2008年01月30日

WOW! WOW!! ~サンタナがメッツ移籍へ

20080130-00.JPG

 今季のMLBにとって計り知れないほど重要な意味を持つであろ
うトレードが、今夜成立に近づきました。
 
 ヨハン・サンタナがNYへ。
 球界最高の左腕がメッツの新エースに就任ーーー。
 
 エース不在以外は取り立てて穴が無かったメッツが、メジャー最
高級の投手を得るのです。昨季の歴史的崩壊劇のショックはこの一
発のトレードで払拭されるでしょう。

 さらに、圧倒的に投高打低のナリーグへの移籍であること、メッ
ツの本拠地が投手有利であること、サンタナが29歳とまだ若い投
手であること、地区最大の難敵フィリーズの看板2人(ハワード&
アトリー)が左打者であること、レギュラー放出はゼロと出血が予
想外に少なく済んだこと・・・・・・などこのトレードが成功であ
る理由を語っていったらキリがない。

 このまま移籍がまとまれば、メッツの来季の先発ローテーション
は以下のようになります。
 1、サンタナ
 2、ペドロ
 3、メイン
 4、ペレス
 5、エル・デューケ

 ・・・・・・もうはっきり言い切ってしまって良いでしょう。ナ
リーグの勢力地図はこのトレードで完全に変わります。これでメッ
ツが今季のワールドシリーズ進出最有力候補です。


 それにしても、当初はレイエスを要求しながら、ツインズ側はよ
くゴメス&グエラ&ハンバー&マルベイで手を打ったもの。
 獲ろうと思えばいつでも獲れたのに最後まで本腰を入れなかった
ヤンキースに、メッツファンは今回ばかりは感謝しなければいけま
せんね。

 個人的には未だにヤンキースは獲得に行くべきだったと思うけど、
しかし最後にはヒューズ保持に転じたこともまあ理解できます。
 ヒューズはサンタナ級に到達する可能性がある(昨季のケガの影
響が無ければ僕は依然チェンバレンよりヒューズの方が上の素材だ
と思っています)。「現在」よりも「未来」に賭けた。正直今季の
優勝争いは厳しいと思いますが、しかし長い目で見た時には決して
悪いギャンブルではない。


 長い交渉を振り返って・・・・・・最大の勝者はもちろんメッツ。
ヤンキースもレッドソックスも、宿敵に大エースが渡らなかったと
いう意味では万々歳。どちらも勝者かもしれません。
 
 残るツインズには、厳しい評価をせざるをえないでしょう。
 ヒューズかエルスベリーを獲れる位置にいながら、欲張り過ぎて
絶好機を逃したという点で、現時点では交渉失敗の感がプンプン。
もしもゴメスかグエラが評判通りにブレイクしてくれれば、数年後
に一転して勝者として認知される可能性があるとは思いますが。。。


 とにかく実は(?)メッツファンの僕にとっても、これで今季開
幕が非常に楽しみになりました。
 新球場の開場を来年に控え、このトレードはフランチャイズ史上
に残る成功ディールになるかもしれません。繰り返しますが、様々
な意味で本当に信じられないほど大きい移籍劇。
 粘り強く話をまとめたオマー・ミナヤGM、快哉也!

 あとメッツに残る課題は、ブルペンを数枚厚くするのみ。それが
首尾よく成された時には・・・・・・今季はブロードウェイに久々
に紙吹雪が舞うかも? 
  


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posted by daisuke |14:50 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2008年01月28日

ブルックリンで暮らすこと ~映画「ORTHODOX STANCE」より

20080128-01.JPG 


 今日は「ORTHODOX STANCE」という映画を見て来ました。
 ロシア出身で現在ブルックリン在住のボクサー、ディミトリー・サリタの
プロキャリアを追ったドキュメンタリーです。

 ブルックリンのアスリートのフィルムというと、NBA選手セバスチャン・テ
ルフェアの「Through The Fire」、先日紹介したボクシング世界王者ポーリー
・マリナジの「Magic Man」が印象深いところ。
 テルフェアは極貧生活からの脱出、マリナジはイタリア移民としての苦闘がス
ポーツでの活躍の影で描かれておりました。

 とにかく世界中の人間が集まって暮らしているブルックリンには、本当に様々
な悲喜こもごもが詰まっている。そこで暮らす人々はエキゾチックで生活自体も
劇的(良い意味でも悪い意味でも)であることが多いので、映画も作られ易いの
かもしれませんね。

 今回の「ORTHODOX STANCE」の場合、主人公サリタが敬虔なユダヤ教徒で
ある点がポイントでした。
 ロシア移民の多いNYで名を挙げたいと願いながらも、宗教上の理由で土曜の
夕刻に試合ができない微妙な状況の中でサリタはキャリアを重ねることを余儀な
くされます。その他、契約問題やトレーナーとの関係でも苦しみながら、それで
もついにマンハッタンで初のタイトル戦を迎え・・・・・・

 このサリタは現在も無敗を守っているJウエルター級コンテンダー。マリナジ
らと共にデラホーヤの次戦の相手候補にも名前が挙がっています(最近の試合の
出来が悪いのでおそらく実現しないでしょうが)。
 実力派ボクサーの丹念なドキュメンタリーなので、ボクシングファンにはなか
なか興味深いフィルムかと。

 また、NYの錯綜した文化の一端が覗けるという意味で、スポーツ好き以外に
も楽しめる内容だと思います。
 ロシア、ブルックリン、ボクシング、ユダヤ教・・・・・・一件無縁に見える
これらのキーワードが少しずつ絡み合う図がスリリング。この脈絡のないごちゃ
混ぜ感こそが、NYの最大の魅力かもしれないですもんね。


「ORTHODOX STANCE」公式ウェブサイト
http://www.orthodoxstance.com/


 [ 生まれて初めてニューヨークに行ったとき、いろんな少数民族の居住区があって、同じ人種がお互いの面倒を見合っているのを目にして、ひどく興奮したのを今でも覚えてるから。ぼくはいつも独りだって気がしてる。人生の焦点が見つかるまでは、独りで漂流しつづけるんだ。車の運転が大好きなのも、そのせいかもしれないな ]
        (ブラッド・ピット 「Cut No.111」)


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 ウェブ上のコラム


「スポーツコミュニケーションズ」
・2008年NFLプレーオフを占う
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/index.php?storytopic=100


「スポーツアイ・ESPN」
・ジャイアンツ奇跡のスーパーボウル制覇なるか
・「輪」の力で健闘を続けるウィザーズ
・三塁手同士の大型トレードで特をするのは?
http://www.jsports.co.jp/mobile/index.html??


「ダンクシュート」誌 取材ブログ(だいたい2週間に1度更新)
 http://kmaga.jp/dunk/
※会員登録しないとブログは読めません。  


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2008年01月26日

Italian Stallion ~ポーリー・マリナジ(IBF世界Jウエルター級王者)独占インタヴュー

ポーリー・マリナジ
IBF世界Jウエルター級王者 24勝(5KO)1敗
イタリア出身 ニューヨーク・ブルックリン在住

20080126-00.jpg

――まず1月5日の初防衛戦の話から始めたい。君にとって必ずしもベストファイ
ト(3-0ながら内容的には際どい判定勝ち)ではなかったと思う。挑戦者ハーマ
ン・エングージョの粘り強いアタックに苦戦したね。

PM:タフファイトだったよ。僕が戦前に予想していたよりも遥かに難しいファイ
トで、勝利のために非常に多くのエネルギーを費やすことになった。エングージョ
を少し甘く見ていた部分があったのかもしれないね。正直言って、彼は僕が脅威を
感じるような相手には思えなかったのに、蓋を開けてみればあんな内容になってし
まった。フィジカル面のコンディション調整にはまったく問題が無かったんだけど、
メンタルの準備が出来ていなかったと言えるかもしれない。

――それでは苦戦の最大の原因は、得意のジャブが機能しなかったことよりもメン
タル面?

PM:あの日の僕の心はリング以外の場所、エングージョ以外の部分に向いていた
んだ。良い試合ができなかったことに言い訳はしたくないけどね。ただ結果的にそ
んな状態でも文句無い形で勝てたことで、地力の証明はできたと思う。これから先
はリング上では常に最高のポーリー・マリナジを見せられるようにしないといけな
い。

――試合に集中できなかったことに同情の余地はあると思う。あの日の以前から君
の周囲にはすでに次のビッグマッチの話ばかりが飛び交っていたからね。今はオス
カー・デラホーヤとの対戦の噂が囁かれているけど・・・・・・

PM:僕の陣営も交渉に加わっていたのは事実だけど、デラホーヤ戦は実現しない
と思うよ。デラホーヤは5月にはスティーブ・フォーブスと戦うことになるだろう。
僕は代わりにリッキー・ハットン戦に向かう予定なんだ。その前にまず1試合を挟
んで、秋にいよいよハットンと対戦だ。

――対戦候補に名前が挙がっている2人について話して欲しい。今回は流れても、
デラホーヤとの対決の可能性が完全消滅したわけではない。もしも実現したらどう
戦うつもり?体格に勝るデラホーヤはアウトボクサーの君には戦い辛い相手かもし
れないけど?

PM:フロイド・メイウェザーがやったのと同じ方法でいくつもりだよ。中間距離
でのテクニック合戦でかわしきる。サイズのことはよく言われるけど、コンディシ
ョンを整えたときの僕にジャブの突き合いで勝てる選手がそれほどたくさんいると
は思えない。特にもう全盛を過ぎたデラホーヤじゃ、ポーリー・マリナジは倒せな
いよ。それが分かっているから、デラホーヤはスティーブ・フォーブスを相手に選
んだんだろ?

――同じ質問で、今度はリッキー・ハットンについて。名トレーナーのエマニュエ
ル・スチュワートはハットン相手なら君が有利だと予想しているね。

PM:ハットンは揉み合いが好きなダーティファイターだ。あいつはボクサーとい
うよりレスラーだよ。そもそもボクシングじゃなくレスリングをやるべきなんだ。
なんでボクサーになったのか知らないけど、選択ミスだな。頭の良いボクサーなら
ハットンには勝てるし、僕はその中の1人。このカードは年内にほぼ間違いなく実
現するから、僕に何が出来るか目に物を見せてやるよ。

――デラホーヤ、ハットン以外に、いま気になっている相手、今後に戦ってみたい
相手は?

PM:最終的にはやはりミゲール・コットだ。唯一の黒星を喫した相手だから、再
戦は必ず実現させたいね。ただ、いまは余り先のことは考え過ぎずに、一戦一戦を
大事にしていきたいと思っている。まずは次の試合、その後にハットン。それから
先のことはまたそこでゆっくり考えたい。

――コットとのタイトルマッチをフィーチャーしたドキュメンタリー映画「マジッ
クマン」は上質な作品だった。特に幼少期にイタリアからニューヨークに移住した
当時のエピソードも描いていたから、移民の多いニューヨークでは大きな話題を呼
んだ。あの映画で描かれたように、アメリカで人種差別や苦難を乗り越えて世界王
者になった君の中には、現在苦しんでいる移民たちにメッセージを送っているとい
う気持ちもあるのな?

PM:何かを成し遂げたいと心に決めたら、誰に何を言われようとそれに向かって
欲しい。僕の経歴を見て、そう感じてくれたら嬉しいね。何をやろうと「そんなの
は無理だよ」と言い出す奴が必ず出てくる。特に母国から離れて、環境の違う場所
で、言葉も満足に話せないのであればなおさらだ。だけど、できるかできないかを
決めるのは周囲の奴らじゃない。自分自身なんだ。「できない」と言われても、僕
は「やるんだ」と言い続けた。そしてついにやり遂げた。僕は間違ってはいなかっ
たんだ。これから先も自分自身を信じ続けて生きていくつもりだし、そんな姿をフ
ァンにも見て貰いたいな。

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posted by daisuke |07:21 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月25日

NYゴールデングローブ大会が開幕!

20080125-00.JPG

 今夜よりNYゴールデングローブ大会が開幕!

 アマチュアボクシングの最高峰と言われるこの大会は、これから
約3ヶ月間かけてNY各地を転戦し、4月にマジソンスクウェア・
ガーデンで決勝戦を迎えます。

 記念すべき開幕戦の今夜は、史上初めてタイムズスクウェアのラ
イブハウス「BB・キング・クラブ」での開催。
 場内は異常な大入りでした。そしてリングサイドにはマーク・ブ
リーランド、エミール・グリフィス、ポーリー・マリナジ、アイラ
ン・バークレー(写真下)といったこの大会の卒業生が終結。
 NY出身の世界チャンピオンは、まず例外無くゴールデングロー
ブの王者にもなってますからねえ。

 また、この日はジョー・フレージャー、ジェイク・ラモッタ(!)
らの豪華ゲストも出席し、さらに元MLBスーパースターのロベル
ト・アロマーまで(見事にブーイングされてましたが(笑))。
 いやいや、近年稀に見るほどの凄い盛り上がりでした。

 今年のこの大会は選手のエントリー数も70年代以来最高とのこ
と。しばらく不況と言われ続けて来たボクシング界ですが、プロの
リングで好カードが続出した昨年後半以降、確実に熱気を取り戻し
ている感があります。
 この間のロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダード戦もPPVの
売り上げはかなりのものだったらしいし。

 この勢いで、今年の大会でも数々の名勝負が生まれて欲しいもの。
ここで活躍した選手の名前を覚えておいて、しばらくしてプロで台
頭して来てくれると、結構嬉しいものなんですよね。


 あと、今夜はIBFジュニアウエルター級王者のポーリー・マリ
ナジ(元NYゴールデングローブ2年連続覇者)に、久々にちょっ
と長めのインタヴューを敢行しました。
 現在はデラホーヤ、リッキー・ハットンとの対戦の可能性が囁か
れるポーリーですが、それらの噂の真相は・・・・・・明日にでも
このページでアップするので、お楽しみに。。。  

20080125-01.JPG


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posted by daisuke |15:44 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年01月24日

自分が重要に思えること ~76ers対ピストンズ戦

 今夜はフィラデルフィアまで取材に行ってました。

 アイバーソン移籍以来すっかりアリーナに閑古鳥が鳴くようにな
ってしまった76ers戦。今夜も2階席は寂しかったです。

 オールアラウンダーのアンドレ・イグダーラも頑張ってますが、
看板としては厳しい。やっぱり彼はロビン、ピッペン、ペティート
タイプですよね(エースよりNO、2が適任ってことです)。


 さてこの日の取材の成果は別でまとめるとして・・・・・・
 移動の最中はずっと、ここしばらく溜まっていた「ESPNマガ
ジン」を読んでました。
 
 ウェブの会員になったおかげで毎号送られてくるのですが、忙し
くなるとなかなか読み切れない。ただ数ヶ月前のものだったとして
も、構成、コメントに味があるので、それぞれの記事が未だに読み
応え十分なのがこの雑誌の素晴らしいところ。
 僕もそんな風に、すぐに賞味期限切れにはならない文章を書ける
ようになっていきたいものです。


 以下、今日読んでて特に印象に残ったquoetsーーー。
 
 D・ウェイドが言うような「自分が重要に思える時間」を持って
いるかどうかって、人間には大事ですよね。それがあれば自信が持
てる。他の時間には肩肘張らないで済むようにもなる。

 あと、どの女性が自分には正しいのか、B・シモンズさんのよう
に分かり易い基準があれば良いのだろうな、と(笑)。


[ Basketball is more than sport to me. It's my way out. My best friend. I get feeling when I'm on the court, like I'm another person. I don't feel like Dwyane Wade. I feel like I matter. ]
  (ドウェイン・ウェイド 「ESPNマガジン」より)

[ There wasn't a more predictable local bar; The same people were there every night, the same bartenders worked the same shifts, and the guy-to-girl ratio never dropped below 5:1. You walked out of these reeking of smoke and booze even if you were sober and not smoking. Anytime I liked a girl, I took her to Sully's Bar. If she didn't like it or made a sarcastic comment like "I thought we were going to somewhere fun," she was a goner. ]
  (ビル・シモンズ 「ESPNマガジン」より)
20080124-00.JPG


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posted by daisuke |18:06 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月21日

No One ~ロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダード

 Lヘビー級12回戦
 ロイ・ジョーンズ 判定 ティト・トリニダード


20080121-00.JPG
 
 あえてティトの距離で戦ったかのようだった最初2Rのロ
イには少し驚かされました。事前の言葉通り本当に正面から
やり合うのかな、と。

 ただそれ以外はすべて予想されていた通りの内容、展開、
結末でしたね。ティトの序盤の積極性も、ロイがすぐに距離
を掴むことも、ティトがフラッシュダウンを喫することも、
その気になればいつでも倒せるロイがそれでも詰めにいかな
いことも。

 7Rのダウンのダメージで、ティトのパンチのキレは完全
に消失。あれでは例え良いタイミングで当たっても効かせら
れないし、もう万が一の勝ち目もない。僕がティトにポイン
トを振ったのは最初の2Rだけでした。

 攻め手もなく痛めつけられるだけの7R以降は見ているのが
辛かった。希望がない中でのジリ貧の流れには、かつて横浜ア
リーナで観たサラゴサ対辰吉1を思い出させられました。


 ただ、試合後の記者会見(写真)で、ティトはそれでも晴れ
やかな笑顔で「プエルトリコ!」と叫んだ。 
 結局・・・・・・彼はこの瞬間が再び味わいたかったのでし
ょう。
 
 過去最重量でありながら体重調整に苦しんだことから見ても、
今回のティトが心身共に戦闘態勢でなかったことは明白。リン
グ上でも闘気のオーラが消えていて、全盛期から見れば抜け殻
のようでした。
 
 ただ彼は、愛してくれるファンの声援にもう一度リングから
手を振って応えたかった。ティト本人もファンも、その時間が
忘れられなかった。そしてそれを得るため、与えるために、お
そらくは「もう1戦」を決めたのでしょう。
 「ファンの声援が僕に再起を決意させた」
 実際に試合前の会見で彼は何度もそう語っていました。
 
 それはそれで良かったのだろうと思います。
 ティトはそんな試合をマジソンスクウェア・ガーデンで行な
うことが許される数少ないボクサー。ファンが望んでいるなら
ビジネス的にも成立する。誰にも文句はないでしょう。僕も文
句はないです。この1試合で終わりにしてくれさえすれば。

 
 今夜の試合の第8R、前のラウンドのダメージが明らかに残
るティトを見て、「クリンチしろ!」と僕は心の中で叫んだ。
しかし彼はそれでもファイティングポーズを取り、中間距離で
パンチを降り続けた。

 クリンチのやり方すら知らないまま、ティトは15年以上に
も及ぶキャリアを終えようとしています。そんなボクサーって
他にいるのかな?
 
 完璧な選手ではありませんでした。階級を上げてからは、デ
ィフェンスの良い相手に対する適応能力の無さが暴露されてし
まいました。

 だけど彼は「パンチ力」と「ハート」を持っていた。どんな
名トレーナーにも絶対に教えられないものを、誰よりもたくさ
ん持っていたのです。
 マジソンスクウェア・ガーデンで3度もティトの試合を取材
できたことは名誉でした。

 さらばティト・トリニダード。
 テロ事件直後の2001年9月29日ーーー。ティトの存在
感でNYに久々に明かりが灯ったあの夜を僕は生涯忘れること
はないでしょう。



[ 強いボクサーはね、ゴングが鳴ってリングの中央に歩み出ると、そのまわりに虹が見えるんだ。ジェス・ウィラードと戦ったときのジャック・デンプシーがそうだったな ]       
   (カス・ダマト)  

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posted by daisuke |06:37 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2008年01月19日

小さな願い  ~ロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダード直前予想

20080119-00.JPG

 今日は昼からロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダード戦の公
開計量ーーー。

 最近のウェイト・インは一般ファンに公開されることが多く、
今回もそうでした。例によって、プエルトリカンのファンが入り
乱れて大騒ぎし、現場はしっちゃかめっちゃか。いやはや。。。

 さて、この試合の僕の最終予想は・・・・・・別でも書いたよ
うに、これまでずっとロイが距離をとっての大差判定勝利だと思
ってました。KOがあるとしたら、遠くからのジャンピング・レ
フトフックでティトがダメージを負った時くらいではないか、と。

 ただこの前の会見で、ロイは「打ち合いに臨んで中盤までにK
Oする」と何度も繰り返しておりました。
 本当かね?ロイのことだから信用はできないし、ティトにチャ
ンスを与えるだけでしょ?

 でもかつてのスーパーマンも商品価値がどん底になった今なら、
派手なKO狙いも確かにメイク・センスする。そうなったら、内
容も結末も衝撃的になる可能性が出て来ます。

 まあそれでも僕は「大差判定でロイ」の予想は変えませんがね。
外れて欲しいけど、長年続けた「慎重さ」はもうロイの心身に染
み付いていることでしょう。

 一方、ティトの勝ちパターンは・・・・・・ちょっと思い浮か
びませんなあ。それがさほど残念ではないところが悲しい。

 今日の計量で配られた資料を見ていたら、ティトの初戴冠(I
BF・Jウエルター級王者)は僕が高校3年生だった1993年
の夏だったと気付いた。
 WOWOWの放送でモーリス・ブロッカーを鮮烈KOしたその
試合を見て、「世界にはこんな魅力的なボクサーがいるのか!」
と驚愕したのがついこの間のことのように感じられますが。
 しかしあれから、もう15年!!
 これが最後なんでしょうか。いや、そうして欲しい。
 
 明日は最高15000ドル(信じられます?)のチケットが少
しでも多く売れて、いつものように盛大な「ティト」コールがM
SGに巻き起こりますように。
 このイベントに関しては、それだけが僕の小さな願いですーーー。


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posted by daisuke |17:14 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月16日

simple life ~ロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダード直前記者会見より

20080116-00.JPG
 今日はマジソンスクウェア・ガーデンにて、昼・ボクシングの記者会見、夜・
ニックス戦取材の2本立てでした。


 まずはロイ・ジョーンズ対ティト・トリニダードの最終記者会見。
 この試合、いつのまにかもう今週末なんですねえ。会見では試合前のやつれで
ラシード・ウォーレスみたいになってたロイ(写真(笑))、相変わらず笑顔一
杯のティト、と対照的でした。

 トリニダードは僕にとって学生時代~ボクサー時代にかけて長くアイドルだっ
た選手。
 ロイ・ジョーンズ(の全盛期)は僕がこれまでリアルタイムで見て来た中で恐
らく最強のボクサー(一発のパンチ力がある分、フロイド・メイウェザーよりも
上とします)。

 そんな思い入れのある2人の対決なのに、胸はまだまったくときめかない・・・・・・・
 その理由についてはもう何度もいろいろなところで書いて来たのでここでは繰
り返しませんが。しかし地元でも識者の間では「エキジビション色すらあるカー
ド」とか言われてますね。

 結末が戦慄的KOになる可能性も十分なので僕はそうまでは言いませんが、た
だやはり「ビッグファイト」というより「ビッグイベント」と言った感じは否め
ません。セミに登場がアンドリュー・ゴロタというのも色物興行感を煽るし(笑)。

 まあ当日、ティトのいつもの華やかなMSGリングインを見れば、嫌がおうに
もドキドキするのかもしれませんけどね。
 決して忘れられないテロ直後のホプキンス戦とか、まるでアリーナに電気が走
ったみたいだったマヨルガ戦とか、懐かしいな。どうかそんな思い出が曇るよう
な内容、結末にだけなりませんようにーーー。


20080116-01.JPG

 そして、夜はニックス対ウィザーズ戦。
 ピストンズ戦に続き今夜も快勝で、ニックスが2連勝!ワァオ!!

 ジャイアンツのミラクルランがNYに火を付けたか?
 いや、この2試合とも相手が連戦疲れでボロボロだったってのが最も大きいん
でしょうけどね。

 しかしこれで明日のリンカーントンネル決戦(対ネッツ)がちょっと楽しみに
なった。休もうと思ってたけど、予定変更で取材に行こうかな。
 常に出来る限りやっとかなきゃいけませんもんね。


===========================================


  "I just want to live a simple life in a pretty house on a green landscape with someone I love," he wrote in August. "Now, I don't like the smell of blood any more. ... I'm just afraid of tomorrow."
     (ボクシング元世界王者チェ・ヨーサム(12月25日の試合後に逝去)の日記より)


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posted by daisuke |16:56 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月14日

NYは地元チームに有利な場所か?

20080114-02.JPG

 久しぶりの更新でございます。

 前回書いたJrNBAジャパンチーム(写真は最終パーティにて/荻原美樹子
コーチの話に聞き入る選手たち)の件、「ダンクシュート」誌の楽しい企画、そ
して原稿ラッシュなどにて、しばらく忙しくしてました。

 今週は少し時間がありそうなので、頑張ってアップしていく予定です。
 かなりリクエストを受けたクレメンスの件など、近々ここかどこかでまとめて
書こうと思うので、また戻って来てくださいな。


 さて今日は・・・・・・NFLプレーオフでジャイアンツが第1シードのカウ
ボーイズに番狂わせの勝利!
 この試合の最中はマジソンスクウェア・ガーデンでニックス対ピストンズの取
材中だったのですが、そっちのけでモニターのNFLに見入っておりました。

 あれほど頼りなかったQBイーライ・マニングが丁寧にプレーしてくれてまし
たね。前半終了間際の46秒ドライブにはシビれた。

 それでも全体的には「スター誕生」ってほどセンセーショナルな活躍でもない
のが実にこの選手らしい。。。しかしついこの間まで「いつもクリスマスの朝み
たいにのんびりとした表情でプレーしてる」とかテレビ解説で言われてた(笑!)
のが嘘みたいに、今日は男らしい顔になってました。

 あと、普段はパスラッシュに頼り過ぎのディフェンスも、今日の後半は火事場
のクソ力でステップアップ。無意味なはずのシーズン最終戦に全力を尽くしたお
かげで勢いが付き(コフリンHCの判断は讃えられるべきでしょう)、チーム全
体が最高の時期にピークに達している印象を受けます。

 どんな競技でも、下馬評の低いチームが勝ち上がる「ジャイアント・キリング」
は見応えがありますね。特にそれが地元チームなら言うことはない。
 スーパーボウルはトム・ブレイディ対ブレッド・ファーブになるのが業界全体
のためかなとも思いますが、しかしここまで来たらジャイアンツに突き抜けて欲
しい気もかなりします。


 話の毛色は少し変わりますが・・・・・・ジャイアンツはこれで今季ロード9
連勝です。それは凄いが、逆に言えば有利なはずのホームで3勝5敗にしか過ぎ
なかったってこと。
 
 NBAでは、今季の酷いニックスも、うるさいホームでよりアウェーの方が遥
かにのびのびプレーしてるようです。
 MLBでもホセ・コントレラス、ジェフ・ウィーバー、松井稼頭央とニューヨ
ークをブーイングで追い出された選手たちが、他球団で次々と開花して過去3年
連続でワールドシリーズに進んでいます。繊細なカルロス・ベルトランなんて、
全部アウェー戦なら三冠王とれそうです。

 そう考えると、ニューヨークってホーム戦の有利さが実は最も希薄な場所なの
かも。ちょっと不調なら豪快にブーイングだし。プレーオフだろうが負けだすと
客はすぐに帰るし。誰をトレードしろ、誰を獲ってこい、とすぐに騒ぐし。
 
 「この街ではタフじゃないと」とか誇らしげに言うのは良いが、その殺伐とし
た雰囲気が地元チームに明らかにマイナスに働いているのなら問題ですよね。実
際にニューヨークのチームは近年どの競技でも少しも勝てないのだから。

 今季のジャイアンツの場合、プレーオフが全部アウェー戦なのが幸いに働いて
いるような気すらしますね。さて、来週のグリーンベイは地元チームに圧倒的有
利と評判の場所ですが、どうなることやら?
  


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 ウェブ上のコラム

「スポーツコミュニケーションズ」
・2008年は「米スポーツ界・夜明けの年」となるか
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/index.php?storytopic=100


「アメスポ」
・現役最高のQBは誰か
・大型新人デュラントの輝かしい未来
・セルティックスを包む熱気
http://www.amespo.com/member/index.html


「スポーツアイ・ESPN」
・ジャグワーズが「最強チーム」の打倒に挑む
・ヘッドコーチ交代でブルズは変わるか?
・レイリッツ飲酒死亡事故でヤンキースに新たな衝撃
http://www.jsports.co.jp/mobile/index.html??


「ダンクシュート」誌 取材ブログ(だいたい2週間に1度更新)
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2008年01月05日

Teenage Love Affair

20080105-00.JPG

 昨日よりジュニアNBA日本代表チームがNY来訪中ーーー。
 日本全国で行なわれたトライアウトを勝ち抜いた中学1、2年
生の全12選手が本場のバスケットボールを体験します。

 今日はロン・ハーパー(写真・下)特別指導による練習、マン
ハッタン観光、ネッツ対ボブキャッツ戦の生観戦と盛りだくさん
の内容でした。

 NBAジャパンのレポーター役に任命された僕も午前中からフ
ル回転。ロン・ハーパー氏のインタヴュー、合間に原稿書き、夜
は普通にゲーム取材・・・・・・なかなか大変だけど、でも時に
子供の取材も楽しいですね。スター選手と違いインタヴューには
協力的だし(当たり前だが(笑))。

 あと、ネッツが突然好調になったので(ここ7試合で6勝)、
夜の試合中のアリーナの雰囲気もまあまあ良かったし。派手なダ
ンクも多かったので、ジュニアのメンバーも初観戦を楽しめたこ
とでしょう。

 ちなみに言えば、ネッツのロッカールームも記者も選手もみん
なニコニコととても健全な空気。どん底のニックスではもう絶対
に味わえなくなった開放感(笑)。まあこっちの方が本来は普通
なんでしょうがねえ。

 とにかく個人的にもバタバタ走り回り、普段は無口な(?)僕
もいろいろな人と話した長い一日。楽しい時間でした。

 明日はいよいよメインイベント、日本対NY、日本対NJの2
試合が行なわれます。昨年は日本チームは惜しくも2点差で敗れ、
夜のパーティではみんな号泣していたそうですが、今年はいった
いどうなるか?がんばれ、ニッポン!

 このイベントの模様は、NBAジャパンの公式HPに近日中に
アップされますので、そちらもよろしくどうぞ。

20080105-01.JPG


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posted by daisuke |15:24 | コメント(0) | トラックバック(0)
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