2008年08月31日
かなり以前からデラホーヤ対パッキャオ戦が噂されていましたが、ここ数ヶ月の紆余曲折を経て、本当に実現することになってしまいました。パッキャオのトレーナーでありメイウェザー戦を前にしたデラホーヤにも就いていたフレディ・ローチ氏の強い希望もあったようです。両者のボクシング・スタイル、体のサイズをよく知るローチ氏のことですから、周りが言うほどこの試合が無茶苦茶なマッチーメークではないのかもしれません。身長差10cm、リーチ差15cm、何よりフェザーからSフェザーが適正体重と思われるパッキャオとSウェルターのデラホーヤとでは約10キロの差があることになります。
試合はウェルター級リミットで行われる見込みですが、先日ライト級に上げたばかりのパッキャオにとっていきなり5キロアップはさすがに無理があるでしょう。逆にデラホーヤにとってもウェルター級での体重調整は難しいようで、前回のフォーブス戦は結局150ポンドまでしか落としませんでした。両者の体重調整力が、試合の大きな鍵を握ることになります。パッキャオは、試合がない間は相当太っていて、体も大きいようです。ただこの体重で今までの突進力を活かしたパワー戦法は活きるはずもなく、やはりディアス戦と同様にボクシングの巧さで勝負するのでしょう。デラホーヤは、やはり距離も長いですし、体の大きさを活かしたプレス戦法も出来ます。特に左フックには破壊力を秘めており、ディフェンスがやや雑になるときがあるパッキャオに直撃すれば、それで試合は終わってしまいます。パッキャオは、たまに相手のビッグパンチをまともに喰うことがあるので、要注意です。パッキャオが、ジョン・ルイーズを破ったロイ・ジョーンズになるのか、それともトーマス・ハーンズに一方的に打ち込まれたロベルト・デュランのようになるのか、まだこの試合のイメージは湧いてきません。
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今日、メキシコで亀田興毅の再起第2戦が行われ、全く無名戦績5勝4敗のサルバドール・モンテス相手に無難に12回判定勝ちを収めたそうです。試合よりも気になったのは、相手モンテスの戦績です。Boxrecはじめ5勝4敗の選手と報道されていたのが、試合直前になって日刊スポーツに「今回の相手は18勝(15KO)3敗とKO率も高い。前戦よりは歯ごたえのある相手だけに、WBC王者内藤戦に向けて、その内容が注目される。」という記事が載りました。5勝4敗と18勝3敗ではまったく違いすぎます。Boxrecはあくまで戦績の公式サイトではないため、全ての試合を網羅はしていないことがあります(特に東南アジアなどの非アルファベット使用国)。モンテスはメキシコ人なのである程度Boxrecを信頼してもいいと思っていたので、この日刊スポーツの報道にはビックリしました。
話は違いますが、またメキシコで220万円相当盗まれたそうです。前回は100万円相当。海外で特に治安のあまり良くない地域で、ローレックスの時計をして、いかにも「私お金をたくさん持っていますよ。」的な振る舞いをしていたら、一発で狙われるでしょう。それは、ホテルの中でも同じこと。毎日の生活が厳しく、生きていくのに必死な人が多いメキシコで、亀田家はどこか平和ボケしているのか、かなりガードが甘いようです。それにしても、まだ使い切れないほどのお金を持っているのでしょうか?亀田家のインチキな売り込みにも気付かず、ただ面白がって飛びついていたマスコミには呆れますね。
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2008年07月28日
戦前の大方の予想通り、激しい試合でした。コットもマルガリートの出端を捉えクリーンヒットを多く奪いながらも、常に前進を続けるマルガリートの馬力に押し切られ、最後は根負けした形でした。解説の浜田氏が言われていたように、あの10回はマルガリートも動きが鈍り、ダメージを感じさせていました。そこに最後の力を振り絞ってコットが動きながらクリーンヒットを奪い、逃げ切りパターンを構築しようとしていた矢先、ついにマルガリートの下から突き上げる左のショートアッパーを喰って、効いてしまいました。このパンチのダメージが抜けきらず、11回はじまってからはコットはほとんど動くことが出来ず、人間風車マルガリートの餌食となってしまいました。
両者ともギリギリの極限での戦いでしたが、その我慢比べにマルガリートが勝ちました。決して巧さはなくとも、実戦で鍛えた打撃と生まれ持った体格と打たれ強さで、常勝コットを打ち倒してしまったのですから、大したものです。まさに雑草的な強さを感じさせました。それにしても、両者が同じ147ポンドとは思えないほど、体格差、パワー差がありましたね。試合展開は違うものの、イベンダー・ホリフィールド対リディック・ボウ第一戦を思い起こしました。ホリフィールドのパンチが何発もヒットしても、あまりボウにはダメージが無く、逆にボウの重いパンチでホリフィールドが何度もピンチに陥っていました。体格差やパワー差を克服することは、やはりコットと言えども難しかったのでしょうか。
コットは、マルガリートが危険な相手であることを百も承知だったのでしょう。足を使ってポイントを取る作戦だったようですが、打たれても打たれても前に出続けたマルガリートに得体の知れぬ怖さを感じていったのかもしれません。自分のパンチがヒットしても何事もないかのように、前に出続け逆に力を込めたパンチを返してくるのですから、まるでモンスターです。
メイウェザーがマルガリートとの対戦を拒んでいた時期がありましたが、タフで手数が出てどんどん前に出る馬力がある選手は、相性的には良くないからなのでしょう。メイウェザーにしても、ロープに押し込まれて体力負けしてしまうかもしれません。
それにしても、90年代以降主流となったタッチボクシングとは違い、迫力、スリルが味わえました。いよいよ明後日は、日本人フライ級王者、内藤と坂田のダブルタイトルマッチです。コット対マルガリート戦に劣らない、激しい戦いが予想されます。今から楽しみです。
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2008年06月29日
明日のWOWOWの放送を待っている方も多いと思いますので、試合経過や結果などは下の方に書かせてもらいます。(ずっと下までスクロールして下さい。)
それにしても、予想以上のパッキャオの出来でした。今まで観てきた中で、今日ほど完成度の高い試合は無かったでしょう。まさにマスターピース、パッキャオの技巧が完成された試合と言っても過言ではないように思います。何しろライト級王者のディアスがパッキャオのスピード、攻防のリズムに全くついていくことが出来ず、蛇に見込まれた蛙のごとく、一方的にパッキャオの攻撃を受け続けてしまいました。パッキャオも初戴冠のフライ級から数えて七階級目ということもあってか、パンチングパワーはさほど感じませんでした。パワーよりもスピードとタイミングを重視したためかもしれませんが。サウスポーは苦手と言っていた割に、ばしばし右ジャブ、いきなりの右フックを当てて翻弄し、時に伝家の宝刀左ストレートをぶつけていました。めまぐるしくポジションを変えながら、先手を取って攻め続け、最終回となった9ラウンドには、ついに粘るディアスを左のショートフックのカウンターで前のめりに倒し、アジア人初の四階級制覇を達成しました。
信じられないフィジカル能力があるのでしょうが、それとともに「俺のパンチはどの階級でも通用する!」と信じ、一切の迷いもなく自分のペースで自信を持ってボクシングをしきってしまう強い精神力も大きな武器です。悪い言い方をすれば、脳天気な性格なのかもしれません。普通の選手ならば、階級を一つあげるだけで不安になるところを、彼の場合フライ級王座陥落後一気に3階級アップし、今に続く伝説を築き上げてしまいました。今回のライト級挑戦においても、減量が楽になったためか、非常に動きが軽くコンディションは最高に仕上がったようで、パッキャオのように速い動きを特徴とする選手には、一番体が軽く感じる体重(物理的な体重の軽さでは勿論ない)で試合に臨むことがベストなのかもしれません。我が日本の内藤や長谷川ももしかすると2,3階級上の方が素晴らしく速い動きが出来るのかもしれません。
明日のWOWOWでの放送で、じっくりパックマンの自由自在な攻防を今一度鑑賞してみようと思います。フィリピンのテレビでは、「もうロベルト・デュランを超えたかも?」との声もありました。確かにデュランが階級を上げて執拗なパワー戦法から技巧派へと転身した物に近いものが、今日のパックマンにはありました。ボブ・アラムプロモーターの話では、パッキャオの次戦は、年内に全KO男、エドウィン”雷”バレロとの試合の可能性が高いとのことですが、パッキャオ対バレロが実現すれば、日本のファンにとってはまさにスーパーファイトになります。今後のパッキャオを中心としたライト級の動きにも要注目です。
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2008年06月28日
このブログをお読みの皆さんならご存じかもしれませんが、私は大のパッキャオファンです。一言で言うと分かり易いボクシング。目の前にいる相手を倒すことだけを意識したボクシング。試合中、採点を気にすることもなく、ペース配分にもほとんど気にかけず、ただベストショットを当てることだけを考えているように思います。本来のボクシングの醍醐味であった「倒し倒され」といったスリルをパッキャオの試合からは強烈に感じることが出来ます。だからこそ、本場アメリカでも彼の人気は凄まじいのでしょう。
さて明日は4階級制覇を賭けた大一番、フライ級から数えてなんと7階級目となるライト級での挑戦です。元フライ級世界王者がライト級まで世界戦進出したことが過去あったのでしょうか?ファイティング原田氏ですらフライ級からフェザーまででした。体重増加に関しては、前回(と言っても2週間前の記事)書きましたので、そちらをご覧いただければと思いますが、これだけ増量しながらもぜい肉を付けながら、テクニックで階級の壁を破ってきたのではなく、基本的なスタイル、つまり強打で相手を倒すスタイルを変えずに、ここまで階級を上げてきたことは、前例が無いことです。
しかし、そんなスーパーパックマンでさえ、ライト級では階級の壁にぶつかるのではないかと多くの専門家、ファンは見ているようです。チャンピオンのデビット・ディアスは、ライト級の中では穴王者と見られがちですが、豊富なアマチュア経験に裏付けされたテクニックは本物ですし、サンタクルス戦でみせたように、どんな劣勢にあっても諦めない精神力、そして執拗な手数は、体の小さなパッキャオにとって脅威となるはずです。
この試合の鍵はズバリ初回の攻防に掛かってくるでしょう。ディアスがパッキャオのパンチを警戒しやや距離を取った試合をするのか、それとも体格差を活かし、どんどん前に出てプレッシャーをかけてくるのか。パッキャオにしてみれば、あまりに強引に体ごと押し込まれて試合をすると分が悪いため、やはりディアスがある程度距離を置いてくれた方がいいでしょう。その為にも、初回や早い回でパッキャオのパンチ力を知らしめる必要があります。ロイ・ジョーンズが、ヘビー級でジョン・ルイーズをカウンターでぐらつかせたような一撃です。
問題はここからです。パッキャオ自身、あまりサウスポーとの対戦は得意ではありません。今までのように、自由自在に得意の左ストレートを当てることが出来ない可能性も大いにあります。ディアスの右ジャブに対処できるかどうか。そして鋭い踏み込みから体ごとぶつけるような左をヒットさせることが出来るのか。少しの迷いが踏み込みを鈍らせ、パッキャオの主武器である左の威力を失わせてしまいます。パッキャオが階級の壁を破ってこれたのは、この踏み込みの鋭さによるパンチ力なのですから。サウスポーのディアス相手に迷いが生じ、いつもの踏み込みが出来ない、パンチ力が半減、となるとさすがのパッキャオも壁にぶつかることでしょう。
さて私の予想(というより希望)ですが、パッキャオの左強打が前に出てくるディアスの顎に幾度となくジャストミートし、中盤までにディアスを倒しきってしまうパターンです。最近は、パッキャオの左ストレートは読まれがちで、以前ほど当たりませんが、それはバレラやマルケスといった超ハイレベルな対戦相手だったからで、ディアスにはパッキャオのパンチがより多く当たると信じています。スーパーチャンピオン(パッキャオ)と普通のチャンピオン(ディアス)との差が明確に出るのではないでしょうか。
日本ではWOWOWで6月30日(月)夜8時よりタイムリーオンエアーです。パッキャオがライト級でも通用するのか、非常に興味深い一戦となりそうです。
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2008年06月14日
あと2週間に迫ったパッキャオの4階級目ライト級挑戦を前に、パッキャオのデビュー後から現在までの驚異の体重増加をグラフにしてみました。ついでに私が思いついたどんどん階級を上げていった、風船のようにふくらみ続けたボクサー達との比較もしました。ふくらむと言えば、真っ先にミドル級から実質ヘビー級まで制したジェームス・トニーが浮かびました。次に、アジアの怪物マニー・パッキャオ。元ライト級王者でナザロフにタイトルを奪われながら、忘れた頃にいきなりSミドル級を制したディンガン・トベラ。そして最後は偉大なるロベルト・デュランです。
グラフの見方ですが、選手それぞれ階級も違うため、プロデビュー戦時の体重を基準に(つまりデビュー戦を「100%」として)どの程度肥大していったかをパーセンテージで現しています。縦軸は、そのパーセント(ここでは膨張率としています)、横軸は、デビュー後の経過日数となっています。
トニー 黄色
パッキャオ 紺色
デュラン 水色
トベラ ピンク
このように四者を並べてみると、多少の上下動はあるものの似たような増加ペースであることが分かります。(マニー・パッキャオは、再来週の体重を61キロとしています。)階級も選手それぞれの骨格、年齢、体質も違うため、比較は無理なのは承知ですが、10年で20%増がボクサーとしての限界値なのかもしれません。日本のようにデビュー時から頑なに同じ階級で戦い続けることが当たり前の国から見れば、この4名の増加率はあまりにも異常ですが。
ちなみに体重で見てみると、
トニー 最低 70.60kg、最高 107.50kg、増量幅 約37kg
パッキャオ 最低 48.08kg、最高 61kg(予定)、増量幅 約13kg
トベラ 最低 57.15kg、最高 82.20kg、増量幅 約25kg
デュラン 最低54kg、最高 79.80kg、増量幅 約26kg
階級が違うとはいえ、やはりトニーの増加は異常です。しかも、彼が凄いところは、最重量時でも世界戦を行っているところです。ふくらみ続けながらも、どの体重においても素晴らしい能力を発揮し続けました。生まれつき頑丈な体と言うこともありますが、やはり彼の類い希な反射神経とディフェンスの勘が、この偉業を陰で支えていたのでしょう。私は、以前からこのトニーと石の拳ことロベルト・デュランのボクシングに多くの共通点を見いだしていました。何も太る体質というだけでなく、練習では決して身につけられないナチュラルな動きで、相手のパンチを外し、自らのパンチはコツコツ当てることが出来るからです。まさに自然な流れの中でパンチをかわしてしまうのですから、階級を上げても通用するはずです。
一方のパッキャオは、あと一歩で膨張率130%に達するところですが、彼が最も偉大なのは、これだけ階級を上げながらも、いまだにパワーを武器に戦っている点です。当然Sバンタム級時代ほど相対的に一発のパンチ力はありません。しかし、それでも一発で相手を倒してしまうパンチは持っています。それに加え、肉体的精神的スタミナの持続も武器となっています。体つきを見ても、他の3名と違いぜい肉を付けながら階級を上げたのではなく、筋肉量の増加が伴っているからこそ成し得た、まさにフィジカル面での偉業達成と言えるでしょう。
パッキャオやデュランなどは10代でデビューし子供の体からの成長過程にあったため、プロ入り5年後の膨張率115%程度で全盛期を迎えています。トベラの全盛は、106%程度のライト級時代。トニーはいつが全盛期か定めにくいですが、強いて言えば約105%のSミドル級時代でしょうか。
日本の選手の多くは、海外の選手に比べ体重に関しても神経質で、1階級の重み(壁)をあまりに意識する傾向があるのではないでしょうか。そのため、体の成長を妨げてまで無理な減量を行い、同じ階級で戦い続けてしまうのでしょう。過酷な減量から思うようなパフォーマンスを発揮できず試合に敗れるだけでなく、毎回の減量の影響で選手生命自体も縮めてしまっているようにも感じます。デビュー時から体が出来上がっているような選手ならまだしも、体が出来ていない選手は、トレーニングとともに体も作られていくわけですから、体の成長に合わせて階級を上げていって欲しいものです。日本にはまだまだ「体格差を活かすために、出来るだけ下のクラスで戦ったほうが良い。」とする考えが多いようですが、過酷な減量によりコンディション作りに失敗する可能性を完全に無視しているようで馬鹿げています。今回取り上げた4名は、あまりにも普通ではない選手のため参考には一切なりませんが、体重を上げることにあまり神経質にならないで欲しいと思っています。現バンタム級王者の長谷川選手も減量に苦しんでいますが、アメリカ進出ではSバンタムやフェザー級で挑戦すれば、さらに速くて強い長谷川が見られるかもしれませんね。
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2008年05月04日
デラホーヤが1年ぶりの復帰戦を判定勝利で飾りました。相手のフォーブスが元Sフェザー級の世界王者(最近はウェルター級リミット内ではあるが)ということもあり、デラホーヤよりも一回り小さく、巷では9月に予定されるメイウェザーJrとのリベンジマッチに向けた単なる調整試合としか捉えられていませんでした。実際、試合そのものも危なげなく、ほぼ完封試合という内容でした。ガッティ戦以来7年ぶりの軽い体重(150ポンド)での試合のため、私個人はデラホーヤの技術面や試合勘よりも、運動能力面を心配したのですが、パンチのスピードや体の切れなどは、当然全盛期には及ばないものの、意外に出来は良かったように思いました。これならば、ウェルター級での試合にも同等のフィジカルコンディションで臨めることでしょう。一時は、リングから完全に離れプロモート業に専念していたこともあり、かなり太った時期がありましたが、久々に運動選手らしいスッキリとした体と表情になっていました。今年は3試合を行い引退をするプランを持っており、彼の幼少時代から続いたボクシング生活の集大成の意味もあり、ボクサーとして集中したいのでしょう。
今日の試合では、前戦のメイウェザー戦の強引過ぎるくらいにプレスし続けた戦法を反省し、本来の武器である左ジャブ(および左フック)をテーマに戦っていたようです。スピードがあり防御勘もいいフォーブスを相手に、自由自在にジャブをヒットさせたことは、十分に評価できます。しかし、あのSライト級時代、東京三太戦でみせたキレキレのジャブと比べると、やはりまだまだ左を磨けるのではないかと思ってしまいます。たとえメイウェザーがディフェンスマスターであろうとも、デラホーヤのジャブが全盛期に近いものになれば、距離や体格の差もあり、メイウェザーには相当難しい試合になります。昨年のファイター戦法のデラホーヤよりも数段やっかいになるでしょう。
全般的にデラホーヤの体の動きは悪くはなかったと思いますが、以前に比べ不用意にパンチを喰うシーンが増えました。今回の試合だけでなく、2年前のマヨルガ戦からそのような傾向は見えていました。やはり一年に一試合というブランクの影響なのか、動体視力が衰えてきているのか、何かしらの問題がありそうです。今回のフォーブスにパンチが無かった為、多少打たれても試合の大勢に影響はありませんでしたが、メイウェザー戦でもこの防御レベルが修正されていないと、試合にならないかもしれません。
さて、9月の再戦は実現するのでしょうか?デラホーヤは、個人的な理由で再戦を望んでいます。前戦は見方によれば、十分デラホーヤの勝ちでもおかしくなかっただけに、今度こそはきっちりと差をつけて憎きメイウェザーを叩きたいに違いありません。そして、ウェルター級王座に返り咲き、コットやハットン、はたまたパッキャオらと年末に最後の大一番を迎えるというのが、彼の描く最高のシナリオなのでしょう。92年のバルセロナ五輪からすでに16年。引退まであと2試合。最後の戦いぶりに注目していきたいものです。
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2008年04月20日
私用で生中継を観れず、ネットで最初の2ラウンドと最後の2ラウンドだけしか観ていないので、適切なコメントは書けませんが、観た範囲で感想などを書いていきます。
まず、初回、開始1分過ぎに、二人の距離が詰まった瞬間に、ホプキンスの軽い左ジャブに続くショートの右ストレートが、ダックしていたカルザゲの顔面を捉え、カルザゲがダウン!しかし、ダメージは意外に浅かったようで、その後もホプキンスは、サークルしながらカルザゲが出てくるところに右のストレートカウンターを狙うというパターンで、第一ラウンドが終了。続く2回、ホプキンスのややゆったりとしたペースにはまりかけているカルザゲが、自分のリズムボクシングを取り戻そうと、ややペースを上げようとホプキンスを追い詰めます。しかし、ホプキンスは、距離が詰まるとクリンチに逃れるというパターンばかりで、もみ合う場面ばかりになってきます。
3ラウンドから10ラウンドは、まだ観ていません。HBO解説のスチュワード氏の話では、中盤以降カルザゲに持ち前のリズムと手数が戻り、挽回していったようです。それに加え、ホプキンスは、やはり年齢のせいか、あまりにも手数が少なく、時折右のストレートを伸ばす程度の単発ばかりで、ほとんどコンビネーションは出さずじまい。そして、11ラウンドと12ラウンドも、カルザゲが前に出て手数を多く出すのに対し、ホプキンスはロープに詰まるシーンが多く、単発で狙うパンチもほとんどがカルザゲに読まれなかなかヒットさせることが出来ず、スタミナを失いながら何とか最終ラウンドを乗り切ったという様子でした。
そして採点は、115-112, 116-111で2者カルザゲ、一人は114-113でホプキンスの勝利を支持。これにより、カルザゲの連勝記録は45に伸ばし、Lヘビー級進出を成功させました。一方のホプキンスは、自分が勝っていたと主張しているようですが、さすがに衰えは隠せなかったことは誰の目にも明らかで、もしかするとこれがホプキンスの最後の試合となる可能性も否定できません。そして、Lヘビー級もう一人の伝説、ロイ・ジョーンズがあらためてカルザゲとの試合をアピールしたようで、もしかするとカルザゲ対ジョーンズという試合も実現するかもしれません。
この試合も先日の榎と粟生の試合と同様に、塩分の多いしょっぱい試合になると予想されていましたが、あまりのクリンチ、ホールディングの多さと、偶然のローブローなどもあって、期待していたほどのスリルは味わえませんでした。やはり選手の実力だけではなく、選手のスタイルが噛み合うかどうかで、名勝負が生まれるのでしょうね。ボクシングは、やってみないとどういう試合になるのか読めない部分が多いため、毎回スリリングなファン好みの試合になるとは限らないところが、難しいですね。
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2008年04月19日
いよいよ明日、伝説同士がぶつかります。ミドル級王座10年間19度防衛したホプキンスとSミドル級を10年間21度防衛中のカルザゲがライトヘビー級で戦います。数字だけ見ても考えられないようなマッチメークですが、一体試合展開はどうなるのでしょうか?
まずホプキンスですが、一番の懸念材料は年齢でしょう。すでに43歳、ミドル級王座を微妙な判定で落としたテイラー戦からもすでに3年近く経っています。ロイ・ジョーンズを破ったターバー戦でライトヘビー級に上げて、全盛期を彷彿させる素晴らしいパフォーマンスをみせて完勝。翌年には評価の高かったライトをも破り、年齢を全く感じさせない巧さと強さが評価されました(実際にいまだに全階級通しての最強ボクサーにランクされています)。元々体の大きなホプキンスですから、年齢を考えると無理な減量をするよりも、ライトヘビーのほうがパワー、スタミナの点でも余裕が出来るのでしょう。とはいえ、さすがに43歳という年齢に加え、ここ2試合ほど一年に一試合程度の試合間隔ということもあり、もしかすると急激な老化が始まっているかもしれません。しかし、ここぞという大一番ではベストの状態に心身とももってくるホプキンスのことですから、年齢の壁など無関係の素晴らしいパフォーマンスをみせる可能性も大いにあります。
一方のカルザゲですが、長らく守ってきたSミドル級ではなく、初めてのLヘビー級での戦いとなりますが、増量によるパンチの切れ、スタミナへの影響がどう現れるのか心配です。また、ここ最近のビッグマッチ路線(レイシー、ケスラー)とはスケールが違います。まず初めてのボクシングの本場、アメリカのリングということ、そして相手がレイシーやケスラーとは比べものにならないほどの経験と技術を持つホプキンスですから、さすがのカルザゲにも不安はあるに違いありません。
両者ともにディフェンスがよく、なかなかクリーンヒットを奪うことは難しいでしょうから、判定になれば手数で勝負のカルザゲにやや分があるようにも思いますが、ホプキンスはクリーンなボクシングでも素晴らしい技巧を持ちながら反則まがいの荒い戦法(体や頭で相手を押し込みながらの攻撃)もこなせる万能型であるため、どのような試合展開にも強く、カルザゲが劣勢に陥ることも十分考えられます。フィラデルフィアの黒人貧困街に育ったホプキンスにとって、白人に負けることだけは許されない、そういう意気込みであらゆる手段を使ってでも勝ちに来るホプキンスの姿が思い浮かびます。
本当にこの試合は不確定要素が多すぎて、どのような試合展開になるのか全く読めません。だからこそより多くのボクシングファンがこの試合を生で見てみたいのでしょう。
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2008年03月16日
多くのボクシングファンが4年間待ち望んだ因縁の再戦、マルケス対パッキャオのWBCスーパーフェザー級タイトルマッチがたった今終わりました。両者とも現在のボクシング界を代表する選手とあって試合内容は本当に素晴らしかったです。
4年前に行われた初戦では、パッキャオが怒濤の先制攻撃でマルケスから3度ものダウンを奪うというセンセーショナルな出だしでしたが、その後のラウンドではマルケスが徐々に盛り返し、テクニックでパッキャオを上回りドローに持ち込みました。さて、あれから4年。マルケスは34歳、パッキャオも29歳になりお互いそれぞれ素晴らしいキャリアを積み上げてきました。どちらが4年前から進歩しているのか、それが今日の勝敗を左右するとも言われていました。
さて、その注目の試合ですが、両者ともベストコンディションでリングに上がったことが一目瞭然でした。お互いのパンチの交換だけでなく、間合いの取り方を見ているだけでも緊迫感が伝わってくるほどでした。第一ラウンドは、初戦の悪夢があるのかマルケスは、やや慎重に様子を見ながらの戦いでした。パッキャオの攻勢が目立ちました。第2ラウンドの終盤にマルケスのコンビネーションがクリーンヒット。そして迎えた第3ラウンド、ついにパッキャオの伝家の宝刀左が火を噴きました。マルケスが返しの左フックを放とうとしたところに、抜群のタイミングでパッキャオのショートの左フックがカウンター気味に顎を捉えました。マルケスは、背中からバッタリと倒れるほど完璧なパンチでした。起き上がってきたマルケスに、得意の連打攻撃を仕掛けロープにつまり防戦一方となったマルケスは、2度目のダウン寸前でしたが、そこで第3ラウンドが終わりました。
第4ラウンド、勢いに乗るパッキャオは、自信を取り戻したように攻撃のテンポを速めてマルケスを追いかけ、ラウンドを支配します。しかし、5ラウンドからは、また初戦と同じく不利な状況においても冷静に戦うマルケスの本領が発揮されてきます。特にパッキャオの左を相殺するかのようないきなりの右ストレートを有効に使いペースを奪い返すことに成功。特に第8ラウンドでは、偶然のバッティングでパッキャオの右目すぐ上からの出血がひどく、右目が見えなくなったこともありマルケスのビッグパンチが面白いようにヒットしました。しかし、続く第9ラウンドでは逆にパッキャオのノールック(相手を見ずに振りかぶるような)の大きな左フックがマルケスを捉え、マルケスの右目もカット。これをきっかけにまたもやパッキャオが攻勢に転じ、9,10ラウンドと連取しました。
最終の2ラウンドは、両者とも出血に悩まされながらも、勝利への執念は全く衰えることなく、倒して勝とうという気持ちを前面に出した一進一退の攻防が続きました。12ラウンドはマルケスの有効だがやや多かったものの、勝負は判定までもつれ込みました。
緊張の採点が発表されました。
一人目、115-113でマルケス
二人目、115-113でパッキャオ
そして三人目は、114-
113で
パッキャオ!の勝利を支持!
これでアジア人として初となる3階級制覇が達成されました。
1998年に勇利アルバチャコフよりタイトルを奪ったチャチャイ・ダッチボーイジムからWBCフライ級を奪取。体重苦のため一気に3階級上げ2001年にはIBFのスーパーバンタム級王座を南アの安定王者レーロホノロ・レドワバから。そして2003年には実質世界フェザー級王者だったあのマルコ・アントニオ・バレラをも粉砕し、一躍全世界のボクシング界のスターボクサーの仲間入りを果たしました。その後エリック・モラレスとの3戦、バレラとの再戦などビッグマッチに登場していましたが世界戦ではありませんでした。そして今日、2008年、意外にも5年ぶりの正真正銘の世界タイトルを獲得しました。
フライ級 48.97~50.80kg★1998年獲得
スーパー・フライ級 50.80~52.16kg
バンタム級 52.16~53.52kg
スーパー・バンタム級 53.52~55.34kg★2001年獲得
フェザー級 55.34~57.15kg
スーパー・フェザー級 57.15~58.97kg★2008年獲得
ライト級 58.97~61.23kg
階級をとばさなければ、6階級制覇をしていたかもしれません。フライ級上がりの選手が、10キロ近く体重を上げた今でもパワーを武器に戦っていることが、本当に信じられないです。そしてパッキャオは本日の興行の前座に登場したWBCライト級王者であるデビット・ディアズとの4階級目をかけた試合も予定されています。
欲しいものは全て手に入れたはずのパッキャオ。自分でも認めていますが、以前のようなハングリーさはない中で、これだけの試合を続けてこられたのは、フィリピン国民の期待を感じているからでしょう。パッキャオは、自分自身の名誉などすでに眼中になく、国民のために戦い続けているのです。普通の人間ならば、大きな期待をプレッシャーと感じ、満足な力すら発揮できずに終わってしまうところを、このパッキャオは国民の期待を大きな戦力に変えてしまう術を得ているかのようです。
最後に、今日の試合、私の採点では、115-113とパッキャオでしたが、正直どちらの勝ちでもおかしくはない、非常に競った試合でした。しかし。4年前、3度のダウンを奪いながらもドローに持ち込まれたパッキャオと今日のパッキャオは違います。得意の左ストレート一本槍だった4年前に比べ、ボクサーとしての総合力がアップしています。解説のスチュワード氏も言われていましたが、多くの人が言う右の使い方(右フックと右のジャブ)だけではなく、ディフェンス力が大きく向上しました。常に上体を左右前後に揺らしながらプレスをかけるため、以前ならばクリーンヒットされていた場面でも、今ではパンチを殺すことが出来ています。しかも、単調だった4年前に比べ、テンポの強弱を使い分けることも出来るようになりました。左ストレートの爆発力や驚異的なスタミナはやや影を潜めてきたパッキャオではありますが、やはりまだまだ成長過程なのでしょう。同じアジア人として、本当に誇りに思える選手です。
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posted by cutepizza |14:33 |
海外ボクシング |
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