2006年10月21日
ボクサーの引き際
一昨日、元WBC Sフライ級王者の川嶋選手が、再起を表明しました。ミハレスとの暫定王座決定戦でも、豪快なダウンを奪い、僅差の判定負けでしたので、本人としても「俺は、まだやれる。」という思いが、日々強まっていったのだと思う。
ボクサーの引き際ほど、判断が難しいものはない。第一に、自分自身の実力を計り切れない点。陸上選手なら、タイムさえ見れば、自分の実力の増減、日々のコンディションの良し悪しなどが分かる。しかし、ボクサーには、そのような分かりやすい判断基準がない。そのため、多くの引退したボクサーが、衰えをあまり意識せず、強かった若い頃の感覚を(脳内で)覚えていて、まだやれる、と判断することが多いのだろう。
次に、ボクシング競技の特殊性がある。それは、たった一発のパンチで、試合が大きく変わってしまうという、ある種のギャンブル的な性格がボクシングにあるため、総体的に衰えていても、パンチ力に自信があれば、チャンスがあるということ。いわゆる、Puncher's Chanceですね。浜田剛史氏がよく言われますが、やはりパンチのある選手は、魅力あります。
三番目に、ボクシングが、フィジカル面だけのスポーツではないこと。運動能力、基礎体力は重要だが、試合の駆け引き、テクニック、精神面などが向上していれば、総合的には若い頃よりも強くなることも十分考えられる。実際、一度辞めてから、ボクシングをより理解できるようになる選手も多い。ジョージ・フォアマンが、この良い例だろう。
最後に、ボクシングのマッチメークがある。何もカムバックして、以前より高いレベルでの試合をする必要性はない。場合によっては、目標のレベルを落して現役を続けながら、チャンスをうかがうことも出来る。また、ボクシングは、一対一のスポーツ。しかも、対戦相手をある程度選ぶことが出来るとなると、多少力が衰えていても、カムバックを決意することもあるだろう。(ロベルト・デュランやレイ・レナードのように。)
これら以外にも、勿論、復帰を決断する要因はあると思う。個人それぞれ事情も違うだろう。よく「ボクシングは麻薬」と言われる。きっと言葉では説明できない、やった者でしか分からない特別な魅力があるに違いない。他のスポーツで、引退後に復帰することは、ほとんど考えられないが、ボクシングでは、古今東西、現役復帰など日常茶飯事。やはり、ボクシングは、麻薬だ。
川嶋選手の場合、肉体的にもまださほど衰えは無いはずだし、ブランクをつくったわけでもない。元々不器用ではあったが、キャリアを積むにつれ、向上してきたのは確か。本人だけではなく、周りにもまだまだ出来ると思っていた人達は多いはず。ただし、ボクシングは、危険なスポーツ。健康管理には十分気をつけて、これからも頑張り続けて欲しい。
多くの方に、この「ボクシング・ジャーナル」にアクセスしていただいています。有難うございます。もっとボクシングのことについて語りたいという方は、私のサイトであるWSCまで一度お越し下さい(http://worldsportsclub.org/)。掲示板、各最新ブログ記事の紹介、フリーマーケットなどを開催しています。
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posted by cutepizza |21:11 |
国内ボクシング |
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