2011年01月31日
メインの内山は、今までほぼ完璧な内容で世界戦を勝利してきましたが、今回はプロらしく思い切りのより左右フック振りぬく三浦に意外な苦戦を強いられました。
内山といえば、豪腕のイメージがありますが、ただパンチが強いだけでは、世界一に離れません。長いアマ歴に裏づけされた確かな攻防の技術があるからこそ、その強打が活かされます。この技術力の差が、今日の勝敗を分けた最大の要因であったことは言うまでもありません。
いつも冷静に試合を組み立てている内山が、まともに三浦の左ストレートを食いダウンを奪われたときは、ビックリしました。本人は、ダメージはなかったと試合後語っていましたが、かなり足にきていたように見えました。内山の打ち終わりを狙って強振してくる三浦のパンチは怖さがありました。ただ、逆に言えば、それだけでした。内山の正確で強い右ジャブを決められ続け、視界を奪われた末に三浦陣営の棄権で試合が終了しました。
内山が、これから本当の意味で世界の強豪と戦っていくには、今までの冷静な試合運びだけでなく、冷静に燃えるような試合を期待したい。「冷静に燃える」なんて矛盾しているように聞こえますが、私のアイドルであったマービン・ハグラーや今のパッキャオなどは、冷静に自身をコントロールしながらも、常に相手を打ち倒そうと燃える闘志を秘めていました。右ジャブを多用することは良いのですが、もうひとつ必殺パンチに繋げて欲しかった気もしました。
セミの李-下田戦は、まだよく見ていないのですが、これまた意地と意地のぶつかり合った素晴らしい内容だったようですね。いい選手同士が戦うと、手に汗握る素晴らしい試合になるという典型でしょう。
私個人的には、WBAは世界承認団体として認めたくはありません。WBAを認めるくらいなら、IBFやWBOを認可したほうが、100倍マシです。WBAは、あまりにずさんな管理で、無意味にタイトル乱発し続けています。日本は、WBAから脱退することが難しいのであれば、議論がされていますが暫定王座は認めず、真の世界王座に限り世界戦を認めるなど、独自に規制を布いていかないといけない時期に来ていると思います。
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2010年12月27日
亀田興毅が日本人初の3階級制覇達成!に心から喜べる人間は亀田家以外にいるのだろうか?本来だと世界3階級制覇というのは、とてつもない大偉業のはず。それが一家およびTBSの手にかかると、ちんけなものになってしまう。
一階級目:記録狙いの為、わざわざ1階級下に降りてLフライ級で実績が一切ない興毅とランダエタによる王座決定戦が組まれた。しかも試合内容は、歴史に残る疑惑の判定勝利。その上、タイトル承認団体のWBAは予め亀父用にもチャンピオンベルトを用意していた。
二階級目:注目が非常に高かった内藤に挑んだ試合。ただ、内藤自身が年齢的にも衰えをみせながら日本人相手に防衛を重ねていたWBC日本タイトルへの挑戦だったこともあり、試合に勝ちはしたものの、世界の頂点に立ったとは見られなかった。実際、初防衛戦では、これまたとっくに峠を越したポンサクレックには手も足も出ずに完敗。
三階級目:これまたWBAがおかしなランキングを行い、Sフライ級での実績すらない興毅が突然バンタム級2位にランクされ、3位のパーラとの王座決定戦を行うことになっていた。ところが試合まであと3週間というところで、パーラが試合30日前の予備計量でバンタム級リミットより約5キロオーバーしているという理由でWBAが許可をせず、そこで何故か引退していて2ヶ月前に久々に復帰し、無名のロートル相手に何とか勝ちを拾ったムニョスが決定戦に呼び出されて、今日の試合を迎えてしまった。
WBAは健康管理の観点から、予備計量を行っているのだと思うが、試合1ヶ月前でフライ級リミットを10キロ以上超過している大毅は、どうなるの?と言いたくなる。あまり疑いたくはないのだが、今まで数々の愚行をしてきた一家のことだから、もともとパーラと試合などする気がなく(パーラが3位というのもおかしいが)、亀田家得意の試合直前の相手変更を世界戦で実行させるため、予備計量を理由に対戦相手の変更を求めたのではないか?
さて、簡単に本日の試合を振り返ります。
試合の前半はスローでバランスが悪いムニョスを興毅が軽くあわせてポイントをリードします。中盤からムニョスがプレスを強めて前に出るシーンが増えるも、最終回ガス欠ムニョスの足が揃いダウンを奪った興毅が3階級制覇を確定しました。
私の採点では、114-112で興毅の勝ちでしたが、これが世界戦?これが3階級制覇王者?と思うと、本当に情けなく感じてしまいました。興毅は真面目にボクシングに取り組んでいるのは分かります。ただ、ボクシングという伝統あるスポーツが、株式会社で運営されているようなその他格闘技団体と変わらないただの興行に堕ちてしまったのだな、と改めて実感させられました。
亀田家とTBSが組んで、ボクシングの価値を破壊してしまった。彼らの悪行は、真面目にボクシングに取り組んでいるその他大勢にも影響が出てしまいます。これが、長谷川や西岡、内山らの本格的な世界王者と同一視されたら、ボクシングファンとしてはたまらない。ボクシングの世界チャンピオンってこの程度?3階級制覇ってこんなもの?と思われるのが、悔しい。(ファイティング原田を超えた、アルゲリョらと肩を並べたと思うボクシングファンはいないと思いますが、何も知らない一般の方には日本初の偉業ということで、過去のいかなるボクサーよりも凄い選手、と真に受ける人もいることでしょう。)
言うまでもなく、何も亀田家やTBSだけが悪いのではない。ボクシングを興行の都合で操作しやすくしたのは、何よりも世界タイトルを承認する各団体に一番の非がある。特に問題なのは、今回の亀田兄弟のタイトルを承認したWBAにほかならない。WBAは一番歴史のある老舗というだけで、もう20年以上腐りきっている。こんなWBAや同じように意味不明なタイトルを作るWBCだけを承認している日本のボクシング協会、コミッションもいい加減目を覚ませ!と言いたい。WBAやWBCに比べると、IBFやWBO(日本非公認、先日、統一戦に限り認めることになった)のほうがよっぽど健全な運営をしている。
世界タイトルが4団体もあると、希少価値がなくなり、一般のファンを混乱させるという理由で、日本ではWBAとWBCに固執しているわけだが、今日のWBA二試合を見て、タイトルの価値の高さを感じましたか?と問いたい。世界タイトルが増えてしまった今日では、もはやWBA、WBC、IBF、WBOなどのアルファベットタイトル自体、もう価値などはなくなってしまった。これからは、承認団体よりも我々ファンが世界王者を認定するしかない。リング誌ベルトのような、実質的な世界一を示すものがより重視されていくに違いありません。
亀田家だけがボクシングと思われることが、本当に悔しい。日本にも、世界にも、素晴らしい試合を見せてくれる選手が今でも大勢存在します。どのようにしたら、本物のボクシングに光を当てることが出来るのでしょうか?いい案はあるのでしょうか?
そういえば、前座の大毅vsシルビオ・オルティアーヌは、過去最低レベルの世界戦と言えるでしょう。大毅vsデンカオセーンをも下回った感があります。(私の採点では、116-113でシルビオ)
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2010年11月26日
粟生も長谷川も本当に良くやった。2試合とも大差判定勝利でしたが、点差ほど楽な試合ではありませんでした。特に長谷川は、先月母親を亡くしたばかりで、気持ちが入りすぎていたのか、スピードやタイミングで勝負することを忘れ、とにかく一発一発力んだパンチでブルゴスのパワーに対抗しました。
粟生は、トップアマチュアのタイベルトを相手に、体力勝ちをしたと言えるでしょう。序盤から、技巧に自信のある両者のフェイントの掛け合いがありましたが、パンチを当てる上手さ、間の取り方などはやはりタイベルトが一枚上手でした。しかし、第3ラウンド、粟生の放った左ストレートがカウンター気味に顎をとらえ、強烈なダウンを奪いました。これが肉体的にも精神的にもタイベルトにはこたえたようです。
ダウン後、いつもの待ってからの一発カウンター狙いで手数が出なくなり、威力はないもののタイベルトのパンチを喰ってしまう場面がありました。しかし第7ラウンドからは、コーナーからの指示もあったのでしょうが、粟生が積極的に前に出て、多くのボディーパンチでタイベルトの戦力を削ぐことに成功し、あと一歩でKO出来そうでしたが、判定まで逃げられました。素人採点では、117-110で粟生と見ました。
王者のパンチが非力だったため、多少の被弾を覚悟で打ち合うことが出来ましたが、層の厚いSフェザー級で生き抜いていくには、ディフェンス力および集中力の一層の向上が求められるでしょう。サウスポーの利点を活かした嫌らしいスタイルを身に付けてもらいたい。まともなテクニック勝負では、まず勝ち抜けないと思われます。
メインの長谷川ですが、とにかく力みすぎ、大振りが目立ちました。ブルゴスに前に出させないよう、意識して強いパンチを出していたのだと思いますが、あまりに力んでいる為、パンチ自体にいつもの切れがありませんでした。攻撃パターンも単調で、かぶせるような左フックや顔面をまっすぐに狙うストレート、そして返しのこれも大きな右フックばかりでした。前後左右に動きながら、リズムの中でパンチを出していけば、もっとスピーディーな長谷川らしいボクシングになったと思うのですが、やはり足が動かなかったのでしょうか?
第7ラウンドには、ブルゴスの左アッパーをもろに食ってしまい、一瞬足がもつれました。その後も負けん気の強い長谷川は、非常に危険なタイミングでパンチの交換をし続けました。スピード命の長谷川が、足を止めて博打的な打ち合いをする場面もかなりありました。それでもパンチの的中率は段違いだったこともあり、ポイント的には長谷川が圧倒的にリードしていたのですが、最終2ラウンドは、長谷川の打ち疲れか、足に力が入らなくなり、自らクリンチに行くシーンもありました。長谷川の左を直撃され続けたブルゴスも、右目が塞がり、いっぱいのところで戦っていました。
今日の長谷川は、スピードのない力んだパンチばかりでしたが、それでも飛び級での二階級制覇というのは、普通に考えて快挙と言えます(近頃のパッキャオの変態ぶりで、感覚が麻痺しがちですが)。フェザー級での長谷川の力量は今日の試合では、分かりません。ただ、フェザーで防衛を続けるには、やはり今日のような試合をしていては難しいでしょう。打たせずに打つ、これに徹して、スピードボクシングで完全復活をして欲しいと思います。
長々と書きましたが、濃密な24ラウンドでした。ボクシングって本当に素晴らしい。
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2010年11月14日
先日、パッキャオの完勝の予想を書いたものの、やはり試合が始まるまでは不安でした。当日計量でマルガリートが165ポンド、パッキャオが148ポンド程度だったようですが、これだけの体重差もマルガリートには有利に作用しませんでした。パッキャオのパンチが、ミドル級クラスの選手にも十分通用するという事実が、試合を観終わった今でも、信じられないほどです。
パッキャオの細かい動き、ポンポンと右から左から次から次へと飛び出してくるパンチに、鈍重なマルガリートは後手にまわり、体格差を活かしたプレスをかけるまでには至りませんでした。
勝負を決めたのは、第4ラウンドのパッキャオの攻勢でしょう。左アッパー一発でマルガリートの右目下を出血させ、大きく腫れ上がる原因にもなりました。そして、左のレバー打ちがマルガリートに直撃し、タフなマルガリートが今にも崩れ落ちそうになりました。ナザロフやカオサイを思い起こすような踏み込んでの左ボディーは凄かった。
しかし中盤、パッキャオにも危ない場面は何度かありました。とりわけ6ラウンドにマルガリートの左フックが、パッキャオのボディー(やや体の後ろ)にヒットし、体をくの字に折り、そこへまたいい左ボディーを一発食いました。続く7,8ラウンドはそのボディーの影響か、足を使えなくなったのか、正面から打ち合う場面が増えました。ロープ際、体格差で押されヒヤリとするアッパーも喰ったりしました。
パッキャオがペースダウンし、体力に優るマルガリートの後半勝負作戦が始まるかと思われたものの、9ラウンドからは無理な打ち合いを避け、基本に戻り左右への動きを多用し、軽いパンチでマルガリートを翻弄しだしました。そして、10ラウンド、私が予想したパッキャオのKOラウンドですが、それまで狙っていた相手をひきつけてからの右フックがものの見事にマルガリートのこめかみを捕らえ、あと一歩でダウンというところまで行きました。11ラウンドは、目がほとんど見えないマルガリートを一方的に攻め立て、最終12ラウンドも、無理をせずに冷静に倒す機会を狙っていたようですが、結局は倒せずに終了のゴングを聞いてしまいました。
私の素人採点では、120-108でしたが、公式では118-110、119-109、120-108の3-0でパッキャオが8階級制覇の偉業を達成しました(日本では6階級制覇と言われていますが、私自身は、価値の堕落している団体もある主要4団体にこだわる必要はあまりないと思っています。実質フェザー級統一王者だったハメドを破ったバレラの保持していたリング誌ベルトやSライト級でのハットンのリング誌ベルトのほうが、明らかに当時の4団体王者よりも格が上だと思うからです。)
それにしても、またしても有り得ない奇跡的な偉業を達成してしまったパッキャオ。今後の目標はどこに置くのでしょうか?もはやボクシングよりも、政治の世界に生きているパッキャオにとって、メイウェザー戦しかモチベーションを保てないのかもしれません。
アジア人が本場アメリカで世界戦を勝利することすら奇跡と言われていた時代がありました。アジア圏で驚異的な戦績をもってアメリカにわたっても圧倒的な大敗を喫する選手が多かったものです。それがパッキャオという一種の突然変異によって打ち砕かれたのが、約10年前の話です。パッキャオは、それ以来本場アメリカで幾多のビッグマッチを勝ち抜いて、いまや世界ボクシングの顔にまで登りつめました。歴史的にもても、パッキャオの偉業に匹敵する選手は、二度と出てこないでしょう。本当に凄いとしかいいようがありません。まさか!と思われるような驚きのパフォーマンスを常に提供し続けたパッキャオは、ボクシング史始まって以来の超人だと思います。
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2010年11月11日
いよいよ待ちに待ったパックマンことマニー・パッキャオの試合が日本時間、11/14日曜日正午に行われます。今まで、常識では考えられないほど有り得ない快挙を成し遂げてきたパックマンですが、今回はどうなるのでしょうか?
パッキャオ側のキャンプから聞こえてくるのは、調整不足の声ばかり。ボクシングよりも政治家としての活動に重点を置いているようで、トレーニングそのものに集中していない。しかも、踵を痛めているせいで、十分な走りこみが出来ておらず、フィジカル面での調整自体も遅れているらしい。トレーナーのローチは、過去最低のキャンプと言い切る始末。
一方のマルガリートは、汚名返上に燃えているようで、パッキャオとは正反対に過去最高の仕上がりを見せているそうです。実際のトレーニング映像を見ても、体はバリバリに出来上がっていますし、パワーを前面に押し出した力のボクシングを見せてくれそうです。
現在のオッズは、5-1でパッキャオ有利と出ていますが、専門家達からは、パッキャオ危うし!という声が多く聞かれています。
ずばり予想!
常識的に考えると、身長で11cm、リーチで16cm、当日体重で7~8kgパッキャオを上回るマルガリートを、フライ級上がりの骨格の小さなパッキャオが圧倒することは考えられません。マルガリートが大柄な体とタフネスを武器に、多少の被弾を覚悟の上、体力勝負で圧力をかけ続けると、いくらすばしっこいパッキャオといえども捕まってしまうのでは?と思われるでしょう。
しかし、私は、超人変人のパッキャオの奇跡をもう一度信じたいと思います。勿論、今回は調整が遅れていることは確かでしょうし、体格の壁は今までにないほど高いものです。それでも、小さなパッキャオのパワーを過小評価している(と思われる)マルガリートが度肝を抜かれるくらい、強烈なパンチをパッキャオはマルガリートに浴びせ続けると思います。
パッキャオ自身が言うように、基本はデラホーヤ戦やコット戦と同様に、相手のパワーを十分に警戒しながらの戦いになるとは思いますが、動きが鈍く、前に前に出てくるマルガリートには、容易にパンチを当てることが出来るのではないでしょうか?また、マルガリートがタフとはいえ、コット戦やモズリー戦で限界を見せているだけに、打たれ脆さ(あるいはパンチに対する怖さ)が残っているかもしれません。特にパッキャオの予測不能な角度、スピードでパンチ打たれると、意外にコロッと倒れてしまうかもしれません。
1,2ラウンドは静かな立ち上がり、3ラウンドあたりからパッキャオがテンポを上げて前後左右に動きながら、軽いパンチをヒットさせていきます。中盤になると、マルガリートが必死にパンチを振るい前に出るも、簡単にかわされ面白いようにカウンターをパッキャオに取られ続けます。そして、第10ラウンド、ほぼ一方的にパンチを受け続けたマルガリートがついにリングに沈み、パッキャオが夢の8階級制覇!を達成すると私は見ます。
パッキャオのスタミナ、特にスピード持続力が鍵になります。コット戦のようにロープ際に立ち止まるようなことがあると、それこそ強烈なボディーブローと体力差で圧殺されてしまいます。軽いパンチでもいいので、ライト級のディアズ戦のような打たれずに打ちまくることが出来れば、パッキャオの勝ちは固いと思います。
皆さんの予想はどうでしょうか?
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2010年10月24日
これは凄い試合でした。西岡の強打とテクニック、対する挑戦者ムンローの耐久力と気持ちの強さがぶつかり合った、これぞボクシング!という試合になりました。
西岡は、試合開始直後から、右ジャブの指しあいで優位にたち、右に続くモンスターレフトと言われる威力抜群の左を顔面、ボディーへ散らし、ムンローの強烈な前進力を食い止めていました。4ラウンドにムンローが挽回しポイントを挙げ、前半から飛ばした西岡の失速も危惧されましたが、5回に強烈な左ストレートが決まりと頑丈なムンローも膝が揺れました。6ラウンドにもビッグパンチを要所に決め、7ラウンドにはみぞおちにまともに入ったボディーなどで、ついにムンローに失速の兆しが見え始めました。逆に、スタミナが心配された西岡ですが、自分のペースを貫き通し、最後まで手数を出し、ムンローのパンチを喰いにくいポジションへと動き続けました。10ラウンド、12ラウンドにも大きな見せ場を作った西岡は、連続KO防衛こそなりませんでしたが、強豪ムンロー相手に3者とも119-109という大差での完勝となりました(私も119-109で西岡)。
ムンローの前進を食い止められるパンチ、そしてムンローのパンチを喰わないポジショニングの上手さもあり、西岡が完勝しましたが、試合としては非常に厳しいものでした。ムンローの打たれ強さそして回復力は凄かった。体の面は勿論、何よりも気持ちが本当に強いボクサーの鑑のような素晴らしい選手でした。西岡がちょっとでも弱気になっていたならば、ムンローのパワーに押されまくったかもしれません。34歳と高齢になった西岡ですが、若い頃とは違い精神面での成長が、今回のような厳しい試合に活きたのだと思います。やはりボクサーは、若さ、体力だけではないのだと改めて思い知らされました。高齢ですが、技術、精神力は確実に成長していますし、体力にしても34歳とは思えないものを維持しています。今日の西岡は、自身のボクシング人生の中でも、最強だったのではないでしょうか?
前座のローマン・ゴンザレスは、階級アップで元気が戻ったようでした。リナレスは、チャべスの棄権がありましたが、速くて強さが目立ちました。リナレスも挫折を経験し、一段階上の選手へと確実に成長しています。
WOWOWのエキサイトマッチがそのまま日本へやってきたような、ハイレベルな試合に本当に酔いしれました。やっぱり本物のボクシングは、凄い!This is Boxing!西岡やリナレス、そして前王者長谷川ら、世界に通じるボクサー達が、一般にあまり知られていないというのが、日本ボクシング界(or 日本のテレビ業界)の問題なのでしょう。本物の凄さを多くの人に知ってもらいたいものです。
posted by cutepizza |20:28 |
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2010年09月25日
坂田の判定勝利を予想していた者にとって、試合内容が吹っ飛んでしまうくらい、あの公式採点はちょっとビックリしてしまいました。
公式採点
116-112
117-112
118-110
意外な大差で大毅の判定勝利を支持していました。
ちなみに素人採点では、115-113で坂田勝利でした。前半から中盤、坂田の前進と豊富な手数に対応しきれ無かった大毅は空転が目立ち、近づけばクリンチばかり。坂田のパンチは非常にコンパクトかつ見えにくい(クリンチ間際でもちょこちょこパンチを当てている)ため、ジャッジの目には入らなかったのでしょうか?
坂田にとって不運だったのは、両目をカットしたことでしょう。その両目カットの9ラウンド以降、大毅の力のこもった左フックを中心にクリーンヒットされました。また、本来坂田の得意な終盤、パンチによるダメージもあるのか、前半から飛ばしたためか、11ラウンドから動きが止まりかけました。最終回も危ないパンチを食いながらも、坂田は地道にパンチをヒットしていましたが、あまりにコンパクト過ぎて見栄えはあまり良くなかったです。
私は、前半の微妙なラウンドを坂田に振っていたため、2ポイント差で坂田としましたが、公式ジャッジはドローや僅差で大毅もあり得るかな?と感じていました。それがあの大差で、もうビックリです。118-110というと坂田の攻撃に対応できずにいた前半でも、大毅のクリンチ・ポイントが効いたのでしょうか?クリンチでもポイントにつなげるあたり、さすがは亀田家です。
ただ、あの大ぶり左フック一辺倒だった大毅が、衰えたとはいえ元王者の坂田とこれだけの接戦を演じたのですから、その成長ぶり、努力は感じました。内藤に全く歯が立たず、反則しライセンス停止期間に、人間として成長したのでしょう。フライ級タイトルは返上すると思いますが、まだまだ伸び代はありそうですね。真面目にボクシングに取り組んできた兄 興毅は逆に、伸びがありませんが。
最後に、大毅の防衛でも全く問題はありませんが、あの公式ジャッジだけは理解出来ないとだけ言っておきます。
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2010年09月23日
予想はズバリ、坂田の中差判定勝ち!
亀田の若さと勢い、坂田のキャリアと手数。ひとことでこの試合を表現するなら、このようになると思います。
確かに大毅には、若さもあり技術的にも発展途上にあります。以前は左フック一本だったところ、右のストレートもジャブのように出せるようになってきました。今回も上達したところを見せてくれるかもしれません。
一方の坂田は、既に30歳となり全盛を過ぎている感は否めません。歴戦のダメージの為か、以前に比べ打たれ脆くなっているようにも思えます。特に若い頃からスロースターターで、試合の前半はなかなかリズムに乗れず、相手に打たれる場面も多いため、前半の戦い方は要注意です。
試合展開予想
坂田の最大の持ち味は、止まらぬ手数と旺盛なスタミナです。とにかく相手が嫌になるまでしつこくショートパンチで追い上げます。一方の大毅は、坂田とは正反対に、一発一発に力をこめてパンチを打つスタイルです。勿論、今回の試合用に色々と対策を練っているでしょうが、基本スタイルは変わらないはずです。
音で両者のスタイル(リズム)を表現すると、以下のようになります。
大毅:バン バン バン バ バン
坂田:バ バババ バババ ババ バババッババ バン
大毅の力をこめたパンチが先にヒットすれば(特に坂田の苦手な前半に)、大毅の若さやパワーが活かされる試合展開になるかもしれませんが、坂田がそう簡単に大毅のパンチを喰いまくるシーンは想像できません。確実にブロックしながら距離を詰めてくるでしょう。大毅が一発打った後、間が空いたところへ坂田が軽いが細かい連打を叩き込むシーンが多く観られそうです。
大毅が坂田の軽いパンチを何とも思わず、自分の得意のパンチを打ち込み続けることが出来れば、拮抗した試合になる可能性もあります。しかし、いくら坂田のパンチが小さく軽いと言っても、数多く打たれれば効いてきますし、嫌になってきます。打たれるのを嫌がって、ブロックの貝に閉じこもっている時間帯が多くなりそうです。ブロックではなく、足を使って逃げようなら、それこそ坂田の執拗な攻撃に加速がつき、追いまくられることでしょう。
私には、大毅にほとんど勝算はないように思います。大毅には世界王者としての技術が全く欠如しているためです。技術力の差、そしてキャリアの差で坂田は大毅を圧倒し続けると思います。
ただし、坂田のパンチはショートパンチがほとんどの為、地味で見栄えが良くありません。手を出しているものの、相手に効果的なダメージを与えているようにジャッジには見えないかもしれません。(この地味さが、今まで世界戦で何度となく僅差で敗れた要因になっています。)試合のペースは坂田が握るも、採点結果は意外に競っているかもしれません。115-113、116-112くらいの差で坂田勝利でしょうか?
皆さんの予想はいかがでしょうか?
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2010年09月20日
内山は強過ぎる!その一言に尽きます。前回も書きましたが、あのクールネスが彼の最大の武器のように思います。生きるか死ぬかという極限の戦いが行われるリング上で、どうして内山はあれほどまでに冷静に、まるで悟りを開いたかのように落ち着いて試合を運べるのでしょうか?長いアマキャリアに裏づけされた技術力があるからこそ、自分をコントロールすることが出来るのでしょうが、彼の性格、これまでの人生の歩みも大きく関係しているのでしょう。
冷静だからこそ、相手の動きがよく見える。的確に強い左ジャブを当てることが出来る。相手の打ってくるパンチがよく見えるから、被弾が極めて少ない。そしてリラックスしているから力むことなくスムースにパンチを出すことが出来る。そして、ヒットする瞬間には、パワーを一点に集中させることが出来る。内山のボクシングは、体の柔らかさも感じさせるゆったりとした構えで、決して力んだり、無駄な動きをみせません。攻撃パターンは決して多くはないものの、ボクシングの基本である打たせずに打つ、外して打つことが出来る為、彼の強力なパンチと相まって、相手はいつの間にかプレッシャーを掛けられ、あのダイナマイトパンチを喰ってしまうのでしょう。
次は誰が相手になるのでしょう?リナレスと戦えばどのようになるのでしょうか?超スピードとテクニックで、リナレスが内山の独特な間でのボクシングをさせないのでしょうか?それとも、リナレスも内山の豪腕の前に捕まってしまうのでしょうか?興味が尽きませんね。
アンダーカードの河野ですが、最終回の起死回生のダウンシーンは鳥肌ものでした。野球で言うと、9回2アウトから満塁ホームランを3連発くらいしたような大逆転シーンでした。ロハスはかなり効いていたはずです。ダウン後の追撃が力みすぎて大振りになり、空転してしまったことは、本当に勿体なかった。効いた相手には、軽いパンチ、ショートパンチの連打で確実にヒットさせること大切です。軽くても、あの状態では十分効きます。そして、軽いパンチで防御一辺倒にさせたところで(相手の動きを固めてしまい)、腰を入れた大きなパンチを振るうとヒットしたのではないでしょうか。
たしかに河野とロハスではボクシング技術は大きく差がありましたが、ボディーを効かされても決して諦めることなく、最後の最後まで前進を続けた河野の姿には勇気付けられました。人生も同じです。諦めずに戦い続ければ、いつかはチャンスがやってくるのでしょう。ないものねだりになりますが、河野がもう少し腰の入った強いパンチを打つことが出来れば、最終回に見せたようなロープに詰めて相打ちで、中盤あたりには勝機を見出せたかもしれません。(逆に一発で試合を終わらせることが出来たら、今のような旺盛なスタミナと根性を手に入れることは出来なかったかもしれません。全てを高い能力で保持している選手というのは、世界チャンピオンでもそうは居ません。)
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2010年08月29日
ジェームス・トニーの本来の体格はミドルからSミドル級程度、それが脂肪をたっぷりつけながら、絶妙な当て勘とパンチの見切りでヘビー級でも長い間トップ10をキープしていた実力者でした。
実は、トニーの体格や体力には問題を感じていましたが、インサイドからパンチを当てることに関しては天才的なトニーに期待をしていた面もありました。相手のクートゥア選手のことはよく知らないのですが、殿堂入りの名選手ということで47歳とは思えない体とパワーを感じさせました。
試合開始直後のファーストコンタクトがどのようなものになるのか、注意してみていたのですが、やはりクートゥア選手は最初からパンチで勝負する気はなかったのでしょう、トニーの足に軽くタックルをかまし簡単にテークダウンを取りました。トニーは学生時代にアメフトの選手をしていたこともあり、寝かされても体幹のパワーや頑丈さも普通のボクサーよりはあるかも?とも思いましたが、駄目でしたね。それでも決定打を避けるように頭の位置を変え、絞められてもボクサーにしては粘ったと思います。最後は肩を固められてタップして終わりました。
ボクサーはパンチが決まらなければ、話にならないのですが、西島洋介もそうでしたが、本気で総合に臨むのであれば、その名の通り総合力を高めないと勝ち目はありません。ボクサーとしてのプライドが邪魔するのか、パンチさえ当たれば何とかなると思っているのでしょうか?
ただ最後に言わせてもらうと、ボクサーで総合格闘技に挑戦する選手は、皆ボクサーとしては峠を過ぎた選手ばかりで、最強を証明するという目的で戦っている選手はほぼ皆無ということです。言い方は悪いですが、最後の小遣い稼ぎといったところでしょうか。
ボクサーが総合である程度通用するには、若くて、体力があり、とんでもなく強いパンチを持った選手というのが最低条件でしょうね。
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