2008年02月28日

相変わらずの亀田家のマッチメーク

昨日、ようやく正式発表となった長男興毅復帰戦の対戦相手。元々は1月29日に、スペインのホセ・ロペス・ブエノと行う予定だった。ところが、そのブエノの頭部に異常が見付かったとかいう理由で、急遽フィリピンのレクソン・ フローレスが出場することになった。このフローレスが発表される前日には、日本でもお馴染みの元王者ワンディー・シンワンチャーの名前も挙がっていました。

ブエノの頭部異常がどのような経緯で確認されたのか不明ですが、亀田家(というより父親史郎氏)の意向を汲んだ対戦相手を探すことは大変そうです。これまでにも、亀田家の対戦相手は急遽変更になったり、試合の3週間ほど前になって正式決定することがありました。憶測で物を書くべきではないとは思いますが、これは亀田家の「必勝」方程式の一つのように思えてなりません。「どんな勝ち方でもいい。勝てさえすれば、何をしてもいい。」という考えの史郎氏ですから、出来るだけ相手に不利な状況を作り出し、試合を組もうとするのでしょう。

亀田式マッチメーク
1.対戦相手を試合日1ヶ月前から3週間前に決める。
2.相手は、体格的に不利な下のクラスの選手。
3.実力の知られている強い選手との試合を避ける。
4.日本人選手とはしない。
5.相手は、東南アジアや中南米の途上国の選手。

亀田に限らず、多くのジム会長さんも自分の大切な選手(金の卵)を負かしたくないという理由で、超過保護な試合を組む場合があります。しかし、このような甘いマッチメークでは、強い選手に育つことはまずあり得ません。生きるか死ぬかの戦いを生き残ってこそ、本当の強さが身につくものだと思っています。そういう意味でも、選手のことを思って必死に有利な試合を組もうとする親心が、実際には正反対に作用しています。

今回の相手は、今やアジア一のボクシング大国となったフィリピンからの選手です。フィリピンと言えば、パッキャオに代表されるように、海外での試合にも強く、少ないチャンスをものにしようとする心意気が強いようです。アジアの中で、ラテン気質を感じさせる国民であることも、大舞台でもあまりあがらずに実力を出し切れる遠因になっているのかもしれません。フローレスがどのような選手かは知らないのですが、目先の利益だけに目がくらむのではなく、もっと大きな夢「世界チャンピオン」に向かって興毅を喰って第2のパッキャオになってやる!というくらいの気持ちで戦って欲しいですね。




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2008年02月25日

ボクシングのチケット

内藤対ポンサクレック第4戦のチケットが、6000枚も売れ残っているらしいですね。一方で、復活したX JAPANのチケット15万枚が一瞬のうちに完売したというニュースもありました。全く分野が違いますから比べられませんが、対照的なニュースのため余計に目立ってしまいました。

ボクシングのチケットが高いのは、今に始まったことではないですし、辰吉や鬼塚など90年代初めの世界戦などは大会場での興行でもほぼ満員でした。亀田大毅に大勝し、国民的ボクサーとなった内藤の試合でさえ、チケットが売れないということは、相当危機的な状況にあると言えるでしょう。

何故チケットの売れ行きが悪いのでしょうか?
1.内藤のことはテレビなどで良く知っているが、ボクシング自体には興味がない。そもそも内藤がどういうボクサーなのか知らない。内藤人気というのは、内藤のボクシングの魅力というよりも、亀田大毅を倒して国民の期待に応えたという結果によって生まれたものだと言うこと。つまり、試合内容を観て感動しファンが生まれたのではなく、憎き亀田家を退治してくれたという結果と内藤自身の素朴な飾らないキャラクターが受け入れられただけなのでしょう。

2.ただ単にボクシングが不人気なことに加え、3月だけで世界戦が3試合(1日の新井田、8日の内藤、そして29日の坂田)もあることから、ボクシング・ファンの懐も厳しかったのではないでしょうか。

3.やはりチケットが高すぎるため、マニア以外の一般層には縁のない世界(興行)となってしまっているように思います。世界戦ともなると支払われるファイトマネーの額も大きく、テレビ局のサポートは勿論、チケット収入が興行の正否を左右する重要な鍵を握っています。そのことから、出来るだけ大きな箱(会場)で、より多くの観客を入れたいと誰もが思うことでしょうが、この箱の選定を間違えると、逆の結果(損失)が生まれてしまいます。後楽園ホールでの世界戦は寂しいし、かといって一万人クラスの大会場では空席の恐れがあります。現在のボクシング人気を考えた場合、もし大会場で興行を打つ場合は、一般のファンにも来てもらえるように安い席も十分に用意すべきだと思います。安い席で感動した方が、次回からは固定客となりより良い(高い)席で観戦してくれるかもしれません。

ちなみに今回の内藤選手のチケット代金
1.アリーナSRS 	¥105,000(ほぼ完売)
2.アリーナRS 	¥52,500(ほぼ完売)
3.マス席A(4人用) 	¥52,500
4.マス席B(4人用) 	¥42,000
5.マス席(2人用) 	¥25,200
6.マス席(1人用) 	¥13,650(完売)
7.2階指定S 	¥31,500 
8.2階指定A 	¥21,000
9.2階指定B 	¥10,500
10.2階指定C   ¥5,250

両国国技館ならではのマス席の販売方法にも問題があったようで、4人分をまとめて買う人はほとんど居なかったそうです。ボクシング・ファンを4名集めることは、そう簡単なことではありません。高額なリングサイドはともかく、2階席などはもう少し安めの設定が望まれます。最安の席などは、それこそ中学生などがお小遣いで気軽に買えるような値段にして欲しいです。(亀田興毅対ランダエタ1戦目では、500円チケットもあり、一般ファンに優しい設定でした。)

やはりジム単位の興行ばかりでは、集客力は生まれません。K-1などと同じようにメイン級の試合をまとめて見せるようなボクシング協会主導のビッグイベントなども年に1,2回は観てみたいですね。




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2008年02月23日

明日、ソウル・マンビーが復帰!?

Fightnews.comで報じられていましたが、なんと元WBCジュニア・ウェルター(現スーパー・ライト)級王者であるソウル・マンビーが、明日アイダホ州の小さなローカルファイトに出場するというのです。マンビーは、今年の6月でなんと61歳になる超ベテランで、デビューは22歳の時1969年でした。若い頃から、多くの敗戦を経験しながら独自のボクシングに磨きをかけ、雑草のようなしぶとい生命力で成長を続けました。その彼が世界タイトルを奪取したのが、1980年韓国での金相賢戦でした。苦節11年、33歳での獲得は、当時としては異例なほどの高齢記録で驚かれました。5度の防衛を果たすも、ドン・キングとカール・キングによる不遇な扱いもあり、ラリー・ホームズの世界戦の前座や、インドネシアやナイジェリアといった敵地での試合を組まれました。タイトルを失った時(1982年)で既に35歳。その後2度の世界挑戦の機会が訪れましたが、いずれも失敗。最後の世界戦時で既に37歳。普通の人間なら、世界王座も手に入れ証明すべきものはないと引退するでしょう。しかし、彼はその後も多くの負けを経験しながらも、戦い続けました。最後に彼が戦ったのは、2000年の5月、53歳直前でした。つまり、60年代、70年代、80年代、90年代、そして2000年代の5 Decades(10年代)を戦った驚異の記録を成し遂げたのです。(その翌月には、マンビー自身も戦ったことのあるあの石の拳、ロベルト・デュランもこの5 10年代の記録を達成しています。)

それにしても最後の試合から8年、60歳にもなってもまだ試合をしようと思うのですから、その意気込み、精神は相当若いのでしょう。彼は、私も通っていたニューヨークにある名門ジム、グリーソンジムでトレーナーをしていました。日本人の女性ボクサーの中村チカさんのトレーナーをしていた頃でした。まだ現役兼トレーナーということもあってか、年齢を感じさせない若さと引き締まった体に驚いたものです。(ちょうど昨晩、初代日本女子フライ級王者の八島さんのブログにもジムの紹介があります。必見です。クリック!)しかし、一般常識からすると、60歳でボクシングの試合とは、あまりにも危険すぎます。この試合が行われるのは、アイダホ州にあるアメリカ先住民(つまりインディアン)居住区内ということで、この試合を管轄する先住民居住区のコミッションは、アイダホ州の体育協会やABC(全米のコミッションを管轄する組織)とは関係がなく、独自のルールのもと試合を行うことが出来ます。そのため、この危険な試合を止めることが出来ないという状況です。また、明日の興行のメインイベントには、元3階級制覇王者、アイラン・バークレー(47歳)の出場も予定されているそうです。ただ、現時点では、手頃な対戦相手も見つからず、もしかすると、この興行のプロモーターも務める地元の中堅ヘビー級ボクサーであるChauncy Welliverが、バークレーの相手としてリングにあがるのではないかと噂されています。このバークレーも、1988年に大番狂わせで伝説のトーマス・ハーンズをKOで破りミドル級王座に就くも、初防衛戦でロベルト・デュランに負け。その後、Sミドル級(バンホーンを圧倒)、Lヘビー級(ハーンズにダウンを与え、僅差判定勝ち)の3階級を制覇するも、一度の防衛もすることがありませんでした。世界戦線から離脱後は、突然ヘビー級にあがりローカルな試合をこなしながら、1999年まで戦っていましたが、最後の6試合は全敗でした。

たまたま昨日、映画「ロッキー・ザ・ファイナル」を観ていたのですが、60歳還暦のスタローンが映画で戦うのとは訳が違います。マンビーもバークレーも、ボクシングでしか自分らしく生きることが出来ないのでしょう。いつまでも、ボクサーとして戦い続けたい、挑戦し続けたいのでしょう。一度は世界の頂点に立った者であるが故に、やはり過去の栄光に夢を見てしまうのかもしれません。1947年生まれと言えば、日本で言うと柴田国明が明日リングに復帰するようなものです。マンビーは頑丈さだけが取り柄のようなところもありますが、それでも60歳での試合はいくら相手が4勝11敗のクラブファイターと言えども、危険すぎるあまりにも非常識な興行と言えるでしょう。何事もなく、無事に明日の試合が終わることだけを祈っています。




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2008年02月17日

走り方とボクシング

先週書いた「世界フライ級戦線異常なし!?」という記事に対し、読者の秋吉さんから面白いコメントがありましたので、陸上競技短距離(100、200、400メートル)出身者として、私なりに「走り方とボクシング」の関係を考えてみたい。

まず「足が速い人は、走り方がいい人」ということを前提に秋吉さんは話を進めていましたが、これは正しくはありません。走り方が悪くても、十分に速い人は大勢いますし、走り方だけで運動能力を見極めることは無理です。今から21年前、ラグビー部所属でありながら、100メートルを手動ではありましたが10秒1(日本タイ記録)を記録したのが三重県の中道選手でした。高校卒業後、ラグビーを辞め陸上一本で日大に進学も、以前の野性味溢れる走り方を忘れたのか、陸上選手らしい効率の良い走り方を意識しすぎたのか、結局その才能は開花せずに終わってしまいました。走り方だけをみれば、陸上に専念していたころの中道選手のほうが数段良いはずですが、その割にタイムは伸びませんでした。

さて、走り方があまり参考にならないことを示しましたが、運動能力とボクシングの強さをみてみましょう。アスリートとしての運動能力の高さは、ボクシングにおいてもマイナスに作用することはあまりなく、あるに超したことはないと思います。ボクサーとして最も重要である速いパンチ、速い身のこなしを期待できるためです。しかし、ボクシングを長年観ている方ならお分かりのように、運動能力だけで勝敗が決するスポーツではありません。打たれた場合の耐久力、劣勢から盛り返そうとする強い精神力、一か八かの勝負を出来る勇気、相手の癖を見抜き戦術を巧みに変えることの出来るクレバーさ駆け引き、勿論これらを実行できるだけの豊富な練習に裏付けられた技術力。数多くの要素が重なって、強いボクサーになるのだと思います。身体能力は、その中の一部の要素にしか過ぎません。ボクシングは、陸上(特に短距離)のように、勝敗のほとんどを身体能力の優劣だけで決めるスポーツではありません。陸上短距離における身体能力の勝敗に占める割合を90%とすると、ボクシングの場合選手によっても大きく異なるとは思いますが、私の感覚では30%程度ではないかと思います。

本日アメリカで行われたパブリック対テイラー再戦を観ても、アスリートとしてはテイラーのほうが数段優れていますが、パブリックの地味ながらしつこいプレッシャーや打たれ強さ、長い距離からの強打で身体能力の差を埋めていました。(試合自体は、どちらの勝ちとも言えないほど、接戦でしたが。)つまり、多くの方は分かっているかと思いますが、「走り方がよい→身体能力が高い→ボクシングが強い」とは決して言えません。これだけは断言できます。





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2008年02月10日

世界フライ級戦線異状なし!?

3月には、我が日本が誇る二人のフライ級世界王者、WBAの坂田とWBCの内藤がそれぞれ防衛戦を行います。まず3月8日(土)には、内藤が前チャンピオンのポンサクレックと4度目の対戦があります。昨年の3度目の挑戦で奇跡を起こした内藤ですが、今回は立場が逆ではありますが、さらに困難な戦いが待ち受けています。初防衛戦の亀田大毅戦でも国民の期待を背負い、相当なプレッシャーがあったそうで、試合内容も力みが目立ち決してベストの状態でなかったことは、誰の目にも明らかでした。それでも、相手があの大毅だったからこそ、無難に大差をつけて勝つことは出来ました。しかし、ポンサクレック相手に、前回と同じような精神状態と出来では、再び勝つことは難しいでしょう。

大毅に勝ち知名度が急激にアップし人気者となった内藤ですが、それが逆に重圧となっているらしく、タイ開催のほうがむしろ気楽に戦えるとすら思っていたそうです。昨年7月の奇跡のポンサクレック攻略をもう一度実現するには、勝敗を過剰に意識するのではなく、負けてもともとと開き直って純粋に戦いに集中できるかが、鍵を握っています。流れ的には、内藤は運勢的にも上昇気流に乗っているように思いますし、再びポンサクレックを攻略してくれると期待しています。王座奪回に全力で向かってくるポンサクレックの闘志を空転させて欲しいです。

次に、WBAの坂田ですが、挑戦者は渡嘉敷ジムの山口真吾を相手に3度目の防衛戦を3月29日(土)に行います。昨年は、名のある強豪との戦いに勝ち残り、充実した一年を過ごした王者ですが、今年最初の試合は、日本人相手となりました。個人的には、世界戦での日本人対決には、あまり賛同できません。世界戦というからには、やはり世界の頂点を決定するのに相応しいマッチメークを望んでしまいます。指名挑戦者を退けて組みやすいと思われる相手と試合をすることも良いですが、それだけでは決して知名度アップにはつながらないでしょう。山口には、日本人が両王座を占めるフライ級に上げてまで世界戦を行うことはなかったのに、と思います。

内藤と坂田の二人がそろって勝ち上がると、待望の日本人同士による世界王座統一戦の実現に近づきます。これも日本人対決ではありますが、頂上決戦に相応しい組み合わせで非常に興味深いものがあります。さらに、内藤対坂田戦の勝者は、不人気者亀田興毅との試合が組まれる可能性も大いにあり得ます。フライ級の「世界」王座を日本人ばかりで回すことになれば、ボクシングをあまり知らない方からすると、世界王座を軽くみられてしまうかもしれません。某格闘技のように、誰も彼もが「世界王者」を名乗っていることと同列でみられてしまいそうで、やはり日本人同士の世界戦は長い目で見ると、マイナス要素が大きくなりそうです。




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2008年02月03日

亀田兄弟、そしてK1前田

すっかり更新が滞ってしまいました。その間にも色々とブログに書きたくなるようなニュースがありました。その中からいくつかをピックアップして、簡単にまとめてみます。

1.相変わらずの亀田劇場
運転免許を取得したばかりの大毅が、自身のブログで「それから、バンバン運転してるから、運転やったら、負けへんでぇ!!」と書き込んだ直後に、接触事故を起こしていたことが分かりました。事故の状況が分からないので、何とも言えませんから、ただ運が悪かったのか、単に注意力散漫で運転が下手なのかは分かりません。それにしても、自身で招いたライセンス停止といい、このところ良いことがないですね。まあ、自業自得ということでしょうか。もともと他の兄弟に比べ、ボクシングに集中できていない大毅が、ライセンス停止1年間の間にますます車などほかの楽しい遊びに熱中してリングには戻らないこともあるのでは?と思いました。遊びたい年頃でもあるし、数年前の食べるのにも苦労した頃と違い、自由に使えるだけのお金もあるでしょうし、ボクシングを続ける上での動機付けが難しくなることでしょう。1年後の大毅は、どうなっているのでしょう?

続いて長男の興毅の8ヶ月ぶりの試合が決まりました。相手は、元WBOフライ級王者のホセ・ロペス・ブエノというスペインの選手です。ただ世界王座に就いたのが9年前の1999年4月で、現在33歳というベテラン。ブエノが獲得した当時のWBOの軽量級は、ほとんどヨーロッパタイトルと同等の代物で、軽量級の盛んなアジア、中南米に比べれば、レベルの低いものだったことが容易に想像できます。久しぶりの復帰戦としては、ブエノの「元世界チャンピオン」という肩書きも使えますし、適当な相手であることには間違いありません。

しかし、この対戦相手の路線が、以前と全く同じように思うのは私だけでしょうか?名だけの世界ランカーや元世界チャンピオンとばかり試合していた頃とよく似ていますね。マッチメークに関しては、やはり陰から父親史郎氏の意向が強く反映されているように思えてなりません。ある雑誌のインタビューでは、三男の海外プロデビューに関しても、「日本人とはやらせたくない」と断言しているだけあって、他の兄弟に関してもこの路線は守るのでしょう。自分対置の実力不足の露呈だけでなく、知名度およびお金も対戦相手に流れてしまうことが、嫌なのでしょう。

2.昨日のK1-MAX 日本代表決定トーナメントについて。注目したのは、元3階級制覇チャンピオンの前田宏行の戦いぶりでした。一回戦は、元アマボクサーであり2年連続準優勝のTATSUJIとの試合でしたが、ものの見事に左フックのカウンターがTATSUJIの顎を捉え、完璧なノックダウン。その後の追撃もボクサーらしく的確かつ速いコンビネーションで圧倒し、1回でKO勝利を収めました。準決勝でも、HAYATOをパンチで倒し、ラウンド終了直前にコーナーに詰めての速いコンビネーションでKO寸前に追い詰めるものの時間切れ。そしてインターバル中に「骨折の疑いがある」というドクターの指示で無念のTKO負け。

もうすぐ36歳の元ボクサーが、ここまで圧倒的な強さを見せたことは驚きでもありますし、パンチの精度の違いをまざまざと見せ付けてくれたことに、嬉しい気持ちもあります。当たり前と言えば当たり前ですが、パンチに限ればK-1選手とは段違いの技術力でした。多くのK-1選手は、顎の先端を狙うとか、こめかみを狙うとか、急所を狙う技術が不足しているようで、大雑把に頭部を狙うといった感じのパンチの打ち方ですし、その打ち方にしても手打ち気味にもかかわらず、回転力のないコンビネーションばかりでした。これは、足技のあるK-1ならではのリズムが多きく関係しているのでしょう。キックの場合、どんなに速くても小さな連打を繰り出すことは不可能なため、一発一発を「ドスン、ドスン」と間が開いてしまいます。勿論、キックとパンチのバランスを保ちながら、隙を少なくするのですが、それでも攻防のテンポはボクシング(手だけ)に比べれば、遙かに遅くそして単調なものになるのでしょう。前田選手の正確かつ回転の速いボクサーならではのコンビネーションが余計に光って見えました。




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