2008年07月28日

激戦!コット対マルガリート

戦前の大方の予想通り、激しい試合でした。コットもマルガリートの出端を捉えクリーンヒットを多く奪いながらも、常に前進を続けるマルガリートの馬力に押し切られ、最後は根負けした形でした。解説の浜田氏が言われていたように、あの10回はマルガリートも動きが鈍り、ダメージを感じさせていました。そこに最後の力を振り絞ってコットが動きながらクリーンヒットを奪い、逃げ切りパターンを構築しようとしていた矢先、ついにマルガリートの下から突き上げる左のショートアッパーを喰って、効いてしまいました。このパンチのダメージが抜けきらず、11回はじまってからはコットはほとんど動くことが出来ず、人間風車マルガリートの餌食となってしまいました。

両者ともギリギリの極限での戦いでしたが、その我慢比べにマルガリートが勝ちました。決して巧さはなくとも、実戦で鍛えた打撃と生まれ持った体格と打たれ強さで、常勝コットを打ち倒してしまったのですから、大したものです。まさに雑草的な強さを感じさせました。それにしても、両者が同じ147ポンドとは思えないほど、体格差、パワー差がありましたね。試合展開は違うものの、イベンダー・ホリフィールド対リディック・ボウ第一戦を思い起こしました。ホリフィールドのパンチが何発もヒットしても、あまりボウにはダメージが無く、逆にボウの重いパンチでホリフィールドが何度もピンチに陥っていました。体格差やパワー差を克服することは、やはりコットと言えども難しかったのでしょうか。

コットは、マルガリートが危険な相手であることを百も承知だったのでしょう。足を使ってポイントを取る作戦だったようですが、打たれても打たれても前に出続けたマルガリートに得体の知れぬ怖さを感じていったのかもしれません。自分のパンチがヒットしても何事もないかのように、前に出続け逆に力を込めたパンチを返してくるのですから、まるでモンスターです。

メイウェザーがマルガリートとの対戦を拒んでいた時期がありましたが、タフで手数が出てどんどん前に出る馬力がある選手は、相性的には良くないからなのでしょう。メイウェザーにしても、ロープに押し込まれて体力負けしてしまうかもしれません。

それにしても、90年代以降主流となったタッチボクシングとは違い、迫力、スリルが味わえました。いよいよ明後日は、日本人フライ級王者、内藤と坂田のダブルタイトルマッチです。コット対マルガリート戦に劣らない、激しい戦いが予想されます。今から楽しみです。





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2008年07月21日

ボクシング動画妄想

ボクシング・ファンの多くは、「なぜボクシングのビデオ(DVD)の発売が少ないのだろう?」と思っているはずです。ライバル(?)であるプロレスや総合格闘技系が多数のタイトルを定期的に発売しているのに対し、ボクシングではVHSビデオの時代からその数は非常に少なく、DVDに移行してからは更に減ったように思えます。

ボクシングにはプロレス、総合のような連続したストーリー性(遺恨試合、ライバル設定など)が無かったり、選手数が非常に多い上試合数が少ないため、ある特定の選手に注目が集まることは希ということもあるでしょう。勿論、各テレビ局、興行主催者らの権利も絡んでいるのでしょう。しかし根底にあるのはやはりボクシング自体の人気低迷が一番の要因であることは、誰もが承知です。

90年代は、まだ70年代ボクシング熱が残っていたのか、企画・制作側が70年代ボクシングの魅力を覚えていたからか、今に比べれば時折ではあるものの市販されていました。しかし、ボクシング低迷期が80年代から約30年近く経とうとする今では、ボクシング自体のステータスが我々ボクシング・ファンが想像する以上に、落ち込んでいるのでしょう。先月のマニー・パッキャオが4階級制覇達成した偉業なども、新聞一般紙では一切報道がなかったと思います。80年代では、日本の世界戦だけでなく海外のビッグマッチは、一般紙でさえも写真付きで大きくページを割くことがよくありましたし、ビッグマッチでなくとも結果は紙面の片隅に載っていました。

ボクシングというスポーツが、面白さが無く、魅力を一切感じさせないものであれば、現在のような状況に陥っていても、仕方はないと諦めます。しかし、実際は全く逆で、肉体と精神を競い合う素晴らしいスポーツなのです。初めてボクシングを観る方にでも、熱くさせてしまうものを持っていると信じています。だからこそ、今の情けない状況がたまらなく我慢できないのです。

趣味の多様化で、スポーツだけでなく、音楽やテレビ、映画などもある特定のものに人気が集中することは、昔に比べて無くなっているのでしょう。これからの時代、ますますボクシング人気が落ち込んでいくことは目に見えています。これ以上の人気下落を食い止めるためにも、ボクシング業界は起死回生のアイデアで勝負しなければならないと思います。以前輪島氏が提案していたような、協会主導のビッグイベントの開催もその一つですが、やはり一番手っ取り早いのは、素晴らしい過去の遺産(名勝負、名選手)を露出することで、年配の方にはボクシングの魅力を思い出してもらい、若い方にはボクシングの素晴らしさを知ってもらえるのではないでしょうか。

媒体はDVDだけでなく、ネット上の動画配信(有料、無料)を利用し、とにかく視聴機会を増やして欲しいです。有料動画の場合でも、1試合100円程度に抑えれば、スポーツが好きな方ならば、一度は観てみようと思うはずです。各テレビ局も、深夜の定期放送の価値を上げるには、宣伝の意味も含めファン獲得のため新しい手法を取り入れて行動する必要があります。手間は掛かりますし、版権問題などクリアするべき項目も多いとは思うのですが、これ(露出)をしなければ、未来が来ないことは確かです。ボクシング協会が各テレビ局の協力を得て、ボクシング動画配信プロジェクトを始められないものでしょうか。ボクシング人気を盛り上げることは協会の大きな仕事の一つだと思います。他のスポーツでも、協会主導で動画配信など行っていないと思うので、他に先駆けて行えばかなり注目度が高いのではないでしょうか?CSなどでは過去の名勝負が放送されることはありますが、そうそう手軽にいつでも誰でも観られるわけではないので、あまり効果はないと思います。WOWOWでの世界のタイトルマッチ放送にも同様のことが言えます。

今日の動画紹介
http://jp.youtube.com/watch?v=pfUFYtXNN0A&fmt=6




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2008年07月14日

久しぶりの亀田家

昨日、長男興毅がメキシコでのデビュー戦を見事2回KO勝利で飾ったようです。勿論、相手は2年間勝ち星に恵まれない、しかも試合まであと5日というところで急遽ピンチヒッターでお呼ばれした相手(減量も間に合わず、1度目の計量失敗後、2時間で約2キロを落としたとも伝えられています)と言うこともあり、海外緒戦としては手頃な相手だったと言えるでしょう。当初、フィリピンから噛ませ犬をわざわざ連れてきて、メキシコで試合をしようとしていたことに比べれば、準備期間などに問題はあるにせよ、地元のメキシカン相手に試合をしたことは、まだマシだったのではないでしょうか。

本日、東日本協会が亀田ジムの申請を受理したそうで、このままいけば来月の理事会で正式に認可される見通しだそうです。果たして、正式に葛飾の自宅でスタートしたとして、どのように日本国内で試合を組む予定なのでしょうか?練習の指導は、セコンドライセンス無期限停止中の父史郎氏が中心となり、行われるのでしょうか?私の個人的な意見として、亀田兄弟の試合は今後もメキシコ中心に行うべきだと考えています。第一の理由として、日本と違いマスコミにあまり追いかけられないため、純粋にボクシングに打ち込める環境があると思われます。第二に、選手層の厚いメキシコの軽量級の選手とともに汗を流し、スパーをすることで、本物のテクニック、パワーなどを身をもって学べます。第三に、メキシコのボクシングのレベルを知り、いかに自分たちのボクシングが極限られた世界だけで成功していたのかを知ることで、謙虚な気持ちになってボクシングの上達に励めるのではないでしょうか。そして何より、あまりに偏った父史郎氏のボクシングから離れることが出来ることが、メキシコ修行の最大のメリットであると思います。

今回の亀田ジム申請は、将来日本人世界チャンピオンとのタイトルマッチを行う為のものだと思いたい。しかし、あの父親がお金にもならないメキシコでの試合を優先させるとは思えません。以前のような「亀田のけんか祭り」興行復活を狙っているのでしょうね。




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2008年06月29日

ネタバレ注意!WBCライト級戦、ディアス対パッキャオ!

明日のWOWOWの放送を待っている方も多いと思いますので、試合経過や結果などは下の方に書かせてもらいます。(ずっと下までスクロールして下さい。)






































それにしても、予想以上のパッキャオの出来でした。今まで観てきた中で、今日ほど完成度の高い試合は無かったでしょう。まさにマスターピース、パッキャオの技巧が完成された試合と言っても過言ではないように思います。何しろライト級王者のディアスがパッキャオのスピード、攻防のリズムに全くついていくことが出来ず、蛇に見込まれた蛙のごとく、一方的にパッキャオの攻撃を受け続けてしまいました。パッキャオも初戴冠のフライ級から数えて七階級目ということもあってか、パンチングパワーはさほど感じませんでした。パワーよりもスピードとタイミングを重視したためかもしれませんが。サウスポーは苦手と言っていた割に、ばしばし右ジャブ、いきなりの右フックを当てて翻弄し、時に伝家の宝刀左ストレートをぶつけていました。めまぐるしくポジションを変えながら、先手を取って攻め続け、最終回となった9ラウンドには、ついに粘るディアスを左のショートフックのカウンターで前のめりに倒し、アジア人初の四階級制覇を達成しました。

信じられないフィジカル能力があるのでしょうが、それとともに「俺のパンチはどの階級でも通用する!」と信じ、一切の迷いもなく自分のペースで自信を持ってボクシングをしきってしまう強い精神力も大きな武器です。悪い言い方をすれば、脳天気な性格なのかもしれません。普通の選手ならば、階級を一つあげるだけで不安になるところを、彼の場合フライ級王座陥落後一気に3階級アップし、今に続く伝説を築き上げてしまいました。今回のライト級挑戦においても、減量が楽になったためか、非常に動きが軽くコンディションは最高に仕上がったようで、パッキャオのように速い動きを特徴とする選手には、一番体が軽く感じる体重(物理的な体重の軽さでは勿論ない)で試合に臨むことがベストなのかもしれません。我が日本の内藤や長谷川ももしかすると2,3階級上の方が素晴らしく速い動きが出来るのかもしれません。

明日のWOWOWでの放送で、じっくりパックマンの自由自在な攻防を今一度鑑賞してみようと思います。フィリピンのテレビでは、「もうロベルト・デュランを超えたかも?」との声もありました。確かにデュランが階級を上げて執拗なパワー戦法から技巧派へと転身した物に近いものが、今日のパックマンにはありました。ボブ・アラムプロモーターの話では、パッキャオの次戦は、年内に全KO男、エドウィン”雷”バレロとの試合の可能性が高いとのことですが、パッキャオ対バレロが実現すれば、日本のファンにとってはまさにスーパーファイトになります。今後のパッキャオを中心としたライト級の動きにも要注目です。





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2008年06月28日

いよいよ明日WBCライト級戦!パッキャオ対ディアス!

このブログをお読みの皆さんならご存じかもしれませんが、私は大のパッキャオファンです。一言で言うと分かり易いボクシング。目の前にいる相手を倒すことだけを意識したボクシング。試合中、採点を気にすることもなく、ペース配分にもほとんど気にかけず、ただベストショットを当てることだけを考えているように思います。本来のボクシングの醍醐味であった「倒し倒され」といったスリルをパッキャオの試合からは強烈に感じることが出来ます。だからこそ、本場アメリカでも彼の人気は凄まじいのでしょう。

さて明日は4階級制覇を賭けた大一番、フライ級から数えてなんと7階級目となるライト級での挑戦です。元フライ級世界王者がライト級まで世界戦進出したことが過去あったのでしょうか?ファイティング原田氏ですらフライ級からフェザーまででした。体重増加に関しては、前回(と言っても2週間前の記事)書きましたので、そちらをご覧いただければと思いますが、これだけ増量しながらもぜい肉を付けながら、テクニックで階級の壁を破ってきたのではなく、基本的なスタイル、つまり強打で相手を倒すスタイルを変えずに、ここまで階級を上げてきたことは、前例が無いことです。

しかし、そんなスーパーパックマンでさえ、ライト級では階級の壁にぶつかるのではないかと多くの専門家、ファンは見ているようです。チャンピオンのデビット・ディアスは、ライト級の中では穴王者と見られがちですが、豊富なアマチュア経験に裏付けされたテクニックは本物ですし、サンタクルス戦でみせたように、どんな劣勢にあっても諦めない精神力、そして執拗な手数は、体の小さなパッキャオにとって脅威となるはずです。

この試合の鍵はズバリ初回の攻防に掛かってくるでしょう。ディアスがパッキャオのパンチを警戒しやや距離を取った試合をするのか、それとも体格差を活かし、どんどん前に出てプレッシャーをかけてくるのか。パッキャオにしてみれば、あまりに強引に体ごと押し込まれて試合をすると分が悪いため、やはりディアスがある程度距離を置いてくれた方がいいでしょう。その為にも、初回や早い回でパッキャオのパンチ力を知らしめる必要があります。ロイ・ジョーンズが、ヘビー級でジョン・ルイーズをカウンターでぐらつかせたような一撃です。

問題はここからです。パッキャオ自身、あまりサウスポーとの対戦は得意ではありません。今までのように、自由自在に得意の左ストレートを当てることが出来ない可能性も大いにあります。ディアスの右ジャブに対処できるかどうか。そして鋭い踏み込みから体ごとぶつけるような左をヒットさせることが出来るのか。少しの迷いが踏み込みを鈍らせ、パッキャオの主武器である左の威力を失わせてしまいます。パッキャオが階級の壁を破ってこれたのは、この踏み込みの鋭さによるパンチ力なのですから。サウスポーのディアス相手に迷いが生じ、いつもの踏み込みが出来ない、パンチ力が半減、となるとさすがのパッキャオも壁にぶつかることでしょう。

さて私の予想(というより希望)ですが、パッキャオの左強打が前に出てくるディアスの顎に幾度となくジャストミートし、中盤までにディアスを倒しきってしまうパターンです。最近は、パッキャオの左ストレートは読まれがちで、以前ほど当たりませんが、それはバレラやマルケスといった超ハイレベルな対戦相手だったからで、ディアスにはパッキャオのパンチがより多く当たると信じています。スーパーチャンピオン(パッキャオ)と普通のチャンピオン(ディアス)との差が明確に出るのではないでしょうか。

日本ではWOWOWで6月30日(月)夜8時よりタイムリーオンエアーです。パッキャオがライト級でも通用するのか、非常に興味深い一戦となりそうです。




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2008年06月14日

ボクサーの増量

あと2週間に迫ったパッキャオの4階級目ライト級挑戦を前に、パッキャオのデビュー後から現在までの驚異の体重増加をグラフにしてみました。ついでに私が思いついたどんどん階級を上げていった、風船のようにふくらみ続けたボクサー達との比較もしました。ふくらむと言えば、真っ先にミドル級から実質ヘビー級まで制したジェームス・トニーが浮かびました。次に、アジアの怪物マニー・パッキャオ。元ライト級王者でナザロフにタイトルを奪われながら、忘れた頃にいきなりSミドル級を制したディンガン・トベラ。そして最後は偉大なるロベルト・デュランです。

グラフの見方ですが、選手それぞれ階級も違うため、プロデビュー戦時の体重を基準に(つまりデビュー戦を「100%」として)どの程度肥大していったかをパーセンテージで現しています。縦軸は、そのパーセント(ここでは膨張率としています)、横軸は、デビュー後の経過日数となっています。

トニー 黄色
パッキャオ 紺色
デュラン 水色
トベラ ピンク
20080614-04.jpg

このように四者を並べてみると、多少の上下動はあるものの似たような増加ペースであることが分かります。(マニー・パッキャオは、再来週の体重を61キロとしています。)階級も選手それぞれの骨格、年齢、体質も違うため、比較は無理なのは承知ですが、10年で20%増がボクサーとしての限界値なのかもしれません。日本のようにデビュー時から頑なに同じ階級で戦い続けることが当たり前の国から見れば、この4名の増加率はあまりにも異常ですが。

ちなみに体重で見てみると、
トニー 最低 70.60kg、最高 107.50kg、増量幅 約37kg
パッキャオ 最低 48.08kg、最高 61kg(予定)、増量幅 約13kg
トベラ 最低 57.15kg、最高 82.20kg、増量幅 約25kg
デュラン 最低54kg、最高 79.80kg、増量幅 約26kg

階級が違うとはいえ、やはりトニーの増加は異常です。しかも、彼が凄いところは、最重量時でも世界戦を行っているところです。ふくらみ続けながらも、どの体重においても素晴らしい能力を発揮し続けました。生まれつき頑丈な体と言うこともありますが、やはり彼の類い希な反射神経とディフェンスの勘が、この偉業を陰で支えていたのでしょう。私は、以前からこのトニーと石の拳ことロベルト・デュランのボクシングに多くの共通点を見いだしていました。何も太る体質というだけでなく、練習では決して身につけられないナチュラルな動きで、相手のパンチを外し、自らのパンチはコツコツ当てることが出来るからです。まさに自然な流れの中でパンチをかわしてしまうのですから、階級を上げても通用するはずです。

一方のパッキャオは、あと一歩で膨張率130%に達するところですが、彼が最も偉大なのは、これだけ階級を上げながらも、いまだにパワーを武器に戦っている点です。当然Sバンタム級時代ほど相対的に一発のパンチ力はありません。しかし、それでも一発で相手を倒してしまうパンチは持っています。それに加え、肉体的精神的スタミナの持続も武器となっています。体つきを見ても、他の3名と違いぜい肉を付けながら階級を上げたのではなく、筋肉量の増加が伴っているからこそ成し得た、まさにフィジカル面での偉業達成と言えるでしょう。

パッキャオやデュランなどは10代でデビューし子供の体からの成長過程にあったため、プロ入り5年後の膨張率115%程度で全盛期を迎えています。トベラの全盛は、106%程度のライト級時代。トニーはいつが全盛期か定めにくいですが、強いて言えば約105%のSミドル級時代でしょうか。

日本の選手の多くは、海外の選手に比べ体重に関しても神経質で、1階級の重み(壁)をあまりに意識する傾向があるのではないでしょうか。そのため、体の成長を妨げてまで無理な減量を行い、同じ階級で戦い続けてしまうのでしょう。過酷な減量から思うようなパフォーマンスを発揮できず試合に敗れるだけでなく、毎回の減量の影響で選手生命自体も縮めてしまっているようにも感じます。デビュー時から体が出来上がっているような選手ならまだしも、体が出来ていない選手は、トレーニングとともに体も作られていくわけですから、体の成長に合わせて階級を上げていって欲しいものです。日本にはまだまだ「体格差を活かすために、出来るだけ下のクラスで戦ったほうが良い。」とする考えが多いようですが、過酷な減量によりコンディション作りに失敗する可能性を完全に無視しているようで馬鹿げています。今回取り上げた4名は、あまりにも普通ではない選手のため参考には一切なりませんが、体重を上げることにあまり神経質にならないで欲しいと思っています。現バンタム級王者の長谷川選手も減量に苦しんでいますが、アメリカ進出ではSバンタムやフェザー級で挑戦すれば、さらに速くて強い長谷川が見られるかもしれませんね。




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2008年06月12日

エース長谷川、快勝!

長らく日本ボクシング界のエースと呼ばれている長谷川が、その名にふさわしい見事なKO勝利を収めてくれました。ウルグアイからの挑戦者ファッシオとの力量差があったとは言え、あの最初にダウンを奪った左のショートカウンターなど芸術的とも言えるほどの冴えでした。今回のテーマは、力まずにリラックスしスピードを重視するというものでしたが、それが功を奏したようで、KOを意識するあまり強いパンチを打とうと力み、反ってパンチの切れや精度が落ちていたここ数戦の出来を払拭しました。

以前にもこのブログ上で述べたことがありますが、どのスポーツにおいてもリラックスした状態こそ、最大の運動能力を発揮できる必要条件のように思います。陸上の短距離走などはそのちょっとした緊張度が即タイムに現れてしまいます。ボクサーのパンチの伸び、当て勘、そしてディフェンスの反応などにも、同様のことが言えると思います。ただ殴り合いが行われるリング上で、平静を保ちリラックスした筋肉を作り出すことは、なかなか難しいことでしょう。ただ強い選手、名選手は、そのような恐怖の中においても自分をコントロールする術を持っているようです。相手の癖を読み取り、冷静に試合を組み立て、そして的確にパンチを当てます。

今日のセミ、KO男エドウィン・バレロは、長谷川とは違い、力みすぎていました。36歳の挑戦者嶋田をなめていたのかは知りませんが、力づくで倒そうとするあまりパンチが大きくなり、相手に読まれるケースが多かったです。それでも最後は圧倒的な体力差、パンチ力の差で嶋田を押し切りましたが、今日のような出来だと世界のスター選手との大一番では勝てないでしょう。

強く打とうと力んだパンチよりも、狙わずに自然と出したパンチのほうが効く場合が多いのですから、ボクシングでは昔から言われているように「スピードとタイミング」の重要度が極めて高いのでしょう。マイク・タイソンのように力んでも倒せる選手はいますが、これはスピードが伴っているからなのでしょう。

エース長谷川が試合後語っていましたが、次戦は間隔を開けずに試合をして欲しいですね。3ヶ月後くらいの試合を期待したいです。場所もラスベガスであれば尚良いです。長谷川は、世界中のどんな強豪とやっても勝てる可能性があります。スーパーファイトに登場する日本人第一号になって欲しいです。




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2008年06月08日

夢のボクシング殿堂

今週は、ニューヨーク州カナストータという田舎町で、2008年度のボクシング殿堂式が開催されています。今年新たに殿堂入りを果たすのは、ヘビー級の名王者の一人ラリー・ホームズ、60年代のJrウェルター級王者エディー・パーキンス(日本で国際ジム会長、高橋美徳の挑戦を退け、重量級の壁を知らしめたボクサー)、そしてジャーナリスト枠では我が日本のジョー小泉氏も選ばれました。

このブログでもたまにこの殿堂式について触れてきましたが、ボクシングファンにとっては、まさに夢のような一週間となります。あの憧れのチャンピオン達に出会えるというだけで、行く甲斐があるというものです。私も本当は今年は久しぶりに行きたかったのですが、やはり時間の都合がなかなかつきませんでした。今年の式に出席する(予定)ボクサー達を列挙します。

殿堂入りのボクサー、関係者たち
(毎年の式典常連者でもあります)
カーメン・バシリオ
カルロス・オルティス 
ホセ・トーレス
エミール・グリフィス
ルーベン・オリバレス
ジーン・フルマー
アレクシス・アルゲリョ
マーベラス・マービン・ハグラー
ルー・デュバ
マイケル・カルバハル
アンジェロ・ダンディ
バート・シュガー
ボブ・アラム

スペシャル・ゲスト
アントニオ・ターバー
クリスティー・マーティン
ジョージ・シェバロ
バスター・ダグラス
リビングストン・ブランブル
レオン・スピンクス
コーリー・スピンクス
ゲリー・クーニー
ヘクター・カマチョSr
マーロン・スターリング
ビリー・バッカス
スティーブ・ カニングハム
ネート・キャンベル
チャド・ドーソン
等々

ボクシングファンにはお馴染みの名前がずらりと並びます。以前に比べるとやや小粒のように感じますが、それでもこれだけが集結するのだから、いかにこの殿堂式がボクシング関係者、ファン、そしてボクサーに愛されているかが分かると思います。

最終日の日曜日の昼過ぎに、受賞者のスピーチが行われます。ジョー小泉氏がいかなるアメリカン・ジョークを用意しているか、こちらの方にも個人的に注目しています。日本的なダジャレでは、アメリカ人には通じないでしょうから、どのように笑いを取るのでしょうか?WOWOWでの現地レポートに期待しましょう。

98年から2000年まで私が参加したときの様子を写真で載せておきます。(もう10年近く経ったんだな、と物思いにふけってしまいました。)ファンなら一度は行きたい夢の場所です。

会場全景
会場
サイン会(近くの高校体育館、オリバレス)
サイン会(オリバレス)
練習風景(ホプキンス)
現役ボクサーによる練習(ホプキンス)
練習風景(トリニダード)
練習風景(トリニダード)
ディナー会場(トリニダード陣営と同席、入場はプライアー)
ディナー会場(トリニダード陣営と同席)
ディナー会場(レナードとボー・デレク)
ディナー会場(レナードとボー・デレク)
パレード出発前(ハグラーとオルソン)
パレード前(ハグラーとオルソン)
パレード中(デラホーヤ)
パレード中(デラホーヤ)
式典後(カオサイと筆者)
式典後(カオサイと筆者)



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2008年05月29日

内藤、坂田のダブル世界フライ級タイトルマッチ!

まだ正式発表はなされていませんが、7月30日(水)にWBCとWBAの世界フライ級タイトルマッチが開催される見通しのようです。勿論、この両王座は日本人王者、内藤と坂田が君臨しているのですが、挑戦者もまた両試合とも日本人という初のダブル日本人同士の世界戦となります。

私自身は、日本人同士の世界戦にはあまり好意的ではなく、日本人対決は日本タイトルマッチなどで日本最強を争い、その勝者だけが世界戦へと進むことが出来る、とするべきだと常々思っています。しかし、JBC公認の世界王座WBAとWBCの両王者が日本人であるため、日本人対決が多くなることも致し方ない面もあります。

今回のW世界戦は、今後内藤対坂田というフライ級統一戦路線を一般視聴者に強くアピールする上でも非常に有効ですし、一度に4名もの日本人フライ級ボクサーがお茶の間に露出するというだけでも、日本のボクシング界も面白さをアピールする絶好の機会と言えるのではないでしょうか。ここは、両王者、両挑戦者ともにハッスルした最高の戦いをみせて欲しいです。薬師寺対辰吉、畑山対坂本のような激しいぶつかり合いを期待します。

ところで、先日たまたま鬼塚対松村戦のビデオを見ていたら、「7年ぶり7度目の世界戦日本人対決」とアナウンサーが言っているのを聞いて、早速いや~んを調べてみました。抜けているかもしれませんが、以下が過去行われた日本人同士による世界戦です。

67年 沼田 義明 対 小林 弘
71年 大場 政夫 対 花形 進
72年 輪島 功一 対 龍 反町
82年 渡嘉敷 勝男 対 伊波 政春
82年 渡辺 二郎 対 大熊 正二
85年 渡辺 二郎 対 勝間 和雄
92年 鬼塚 勝也 対 松村 謙一
94年 薬師寺 保栄 対 辰吉 丈一郎
98年 飯田 覚士 対 井岡 弘樹
99年 戸髙 秀樹 対 名護 明彦
00年 畑山 隆則 対 坂本 博之
00年 徳山 昌守 対 名護 明彦
02年 徳山 昌守 対 柳光 和博
03年 徳山 昌守 対 川嶋 勝重
04年 徳山 昌守 対 川嶋 勝重
05年 川嶋 勝重 対 徳山 昌守
07年 新井田 豊 対 高山 勝成
07年 内藤 大助 対 亀田 大毅
08年 坂田 健史 対 山口 真吾
08年 坂田 健史 対 久高 寛之
08年 内藤 大助 対 清水 智信

徳山は、北朝鮮籍なので厳密には日本人として数えるべきではないかもしれませんが、日本で生まれ育ち日本名を持つということで、ここに加えました。それにしても、60年代1試合、70年代2試合、80年代3試合、90年代4試合、2000年代11試合目(内徳山5試合)というのは、さすがに日本人対決を乱発しすぎではないでしょうか?何が世界タイトルなのか何が日本タイトルなのか、一般のファンには総合格闘技系選手がよく分からない世界王者を名乗っているように、ボクシングというスポーツにおいても「世界は、意外と近くにあるもの。」「世界とは名だけ。」などと思われないか心配です。

今回は、亀田家に汚された日本ボクシング界のイメージを完全に払拭するという意味合いも含めて、4名の日本人ボクサーによる世界戦を楽しみたいと思います。放送はTBSなのでしょうが、変な煽りは止めて、一般視聴者が楽しめる爽やかで気品のある番組作りを目指してもらいたいです。大げさな演出、うるさすぎるアナウンスは要りません。ちょうどあと2ヶ月。今から7月30日(水)が楽しみです。




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2008年05月24日

興行ドタキャン!

信じられない事件です。試合を翌日に控え、出場選手の計量まで終えたあとでの興行中止。この興行主催者のグローバル協栄ジムの金銭的トラブルが原因と言われていますが、どのような事情であれ試合の前日に中止を発表するとは、どのような神経をしているのでしょうか。元々十分な資金もなく、今回の興行開催にあたり当てにしていたお金が入ってこなかったのでしょうか(最後の最後まで資金集めに奔走していたのでしょうが)。いづれにせよ、出場する予定だった選手らが可哀想です。この日のためにトレーニングをし調整をしてきた全ての努力が水の泡です。

このような非常事態にこそ、日本プロボクシング協会(JPBA)が救済できないものでしょうか?グローバル協栄ジムに代わり、JPBAのもとで興行を行う。勿論、掛かった費用などは、後日グローバル協栄ジムに返済してもらう(回収できるかどうか問題でしょうが)。亀田兄弟の一時預かりなど議論するのではなく、今回のように広く起こり得る非常事態対策なども普段から準備するべきでしょう。またコミッションも、試合や選手の管轄管理だけでなく、興行主(特に資金面)の管理を徹底する必要があるのかもしれません。

それにしても、この興行を目指して頑張っていた選手達そしてファンの皆さんが可哀想です。話は大きくずれますが、私がフィリピンに滞在していたときには、もっと可哀想なことが起こりました。パッキャオのホームタウンにも近い街でのローカル興行だったのですが、メインイベントの地区タイトル戦の中盤、王者がダウンを奪い攻勢をかけていてほぼ試合の流れが決まりかけた矢先、突然の停電がありました。この興行は、地元の資本家が入場無料で行っていたこともあり、かなりの観客(5000人以上か?)が集まっていました。発電機が故障したのか、全く復旧しません。たしか第7ラウンドくらいだったのですが、30分経っても暗闇のまま。試合をしている時間よりもながい中断の間、ダウンした方の選手は試合再開に向けアップをするなど元気を取り戻していました。しかし、1時間経っても復旧せず、さすがにほとんどの観客は帰途についてしまいました。私もさすがに待ちきれず、リング上に選手を残したまま帰りました。結局試合は停電のためノーコンテストになったそうですが、死闘を演じた両者をリング上に残したまま帰途についた私たちは、私のせいではないにしてもちょっと罪悪感が残りました。

話が大幅にそれましたが、我が日本で興行のドタキャンが起きようとは、本当に今でも信じられません。停電や自然災害などで中止になるのならともかく、試合前の資金難で中止になるなんて、どれだけどんぶり勘定のジム経営なんだ?と思います。それか博打精神で、一か八かの大勝負、興行収入を見込んでいたのでしょうか?このようなことが2度と起こらないよう、JPBAでも次回理事会時に十分時間を取って対策を練ってもらいたいですね。




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