2010年03月15日
Everything Is Big In Texas 〜パキャオ対クロッティ戦より
ダラス・カウボーイズスタジアムでのビッグファイトを終え、NYに戻って来ました。 当日、集まった観衆はなんと50,994人! NBAオールスターのほぼ半分ですが、壮観だったことに変わりはありません。特にボクシング特有の熱狂的なファンたちのおかげで、「electric」とか「amazing」といった形容が相応しい見事な雰囲気となりました。
ただ・・・・・残念ながらメインイベントの試合内容はもう1つでしたね。 結局は「パキャオの無難な大差判定勝ち」という大方の人が予想したまさにそのままの結果に終わってしまいました。 「NY摩天楼通信」の展望に書いた通り、大一番で一念発起したクロッティの攻勢を期待したのですが、蓋を開けてみれば普段以上の専守防衛。 パキャオのスピード、ポジショニング、カウンターの上手さが想像以上で、手を出すに出せなかったという部分はあるのでしょう。もしも闇雲に出ていたら、第2戦時のJM・マルケスのようにカウンターで引っくり返されていたかもしれません。 もともとクロッティは完璧なポジショニングのときしかパンチを打てない人(無理に出しても体重が乗らない)ではあって、それが原因で強豪相手の接戦をこれまでも落として来たわけですし。 しかしそれをすべて理解した上でも、フルラウンドに渡って勝ちに行く姿勢はほとんど見せてくれなかったことにはがっかり。 セコンドは「何度手を出してくれと叫んでもダメだった。全ラウンド取られていただろう」と語っていたらしいですが、気持ちは分かる。パンチを放てばそれなりに良い角度で当たっていただけに、支持者の方々はフラストレーションのたまる内容だったでしょう。
何て言うか、今回の週末を通じて感じたのが、クロッティの「happy to be here(ここにいれるだけで満足)」的なメンタリティ。 計量時にもニコニコ、そしてラウンドの合間にも笑顔でグローブタッチ。あれはパキャオのペースであり、クロッティには必要ない。 メガマッチの主役になるチャンスはおそらくこれが最後のはずのクロッティからは、ギラギラしたものはついぞ感じられませんでした(この試合でクロッティが受け取るファイトマネー+PPV歩合の総額は300万ドル以上とか。生涯の金銭的保証を得たことと緊張感のなさは関係あったのでしょうか)。 現場でも「いつも対戦相手に敵意をむき出しにして、イベント全体を盛り上げてくれるメイウェザーが懐かしいな」なんて声が挙がっていたのは事実です。 これは余りにも結果論的になりますが・・・・・・かつて観たことがないほどノリノリでダンスしながら時間をかけてリングに向かったクロッティ、一方で通過点を駆け抜けるかのように早足だったパキャオ、それぞれの入場シーンを観ていたら、何だかその後の結果が想像できてしまったんですよね。
パキャオの方には何も文句はありません。 小刻みなステップワークと矢継ぎ早のコンビネーションで、ポイントリードを分かった上でも常にアグレッシブに前に出てくれました。PPVファイターの責任を十分に理解している。 あれだけがっちり守られたらKOなんてガメラやゴジラでも無理だし、それでいて11Rにそれなりのヤマを作ったのはたいしたもの。タフネスも証明し、相手がアッパーしか当てられないのに終盤ラウンドにわざわざ自分からくっついていったこと(あれは??)以外はディフェンスも良し。 トップコンディション(少なくとも身体的には)の真性ウェルターをフルラウンドに渡って圧倒したという意味で、増量後の過去3戦より高く評価できる部分もあります。 もうこの選手に懐疑論を唱えるのは止めましょうか(笑)。メイウェザー戦が実現しても有利の予想を出そうかな、と現時点では考えています(まあメイーモズリー戦の内容次第ですが)。
さて、とにかくこうして今季上半期最大のイベント終了。 クロッティの姿勢、アンダーカードの質の悪さ以外は素晴らしい興行だったと思います(「それらが肝心だろ」という突っ込みは置いといて(笑))。 最後に会場の話をもう一度すると、ここは史上最大の大きさの巨大ビデオボードが天井から吊るされているため、後方の席の人でも会場の雰囲気を楽しみながら映像も楽しむことが出来る。 ボクシング興行向きと言えるのではないでしょうか。 今回の盛況のおかげで、近未来にまたビッグイベントが行なわれる可能性は高いでしょう。「近々また来ることになるかも」と考えながら現地をあとにしました。 このダラスに限らず、6月にはヤンキースタジアムでコット対フォアマン戦、そして今秋にニュージャージーにオープンする新ジャイアンツスタジアムでもボクシング興行のプランがあるとか。スタジアムでのボクシングは1つの流行りになりそうな気配もあります。 そんな良い流れを作ってくれた最大の功労者であるパキャオに感謝しなければいけませんね。 「メイウェザー戦後に引退」なんてプランもありますが、もう2年くらいは現役を続けて欲しいもの。そしてついにクリチコ挑戦だ!(・・・・・・冗談ですよ) アジアの神秘が去ったらまた辛い時代が来そうな予感も少なからずあるだけに、今を精一杯楽しんでおきたいところ。 現在のパキャオのファイトをしっかり観ておけば、いつか孫たちに自慢気に思い出話しをすることができそうですもんね(おっと、コット戦と似たような締めとなってしまいましたが、毎回そう思えるのだからご堪忍を。。。(笑)) ============ ついに「twitter」を始めました。 https://twitter.com/daisukesugiura ボクシング情報も満載!(それ以外もだけど) ウェブ上のコラム更新告知、その他の小ネタはここに記しています。
posted by daisuke |23:59 |
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ダラス・カウボーイズスタジアムでのビッグファイトを終え、NYに戻って来ました。
当日、集まった観衆はなんと50,994人!
NBAオールスターのほぼ半分ですが、壮観だったことに変わりはありません。特にボクシング特有の熱狂的なファンたちのおかげで、「electric」とか「amazing」といった形容が相応しい見事な雰囲気となりました。
ただ・・・・・残念ながらメインイベントの試合内容はもう1つでしたね。
結局は「パキャオの無難な大差判定勝ち」という大方の人が予想したまさにそのままの結果に終わってしまいました。
「NY摩天楼通信」の展望に書いた通り、大一番で一念発起したクロッティの攻勢を期待したのですが、蓋を開けてみれば普段以上の専守防衛。
パキャオのスピード、ポジショニング、カウンターの上手さが想像以上で、手を出すに出せなかったという部分はあるのでしょう。もしも闇雲に出ていたら、第2戦時のJM・マルケスのようにカウンターで引っくり返されていたかもしれません。
もともとクロッティは完璧なポジショニングのときしかパンチを打てない人(無理に出しても体重が乗らない)ではあって、それが原因で強豪相手の接戦をこれまでも落として来たわけですし。
しかしそれをすべて理解した上でも、フルラウンドに渡って勝ちに行く姿勢はほとんど見せてくれなかったことにはがっかり。
セコンドは「何度手を出してくれと叫んでもダメだった。全ラウンド取られていただろう」と語っていたらしいですが、気持ちは分かる。パンチを放てばそれなりに良い角度で当たっていただけに、支持者の方々はフラストレーションのたまる内容だったでしょう。
何て言うか、今回の週末を通じて感じたのが、クロッティの「happy to be here(ここにいれるだけで満足)」的なメンタリティ。
計量時にもニコニコ、そしてラウンドの合間にも笑顔でグローブタッチ。あれはパキャオのペースであり、クロッティには必要ない。
メガマッチの主役になるチャンスはおそらくこれが最後のはずのクロッティからは、ギラギラしたものはついぞ感じられませんでした(この試合でクロッティが受け取るファイトマネー+PPV歩合の総額は300万ドル以上とか。生涯の金銭的保証を得たことと緊張感のなさは関係あったのでしょうか)。
現場でも「いつも対戦相手に敵意をむき出しにして、イベント全体を盛り上げてくれるメイウェザーが懐かしいな」なんて声が挙がっていたのは事実です。
これは余りにも結果論的になりますが・・・・・・かつて観たことがないほどノリノリでダンスしながら時間をかけてリングに向かったクロッティ、一方で通過点を駆け抜けるかのように早足だったパキャオ、それぞれの入場シーンを観ていたら、何だかその後の結果が想像できてしまったんですよね。
パキャオの方には何も文句はありません。
小刻みなステップワークと矢継ぎ早のコンビネーションで、ポイントリードを分かった上でも常にアグレッシブに前に出てくれました。PPVファイターの責任を十分に理解している。
あれだけがっちり守られたらKOなんてガメラやゴジラでも無理だし、それでいて11Rにそれなりのヤマを作ったのはたいしたもの。タフネスも証明し、相手がアッパーしか当てられないのに終盤ラウンドにわざわざ自分からくっついていったこと(あれは??)以外はディフェンスも良し。
トップコンディション(少なくとも身体的には)の真性ウェルターをフルラウンドに渡って圧倒したという意味で、増量後の過去3戦より高く評価できる部分もあります。
もうこの選手に懐疑論を唱えるのは止めましょうか(笑)。メイウェザー戦が実現しても有利の予想を出そうかな、と現時点では考えています(まあメイーモズリー戦の内容次第ですが)。
さて、とにかくこうして今季上半期最大のイベント終了。
クロッティの姿勢、アンダーカードの質の悪さ以外は素晴らしい興行だったと思います(「それらが肝心だろ」という突っ込みは置いといて(笑))。
最後に会場の話をもう一度すると、ここは史上最大の大きさの巨大ビデオボードが天井から吊るされているため、後方の席の人でも会場の雰囲気を楽しみながら映像も楽しむことが出来る。 ボクシング興行向きと言えるのではないでしょうか。
今回の盛況のおかげで、近未来にまたビッグイベントが行なわれる可能性は高いでしょう。「近々また来ることになるかも」と考えながら現地をあとにしました。
このダラスに限らず、6月にはヤンキースタジアムでコット対フォアマン戦、そして今秋にニュージャージーにオープンする新ジャイアンツスタジアムでもボクシング興行のプランがあるとか。スタジアムでのボクシングは1つの流行りになりそうな気配もあります。
そんな良い流れを作ってくれた最大の功労者であるパキャオに感謝しなければいけませんね。
「メイウェザー戦後に引退」なんてプランもありますが、もう2年くらいは現役を続けて欲しいもの。そしてついにクリチコ挑戦だ!(・・・・・・冗談ですよ)
アジアの神秘が去ったらまた辛い時代が来そうな予感も少なからずあるだけに、今を精一杯楽しんでおきたいところ。
現在のパキャオのファイトをしっかり観ておけば、いつか孫たちに自慢気に思い出話しをすることができそうですもんね(おっと、コット戦と似たような締めとなってしまいましたが、毎回そう思えるのだからご堪忍を。。。(笑))
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ついに「twitter」を始めました。
https://twitter.com/daisukesugiura
ボクシング情報も満載!(それ以外もだけど)
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