2009年11月15日
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
AM11:00 マンダレイ・ベイのロビーにてシェーン・モズリー対アンドレ・バートの発表会見に出席。 このカードは1月30日、WBA&WBCウェルター級統一戦として行なわれるとのことです。モズリー、バート両選手はもちろん、デラホーヤ、ルー・ディヴェラ、ロベルト・デュランなどお馴染みの顔ぶれが登場。 自身がプロモートするモズリーを「偉大!「凄い!」「殿堂入り!」「誰も戦いたくない選手!」と持ち上げ続けるゴールデンボーイの声ばかりが目立ちました。しかしこのデラホーヤという人、いるだけで場が華やぐ存在感を持っているのは確かですが、スピーチ自体はそんなに上手じゃないですよねえ。
PM12:00 同じマンダレイ・ベイの中華料理屋さんに移動し、今度はWBAヘビー級王座を獲得したばかりのデビッド・ヘイの祝賀昼食会に出席。 ヘイに「あんな大きい相手(ニコライ・ワルーエフ/213cm)を想定したスパーリングパートナーをどう調達したのか」と訊きたかったが、新王者はずっと囲まれていたので断念。代わりに(?)僕たちの席にも挨拶に来てくれたイベント主催者・デラホーヤと初めて言葉を交わす。 ダイスケ「で、シャックはボクサーとしてはどうだったの?」 デラホーヤ「おー、彼は強いよ。何と言ってもデカいからね」 ダ「デカいのは分かるけど、スキルの方は?」 デ「スキルも優れていたよ。やっぱりシャックは運動神経が良いのさ」 ダ「その割にはあの番組内ではあなたは随分ラクに勝っているように見えたけど?」 デ「ハハハ!僕はスピードを駆使してサイズで上回る彼を翻弄したんだよ!」 ・・・・・シャキール・オニールのリアリティ番組内で実現したデラホーヤ対シャックのボクシング戦(デラ判定勝ち)に関する質問でした。せっかくだからもっと内容のあること訊けって?いや、突然だったから何も準備してなかったんですよ。。。
PM4:30 MGMグランドガーデン入り。NYエリアではお馴染みのミドル級ロシア人ホープ、マット・コロボフの6回戦を見届ける。 無難に3−0の判定勝ちで、コロボフは8戦8勝(6KO)。スキル、馬力ともに標準以上なのですが、しかしロシア人特有のもっさりした印象は変わらず。ちょっと伸び悩み?
PM5:00 メディアルームで夕食。メニューはカツレツ、パスタ、ピッツァなど。 NYポストのコラムニスト、レジー・ウィルスと逢ったので最終予想を訊く。 意外にも「判定でコット。序盤を乗り切ればペースを掴み、そのまま押し切る」とのこと。コット有利派の人はたいていそんな流れを予想してますね。
PM6:00 ペイパービュー放送がスタート(やっぱり東海岸と比べて早いこと!)。 メディアルームから記者席に向かう途中、オリバー・ペレス(メッツ)とすれ違う。「去年あんな成績(3勝4敗、防御率6,82)だったくせによくおめおめと公の場に顔を出せたもんだな!」と掴み掛かろうかと思ったが、大人げないので止めておく。 彼もメキシコ人なのだから、ボクシング大好きで当然ですよね。まあ楽しんでください。そして来年は12、3勝くらいはしてくれよ(笑)。
PM6:05 WBC米大陸ウェルター級タイトル戦では、アルフォンソ・ゴメスが7回負傷判定でヘスス・ソト・カラスに勝利。 いつもやる気満々のゴメスですが、今日の試合は退屈でした。日本の実力派王者たち(願わくば長谷川選手)も、このPPVの1,2番手あたりのスポットで地元コンテンダーなんかと戦って名前を売って欲しいものです。
PM6:45 会場で女性ボクサー中村チカさんと久々の再会。 相変わらず元気一杯で、興味深い話をたくさん聴かせて頂きました。現在の彼女はパキャオと同じワイルドカードジムでトレーニングしています。12月にLAで試合予定ですが、1月にWBCタイトル戦が決まりそうで、そうなったら来月のファイトはキャンセルかも、とのこと。 他にもいろいろ面白い話題があったので、後に機会をみてアップデイトします。 チカさんと話しながら見たWBAウェルター級タイトル戦で、ブルックリンのユーリ・フォアマンがダニエル・サントスに3ー0判定勝ちでタイトル獲得! 普段は完全なラン・ベイビー・ラン戦法のユーリですが、この試合は通常より遥かにメリハリがありました。 ジュダーの失速、マリナージの停滞、サリタの伸び悩み、ガッティの引退&急死など最近は良いニュースがなかったNYエリアのボクシング界にとってもこれは大きい星!!初防衛戦は手頃な相手で良いからブルックリンでやってくれないかなあ。
PM7:40 セミファイナルにはフリオ・セサール・チャベスJrが登場も、無名のトロイ・ローランドと拙戦を演じて場内を凍てつかせる。所々にブーイング。たまに「パッキャオ」「コット」コール。チャベスが大差判定勝ちで、これで41勝(30KO)1分。しかしそろそろまともな相手と戦えば? うーん、今日のアンダーカードは全体的にどうにも小粒。せっかくの大試合なんだからもっと頑張って用意してくれれば良かったのに。。。
PM8;45 ついにメインイベント!両者がリングに入場。 プエルトリカン&フィリピーノの応援合戦が凄いが、とは言っても雰囲気は殺伐とはしておらず、なんというか「友好的なエキサイトメント」。パキャオは自信満々、コットも気合い十分。改めて激闘の予感が漂う。 いよいよ試合開始! コット パキャオ 1R 10−9 並ぶと体格差は明らか。コットがジャブを使い上手くプレッシャーをかける。 2 9−10 ハイレベルの激しい打ち合い。一発の重みはコットだが、回転力を買ってパキャオ。 3 8−10 右フックでコットがダウン。ただダメージはなく、コットも何発かクリーンヒット 4 8−10 左アッパーカットでコットが再びダウン。今度は効いてる!場内大興奮!! 5 10−9 コットがやや盛り返す。ただ劣勢を覚ったプエルトリカンファンはすでに沈黙。 6 9−10 依然として激しい打ち合いだが、よりシャープなのはパキャオ。 7 9−10 休みなく追い回すパキャオ、そのエネルギーは脅威。後半失速するとか言ったの誰だ? 8 9−10 コットは完全サバイバルモード。パンチのキレ落ち、もはや武器はなし。 9 9−10 パキャオの連打でKO寸前。コットの顔面はボロボロ。ストップすべきでは? 10 9−10 コットはもう足を使うのみ。パキャオ追い回すも相手の消極策に不満気。判定か? 11 9−10 同じ展開が続き、観客からついに大ブーイング。一部の客が帰り始める。 12 ラウンド中盤のパキャオの猛攻で、レフェリーがついにストップ!
第4〜5ラウンドまでは個人的観戦歴の中でも屈指のスリリングファイト。 しかしコットがこらえきれずに下がり始めた中盤以降はパキャオの凄さだけが目立ちました。 呆気なく勝負がついたハットン戦と比べても、長いラウンドに渡って真性ウェルター級を圧倒したこの試合のパキャオの方により本格的な強さを感じました。 コットの強烈なパンチを受けても、ケロッと前に出て打たれ強さを証明。そしてハンド&フットスピードももちろんですが、本当にどの角度からもパンチが打てて、しかもすべてのパンチに上の階級の選手にもダメージを与えるだけの威力がある。試合後にコットも「パンチの出所が分からなかった」と語ってましたが、その点はどんな相手にとっても脅威でしょうね。 これでデラホーヤ、ハットン、コットを連破。フライ、Jフェザー、フェザー、Jライト、ライト、Jウェルター、ウェルター級を制覇。・・・・・・もう言葉もありません。怪人です。ウルトラマンです。その業績に関しては何を言っても陳腐に聴こえそうなので、ここで止めておきます。 試合後には観衆から「ウィー・ワント・フロイド!」コールが起こってました。 メイウェザー対パキャオの空前絶後の最終決戦は実現するのでしょうか。メイウェザーがウェイト、報酬などなんだかんだと文句をつけて、伸び伸びになりそうな気がしますね(パキャオ対メイウェザー戦に関しては近々コラムを書こうと考えています)。 それよりもパキャオ対モズリー戦の方が先かもしれません。モズリーは喜んで対戦を受けるだろうし。まあフレディ・ローチがこのカードには難色を示すかもしれませんが。
一方、コットの方は・・・・・・ 出来る限りのことはやりましたが、残念ながら力が違った。8回に左肩を痛めたなんて話もありましたが、それがなくても結果は同じだったはずです。 この選手はダメージを受けるとパンチの威力がなくなってしまうので、中盤以降はもうパンチャーズチャンスすら残っていなかった。だったらストップすべきだったのでしょう。 ただチーフトレーナーの助言を拒否してまで試合を続けたのは、マルガリート戦で最後に膝をついて敗れたために批判を受けたことに対する、コットなりの落とし前だったような気もします。 もう確実にピークは過ぎたのだから、MSGであと1戦くらい格下とでも戦って、そのまま引退して欲しいもの。素晴らしいファイトの思い出を供給してくれた選手だから、これ以上傷つくところは見たくない。 でも、止めないんでしょうね。プエルトリコ人の記者と話したら、「マルガリートと再戦させるだろう」と。止めて欲しいときに、絶対に止めてくれない。それがボクサーたち。本当に罪作りな人々です。
PM11:00 パキャオが試合後の記者会見場に登場。 このイベントを取材した僕たち報道陣に感謝を捧げる律儀なマニー。 「With you, we are here. Without you, we are not here.」 でも、礼を言うべきなのはたぶんこっちの方だぜ。 そしてパキャオは会見の最後に持ち歌のワンフレーズを熱唱し、今度はマンダレイベイのアリーナでこの後すぐに行なうというコンサート(8曲歌うそうです)に向けて発って行ったのです。まったくなんて奴だ! 真剣な話ーーー。僕たちはこのボクサーと同世代に生きられたことを、後の人々に偉そうに自慢することになるのでしょう。
posted by daisuke |18:49 |
コメント(7) |
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パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
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パキャオ凄すぎ!勝つとは思ったけど、あのコットをほぼ完封とは・・・
パウンドフォーパウンドの称号を奉げましょう。
posted by simpodragon | 2009-11-15 19:27
パキャオが圧勝?
コメント投稿者ID :
コットに全盛時の能力が無かったのかな?パンチの重さを回転力で凌ぐとは?レナードがラロンデをKOしたのを思い出す。いくら下の階級のパンチでもプロのパンチをまともに浴びつづければダメージが蓄積するし、急所にヒットすればダウンもする。序盤の2度のダウンは予期せぬ角度からのパンチゆえに備えが出来ず喫したのか?いずれにせよピークを過ぎたコットといまだ全盛期を持続するパッキャオとの差が鮮明に出たのではないか?
自称ボクシング評論家
posted by 三宅裕之 | 2009-11-15 19:49
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
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ご無沙汰しております。
今回のパッキャオサイドはコットのガードをキーポイントに挙げていたように思います。
攻撃の際にはガードが比較的甘くなるコットの癖を見抜き、
ガードが高い時にはわざと棒立ちになり攻めさせ合わせる戦法を取っていました。
WOWOW解説陣は危ないと言って気付いてませんでしたが・・・
と言ってもそれが実行出来、しかも階級関係無しに倒せるからパッキャオは凄すぎるのですが・・・
バスケットもそうですがボクシングも冷静さを失ったら負けですね。
マスター・ローチの視点には毎回脱帽です。
posted by OGA | 2009-11-15 20:37
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
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はじめまして。いつも拝読させてもらっています。
もう試合内容については言うことなしです
チーム内の不和、ウェルターで一流ののコットが相手であること、やや過剰とも思えたパックの余裕など、試合前の不安をすべて杞憂に変えてくれました。
それにしてもコットの奥さんが・・・なんというか・・・ボリューミーで・・・試合と並行してハラハラしました。(24/7の水着姿もセクシーでした)
ボクサーの奥さんが可愛かったりセクシーだったりするとラウンドガールとはまた違うお得感がありますよね・・・
こんなことを考えてしまうのもパックの盤石さ故ってことで・・・
つい昨日「中村チカさんはどうしているだろう」と思っていたのでこのタイミングで近況が聞けてうれしいです。もう一年も試合をしていないので「引退したのかも」と残念に思っていたのですが世界タイトル目前まで来ていたのですね。うれしいです。一度も彼女の試合を見たことがないのですが彼女のルックスや日本人離れしたの躯体が印象的でした。彼女の世界戦、YOUTUBEにでもあがらないかなと思っています。
posted by 丸 | 2009-11-15 21:14
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
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噛み付くわけじゃないですが、コットの確実にピークは過ぎたのくだりは違和感ありますね。
丸刈りに押しつぶされ、クロッティに苦戦したから事からだと推察しますが、特段コットが落ちたとは思えない。
実際、パックが異次元なんだと思います。
右フックは強い、アッパーが効果的すぎた。
そして必殺の左がある。
上下の打ち分けも完璧。
モンスターとの比較はどうかと。
posted by 虎次郎 | 2009-11-16 03:51
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
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今まで誰も破れなかったメイウェザーのL字ガードですが、真正面から伸びてくるパッキャオの左ストレートならば当りそうな気がしますが如何でしょうか・・・
posted by シュガー | 2009-11-16 09:22
パキャオが圧勝!そして熱唱!! 〜ビバ・ベガス#2
コメント投稿者ID :
正直、ハットン戦すら敗戦必死と思っていましたし、コット戦は無謀だと感じていた私はアホウでした。コットの減量苦や、最盛期で有る無はこの際どうでもいいですね。コット対パッキャオ この夢のカードに勝ったのはパッキャオである、と言うことに変わりはないですし。さて、メイウェザーVsパッキャオ 対マルケス戦を見る限り、パッキャオとメイウェザーには大きな差があるように思えますが また予想を覆すファイトをしてくれると期待したいですね
posted by KM | 2009-11-16 11:27
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AM11:00
マンダレイ・ベイのロビーにてシェーン・モズリー対アンドレ・バートの発表会見に出席。
このカードは1月30日、WBA&WBCウェルター級統一戦として行なわれるとのことです。モズリー、バート両選手はもちろん、デラホーヤ、ルー・ディヴェラ、ロベルト・デュランなどお馴染みの顔ぶれが登場。
自身がプロモートするモズリーを「偉大!「凄い!」「殿堂入り!」「誰も戦いたくない選手!」と持ち上げ続けるゴールデンボーイの声ばかりが目立ちました。しかしこのデラホーヤという人、いるだけで場が華やぐ存在感を持っているのは確かですが、スピーチ自体はそんなに上手じゃないですよねえ。
PM12:00
同じマンダレイ・ベイの中華料理屋さんに移動し、今度はWBAヘビー級王座を獲得したばかりのデビッド・ヘイの祝賀昼食会に出席。
ヘイに「あんな大きい相手(ニコライ・ワルーエフ/213cm)を想定したスパーリングパートナーをどう調達したのか」と訊きたかったが、新王者はずっと囲まれていたので断念。代わりに(?)僕たちの席にも挨拶に来てくれたイベント主催者・デラホーヤと初めて言葉を交わす。
ダイスケ「で、シャックはボクサーとしてはどうだったの?」
デラホーヤ「おー、彼は強いよ。何と言ってもデカいからね」
ダ「デカいのは分かるけど、スキルの方は?」
デ「スキルも優れていたよ。やっぱりシャックは運動神経が良いのさ」
ダ「その割にはあの番組内ではあなたは随分ラクに勝っているように見えたけど?」
デ「ハハハ!僕はスピードを駆使してサイズで上回る彼を翻弄したんだよ!」
・・・・・シャキール・オニールのリアリティ番組内で実現したデラホーヤ対シャックのボクシング戦(デラ判定勝ち)に関する質問でした。せっかくだからもっと内容のあること訊けって?いや、突然だったから何も準備してなかったんですよ。。。
PM4:30
MGMグランドガーデン入り。NYエリアではお馴染みのミドル級ロシア人ホープ、マット・コロボフの6回戦を見届ける。
無難に3−0の判定勝ちで、コロボフは8戦8勝(6KO)。スキル、馬力ともに標準以上なのですが、しかしロシア人特有のもっさりした印象は変わらず。ちょっと伸び悩み?
PM5:00
メディアルームで夕食。メニューはカツレツ、パスタ、ピッツァなど。
NYポストのコラムニスト、レジー・ウィルスと逢ったので最終予想を訊く。
意外にも「判定でコット。序盤を乗り切ればペースを掴み、そのまま押し切る」とのこと。コット有利派の人はたいていそんな流れを予想してますね。
PM6:00
ペイパービュー放送がスタート(やっぱり東海岸と比べて早いこと!)。
メディアルームから記者席に向かう途中、オリバー・ペレス(メッツ)とすれ違う。「去年あんな成績(3勝4敗、防御率6,82)だったくせによくおめおめと公の場に顔を出せたもんだな!」と掴み掛かろうかと思ったが、大人げないので止めておく。
彼もメキシコ人なのだから、ボクシング大好きで当然ですよね。まあ楽しんでください。そして来年は12、3勝くらいはしてくれよ(笑)。
PM6:05
WBC米大陸ウェルター級タイトル戦では、アルフォンソ・ゴメスが7回負傷判定でヘスス・ソト・カラスに勝利。
いつもやる気満々のゴメスですが、今日の試合は退屈でした。日本の実力派王者たち(願わくば長谷川選手)も、このPPVの1,2番手あたりのスポットで地元コンテンダーなんかと戦って名前を売って欲しいものです。
PM6:45
会場で女性ボクサー中村チカさんと久々の再会。
相変わらず元気一杯で、興味深い話をたくさん聴かせて頂きました。現在の彼女はパキャオと同じワイルドカードジムでトレーニングしています。12月にLAで試合予定ですが、1月にWBCタイトル戦が決まりそうで、そうなったら来月のファイトはキャンセルかも、とのこと。
他にもいろいろ面白い話題があったので、後に機会をみてアップデイトします。
チカさんと話しながら見たWBAウェルター級タイトル戦で、ブルックリンのユーリ・フォアマンがダニエル・サントスに3ー0判定勝ちでタイトル獲得!
普段は完全なラン・ベイビー・ラン戦法のユーリですが、この試合は通常より遥かにメリハリがありました。
ジュダーの失速、マリナージの停滞、サリタの伸び悩み、ガッティの引退&急死など最近は良いニュースがなかったNYエリアのボクシング界にとってもこれは大きい星!!初防衛戦は手頃な相手で良いからブルックリンでやってくれないかなあ。
PM7:40
セミファイナルにはフリオ・セサール・チャベスJrが登場も、無名のトロイ・ローランドと拙戦を演じて場内を凍てつかせる。所々にブーイング。たまに「パッキャオ」「コット」コール。チャベスが大差判定勝ちで、これで41勝(30KO)1分。しかしそろそろまともな相手と戦えば?
うーん、今日のアンダーカードは全体的にどうにも小粒。せっかくの大試合なんだからもっと頑張って用意してくれれば良かったのに。。。
PM8;45
ついにメインイベント!両者がリングに入場。
プエルトリカン&フィリピーノの応援合戦が凄いが、とは言っても雰囲気は殺伐とはしておらず、なんというか「友好的なエキサイトメント」。パキャオは自信満々、コットも気合い十分。改めて激闘の予感が漂う。
いよいよ試合開始!
コット パキャオ
1R 10−9
並ぶと体格差は明らか。コットがジャブを使い上手くプレッシャーをかける。
2 9−10
ハイレベルの激しい打ち合い。一発の重みはコットだが、回転力を買ってパキャオ。
3 8−10
右フックでコットがダウン。ただダメージはなく、コットも何発かクリーンヒット
4 8−10
左アッパーカットでコットが再びダウン。今度は効いてる!場内大興奮!!
5 10−9
コットがやや盛り返す。ただ劣勢を覚ったプエルトリカンファンはすでに沈黙。
6 9−10
依然として激しい打ち合いだが、よりシャープなのはパキャオ。
7 9−10
休みなく追い回すパキャオ、そのエネルギーは脅威。後半失速するとか言ったの誰だ?
8 9−10
コットは完全サバイバルモード。パンチのキレ落ち、もはや武器はなし。
9 9−10
パキャオの連打でKO寸前。コットの顔面はボロボロ。ストップすべきでは?
10 9−10
コットはもう足を使うのみ。パキャオ追い回すも相手の消極策に不満気。判定か?
11 9−10
同じ展開が続き、観客からついに大ブーイング。一部の客が帰り始める。
12
ラウンド中盤のパキャオの猛攻で、レフェリーがついにストップ!
第4〜5ラウンドまでは個人的観戦歴の中でも屈指のスリリングファイト。
しかしコットがこらえきれずに下がり始めた中盤以降はパキャオの凄さだけが目立ちました。
呆気なく勝負がついたハットン戦と比べても、長いラウンドに渡って真性ウェルター級を圧倒したこの試合のパキャオの方により本格的な強さを感じました。
コットの強烈なパンチを受けても、ケロッと前に出て打たれ強さを証明。そしてハンド&フットスピードももちろんですが、本当にどの角度からもパンチが打てて、しかもすべてのパンチに上の階級の選手にもダメージを与えるだけの威力がある。試合後にコットも「パンチの出所が分からなかった」と語ってましたが、その点はどんな相手にとっても脅威でしょうね。
これでデラホーヤ、ハットン、コットを連破。フライ、Jフェザー、フェザー、Jライト、ライト、Jウェルター、ウェルター級を制覇。・・・・・・もう言葉もありません。怪人です。ウルトラマンです。その業績に関しては何を言っても陳腐に聴こえそうなので、ここで止めておきます。
試合後には観衆から「ウィー・ワント・フロイド!」コールが起こってました。
メイウェザー対パキャオの空前絶後の最終決戦は実現するのでしょうか。メイウェザーがウェイト、報酬などなんだかんだと文句をつけて、伸び伸びになりそうな気がしますね(パキャオ対メイウェザー戦に関しては近々コラムを書こうと考えています)。
それよりもパキャオ対モズリー戦の方が先かもしれません。モズリーは喜んで対戦を受けるだろうし。まあフレディ・ローチがこのカードには難色を示すかもしれませんが。
一方、コットの方は・・・・・・
出来る限りのことはやりましたが、残念ながら力が違った。8回に左肩を痛めたなんて話もありましたが、それがなくても結果は同じだったはずです。
この選手はダメージを受けるとパンチの威力がなくなってしまうので、中盤以降はもうパンチャーズチャンスすら残っていなかった。だったらストップすべきだったのでしょう。
ただチーフトレーナーの助言を拒否してまで試合を続けたのは、マルガリート戦で最後に膝をついて敗れたために批判を受けたことに対する、コットなりの落とし前だったような気もします。
もう確実にピークは過ぎたのだから、MSGであと1戦くらい格下とでも戦って、そのまま引退して欲しいもの。素晴らしいファイトの思い出を供給してくれた選手だから、これ以上傷つくところは見たくない。
でも、止めないんでしょうね。プエルトリコ人の記者と話したら、「マルガリートと再戦させるだろう」と。止めて欲しいときに、絶対に止めてくれない。それがボクサーたち。本当に罪作りな人々です。
PM11:00
パキャオが試合後の記者会見場に登場。
このイベントを取材した僕たち報道陣に感謝を捧げる律儀なマニー。
「With you, we are here. Without you, we are not here.」
でも、礼を言うべきなのはたぶんこっちの方だぜ。
そしてパキャオは会見の最後に持ち歌のワンフレーズを熱唱し、今度はマンダレイベイのアリーナでこの後すぐに行なうというコンサート(8曲歌うそうです)に向けて発って行ったのです。まったくなんて奴だ!
真剣な話ーーー。僕たちはこのボクサーと同世代に生きられたことを、後の人々に偉そうに自慢することになるのでしょう。

