2009年04月20日

地域密着「首都圏ダービー」

■東京と埼玉のライバル関係

bjリーグ初年度から参入している老舗チームの東京アパッチと埼玉ブロンコス。これまで、リーグ戦での通算成績は東京の19勝7敗。昨シーズンにはファイナル進出を果たした東京とは対照的に、未だプレイオフ経験がない埼玉と、チームの成績では明らかに東京に分がある。

その成績からか、NBAのユタ・ジャズなどで活躍し、現在は埼玉を指揮するデービット・ベンワーヘッドコーチは「東京は常に倒したい相手」と、特に埼玉の東京に対する強いライバル意識が窺える。

それはブースター(=ファン)にとっても同じことで、ブロンコスブースターは「東京だけには負けたくない」と一様に口を揃える。



■特別プロジェクト発足

同じ関東をホームとしていることから、お互いのブースターが足を運びやすく、これまでも常に熱い応援合戦が繰り広げられていたが、今シーズンの1月、東京のホームゲームとなる有明コロシアムで行われた両チームの対戦から新たな試みが行われた。

「首都圏ダービー」と銘打たれたその企画は、普段では見ることのできない演出でさらに試合を盛り上げようと、両チームのスタッフが集まり12月に特別プロジェクトがスタート。

会場にはオリジナルグッズの販売や食品などダービー限定商品が登場。訪れたブースターに配られるマッチデイプログラムにも工夫を凝らし、ブースターがいっせいにプログラムを広げる演出では、場内一面が東京のチームカラーである紫に染まると大きな歓声が上がった。

また、普段はそれぞれのホームゲームでしか見ることができない東京アパッチダンスチームとガムQ、埼玉ブロンコスチアリーダーズとポニーズグリーンという両チームのチアが互いの会場を行き来し、ダービーの盛り上がりに一役買うなど再び足を運びたくなるアイデアが随所に見られた。

4月25、26日には3度目となる首都圏ダービーがバスケットボールの聖地・代々木第2体育館で行われる。回を追うごとに盛り上がり、今回はシーズン最終戦に組み込まれるという絶好のシチュエーション得た両者の対決は満員となることが必至で、一見の価値はありそうだ。



■ブースターの声援が作るホームコートの優位性

この企画について、ベンワー同様NBAでプレーの経験があり、NBAの大スターであるコービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)を息子に持つ東京のジョー・ブライアントヘッドコーチは「有明(コロシアム=東京のホームコート)では実力以上の力が出る。NBAのレイカーズとクリッパーズ(共にロサンゼルスが本拠地)のような戦いにしていきたい」と語り、ダービー第1弾のゲストとして招かれたプロ野球・埼玉西武ライオンズの渡辺久信監督も「ファンの声援は、勇気・元気・パワーになる。埼玉からいろいろなメッセージを発信していきたい」と、ホーム・ファンの重要性を口にする。

グローカル(グローバルとローカルを合わせた造語)&コミュニティを掲げるbjリーグにとって地域密着は欠かせない要素のひとつとなっており、こうした企画はリピーターを生み、新たなファン層を開拓する可能性を持ちあわせている。


■ファンなくしては成立しないプロリーグ

「ファンに関してはbjブースターの方が(JBLよりも)絶対的に勝っている」(浜松・東三河フェニックス・中村和雄)。
「bjリーグとJBLの大きな違いは、地元のブースターを意識し演出なども凝っているところだ。今回の企画(首都圏ダービー)がいい例」(埼玉・ベンワー)と、JBLを経験した両へッドコーチの発言から、プロリーグであるbjリーグのブースターやリーグの方向性が間違っていないことを示している。

ファンを意識し、プロとしてより存在意義を明確に、バスケットボールが持つ潜在能力を広げ続けるbjリーグには、東京と埼玉の他にも新潟アルビレックスBBと富山グラウジーズ、大阪エヴェッサと滋賀レイクスターズ、ライジング福岡と大分ヒートデビルズなど隣接するライバルチームが多く、今後も「首都圏ダービー」のようなブースターを巻き込んだ“グローカル”な企画が、次々と誕生してくるに違いない。

posted by ララ |17:33 | バスケットボール | トラックバック(0)
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