2009年05月30日
今夜もシティフィールドに来ています。
金〜日曜まではメッツ対マーリンズの3連戦です。
今オフに「今季のダークホース」とお勧めしたマーリンズですが、蓋を開けてみたらやっぱりちょっと厳しかったですかねえ。開幕ダッシュ(最初の12戦で11勝)に成功したときは「俺って天才!」と思ったものの(笑)、しかしその後にあっさりと失速して現時点でもう借金5。
ジョンソン&ノラスコ&ボルスタッド&サンチェスの先発ローテだけでワイルドカードくらい奪えるかと思ったのですが、その中でノラスコとサンチェスが救いようのない不調に陥ったのが誤算でした。
あとは全体の層が薄いし、守備も悪い。リーダーとなるはずのハンリー・ラミレスにも様々な意味で成長が見られない(個人的にこの選手は「誰も観る機会がないがために、数字だけで高く評価され過ぎている選手」だと思っています)。
マーリンズは勢いに乗ればまた一時的に一気に勝つ時期は訪れるでしょうが、最終的にプレーオフ争い参入までは難しいでしょう。
ここで僕もまた見る目のなさを露呈してしまいました(汗)。いやはや。
一方、メッツに関しては予告通り「スポーツナビ」にコラムを書きました。
・メッツの故障者ラッシュがもたらした可能性
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/2009/text/200905290001-spnavi.html
また同じくメッツネタでは、現在発売中の「スラッガー」誌7月号にK・ロッドことフランシスコ・ロドリゲスのロングインタヴューが掲載されています。
http://www.sluggernet.com/slugger/slugger.html
ベネズエラ人出身記者の証言によると、K・ロッドは「極度の貧困育ち」であり、「親友が目の前で惨殺」、「両親から無視」といった辛い経験を幾つも味わって来たそうです。
それもあってかラティーノらしからぬ(?)繊細で慎重な性格で、案の定、最初は非常によそよそしく、なかなか長い時間は相手はしてくれませんでした。
それでも何度か数を重ねるうちに、笑顔を見せてくれる機会も徐々に増加。そして確かに必要以上にフレンドリーではないですが、そのかわりに常にどんな質問にも一生懸命に考えて応えてくれる真摯な人物という印象も持ちました。
一方、同じ雑誌用にインタヴューしたCC・サバシア(ヤンキース)の方は、逆に1回目からいきなりサービス精神に溢れる応対。彼に関しては「廻りの人間を喜ばせようと努力する」という評判をききますが、その通りでしたね。
2つのインタヴューは対照的な経過を辿りましたが、2人とも基本的には素晴らしいナイスガイだったために、内容的にも悪くないものになったように思います。そして自分的にも非常に勉強になる機会でもありました。
・・・・・・というわけで、説明が長くなりまして恐縮ですが(笑)、「スラッガー」誌7月号をどうぞよろしく!
posted by daisuke |13:22 |
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2009年05月27日
昨日、今日はシティフィールドにメッツ対ナショナルズ戦の取材に来ています。
新球場で地区王座奪還を目指す今季のメトロポリタンズですが、しかしデルガド、レイエス、チャーチ、コーラ、シュナイダー、ペレスら主力選手が次々とDL入りし、さらにベルトランも今日から3日間は出場不能。
今日の時点でレギュラーで残っているのはなんとライト三塁手、カスティーヨ二塁手だけでという悲惨な状態になっております。
シェフィールド、フェルナンド・タティース、ラモン・マルチネスとか、スタメンに名を連ねているのはもう他チームからは引き取り手が無さそうなベテランばかり。
そうかと思えば、「大事に育てる」と言ってた20歳の新星フェルナンド・マルチネスを慌ててメジャーに上げて来て、今夜はいきなり6番で先発起用。いやはや、フィールドを見渡すと一見まるで春季キャンプ中のゲームのよう。
事情をよく知らず球場に足を運んだカジュアルなファンは、このメンバーを見たらたまげるでしょう。
ただこのメッツの特攻野郎Bチームは、意外にも大健闘中!
敵地フェンウェイ・パークでレッドソックスに2勝1敗と勝ち越し、そしてここ2日間もナショナルズを何とか下し、首位まで0、5ゲーム差の好位置に付けています。
まともなショートストップがいない現状で、よくなんとかなっているもの。ランナーがベースを踏み忘れて負けたと思ったら、直後にファインプレーの連続で勝ったりとか、相変わらず山あり谷あり。
酷い負け方の翌日に最高の勝ち方をしてくれるから、訳知り顔の記者も無闇に批判できない(笑)。このように好不調にまったく脈絡がつかないのが近年のこのチームの特徴でもあります。
ただ少なくとも今は、チャンスを貰った黄昏のベテランと未知数の若手が一生懸命にプレーしていることは間違いありません。
決してスターレベルではないにしても、ハートのある選手たちが僕は好きなので、今のチームを取材するのもそんなに悪くはないです。
そもそも主力選手たちがシーズン中に手を抜くのがメッツの欠点でもあったので、この時期のレギュラー総離脱は長い目で考えたらプラスに働く可能性もあるかも?
詳しくは今週中にスポーツナビでコラムを書きますが(そちらもどうぞよろしく!)、いずれにしても今季もメッツはシーズン終盤まで紆余曲折がありそうですね。
とりあえず最後に待っているのが悲劇でないことを祈りつつ。。。
3年連続で同じことが起こったらなんて、考えるだけで恐ろしいですもんね。
posted by daisuke |12:53 |
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2009年05月25日
ニューヨークに戻って、今日はヤンキース対フィリーズ戦ーーー。
「スポーツコミュニケーションズ」でのコラムで僕が「粘りもプライドもないチーム」と酷評するや否や、その直後から昨日まで11戦10勝と猛然と勝ち始めたヤンキース(笑)。サヨナラ勝ちも頻発と、突然に粘り強さを披露してくれています。
まあ地元でのオリオールズ、ツインズ戦は稼ぎ時と言えばそれまでですが、それでもこれほどのペースで勝てるものではない。接戦での終盤には常に「何か起こるかも」という雰囲気が漂っていて、それは近年、今季序盤にはなかったこと。良いムードと言えるのでしょう。
この分なら今年はワイルドカードは行けるかな。「NYデイリーニューズ」のティム・スミス氏がまた納得できるコラムを書いていたので、ここに引用。基本的に同意見です。
Here is the reality for the Bombers at home. They will feast on weak pitching. But they will go on a crash diet when they go up against elite pitching and stellar hitting at Yankee Stadium. Here is the good news: with the weak teams in the AL, the Yankees could still chalk up 90 wins via that formula this year.
ただ・・・・・・もう何度も書いてますが、本当にこのスタジアムのホームラン過多は困ったもの!
22試合で86発?難クセ付けるようですが、昨日のAロッドの同点弾もライトフライでしょ?
得点の大半がホームランで、ゲームに繊細さみたいなものはゼロ。戦略の機微もナシ。ファミコンの「燃えろ!プロ野球」でも観ているみたいで、面白くも何ともない。
昨日にはペティートがついに不満らしきものを述べていましたが、今後はそんな機会も増えるでしょう。今季はもうしょうがないでしょうが、オフの間に何とかしてくれるんですよね?
そういえば 話題のベストセラー「A・ROD」をボストンから帰還中に読み終わりました。
前回書いたように前半部分はフェアでなかなか良かったのですが、しかし読み進めるうちに著者の論理は破錠していったように感じました。「高校時代も、ヤンキース移籍後も薬物使用してた」「味方バッテリーのサインを相手打者に教えてた」といったネタは確かにセンセーショナルですが、検証部分が弱過ぎ。
もちろん単なるでっちあげだとは思えず、おそらく信用できるソースから得た正しい情報なのだとは思います。ただそのソースがほぼすべて匿名になっているのでは根拠として厳しい。で、足りない部分は著者は推測的断定でカバーしてしまっています。公に名前を出して書けるソースを見つけられなかったのであれば、「言いがかり」と言われても仕方ないのでしょう。
と、今回はヤンキース絡みで徒然なるままに。。。
今週はメッツのシティフィールド、上原投手が予定通り投げればボルチモアなどに行く予定です。
posted by daisuke |04:24 |
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2009年05月23日
昨日、今日とボストンに来ています。
目的の某選手インタヴューは今夜の試合前に済ませ、現在はのんびりとレッドソックス対メッツ戦を観ているところ。松坂投手の復帰戦(vsサンタナ)なのですが、日本人メディアのくせに松坂目当てじゃないのは僕くらいのもんなんでしょうね(笑)。
今日から毎年恒例のインターリーグが開始。
「スケジュールが不公平だ」と交流戦には例年批判も多いですが、特にフェンウェイパークでのレッドソックス戦なんか見ていると確かにそれも納得してしまいますね。以前にも書きましたが、この球場はとにかく慣れている方が圧倒的に有利。
新ヤンキースタジアムは深めのライトフライがすべてホームランになりますが、ここはレフトフライが壁に当たって2塁打になる。投手、外野手がその対処法を知らないともう大変。今夜のメッツがレフトにシェフィールド、センターはジェレミー・リードとアリーグ出身者で左中間を固めたのは賢明な判断に思えます。
それでもシェフィールドはフェンス際の打球処理でまごついたくらい。レッドソックスが地元でのインターリーグ戦ではここ34戦中27勝と圧倒的に強いのも当然に感じますね(もちろんレッドソックスが強力チームだということも大きいですが)。
例えば同じアリーグ東地区でも、レッドソックスやヤンキースと当たるか、それともオリオールズと当たるかの差は大きい。インターリーグで不利なスケジュールを割り当てられて、最終的に僅差でプレーオフを逃したチームは文句も言いたくなるでしょう。
逆に言えば、こんな不公平なスケジュールが何年もずっとまかり通ってしまうアメリカンスポーツの懐の深さはやっぱり凄い。皮肉ではなく。日本だったらあり得ないのでしょう。
あともう1つ、最近のMLBで話題なのがパピー・オルティスの大スランプ。
一昨日にやっと今季1号本塁打を打ちましたが、それでも昨日の時点で打率211、1本塁打。今夜も7回裏の時点で4打数3三振、1併殺打。全盛期と比べてスイングの鈍さ、迫力のなさは顕著に思えます。
ちまたで言われている通り、やはり「不調」ではなく「衰え」なのでは?
今日のジョン・ヘイマン氏(SIウェブ)のコラムでも言及されてましたが、今のオルティスの状況は去年のデルガド(メッツ)に近いように思います。
スイングが鈍ってしまえば、標準以上のスピードの速球に対しては少し早く振り始める(いわゆる「cheat」する)しかない。しかしそれをするとこれまで構築したタイミングが完全に狂い、真っ直ぐだけでなく変化球にも対応できなくなる。
去年後半戦のデルガドの成功は、cheatしたスイングでのタイミングをシーズン中に掴んだこと。アジャストメントの上手さによって、肉体の衰え=振りの鈍りをカバーしたのでした(それでもよくコントロールされたインコースへの速球はやはり大きな弱点となって残っていました)。
強引に例えれば、速球派の投手が年齢を重ねて技巧派に転身するケースに似ているのだと思います。
さて、今季のパピー・オルティスにもそれができるかどうか?
・・・・・・誰にでも成し遂げられることではないのでしょう。まず自分の力の衰えを認めるところからアジャストの作業は始まるわけで、名選手としてのプライドが高かった選手ほど変化は難しい(04〜05年のペドロ・マルチネスの短期間での転身は本当に見事でした。頭の良い彼のことだから、ナリーグへの移籍もアジャストメントの1つだったのではないかと考えます)。
とりあえず今のままでパピーのスイングスピードが回復することはあり得ないはずなので、打順降格などの処置は必要でしょうね。
人心掌握の上手さはジョー・トーリ監督と同等以上のイメージがあるフランコーナ監督の、今後の手綱捌きにも注目です。
posted by daisuke |10:48 |
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2009年05月19日
ご存知のように、セルティックス対マジックの第7戦はマジックの圧勝に終わりました。
マジックがここに来て一皮むけたように好調だったのは事実ですが、それよりもセルティックスのスタミナ切れという印象の方が強かったですね。故障者が続いての層の薄いメンバーで、しかも2シリーズ続けて最終戦にもつれこむ長期戦。第6戦まででピアースは517分、アレンは524分をプレーし、昨日はもう脚力が残っていなかった感じでした。
ピアースも試合後に「Ran out of gas.」とこぼしてましたね。
これまでケビン・ガーネットに関する質問ははねつけていたリバースHCも、さすがに昨日は脱力した表情で、「ケビンとリオン(・ポウ)がいなくなって・・・・・・」という言葉を何度か繰り返していました。
矢折れ刀付き、ついに力尽きた昨季王者。万全に近いメンバーで連覇に挑めなかったのだから悔しいでしょうが、まあそれだけ2年続けて勝つのが難しいということ。あのスパーズでさえ連覇は成し遂げられていないのは決して偶然ではないはずです。
ただ4戦目くらいまでは「退屈だな」とシラケながら見ていたこのシリーズですが、セルティックスが苦境にて一丸となっていくにつれて、傍から見ていて見応えが増して行ったのも事実でした。
プレーオフ第1ラウンドで第7シードのブルズと互角の激戦を続けましたが、あれは「まさかの苦戦」でもなんでもなく、KGが抜けた後のセルティックスはもう下位シードと互角の戦いがやっとのチームだったということ。タレントの総数はとてもコンテンダーレベルに思えず、ロンド、ピアース以外に攻撃の起点になれる選手はいませんでした(レイアレンは使ってもらってナンボの選手なので)。
しかしそんなボロボロのチーム状態の中から、スカラブリンが意外に頑張り、ハウス、デイビスは大舞台でビッグショットを決め、さらにマーブリーまでが貢献(!)。ロールプレーヤーの中から連日誰かがステップアップし、スター級が揃ったマジックを苦しめていく姿はスリリングでした(もちろん何度か書いたようにマジックが底力の無さを露呈したのも事実でしょうけど)。
昨日の記者会見で何人かの記者が「ボストンはoverachieve(出来過ぎ)」という言葉を使っていましたが、確かにその通り。
昨季王者ながら、セルティックスはこのシリーズでは格下チーム。あの手この手で上位を追い詰める「ジャイアント・キリング」の結末として最後はややあっけなかったですが、ただパーキンス、デイビス、ロンドらが今プレーオフで急成長したため、来季以降は少し楽しみですね。元祖ビッグスリーに成長株たちが上手く絡めば、来季にレブロンとの対決が注目されるような位置まで返り咲くことは十分可能ではないでしょうか。
ともあれボストンが負けて、東カンファレンス・ファイナルはクリーブランド対オーランドの対戦に(個人的予想は5戦でキャブス)。
ニューヨークからはちと遠いので、ここの取材はお休みします。
次に出向くのはファイナルーーー。
ナゲッツのPGは大好きなんですが、ここまで来たらやっぱり僕もレブロン対コビーが見たいですね。レブロン対カーメロの同級生対決じゃまだちょっと弱いでしょ。それは来年でも良いし。
いずれにしても、最後に歴史的なシリーズが体験できることを期待しつつ・・・・・・そろそろ目的地をクリーブランドとLAに絞って航空券を予約しておこうかと思ってます。どうか、外れないことを祈っていてください(笑)。
posted by daisuke |10:00 |
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2009年05月17日
今日もヤンキースタジアムに来ています。
しかしこの日はテシェイラがDHに入ったため、松井選手はお休み。そろそろAロッドも守備は休ませるだろうから、松井は明日も出場しないのでは?現在の立場では仕方ないのでしょうが、こういった起用法ではなかなか波には乗れないでしょうねえ。
というわけで(?)、今回はここ最近に見た2本のスポーツ映画について。
フィクション、ノンフィクションの違いはあれ、どちらも極めてリアルな好編でした。
まず以前にも一度言及した珠玉の野球映画「シュガー」(日本語の良いレヴューを見つけました↓)。
http://www.cinemaonline.jp/review/bei/7325.html
ドミニカ共和国の野球少年がアメリカに渡り、文化と生活習慣の違いに戸惑いながらメジャーリーグを目指し、そしてついには挫折して行く物語。
ジャンル的にはスポーツ映画に入るのでしょうが、最終的に主人公シュガーは新しい道に踏み出して行くので、終盤は野球のシーンはほとんど出て来ません。とにかく結末が痛々しいほど現実的。それゆえに陳腐なハリウッド映画とは一線を画す感動的な作品に仕上がっています。
日本人で生活をかけて野球をやる人ってまずいないと思いますが、しかし多くのラティーノにとって、野球とはより良い人生を得るため、家族にお金をもたらすためのほとんど唯一の手段。
この映画を観ていたら、彼らがステロイドを手に取る根拠もなんとなくわかるなあ、とチラリと思ってしまいました。その背後にあるのは、フィリピンに行ったとき、生活のためにわざと負けるボクサーたちに同情してしまったのと同じ理由。
「名誉」や「自己鍛錬」を追い求める日本人とはスポーツに対する考え方が根本的に違う(もちろんラティーノにも日本人と同じものを探求する人もいるでしょうが、「大多数の」という意味です)。だからといって薬物や八百長を肯定するつもりなんぞさらさらないですが、ただそういう世界もあるというのを理解しておくことは大事なんじゃないかと思います。
個人的に、アメリカに来て学んだ最も貴重なことは、「自分自身にとっての常識」は、必ずしも「世界中の常識」ではないんだということ。スポーツに関してももちろんそれは同じですよね。
個人的に「シュガー」は今年のベスト(って言うほどの数を観ちゃいないですが(笑))。
この映画は野球好きな人なら絶対に気に入ることは間違いないし、「バベル」と一緒でカルチャーギャップの描き方も上手いので、スポーツファンでなくとも外国で暮らす人ならみんな楽しめると思います。
日本で公開されるんですかねえ?して欲しいなあ・・・・・・。
もう1本は、ご存知マイク・タイソンのドキュメンタリー映画「TYSON」。
http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2390535/2922360
元ヘビー級王者の波瀾万丈のキャリアが映像で振り返られていくのですが、凡庸なドキュメンタリーと違うのは、その合間に膨大な量のタイソン本人のインタヴューが挟み込まれていること。
このフィルムの監督さんとタイソンは親しい友人だそうで。だからこそ可能になったのであろう「恐怖」に関する赤裸々なコメントが、元史上最凶の男の口から語られて行きます。
「(試合前は)怖い、本当に怖い。怖くてたまらないんだ」
この映画のテーマは、紛れもなく「恐怖」。
タイソンが人生で心から信頼したのは、唯一、トレーナーであり、父親替わりでもあった老カス・ダマト氏のみ。あとの人間はすべて略奪者、彼を利用しようとする者たちだったということをタイソンは執拗なほど強調しています。
そしてダマトが亡くなった後、彼の転落は始まり・・・・・・というのはすでに有名な話ですね。
とにかくすべてタイソン側から見てのみの視点なので、やや不公平な内容にも感じられます。周囲の人間にも話を聴いて作ったら、かなり違った雰囲気になったのでしょう。
ただその一方で、監督側にタイソンを擁護しようなどという姿勢も感じられず、ひたすら突き放して喋らせたように見えた点に好感が持てたのも事実です。
1人の人間がこれほど正直に「恐怖」を語り尽くしたという点で、公平ではなくとも、稀に見るほどリアルな映画。生身のタイソンが鮮明な形で見れたのだから、90分(上映時間)を費やす価値は十分すぎるほどあったと思います。
・・・・・・といった感じで、久々に自分勝手な映画論でした。
今夜にはコービー・ブライアントのドキュメンタリー(スパイク・リー監督)もESPNで初オンエアされるようで、そちらも楽しみですね。
posted by daisuke |03:37 |
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2009年05月16日
現在はヤンキースタジアムでヤンキース対ツインズを取材中です。
今夜の注目は何と言ってもAロッドの本拠地帰還ーーー。
注目された地元ファンの反応は・・・・・・第1打席は盛大な拍手で迎えられましたが、第2打席に満塁のチャンスで三振すると、大ブーイング。やっぱりね(笑)。
ステロイド使ってようがなんだろうが、実は関係なし。打てばオベーションで、打てなきゃブーイング。それがメジャーリーグ。
さて、最近は長距離移動の最中なんかに話題のベストセラー「AーROD」を読んでいます。
「暴露本」なんて喧伝されていましたが、実際に読み進めていると、意外にまっとうなバイオグラフィー(もちろんゴシップ的な部分も少なからずありますが)。アレックス・ロドリゲスの誕生から少年期まで遡り、基本的には公平な視点で丹念に語られています。
溺愛してくれた父親に10歳時に去られるくだりなんて、むしろAロッドに同情的な描写ですらありました(まあまだ全部読み終わったわけではないので、最後まで進めばまた僕の意見も変わるかもしれませんが)。
ジョー・トーリの「ヤンキーイヤーズ」のときもそうでしたが、センセーショナルな箇所だけを抜き出して騒ぎ立てるのは(自分も含めて)メディアの良くないところですね。
特に「ヤンキーイヤーズ」なんて、この10数年のヤンキースを眺めて来たファンにはたまらない本格派野球本だったのに、一般的には「Aフラッド」とか「パバーノは嫌われ者」とかの部分ばかり記憶されてしまっているのでしょう。
「AーROD」に話を戻すと、この本の著者のセリーナ・ロバーツ氏は、ロドリゲスのステロイド使用に関しては以下のように結論づけています。
「自己安定の術、プレッシャーへの対処法を知らないAロッドは、精神カウンセラーや宗教(カバラ)にはまるのと同じ理由で、禁止薬物にも手を染めてしまった」
誰でも自身の情緒を安定させるために何らかの術を持っているものですが、(父に見捨てられた記憶ゆえに)人並みはずれて不安定なAロッドにはそれが常に誰よりも多く必要で、そのうちの1つがステロイドだった。薬物は筋肉増強剤であり、精神安定剤でもあった?実際にステロイドには気を強くする作用もあるそうですし。
・・・・・・もっともすべては本の中の情報、著者の意見なので、すべてを盲信するのは危険でもあります。
だから分かったようなことをいうつもりはないですが、しかしとりあえず1人の人間のAロッドに対する考察、取材の末の結論としては興味深いものではありました。
あくまで個人的にですが、この本を読みながら、少しAロッドにシンパシーを感じ始めてしまいましたね。愛情を込めて、それでいて必要に応じて厳しくもしてくれる家族の中で育つことができた自分は、本当に幸運だったな、と。
posted by daisuke |14:24 |
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2009年05月15日
ちょっと間があいてしまいました。
ここしばらくは相変わらずブロンクス(ヤンキース)、クイーンズ(メッツ)、ボルチモア(オリオールズ)、ボストン(セルティックス)を巡回。その間におかげさまで原稿&インタヴューが山ほどあり、とても楽しいけど大変な企画もあって、軽くばて気味。
フリーランスの醍醐味(笑)・高速バス移動も余り続くと疲れる。2,3日はニューヨークでゆっくりしたいっすね。
さて、最近のヤンキースに関しては「スポーツコミュニケーションズ」に後ほどコラムがアップされるはずなので、そちらをどうぞよろしく。いや、でもかなり厳しくバッシングなので、ヤンクスファンの方はあまり読まないでください(笑)。
あと事後報告ですが、5月11日朝にベイFMの「パワーベイモーニング」に10分間ほど出演致しました。
開幕直後に次いで2度目で、主に東海岸の日本人メジャーリーガーのこと、ヤンキースのことなどについてペラペラと喋っております。また出させて頂くかもしれないので、どうぞよろしく。
で、今日は原稿だけで取材がない日ーーー。
夕方にジムに行って「パンチングバッグはいつ元に戻るの?」とGMのケイト嬢の訊いたら、「そこにあるから吊るして使っていいわよ」と。そして結局は脚立にのっかって、重たいバッグを天井からぶらさげるのを手伝わされてしまった。
いやー金払っている客に器具の設備をやらせるとは、さすがアメリカ。自由の国(?)。「だってアンタが使うんだから」と。やたらに丁寧な日本のスポーツジムじゃ考えられないですねえ。
まあおかげで久々にフルパワーでバッグが叩けたから、良かったんですがね。。。
そして帰ってセルティックス対マジック第7戦をチェックしたら・・・・・・
マジックが競り勝って3勝3敗、決着はまたも第7戦へ!
しかし見ていてどうにも熱くなれないのがこのシリーズ。
第1ラウンドのブルズ戦と違い、男同士が力一杯打ち合っている感じがないので、接戦になってもそこまでエキサイトできない。 もうどう見てもボロボロのセルティックスはちょっと押せば倒れそうなのに、それすらも持てましてしまうマジック、という印象です。
バンガンディHCとハワードの舌戦もどっちもどっち(確かに終盤戦ではセンターを使わな過ぎだけど、ただハワードの攻撃の持ち技があそこまで乏しければクランチタイムにボールを渡したくないのも理解できますね)。第5戦のマーブリー復活はなぜかとっても嬉しかったですが、興奮した見せ場はあとはビッグベイビイのブザービーターくらい。
タレントの数ではパウンド・フォー・パウンドでキャブス以上に思えるマジックですが、ドアマットチームでも出番がなさそうな選手が長時間プレーしている今のセルティックスに気迫で押されっぱなし。最終Qはコーチ&選手ともにインスピレーションが枯渇するみたいなので、敵地での第7戦は厳しいでしょうか。しかし未だにこれはマジックが勝たなかきゃいけないシリーズのような気がしてならないのですがね。
ま、いずれにしても東ファイナルはセルティックスが進めば4戦で、マジックだったら5戦でキャブスの圧勝でしょう。
となんだかんだ文句言いつつ、日曜の第7戦はボストンまで取材に行く気満々なんですが。。。
やっぱり第7戦の雰囲気は独特でイイですからね。
===============================
ウェブ上のコラム
「スポーツナビ」
・上原、松井封じるも逃げた3勝目
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/2009/text/200905110001-spnavi.html
「スポーツコミュニケーションズ」
・コービー対レブロン実現へのカウントダウン
・デラホーヤ後の世界ボクシング界
http://www.ninomiyasports.com/sc/modules/bulletin/index.php?storytopic=43&tmid=53
「スポーツアイESPN」
・ファーブが今度はバイキングスで復帰か
・ドラフト全体1位スタッフォードの未来
・ベアーズに移籍したカトラーが背負うもの
http://www.jsports.co.jp/mobile/index.html??
「ダンクシュート」誌 取材ブログ(だいたい2週間に1度更新)
http://kmaga.jp/dunk/
※会員登録しないとブログは読めません。
posted by daisuke |12:58 |
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2009年05月06日
昨日、一昨日はヤンキースタジアムでレッドソックスとのライバル対決を取材してました。
しかし雨にたたられたためもあり、2日ともスタンドは空席だらけ。「中止決定と係員に嘘をつかれて一旦は帰ろうとしたファンが、再入場を断られ激怒」なんてどたばた劇もあったみたいです。
まあ新しいハコは慣れるまで手違いが生じるのは仕方ないのでしょう。ただチケットの値段にしろ、再入場ポリシーにしろ、ヤンキースタジアムの場合はお高くすることで価値を上げようとして、それが裏目に出ている感がありあり。僕たち人間も同じことを犯してしまいがちですが、偉そうにするよりフレンドリーな方が結局は絶対に得するものなんですよね。
さて、昨日はジャバ・チェンバレンが初回の打者4人までで4点を失い、その後に12奪三振を奪う極端なパフォーマンス。またブルペンが崩れてヤンキースはライバル対決に5連敗を喫したため、これでジャバ・ブルペン転向話が再燃するのでしょうか?
短絡的に見れば、現時点ではチェンバレンは後ろで使った方がベターなのでしょう。
5日にいちど6イニングまで投げるより、毎日出てくる可能性がある方が敵側には嫌なはず。その気になればジャバ&マリアーノ・リベラに3イニングを任せられるわけで、「6回までにリードを奪わねば」という強烈なプレッシャーを常に相手チームに与えることになる。
特に今季の場合、ヤンキースブルペンはほとんど崩壊状態なわけだし。
それにこれもあくまで「現時点では」の話ですが、基本的に真っ直ぐ&スライダーで押すタイプのチェンバレンは、リリーフの方が向いているようにも思います。
彼のベストピッチはボールゾーンに曲がり落ちるスライダーだと思うのですが、先発した場合にはそれも見られてしまう可能性が高まる(相手が慣れる&必然的に真っ直ぐの球速が落ちるため)。よって球数が増えて、長いイニング投げられない・・・・・・
また勝負所でのアドレナリンの吹き出し方を見ても、彼は性格的にもどちらかと言えばリリーバータイプに見えます。先発したときはまだエネルギーの効果的な分散の仕方が分からず、戸惑っているみたいな印象を受けますね。
しかしヤンキース首脳陣がチェンバレンのキャリアを長い目でみて考えて、先発で育てようとしているのであれば、それは正しい方向性なのでしょう。
リベラやホフマンみたいな長寿は一部の例外で、たいていのクローザーは太く短くキャリアを終えてしまう。年俸もリリーフは基本的に安く抑えられる。
ブルペンで5年程度で完全燃焼させてしまうより、10年以上に渡って活躍させてあげて、稼がせてあげたい。それがもちろんチームのためにもなる。類い稀な才能に恵まれた選手であればこそ、周囲がそう考えるのは理解できます。
ただ、仮定の話ですが、先発ではせいぜいローテ内で3番手程度の力だということがもしも今後に証明されてしまったとしたら?ブルペンでは支配的な力をすでに誇示した後でも、エースレベルではない先発の役目を続けさせるのかどうか・・・・・・?
今季は王健民が戻って来て、ヒューズにメドが立てば、優勝争いの激化する後半戦にブルペン転向?ただ毎年そんな使い方をするわけにもいかないだろうし。
ジーターのポジションと、ジャバの使い道の問題は、ヤンキースに今後しばらく付きまとうクエスチョンとなるのでしょう。決断するのはジラルディか、あるいは次の監督か?
しかし本当のところ、ジャバ本人はどう思っているんですかねえ。廻りに気を遣ってるだけで、本当はパベルボンと同じで、全開に湧き出るアドレナリンを楽しめるリリーフ役を恋しがっていたりして。。。
posted by daisuke |12:44 |
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