2008年09月28日
FGR様およびレスをくださった皆様
私のブログが休みがちにもかかわらず、素晴らしく熱くて深い議論をしていただき、有り難うございます。コメント欄にはスペース的に厳しいので、ここで私なりの意見を書いてみたいと思います。
FGRさんの改革案は、非常に斬新で、多くのボクシングファンの方でさえも、ここまでは考えたことはなかったのではないでしょうか?私は、以前からジュニア階級の廃止は唱えていたのですが、さすがにラウンド数減までは考えたことはなかったです。今のスピード化した時代に、ボクシングのラウンド数は長すぎて、間延びして感じる面も多々あるでしょう。ましてボクシングをほとんど観ない一般の人にとっては、時間が掛かりすぎる割にあまり印象的な場面が少ない(アクションが足らない)と思うのは間違いありません。視聴者はそんなに忍耐強くありません。偶然ボクシングの番組にチャンネルを合わせた人が、1ラウンド観ただけで衝撃を受けるほど「これは凄い試合だ!」と思わない限り、ちチャンネルは切り替えられるでしょうね。正直、私はあまりK1は好きではありませんが、ラウンド数も少なく、多くの選手が登場するので、観客を飽きさせないのだと思います。一般の方は、選手の技術や試合のレベルを堪能というよりも、むしろただ派手なアクションを観たいのだと思います。(私がオリンピックで述べたものに通じますが、一般の方は、競技レベルや選手の超人度なんてどうでもいいのです。女子競技の選手層が薄いなんて関係なく、ただ試合を観て熱くなりたいのです。)
これは極論かもしれませんが、一般の視聴者にとっては、日本人が登場する世界戦よりも、むしろ技術のない4回戦の試合の方が、興奮する可能性があります。技術がないため打ち合いの展開になりやすく、しかも時間的にも短いため、K1のように飽きずに集中して観れるかもしれません。またボクシングは、K1とは違い選手が多いため、4回戦デビューから新人王、日本ランキング、日本タイトル、世界タイトルへと徐々にステップアップしていく過程を楽しむことが出来る一面を持っています。亀田家のようにデビュー時からマスコミに登場することは現状ではほぼ不可能ですが、将来の世界王者候補生、キャラが立っている選手、女性に受けそうなルックスのいい選手、など少しでも一般マスコミに露出する機会を増やし、世界戦以外でのボクシングの魅力を伝えることが必要になります。たまに行われる世界戦を、偶々テレビで観た人が、「ボクシングの世界一決定戦って、こんなもん?」って思われるのは最悪です。それなら激しい打ち合いなどアクション満載の4回戦を厳選し録画放送して、逆説的に「日本の4回戦でもこんなに激しいのなら、日本王者、世界王者はどんなに凄いのだろう!」と思わせた方がいいでしょう(現実的には、4回戦だけの放映は無理なので、世界戦放映時にセットで4回戦などの試合をダイジェストで放映すべき。)
あとC級廃止にも一理あります。日本のプロボクサー数はメキシコに次いで世界第2位と聞いたことがあります。日本ではアマチュア・ボクシングの土壌が発達していないため、C級がアマチュアのような役目を果たしているのでしょうが、やはりプロと言うからにはそれなりに選び抜かれた人材でなければ意味がないでしょうね。選手数が多ければ多いほど強くなるのではないです。レベルの高い選手同士がしのぎを削って初めて強い選手が育っていくのです。今では、レベルの低い選手が、より細分化された階級に分かれるため、さらにレベルの低下を招いているのでしょう。これでは、ライバル同士がぶつかることは希です。せめてジュニア階級は廃止するなどすれば、試合のレベルは間違いなく向上し、日本タイトルですらかなりの難関になります。そして、その難関を突破したものだけが、日本代表として初めて世界戦に出場できるように厳格な規則を設けないと、低レベルな世界戦乱発を招くだけでしょう。
入場料に関しても、やはりボクシングのチケットは他競技と比較してもあまりにも高すぎます。これでは、漫画などを通してボクシングに興味を持った人が大勢いたとしても、気軽に観戦できる額ではありません。一見さんお断りみたいな敷居の高さが、ボクシングという大衆のスポーツをごく僅かなマニアだけが観るスポーツへと変えてしまったことは否めません。(アメリカでは、ビッグマッチがPPV化したことで、同様にボクシングがマニアだけのものになってしまった感があります。この問題は、現在のアメリカ・ボクシングの勢いと無関係ではないでしょう。)
私は業界に無知なため、FGRさんのように多角的に分析することが出来ませんが、ボクシングがここまで落ちたのには、やはり色々と原因があるのでしょう。まずは、皆さんと一緒にまずはボクシング人気の悪化の原因を洗い出し一つ一つ解決案を考えてみたいですね。
多くの方に、この「ボクシング・ジャーナル」にアクセスしていただいています。有難うございます。もっとボクシングのことについて語りたいという方は、私のサイトであるWSCまで一度お越し下さい(http://worldsportsclub.org/)。掲示板、各最新ブログ記事の紹介、フリーマーケットなどを開催しています。
posted by cutepizza |00:14 |
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2008年09月15日
テレビ東京系列で放送された「四大世界戦」は3時間という長さを忘れるくらい、中身の濃いものでした。なかでも、天才西岡が32歳にして初めての世界タイトルを獲得したことは、日本ボクシング史に残る偉業の一つだと思います。暫定王座決定戦ということで、正規王者ではありませんが、彼の今までの長い道のりを考えると、今日の結果は本当に嬉しかったです。勝利者インタビューに登場した娘さんが、また良かった。泣けてきました。西岡自身が言っていたように、家族やスタッフら周りの応援があったからこそ、4年間もの間世界戦を待ち続けることが出来たのでしょう。勿論、西岡の才能と努力が、5度目の世界戦を引き寄せたのですが、普通ならばきっと心が折れてしまうところです。
Sライト級の木村は、ダイジェスト放送のためあまり試合内容は分かりませんが、やはりこの階級の壁は高かったようで、いいところ無く完敗したように見受けられました。テクニックの差はいかんともしがたかったようです。
Sフライ級の日本人対決、名城と河野は試合開始からお互いライバル意識むき出しで前に出て手数を多く出し合いました。両者とも決して上手い選手ではなく、気持ちの強さで勝負するタイプのため、気持ちがやや空回りする場面も多く、多くの手数の割にはクリーンヒットは少なくもみ合いが多くなってしまったのは残念でした。中盤、名城が失速したように見えたものの、最後の3ラウンドで右アッパーを効果的に使い、僅差2-1の判定を呼び込みました。
Sバンタム級の西岡は、ほぼ完璧と言える試合運びで、ナパーポンにボクシングをさせませんでした。スピード差とサウスポーの利点を最大限に生かし「打たせずに打つ」という理想のボクシングを展開。中盤になって焦りが見え始めたナパーポンが必死に圧力をかけて前に出てきましたが、ここでも西岡は怯むことなく左ボディーアッパーを中心に反撃をしていました。最後は2点減点の運も味方しましたが、それを差し引いても技術と精神力が見事に融合した最高の試合内容だったと思います。32歳ということで、パンチのキレなどは全盛時には及ばないのかもしれませんが、今日みせた闘志は年齢を重ね、苦労をしてきたからこそのものと言えるかもしれません。総合力では、32歳西岡は24歳西岡よりも強かったのかもしれませんね。
最後に、メインイベント注目のビッグマッチ、8度目の防衛戦新井田対怪物ローマン・ゴンザレスの試合ですが、これぞ世界戦!と言える超ハイレベルな内容でした。試合は4ラウンドで不運なストップ負けでしたが、新井田のあり得ないくらいのスピードとゴンザレスのあり得ないくらいのパワーとプレスを堪能できました。これがミニマム級の試合とは思えませんでした。新井田が負けたことは残念ではありますが、怪物王者の誕生を日本で観られたことは、幸運でした。近年、世界4団体、しかも暫定王座乱発という状況で、日本だけでなく世界戦のレベル低下が著しい中、日本で行われる世界戦としては数年に一度(10年に一度!?)というくらにレベルが高い試合でした。ボクシングを初めて見る人にも一目で分かるくらい、両者の能力の高さが画面を通じてバシバシ伝わってきました。
やっぱり世界戦と言うからには、信じられないくらいの超人レベルの試合を観たいですね。日本、東洋タイトルとはあきらかに次元の違うという試合です。しかし、日本タイトルも獲らず、日本一強い選手であることの証明すらせずに、世界戦を行えてしまう現在のシステムにはやはり問題が大いにあるように思います。今日の新井田戦を観て、やはり試合の質を高めることが、ボクシング人気の回復、ファイトマネーの増額へと繋がっていくのだと思いました。ただこの正攻法だけでは、あまりにも時間と労力が掛かるので、メディアを巻き込んだ積極的な営業活動は必要になってきます(実力はいまいちながらも、営業活動だけは凄かった一家がいましたが)。
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2008年09月13日
いよいよボクシング・ファン待望の四大世界戦が目前に迫って参りました。本来であれば帝拳と契約を結ぶ日本テレビ系列での放映のはずですが、ボクシング界にとってのビッグイベントも、一般層にはあまりインパクトが無く採算に合わないとみたのか、放映権はテレビ東京に移りました。昔からの困ったときのテレビ東京頼みというパターンは今回も健在のようで、しかも休日のゴールデンタイムに3時間もの放送枠を設けてくれるのは、まずこの局以外には考えられません。(TBSが亀田家の試合というか一家のこれまでの歩みを延々と流し続け3時間もムダな電波を流したことはありましたが。)
四大世界戦と言っても、今の日本のボクシング人気を考えれば当然のことですが、今回登場する日本人ボクサーの名前を知っている一般視聴者は、まずほとんど居ないと考えるのが常識的でしょう。世界戦というだけで一般層を巻き込み注目を集めたかつてのボクシング界とは全く違います。4つもの世界戦(一つはウクライナ開催ですが)を集めても、ほとんど一般にはインパクトのないイベントと化していることは、逆にこれから5年後、10年後の日本のボクシング界の行く末が心配になってしまいます。
さて、試合の方ですが、これはボクシング・ファンなら堪らないほどの好カードの連発です。私の持論ですが、ボクシングの一番の醍醐味は、「どちらが勝つか分からない。ほんの一瞬のチャンスで形勢が逆転するスリリングさ。」だと思っています。そして今回の試合は、そのような魅力がある試合になっています。
1.「名城 vs 河野」日本人Sフライ級頂上決戦的な意味合いもあり、日本人同士のライバル意識をむき出しにした激しい攻防となるのは必至です。元王者の名城の自力か、日本、東洋と奪取した河野の勢いか、やってみないとその実力差がはっきりしない面もあります。名城のコンディションが良ければ、一度は世界の頂点に立った名城の自力がやや上回ると私は見ます。
2.「西岡 vs ナパーポン」西岡と言えば高校時代からその実力が一部に知れ渡っていた天才ボクサーですが、4度のウィラポンとの世界戦を経験後、最後の世界戦の舞台に4年ぶりに帰ってきました。世界初挑戦から数えると実に8年、32歳になった西岡の肉体的な衰えがどうなのか、もし西岡が言うように最高のコンディションが作れたのであれば、奇跡が起きても不思議ではありません。パターンは違いますが、王座陥落後5年ぶりに世界王座に返り咲いた日本フライ級の名王者、故海老原博幸氏のように、最後に大きな花を咲かせて欲しいですね。カミソリの切れ味が西岡にも戻っていることを期待します。最後であることを意識せず、ただチャンスに得意の左ストレートを打ち込む姿勢を見せ続けて欲しいです。ずばり予想は、西岡の判定勝ち!
3.「新井田 vs ローマン・ゴンザレス」最近、ようやく自分のボクシングを取り戻した感のある長期政権を築いてきた新井田に、驚異的なレコードを持つ20歳と若い恐れを知らないローマン・ゴンザレスが挑戦します。なかなかこのようなスーパーカードは、日本のリングでは開催されません。同じミニマム級の大橋対リカルド・ロペス以来の魅力的な世界戦と言えるかもしれません。新井田の経験を積み重ねた天才ボクシングが、勢いと豪打のゴンザレスの穴を尽ききれるか?それともゴンザレスが勢いで自らの穴も含め全てを吹っ飛ばしてしまうのか?これほど興味深い対戦もありません。心配なのは、やはり新井田のコンディション。ようやくコンディション作りのコツを得たと語っていた新井田が、今回は通常の4倍ものスパーリングをこなした点。年齢のこともありオーバーワークになっていないのか、それだけが気に掛かります。新井田のコンディションが良かったと仮定し、新井田が上手く戦い判定勝利と予想します。
この試合は、試合の放送時間の関係から、新井田対ゴンザレス戦以外は、生放送ではなく時間差放送になる予定です。放送前に、ネットで結果を見てしまわないように、十分に注意してください。尚、地上波でテレビ東京系が入らない地域でも、BSデジタルがある方は、生放送が観れます。地上、BSともゴールデン3時間ぶち抜きとは、さすがテレビ東京です。
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