2009年11月30日

内藤-亀田興毅戦の公式採点を見ると....

ド素人の私が116-112で内藤の勝ちと採点しましたが、皆さんに言われるほどあり得ない採点ではなかったことは、公式のジャッジペーパーを見れば分かります。

プロのジャッジ達も採点するのが難しかったようで、三人のジャッジがそろってが同じ採点をしたラウンドは、2(亀田)、3(内藤)、4(亀田)、8(亀田)、10(亀田)、11(亀田)そのほかの6ラウンドは、プロ中のプロのジャッジ達の間でも意見が分かれています。判定が分かれた6ラウンドは、どちらが優勢だったかの見極めが難しかったということです。とくにこの試合のポイントだった中盤4ラウンドは、第8ラウンドのみが3者一致しただけで、残りは割れています。

つまり、第8ラウンド後に内藤が優勢、またはドローという採点も十分にあり得た試合展開だったと言うことです。そして、公式のような差が開いていなければ、最後の4ラウンドの戦い方も、大きく変わったということは言うまでもありません。

オープンスコアの弊害なのか、最初の4ランドの公開スコアの後、ジャッジ達に無意識に採点基準の変化があったようにも思えてなりません。私自身も、最初のスコアを聞いて、私自身の基準ではなく、ジャッジ達の基準に近づけた採点に変えようかと思ったくらいです(結局、自分の見方で最後まで付けましたが)。

最後に、亀田興毅のボクシングですが、戦前の予想通り距離を大きく取り、内藤が前に出てくるところを合わせていました。もう少し、逃げる足を使うかと思いましたが、内藤の圧力のかけ方、足の運びが今一歩だったこともあり、不必要には動かなかったことも、大きな勝因では無かったでしょうか(足を地に付けてしっかりと迎え撃てた)。

興毅のボクシングが大きく変わったと思われる方も多いと思いますが、もともと昨日見せたような上手いボクシングも出来る選手です。ただデビュー当時、名前を売る際に、昨日のようなクールな試合だと人気が出ないために、無理矢理あの亀ガードで押し込む強引なスタイルを採って「亀田とKOはセット」を見せていただけです。

長距離を操る天才ボクサー、徳山を馬鹿にした発言も見られた興毅ですが、実のところ興毅が目指すのは徳山のようなアウトボクシングではないかと思います。徳山になるには、踏み込みの距離、ジャブの使い方をマスターしなければならないでしょう。私個人としては、パッキャオではなく、徳山の後継者としてこれからも精進してもらいたいですね。(ちなみに以前、興毅はパッキャオのことも下手くそと貶していました。)

内藤の今後は分かりませんが、出来ることならあともう一試合見てみたい気がします。最後は、もちろん、興毅へのリベンジマッチです。(それにしても、視聴率には驚きました。)


以前提案した採点方法





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2009年11月30日

内藤-亀田興毅の判定について

おはようございます。
昨晩の私の記事に関して、多くのかたの意見が寄せられました。参考になる部分も多々ありました。有り難うございます。

試合のビデオは見返していませんが、また週末にでも冷静な目で判定してみようと思っています。

私の採点「内藤-亀田、116-112で内藤」は、今でもそれほど無茶苦茶な採点とは思っていません。プロのジャッジでも、多くの試合で見方が割れることが多いことからも分かるように、採点基準というのは実は結構曖昧で、確実に機械的に各ラウンドを振り分けることは難しいものです。

判定の第一基準の「クリーンヒット、有効な攻勢」ひとつ取ってみても、何をどう見て「有効」とするかは、そのジャッジの見方に依存します。ダメージを与えずとも、ヒットしただけで有効とするのか、ある程度のダメージを与えるクリーンヒットなのか、その差は個人差が大きいです。(特に国、地域差が激しい。現在のラスベガスなどは、ヒットせずともジャブを多く出しているだけで、ポイントがつく場合もあります。韓国ジャッジは、お国柄ファイターに甘い傾向があります。)

私も実際、どちらに振るか迷ったラウンドが2つほどありました。もしこの2ラウンドを反対に振ったとすると、一気に4ポイント差が縮みます。(ドロー判定)昨晩の試合も、非常に採点の難しいラウンドが多く、どちらとも振れないような競ったものが結構ありました。この微差をどう取るかによって、極端な話、私のように内藤へ流れるのか、今回のジャッジのように亀田に流れるのか、試合の印象とは別に、点差が開くケースが多くあります。

現在の微差でも10-9、ダウン寸前に追い込んでも同じ10-9(時には10-8になりますが)という採点方法にこそ、問題があると信じています。以前、このブログでも検討しましたが、今の10点法では、試合の印象と判定結果に大きな開きがあるケースがあるので、微差は10-9.5にするなど、他のより良い方法を早く適用できないかと思っています。

時間がないので、簡単な意見しか書けませんが、亀田の大差判定もあり得るし、僅差判定やドローもあり得る。内藤の勝ちも考えられる試合だったという点は、今も変わりません。

以前提案した採点方法





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2009年11月29日

内藤、亀田興毅にまさかの判定負け!

試合は予想通り距離をとり安全策を採った興毅とそれを追い詰める内藤という図式が1ラウンドから最終ラウンドまで繰り返されました。正直、内藤も興毅も緊張のためか、硬さが目立ち、調子はベストではないように見えました。私の素人採点は、以下の通り。

内藤 vs 興毅
10 1R   9
 9 2R 10
10 3R  9
10 4R  9
10 5R  9
10 6R  9
10 7R  9
 9 8R 10
 9 9R 10
10 10  9
 9 11 10
10 12  9
116  112


4ラウンド後のオープンスコアで、一者興毅に付けていましたが、残りの2名は同点。この時点で、今日のジャッジが興毅寄り(つまりパンチによるダメージよりも、アマ的な軽いヒットでもポイントにする)であることが分かりました。次の4ラウンドは、内藤が明らかにプレッシャーを強め、手数を多く出しました。しかし!何故かここでさらに興毅へポイントが流れました。はじめの4ラウンドで、一名のジャッジが、大きく亀田有利と判定していたことが他の2名のジャッジにも影響したのか、変則スタイルの内藤はますます認められなくなったように感じました。

8ラウンド後、さすがの内藤にも焦りが見え始め、全く威力はないものの亀田の軽いあわせるようなパンチを不用意に喰うシーンが増えました。それでも、清水戦で見せたような一発逆転のビッグパンチを振るい続け、前に出続けました。時折、得意のフックが興毅にもヒットしたものの、急所を捉えるには至らず、結局最終ラウンドのゴングを聞いてしまいました。

最後の採点は、さらに興毅に友好的なものとなっており、116-112が一人、117-111が二人というものでした。今日のジャッジが、恐らくアマチュア的な採点方法(ダメージよりも軽くてもクリーンヒットを数える)の方だったことが、勝敗に大きく左右したことは言うまでもありません。他のジャッジがこの試合を採点したならば、全く違う結果になっていたと思います。

試合としては、盛り上がりに欠けたことは否めません。これは両者が噛み合わなかったことにも因りますが、興毅の引き出しの少なさ(待ちのボクシング、たまに突っかかるように直線的に飛び出す左だけ)、内藤の距離の詰め方の甘さ、フック攻撃偏重のスタイルばかりが目立ちました。内藤のキレがもう少しあれば、キビキビ動き、シャープなパンチを集められたと思いますが、さすがに35歳という年齢の影響が出たのかもしれません。

正直、スッキリとしない敗戦で、内藤ファンの私でさえ納得がいかないのですから、当の内藤自身は悔しくて眠れないのではないでしょうか?内藤の今後はどうなるのでしょうか?年齢的には引退を考えるでしょうが、今回の内容が内容だけに、このまま引き下がるわけにはいかないのではないでしょうか?リベンジを目指して再起してもらいたいです。

日本人相手に初敗戦の内藤、日本人に初勝利の亀田興毅。たった一度の勝敗でこれだけのコントラストを生み出してしまうボクシング。野球、相撲、ゴルフなど一般のスポーツでは、一度負けても次のチャンスがありますが、ボクシングはたったの一試合で大きくその競技人生を左右してしまいます。亀田興毅>内藤という結果だけが、残ってしまうのですから、本当に怖いスポーツです。




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2009年11月25日

内藤-亀田興毅 予想!

直前に迫ったビッグマッチ!日本中が期待!内藤対亀田興毅のWBCフライ級タイトルマッチ!!感嘆符を付けて、なんとか盛り上がろうと思ったのですが、正直ワクワク感はありません。まず試合自体にあまり魅力を感じません。少なくとも2年前に実現していれば(つまり大毅ではなく、興毅が内藤の初防衛戦の相手)、もっと盛り上がったことでしょう。この2年間、内藤は、日本人ランカーを相手にWBC日本タイトルの防衛に専念し、一方の興毅もメキシコに逃亡し、内容のない消化試合をこなしたに過ぎません。

ただ一般視聴者にとっては、内藤と亀田というネームバリューはかなり大きく、両者の知名度は、過去の世界戦日本人対決のいずれも上回ると思われます。(沼田-小林戦は分かりませんが、少なくとも辰吉-薬師寺、畑山-坂本よりも一般へ浸透していると思います。)

特にワクワクはしませんが、もちろん試合は観たいです。内藤の力、状態が戻っているのか?興毅は、ランダエタ戦から成長したのか?両者の戦術は?色々と見所はあります。内藤はフィジカルを鍛えて、体力・スタミナに進歩を見せていますが、試合による出来不出来があります。年齢のこともあり、試合当日に疲労を残さず、回復へ持っていく過程(調整)が難しいのかもしれません。一方の興毅は、やはり実践経験不足が、大きなマイナス点となります。内藤は、無気力な相手ではありません。パンチのない相手ではありません。組みやすい相手ではありません。

試合は、100%亀田興毅が足を使い、タッチ&ラン戦法を採ると見ます。3ラウンドまでに内藤を倒す!という言葉とは裏腹に、己の打たれ脆さと内藤の変則強打を警戒し、打ち合いを避け逃げ切りを図るでしょう。内藤の体のキレが、少なくとも山口戦くらいあれば、逃げる興毅にパンチをあわせることも可能かと思いますが、もともと足を使われると弱いだけに、いかにプレッシャーをかけ続けて、得意の打ち合いに持ち込めるかが、鍵になるでしょう。

興毅の弱い顎に、一発でも内藤の変則強打が決まれば、それだけで試合は決まってしまいます。両者の当日のコンディションにも左右されると思いますが、遅かれ早かれ内藤のパンチが入り、興毅を豪快にKOすると予想します。内藤のビッグマッチでの強さ(ポンサクレック第3戦のような)を期待したいです。挑戦者のつもりで、無心でぶつかっていって欲しい。ロマンチックはこんなところで止まりません!




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2009年11月22日

パッキャオのナイキ・ジャケット

今やボクシング界を牽引するスーパースターとなったマニー・パッキャオですが、スポーツ用品大手のナイキと専属契約を結んでいる関係で、ナイキ製の各種グッズが販売されているようです。私自身もパッキャオの大ファンであることから、パッキャオが着用するジャケット(ウインドブレーカー)を2種類米国から取り寄せました。

何だかパッキャオが、我が家で脱ぎ捨てていったような感覚になります。2種類のうち、一つはお馴染みフィリピン国旗をあしらった青、赤、そして太陽マークが胸元にあるもの。もう一つは、赤色主体に、パッキャオのトランクスなどにも貼られている、各スポンサーのロゴが複数付いているもの。どちらも派手で、実際に着用するには、私の年齢のこともあり、ちょっと恥ずかしいです。特にフィリピン国旗版は、旗が歩いているようで、目立ちすぎます。ただし、ディスプレー用として部屋などに飾っておくには、国旗版のほうが見栄えがします。

ちょっと宣伝になってしまいますが、ヤフオクでその国旗版を売りに出すことにしましたので、ご興味のある方は、一度覗いてみて下さい。
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k117976676

12/17追記:パッキャオの対コット戦着用と同タイプのトランクス
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d100102408




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2009年11月16日

続パッキャオ

いまだに昨日のパッキャオ熱が収まらず、何故これだけ階級を上げてもパンチが効くのか、どこまで強くなるのか、仕事中もずっと考えていました。時間があるときに、冷静になってから、自分なりに分析してみようと思います。

パッキャオは、世界4団体に限れば5階級制覇ですが、アメリカでは当然の如く7階級制覇と言われています。17階級、暫定王座乱発、スーパー王座増設など、もはや何でもありの4団体の価値がすっかり落ち込んだことを示しているとも言えるでしょう。

過去の4階級以上制覇した名王者たちのそれぞれの階級での獲得時の対戦相手を列挙してみました。(決=決定戦、誌=リング誌認定、SM=レナードのSM契約のLH戦)

トーマス・ハーンズ(クエバス、ベニテス、アンドリュース、ロルダン決、キンチェン決)		
レイ・レナード(ベニテス、カルレ、ハグラー、ラロンデ決、ラロンデSM)		
ロベルト・デュラン(ブキャナン、レナード、ムーア、バークレー)			
パーネル・ウィテカー(ホーゲン、ピネダ、マクガート、バスケス)			
レオ・ガメス(金奉準 決、八尋史朗 決、ソト、戸高秀樹)			
ロイ・ジョーンズ(ホプキンス決、トニー、マッカラム決、ルイーズ)			
オスカー・デラ・ホーヤ(ブレダル、パエス、チャベス、ウィテカー、カスティリェホ、シュトルム)	
フロイド・メイウェザー(ヘルナンデス、カスティージョ、ガッティ、ジュダー、デラ・ホーヤ)		
マニー・パッキャオ(チャッチャイ、レドワバ、バレラ誌、マルケス、ディアス、ハットン誌、コット)


こうして並べてみると、ハーンズのSMは初のWBO戦でしたし、LH王者をSMに落とさせて2階級同時獲得したレナードなどは論外。デラホーヤはSフェザー級、ミドル級が微妙でした。ロイ・ジョーンズ、メイウェザー、パッキャオなどは獲得時の相手のレベルも高いですね。太字で現したのは、私が勝手に思うそれぞれのベスト階級時の相手です。

今、パッキャオ-コットの再放送を観ているのですが、体力に自信が付いてきたのか、以前のような荒っぽい雑な攻防が目に付きます。真っ向勝負で力で押し切ってしまうスタイルです。私はライト級以降の丁寧な戦いのパッキャオのほうが好きですが、フライ級王者が、ウェルター級王者を力で圧倒するなんて本当に異常ですね。

posted by cutepizza |20:23 | 海外ボクシング | コメント(7) | トラックバック(0)
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2009年11月15日

パッキャオが史上初!7階級制覇達成!

先日の予想で、パックマンが大差判定勝ちと書きましたが、まさかコットまでも倒すとは予想外でした。試合展開は、私の予想とは全く違い、意外にも足をあまり使わず、時折ロープを背負う場面も見られるなど、軽やかなパッキャオとは違い体が重そうでした。これは、やはりフィリピンキャンプに緊張感がなく(台風の影響もありましたが)、十分な準備期間がとれなかったことに因るのかもしれません。または、前日計量後の飲食などで、いまいちのコンディションだった可能性もあります(デュランのレナード2戦目のような)。しかも、意味ものなく棒立ちで突っ立っている場面も度々見られ、観ている方は冷や汗ものでした。

第1ラウンド開始直後、いきなりコットのジャブで顔を跳ね上げられ、ボディーブローも打たれ、今日の試合は厳しくなることが予想されました。(ライト級以降、相手にまともに打たせず、1ラウンドも落とすことなく完勝してきたパックマンが、久し振りに落としたラウンドでした。)2ラウンドは、ペースを上げたパッキャオが連打で押す場面もあり盛り返してきましたが、パッキャオは時折立ち止まることがあり、ライト級以降ディフェンスの見切りが素晴らしかったパッキャオがガード主体のフェザー時代のスタイルだったこともあり、正直いつコットの強打を被弾してしまうのではと不安が残りました。

そして3回、ワンツーの後の小さな右フックがコットを捉えダウンを奪います。ただし、タイミングで倒したもので、ダメージ的にはほとんど無かったでしょう。(軽いパンチで相手を倒すには、相手がバランスを崩しかかった場面に押し出しのパンチをヒットさせることが出来るかどうかで決まります。デュランが4階級目バークレー戦11ラウンドで見せた追撃の右ストレートも押し出しのパンチでしょう。)

4回はロープに詰められたコットが反撃に出てきたところに、左のアッパーを打ち抜き強烈なダウンを奪います。コットのディフェンスがアッパーに弱いため、この試合のためにパッキャオが磨いてきた武器が火を噴きました。これはダメージがありありで4回後のインターバルでも目線が定まっていませんでした。一発パンチで大きな相手を倒してしまうパッキャオは、本当に軽量級出身者なのでしょうか??

5回も連打で押すも、それほど出ずに、ゆったりとしたペースで戦うパッキャオ。6回もコットの腰を落とす場面もあったものの、返されて危ないところもありました。7回に入ると、コットはポイント取るためのアウトボクシングというよりは、為す術なく逃げるように足を使い出します。9回には、あわやストップかというほどまでコットはダメージを負い、顔面はかなり変形してきました。10,11回と何とか逃げ続けたコットも、最終12回、パッキャオ得意の左ストレートを直撃されたところで、ようやくレフリーのストップが掛かり、試合が終わりました。

これでボクシング史上初の7階級制覇達成!となりました。
世界タイトル承認団体
1.	WBCフライ級(KO)
2.	IBF Sバンタム級(KO)
3.	WBC Sフェザー級(判定)
4.	WBC ライト級(KO)
5.	WBO ウェルター級(TKO)

リング誌認定および王位継承タイトル(=実質的世界一の意味)
6.	フェザー級(TKO)
7.	S ライト級(KO)

試合後のコメントなどを聞くと、今回の試合はそれほど急がずにじっくりと試合を進めるプランだったため、特にコットのパワーを体感しながらの戦う覚悟があったようです。(ただしローチトレーナーによると、ロープを背負うことは厳禁だったにもかかわらず、プラン通りに動かないパッキャオに最初の数ラウンドは心配したそうです。)実際に、ライト級以降ほとんどまともにパンチを受けてこず、パッキャオの耐久力だけが疑問視されていましたが、その耐久力も十分に上の階級で通用することを証明してみせました。もとフライ級の選手がウェルター級のそれも強打者コットのパンチを受けても(ほとんどはグローブでブロックはしていましたが)、効いたそぶりも見せずに戦い続けるのですから、パッキャオという男は今までのボクシング史の常識が全く通用しない、特別な存在なのでしょう。

アメリカのボクシングライター間では、既に歴代のP4Pランクのどのあたりにパッキャオを置くのか、色々と話が出ています。プロモーターのボブ・アラムは、宣伝もあるのでしょうが、「私が今まで観たボクサーでベスト(つまりアリ、レナード、ハグラーらよりもパッキャオが上)」とまで言っています。確かに毎試合、「絶対に危ない。」「次は絶対に負ける。」と思われる相手と戦い、ことごとく倒して勝ち進むのですから、ボクシングファンに与えるインパクトは桁違いに大きいものです。アリがフォアマンに勝つようなことを、パッキャオはここ数試合続けているのですから、弥が上にも評価がうなぎ登りになるのは分かります。

激戦のウェルター級では、モズリーとベントの統一戦が決定しました。復帰したメイウェザーもいます。ただ現在の所、やはりパッキャオのベストはSライト級と言うことで、今後ウェルター級に留まるかは不透明です。私個人の見解では、やはりウェルター級はパッキャオには重すぎると思います。Sライト級こそがスピードとパワーを最大限にいかせる階級ではないでしょうか。メイウェザーとの大一番はSライトで挙行してもらいたいものです。次戦が3月頃に予定されていますが、どうなのでしょうか?3月に前哨戦、夏頃にもう一試合挟んで、12月にメイウェザーとの最終決戦に臨んで欲しい気がします。パッキャオは、普段から多忙でボクシングに打ち込めない日々が多く、試合間隔が空くとどうもキレを失う傾向にありそうです。またようやく中量級の体に馴染んできた今こそ、コンスタントに試合を続けて夢の大一番に向かって最高の体調を作ってもらいたいです。


最後に、本日の前座でユーリ・フォアマンがついに世界タイトルを奪取しました!実は、かれこれ10年ほど前、私はニューヨークにある有名ジムで、彼と同時刻に練習をしていましたので、世界一になれたことを心から祝福したいです。同時刻とは、私の練習時間は、仕事の後でしたの7,8時頃でした。ユーリ(当時はアマチュア)らも、必ずその時間に来て練習していました。当時のトレーナーは旧ソ連系の方だったためか、彼らは地道な基礎体力トレーニングを数多くこなしていたことを思い出します。ザブ・ジュダーも同ジムでしたが、練習時間が決まっていないのか、あるいは毎日は練習しないのか、ジュダーにはたまにしか会えませんでしたが、このユーリは必ず同じ時間に毎日来ていました。そのジュダーとユーリ(アマチュア)のスパーは凄かったです。パンチのスピード、パワーは圧倒的にジュダーでしたが、ユーリも全く臆することなくプロの世界チャンピオンに対して向かって積極的にパンチを振るっていました。彼は、旧ソ連に生まれ(現ベラルーシ)ユダヤ系ということもあってか幼少の頃イスラエルに移住。そしてさらにアメリカ移住というかなり波乱万丈な人生を歩んできました。その影響か、不屈の根性というものを彼には感じます。決して派手ではないし、パンチもない地味な選手ですが、粘り強さだけは天下一品だと思います。(皮肉にもジュダーとは長所と短所が正反対)今後の彼の活躍に期待したいです。ビッグマネーとは言わずとも、地道に防衛を重ねて出来るだけ稼いで欲しいものです。




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2009年11月12日

マニー・パッキャオVSミゲル・コット戦 直前予想!

大のパッキャオファンである私の予想は、期待を込めてパッキャオの大差判定勝ち。

正直、今回の試合、パッキャオが現在のコットの力量をどのように見ているかが気にかかります。マルガリートに敗れ、前戦のクロッティ戦でも苦戦し、かつての勢いがないのは確かでしょう。ただ、それでも、コットが心技体全てそろった穴の極めて少ないウェルター級の一流王者であることを、パッキャオは忘れてはいけません。

フレディー・ローチは、何度も何度もコットのビデオを観て、癖を研究しているようですが、パッキャオはビデオをあまり観ないそうです。ローチが弱点を見つけてくれるから安心しているのでしょうか?生観戦したクロッティ戦の出来をみて、パッキャオなりの攻略法を持っているのでしょうか?私には、どこか余裕を持ちすぎているような気がしないでもないです。フィリピンでトレーニングをした試合のパッキャオの出来が今一なのは、やはり誘惑が多すぎるからでしょう。今回も夜中の2時までカラオケなどで遊んだりして、ローチに怒られたそうですが、それ以外は基本的に練習に集中したと聞きます。

2ヶ月弱のトレーニング期間しかなく、フィリピンを襲った台風の影響もあり、決して100%のトレーニングキャンプだったとは思えません。一方のコットは、より長い時間をかけて、この試合のためのトレーニングを積んできました。ただ、トレーナーが経験のないホセ・サンティアゴというのが、どう影響するのか。浜田氏が解説でよく言われますが、苦しい試合になった時、この無名トレーナーがどう対処するのか、コットを助けることが出来るのかが、未知数です。トレーナーがどうであれ、コットには自分で考え、試合を組み立てられる自信があるのかもしれませんが、リングの外から冷静に、客観的に分析できる人間がいないことは、コットにはマイナスでしょう。

さて、試合展開ですが、さすがの超人パッキャオもこれ以上の技術的上積みはないと思われます。つまりライト級以降にみせてきた相手の正面には決して立たず、サイドへ周りながら軽いパンチをカウンター気味にヒットさせていくパターンで来るでしょう。この目まぐるしく前後左右へと動くパッキャオを止めることが出来るかが、コットにとって勝利への鍵となります。コットが優秀なのは、試合展開が悪くとも、いつの間にか流れを自分へ持ってくる術を知っていることでしょう。相手のボクシング、パターンを読みきり、それにあわせて攻撃を変えていくことが出来ます。時には、ローブローを多用してまでも、試合展開を強引に変えてしまいます。パッキャオの足を止めるためなら、今回もローブローが出てくる可能性は大ありです。

確かにコットの体力、精神力、技術は、どれも怖いですが、やはりボクシングにおけるもっとも重要な要素であるスピードの面で、パッキャオが上を行きます。パンチ自体のスピードだけなら、コットの過去の対戦者ジュダーやモズリーのほうが上でしょう。ジュダーのパンチを時速100キロとすれば、パッキャオは80キロ程度でしょう。しかし、パッキャオのスピードパンチは、あらゆる角度から、とんでもない回転力で叩き込まれます。レナードのような手打ち高速連打ではなく、それなりに腰の入ったパンチを連発します。単発パンチなら対応できてもこのような嵐に巻き込まれたら、さすがのコットも為す術なしでしょう。私には、パッキャオの増量によるスタミナ切れが心配ですが、それでも面白いようにパンチを叩き込んでいるパッキャオの様子が目に浮かんできます。

それにしても、元フライ級の世界チャンピオンが、ウェルター級でもパンチがそこそこ強いのは、突然変異の身体能力によるのではなく、ずばりパッキャオのパンチの打ち方によるものだと思います。特にフックなど回転系のパンチなどは、パンチを打つほうとは逆の腕の引きが異常に速く強いです。ハットン戦で有効だった右フックなども、右のフックを打つときの左腕の引きが、コンパクトかつ速いため、体の回転力が増し、パンチにパワーとキレをもたらしているのでしょう。野球で言えば、ピッチャーが大きく振りかぶってボールを投げる動作に近いものを、パッキャオは小さな動きで瞬時に行っているように見えます。今まで得意だった左ストレートは、やはり小泉氏がよく言われるように、踏み込みと体の突っ込みのベクトルが一致し、パンチに力を乗せることが上手いのでしょう。

心身ともにタフなコットを倒すのは、難しいかもしれませんが、今やフィリピン、アジアを代表するだけでなく、世界のボクシング界の盟主となったパッキャオが、今回も世界中をあっと言わせるような歴史的ファイトを魅せてくれると信じています。

ところで、日本では4階級制覇(フライ、Sバンタム、Sフェザー、ライト)という認識ですが、世界的にはリング誌認定の世界王者としてのフェザー、Sライトも加え、既に6階級制覇したことになっています。そして今回が史上初の7階級制覇への挑戦になります。日曜日が待ちきれません。




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2009年11月01日

パッキャオvsコット戦まで2週間

もう11月。決戦まであと2週間。個人的に今年最大のビッグマッチと思っています。HBOでの完全密着ドキュメンタリー、「24/7」も昨日オンエアされたEpisode 2まで見ましたが、パッキャオの調子はどうなんでしょうか?キャンプ地に雑音で集中できない地元フィリピンを選んだこと(米国での税金対策の面もありますが)、そのキャンプ入りが試合前2ヶ月前とかなり遅く、そしてフィリピンを襲った数多くの台風の影響はないのでしょうか?テレビを見ている限り、それなりにトレーニングを積んでいそうですが、やはり準備期間が短いことが陣営(特にローチ・トレーナー)には、不安要素となっていそうです。そのため、調整の遅れから、試合日近くまでハードなスパーリングをこなしていくとなると、オーバーワーク気味の疲れた体で試合に臨むことも考えられます(コンディション・トレーナーがついているので、問題ないとは思いますが)。デラホーヤ戦、ハットン戦と階級を上げても楽勝してきたことで、心のどこかでコットを過小評価してはいないか、ファンの一人として心配しています。

それにしても、アジア人ボクサー歴代最強を証明し、いまや歴代のスーパーボクサー達(アームストロング、デュランら)との比較対象にもなっています。決してボクシング一筋に打ち込んでいるようには見えないのですが、確実に技量をアップさせてきたパッキャオは、やはりボクシングをするために生まれてきた天才なのでしょう。30歳の今、心技体全てが高い次元でまとまっているようです。一ファンとして、このコット戦を無難に勝利し、メイウェザーとの頂上決戦へと向って欲しいものです。(そして、デュランがレナードを初戦で下したように、パックマンの波状攻撃がメイウェザーの超絶技巧を上回ることを期待したいものです。)

私の好きな海外ボクサーは、ハグラーに始まり、フォアマン、ホリフィールド、ユーリ、トリニダード、と続いてきましたが、アジア人ということもありパッキャオには今までのボクサーにはないくらい感情移入してしまいます。フライ級、Sバンタム級、実質フェザー級(バレラ戦)、Sフェザー級、ライト級、実質Sライト級(ハットン)、そして今回のウェルター級で7階級制覇となるでしょうか??(あまりタイトルに執着してこなかったので、飛び級や2005年から昨年まで世界タイトルを保持せずに時間を費やしてきたのは勿体なかった。)それにしても、元フライ級王者が、ウェルター級でも通用するパンチを持ち、機動力は軽量級のままというのは、常識的には考えられないことです。これには、趣味のバスケットボールが役に立っているのかもしれません。体重が増えても、コートを縦横無尽に走り回り、ダッシュ、ジャンプをしているため、それほど体脂肪も増えず瞬発力も保持できるのでしょうか。

試合展開など、両者戦力比較などは、試合直前に書こうと思いますが、あのすばしっこいパッキャオの動き、動き回りながらも常に強打を打てるバランスを保ち続ける足腰、パンチの繋ぎの早さ(一発目のパンチのすぐ後を二発目が追うように飛んでくる。相手には、2発同時に飛んでくるように見えるかも?)、拳に目がついているかのような急所に確実にヒットさせるピンポイント・パンチ、そして最近進歩が著しいディフェンスにおける目の良さ、頭の振り、完成度の高い重厚なコットすら翻弄してしまう可能性は高いと思います。ただ、心身ともにタフなコットを倒すことは難しいと思いますが、どうでしょうか?試合まで待ちきれません(こんな気持ちは、ハグラー対ハーンズ戦以来といったら大げさ??)。




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posted by cutepizza |20:46 | 海外ボクシング | コメント(7) | トラックバック(0)
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