどの球団も獲得に至っていない。2101安打、404本塁打を放った大打者がこのまま現役を終えてしまってはあまりにも残念である。

 現在、インターネットを見ると、中村紀洋を叩く記事やコメントが溢れかえっている。  近鉄、大リーグのドジャース、オリックス、中日、楽天、横浜DeNAとそれぞれ所属した球団で物議を醸してきた中村に対して、世間は、ヒールのイメージを植えつけられている。誤解も多く含まれてはいるのだが、活字で残ったものが信じられてしまう時代になったため、悪い印象だけが膨張していく。  それだけに、ほとんどの球団が獲得に二の足を踏むという状況が起きるのだ。

 今回、中村紀洋がDeNA首脳陣の盗塁作戦に反対意見を進言して2軍降格、そして、戦力外通告に至った背景には、野球観の相違がある。

 問題の場面は、2014年5月6日のDeNA×巨人戦だ。1回表、スコア0-0での2死1塁、走者に梶谷を置いた中村紀洋の打席で、梶谷は、盗塁をした。中村は、1塁が空いたこともあって、四球で歩かされる。  さらにスコア2-1で迎えた8回表2死1塁で再び走者梶谷を置いて、中村が打席に入り、走者梶谷が走ったときに中村が三塁ゴロを放って併殺打となった。  中村は、このとき、コーチに対して、場合によっては走者を動かさず打撃に専念させてもらうことを希望したが、それが采配批判と受け取られ、結局、戦力外となった。

 この件に関しては中村に分が悪かったと言わざるを得ない。梶谷は、売り出し中の若手で、2014年は、盗塁王を獲得するほどの活躍を見せ、チームに大きく貢献した。打撃が成長し、俊足を武器にする梶谷が四番中村の前の三番を打つことになったことが中村にとっては不運だった。  また、状況がスコア0-0や2-1の場面であり、ランナーを得点圏に進めることが最優先と考えるのが一般的なケースだけに、中村の意見が少数派となってしまうのは仕方ない。

 しかし、この前兆となった出来事が2012年8月15日のDeNA×阪神戦にもあった。その試合の場合は、2014年とは状況がまた異なる。  9-5とDeNAがリードして迎えた7回裏2死1塁で走者内村を置いて中村が打席に入り、内村が盗塁をした。しかし、それで集中力を欠いた中村は、三振を喫してしまい、ベンチに戻ってきてから内村に説教するという騒ぎを起こした。このときも、中村は、2軍降格となっている。  このケースでは、盗塁をせずに中村の長打に期待をかけてもいい場面であり、盗塁を自重する意見も尊重されてしかるべきである。1990年代以前に活躍したような往年の大打者が打席に立つときは、盗塁を自重するという暗黙の了解も存在していた。

 勝ちの確率がかなり高い状況で多くのファンが見たいのは、2死2塁から中村が四球で歩かされることではなく、2死1塁から中村が長打を放って得点することである。この考え方は、現在では前近代的な考え方になってしまうのだが、ファンは、石橋を叩いて渡る戦法よりも、積極的に打ちまくる戦法を好むからだ。  つまり、確実に勝ちに行く戦法は、面白くないが現代的であり、ファンを喜ばせる戦法は、面白いが古典的なのだ。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
プロ野球
タグ:
中村紀洋

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

それでも中村紀洋の中日復帰を願う

投稿者さんのお考えは
素行が悪い、采配批判をする問題児かもしれないが、
実力があり右の実績ある代打が必要だから、目をつぶって獲得せよ

という意見は、実力優先のプロの世界であっても、
チームの規律の面、他選手の士気の面からも無理でしょう。
それに近鉄でプレーとか関係ないと思いますが...
昨年40本塁打位していれば話は別ですが。

もう1年1年が勝負の年なのに、大人がわがまま言って、場合によっては報いを受けることも考えず好き勝手やるなんて許されないですよ。



それでも中村紀洋の中日復帰を願う

>ゆーすけさん
ご指摘ありがとうございます。2013年と思い込んでいましたが、2012年でした。

「それでも中村紀洋の中日復帰を願う」へのコメント

コメント失礼します。

私はドラゴンズファンですが、中村選手には好意的ではありませんよ。

まずは、感情的な問題があります。
「FA で移籍する」ということは、「自らチームを出ていく」ということなので、「ドラゴンズに愛着を持ってプレーする選手ではない」と考えるファンは少なくないと思います。

次に、野球観の問題があります。
自分の野球観とチームの采配が合わない時、「自分の野球観を貫く」選手であり、中日でもDeNAでも、そのために退団しています。
そもそも試合の采配は、監督やコーチの権限であり、コーチに自分の希望を伝えるのは良いとしても、「若手選手に個人的に説教する」など言語道断です!…内村選手や梶谷選手が、高橋周や大島だったらと思うと、やはり「ドラゴンズに来て」とは言えないと言えないと思います。

さらに、編成面の問題もあります。
今シーズンの一塁、三塁は森野、ルナ、高橋周の争いと言われています。代打の切り札に小笠原がいるので、中村選手が入ると、一塁・三塁だけで5人になり、バランスが悪くなります。
ドラゴンズの1軍登録選手(28人)は投手13人、捕手3人、内野手+外野手で12人と考えるのが一般的でしょう。
内野手+外野手の12人はスタメン7人に交代要員が3人(一塁・三塁で1人、二塁・遊撃で1人、外野手で1人)、その他2人とすることになると思うので、…
一塁・三塁で5人登録すると、スタメン2人、交代要員1人、その他2人の全てを使うことになり、他のポジションが手薄になりすぎると思います。
「右の代打」は外野手などからひねり出すのが現実的なような気がします。

中村紀洋選手。技術面では勝負強さを含めて非情に良い選手なんですがね。。。今回は見送るのが妥当ではないかと思います。(小笠原選手の方が「若手のお手本として適している」ということもありますし…)

<

「それでも中村紀洋の中日復帰を願う」へのコメント

内村説教事変は2012年だと思われます

こんな記事も読みたい

球春到来まであと少し!【無銘のひとりごち】

巻き返せ、松田&岩崎【虎番日記】

赤いチームの決算は黒くなければならないのか?【八九余談】

意識とは?そして思うこと。【it's dragons 上昇気竜】

【中日】キャンプの内訳が【it's dragons 上昇気竜】

新人投手を見て【it's dragons 上昇気竜】

大豊さんのご冥福をお祈りします【棒球網誌~ヤキュウノブログ~】

野球人!大豊泰昭【ドラゴンベースボール】

ブロガープロフィール

profile-icondensetsuplay

サイト『伝説のプレーヤー』管理人の犬山です。
よろしくお願いいたします。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:2264505

(05月29日現在)

関連サイト:伝説のプレーヤー プロ野球

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 中日の正遊撃手は誰になるのか
  2. 16球団構想に思う
  3. 外国人の遊撃手を獲得するという発想
  4. 大島洋平の7400万円は安いのか
  5. それでも中村紀洋の中日復帰を願う
  6. イチローの三塁打記録に大リーグのすさまじさを知る
  7. イチローをどう起用するか
  8. 方向転換が1か月遅かった中日
  9. あってはならない誤審を防ぐために
  10. 得点は打点以上に評価すべき記録だ

月別アーカイブ

2017
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2014
12
11
10
09
08
07
06
05
04

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年05月29日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss