≪韓非資≫コラム

近年の韓国プロ野球を主に制度的側面からなんとなく整理してみる

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WBC韓国代表の最終ロースター28人が発表されたということで、彼らの多くを占める韓国プロ野球(KBOリーグ)に関して最近の動向をまとめておきます。大雑把な整理にするつもりでしたが内容が多岐にわたったので分量は多くなっています。同じ事象に関してもできるだけ肯定的側面、否定的側面の両方をみるようにはしているつもりですが、そのあたりは個人の感覚に左右される部分もあるので何とも言えません。リーグ事情に関しては見る人によって受ける印象が異なってきますのであくまで参考程度という感じです。また誤解を避けるために註の形で本文に書き切れなかったことに言及しています。本文中の数字に対応する註は記事の末尾に集めています。

〇リーグ運営  1982年に6球団体制でスタートした韓国のプロ野球は1991年以降8球団体制が長く続いてきたが(1)、2013年にNC、2015年にktが1軍に参入した(2)。2000年代初頭に落ち込んでいた観客動員数は北京五輪のあった2008年には1試合平均1万人を突破し、今年もリーグ戦では1試合平均11,582を動員した。  1試合平均の動員数では8球団体制最後である2012年の13,451人がこれまでで最高であるが、10球団144試合体制(合計720試合)に増加したこともあって、今年リーグ戦のシーズン総動員数は過去最多の8,339,577人に達した。これは同じく10球団144試合体制であった昨年を100万人近く上回る数字であり、新球場効果もあったとはいえ国内基準で考えると増加傾向といえる。  一方で球場によっては火曜日や水曜日などの動員で伸び悩みがみられ、それが課題といえなくもない。1試合平均の動員数を増やすためには平日や非人気座席での上積みが必要となろう。

〇リーグの傾向  近年の韓国プロ野球のトレンドは「打高投低」である。原因に関しては過去記事でみたので詳細は割愛するが、現在の打高投低は2014年頃から顕著にみられるようになった現象であり、過去の打高投低と比べ本塁打数以上に打率に影響が現れている点が特徴と言えよう。   →参考:韓国球界のいわゆる「打高投低」雑感  今年もリーグ平均が防御率5.17、打率.290と打高投低傾向は続いており、今後もこの傾向が続くようだと投手の負担や育成に対する悪影響が危惧される。  投手では外国人先発投手の強勢が目立つ。現行制度では、球団ごとの外国人保有枠は3人であり、全員を投手もしくは野手にすることはできないため、外国人投手の同時最大保有は2人となるが(3)、今年は全球団が先発投手2人(1軍参入2年目のktのみ3人)、野手1人という構成で外国人枠を運用した(4)。  今年は規定投球回到達者17人のうち10人が外国人投手であり、外国人投手依存が浮き彫りになる一方、韓国球界に適応できず成績を残すことのできなかった10人の外国人投手がシーズン途中に放出となった(5)。  国内先発投手では今年は特殊な事情もあったとはいえ1990年生まれ以降の投手の規定投球回到達がなかった(6)。1988年生まれのキム・グァンヒョン(SK)らより年下のオーバースローの先発投手は左右を問わずまだあまり育っておらず若手投手の台頭が待たれる(*7)。球団数増加で若い投手にも先発登板の機会が増えているため今後に期待すべきである。  一方でポテンシャルの高い速球派投手が若いうちからリリーフで起用されることも少なくないため、リリーフにはある程度有望株が揃っている。但し若手速球派投手の多くが有効な球種が少なかったり制球がアバウトだったりするため若手の人材がリリーフに偏っているという側面もある。  打高投低の影響があって大味な試合が多いが、粘り強い打者が意外に多いのも韓国野球のひとつの特徴かもしれない。  世代別にみると20代後半から30歳前後の野手(1985~1990年生まれを想定)が全盛期を迎えている。打高投低は確かに競技力以外の要因も想定されるが、最も高いパフォーマンスを期待できる年代の野手が高い実力を持っていることも、リーグ全体における野手の優位性の理由として否定できない。  しかし20代前半にあたる1991~1994年生まれの世代の成長が全体的に遅れている。それでも一部選手はすでに活躍しているが、長距離砲育成はあまり進んでいない印象を受ける。1990年代後半生まれに追い抜かれないよう奮起を期待したい。  現在はある意味で近年における黄金期の到来と言えるが、一方で今後に関してはまだ見守っていかなければならない部分が大きい。

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