2009年05月17日
ワールドの休刊について
2006年9月に前身の「ワールド・ボクシング」誌が休刊になった際にも、ボクシング誌存続に関するブログ記事を書きましたが、今回の休刊は限りなく廃刊に近いものであるように思います。前田編集長も編集後記で述べられていましたが、やはりこのインターネット時代、情報の速報性と量に、雑誌業界はどこも苦戦を強いられているのでしょう。24年ほど前、私がボクシングに本格的に興味を持ち始めた頃、当然インターネットなどなく唯一の情報源は専門誌でした。毎月15日の発売日を首を長くして待っていたものです。発売日には本屋に直行し、それこそ全ての記事を何度も何度も穴があくほど読み返していました。それが今では、世界中のニュースが瞬時に、しかも無料で届く時代です。ボクシング好きの私ですら、専門誌は立ち読みで済ませてしまうこともありました。専門誌ならではのコラムは大変読み応えがあり、非常に面白いのですが、雑誌の大半を占める試合結果の記事などは、既に知っていることのため、ほとんど真剣に目を通すことがありませんでした。 ワールドは、再起を目指し、発行元を探すなど努力を続けているようですが、今までと同じスタイルの紙面作りだと、結果は見えています。またネットでの活動にしても、収益面では全く期待できないでしょう(ボランティア活動なら別ですが)。個人的には、読者に情報を発信するだけの専門誌ではなく、落ち込んでいるボクシング業界に活を入れるため様々な活動を報告するようなものになって欲しい気がします(会報に近い)。そのためには読者、ボクシング・ファンと雑誌編集部との連携が必要で、ここでインターネットを活用し業界を良くするための意見をとりまとめ、頭の硬い協会やコミッションを少しでも動かしていければ、少しボクシング人気も回復するかもしれません。昔から業界にいる人間は、実はあまり真剣にこの衰退を危惧していないのではないでしょうか?むしろ一般のボクシング・ファンのほうが、この悲惨な状況を嘆き、どうにかしたいと思っているかもしれません。多くの人間の意見を集め、業界にぶつけることができるのは、業界とファン(読者)とのパイプを持つ雑誌編集部の強みと言えるでしょう。 上記の会報案以外には、以前にも書きましたが、過去の名勝負DVDを雑誌の付録にすることで、昔のファンを取り戻すだけでなく、ボクシング以外のスポーツファンの目も引きつけるきっかけになるのではないかと思っています。このDVD案は、各テレビ局やジム側の権利問題が絡み、実現は難しそうですが、テレビ局、ジム、その試合に登場する選手らに著作権料のようなものが分配されるシステムが構築されれば、最初は大した儲けにはならないと思いますが、10年、20年という長い期間で見ると、意外に上手く働く可能性があるかもしれません。(DVDの場合、雑誌の付録で出すよりも、単体で売るべきものでしょうが。)命がけの試合をした過去のボクサー達を忘れないためにも、また少しでも金銭的な援助が出来るようDVDソフト化を考えて欲しいものです。過去の遺産を埋もれさせたくないと思うのは、私だけでしょうか? ネット vs. 雑誌 速報性 ネット>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>雑誌 こればかりは、どうあがいてもネットに勝つことが出来ない。ネットならいつでも情報を得ることが出来るが、雑誌の場合、本屋で雑誌を入手するまでは、何の情報も得られない。しかも、月に一度の発刊。 保存性 雑誌>>>>>>>>>ネット ネットは、基本的に最新ニュースをチェックする感覚があり、過去(数年前)の記事などは保存されないケースがほとんど。情報の垂れ流し、使い捨てがネットの基本スタンスと思う。逆に雑誌は、捨てない限り、物質として残るため大げさな話、数百年後でも読むことが出来る。 携帯性 雑誌>>>>ネット トイレに持ち込んで読むなど、いつでもどこでも好きなときに読めるのが、雑誌のいいところ。最近はネットブックなど携帯性の良いコンピューターもありますが、やはりここは雑誌が大きく上を行く。 希少性 雑誌>>>>>>>>ネット 雑誌のほうが数が出ないこともあり、あまり多くの人の目にとまらない。しかも、たった一ヶ月で書店から消えるため、雑誌そのものの希少価値は高い。専門家のコラムや美しいカラー写真が雑誌にはあるので、ネットにはない所有する満足感などもある。 経済性 ネット>>>>>>>>>>>>>>>>>>雑誌 経済性という言葉が正しいかはともかく、やはりタダで有益な情報が得られるネットの魅力には、太刀打ちできない。しかも印刷という工程がネットにはないため、編集側にとっても非常に手軽に(安く)記事が発信できる。 てきとうに思いついた項目でネット対雑誌の12回戦を行ってみました。確かに雑誌には雑誌の良いところがありますが、速報性や経済性でネットに大きく水をあけられてしまっていると思います。そこでネット上で雑誌のような紙面作りをすれば、いいのでは?と誰もが思いますが、ネットで収益を上げることはたとえワールドのサイトと言えども、難しいと思います。ボランティアで記事を書いてくれる人間は多くいるとは思いますが、それではただのブログ記事と変わりません。浜田剛史氏やジョー小泉氏、などのプロのコラムには原稿料が必要でしょうし、取材には当然各経費が掛かります。スポンサーからの広告料がいくらになるかは不明ですが、あまり期待は出来ないでしょう。そこで会員制にして各会員から月300円程度を集めるなどして、有料サイトにしてもどれほどの会員が集まるかは、全く予想できません。今までの雑誌と同じ内容のものがネットで見られるならば、月200円や300円程度は非常に安いと個人的には思いますが、どうでしょうか?300円×5,000人=1,500,000円になります。一昔前、テレビは無料が当たり前の時代でした。それが、アメリカの場合PPVで5000円以上を払わないとビッグマッチを見ることが出来ません。そう考えると、ネットにおけるPPV形式を雑誌にも当てはめることは決して不可能ではないかもしれません。ただし、言うまでもなく「お金を払ってでも見たい、読みたい!」と思わせるサイトであることが絶対条件になります。 個人的にお金を払っても良いと思うコンテンツ 1. 今までの雑誌にあった専門家によるコラム続投。 2. 試合などの高画質写真を自由にダウンロード。 3. 上記DVD案にも被るが、高画質名勝負動画のダウンロード。 4. 元世界チャンピオン、現役ボクサー達との集い(イベント参加料は別途)。 5. 試合チケットの優先(割引)購入権。 6. ボクシング・グッズの割引購入権。 また勝手なことを思いつくままに書き出しましたが、このくらいあればお金を払いたいと思うのではないでしょうか?コラムだけなら月300円、写真のダウンロードは月700円、などとメニューごとに別料金制にするのもいいかもしれません。すべてにアクセスしたい場合は、セット割引で月1,200円などとしてもいいかも??書きたい放題書いていますが、酔ってはいません。ただ、今までと同じでは決して上手くはいかないことは、誰の目にも分かると思います。再起の道は険しいですが、きっとワールドなら奇跡の復活が可能であると思っています。今回の休刊は、2度目のダウンにすぎません。勝負はまだついていません。再び起き上がり、一発逆転を狙い前へ前へと出続けて欲しいです。 多くの方に、この「ボクシング・ジャーナル」にアクセスしていただいています。有難うございます。もっとボクシングのことについて語りたいという方は、私のサイトであるWSCまで一度お越し下さい(http://worldsportsclub.org/)。掲示板、各最新ブログ記事の紹介、フリーマーケットなどを開催しています。
posted by cutepizza |21:11 |
国内ボクシング |
コメント(3) |
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ワールドの休刊について
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自分が初めてボクシング雑誌を読んだのは中学生の時、ワールドボクシングの4月号でした。薬師寺保英が表紙で4度目の防衛戦(ゴメス戦)がメイン記事でした。薬師寺対辰吉戦の直後で世間もまだまだボクシングに対する関心の高かった頃だったと思います。書店で何気なく棚を見ていた時に偶然、一冊だけ残っていたワールドボクシングを手に取り、読んでみて、それまでボクシングに対する知識の少なかった自分にとって、それは、とても興味深く、面白かった事を覚えています。
地元の書店ではボクシング雑誌(ワールド・マガジン共に)扱っている店が少なく、扱っていたとしても一冊程しか入荷しておらずなかなか手に入りにくかったです。大人になると活動の範囲が広がり遠方の店にも行くようになると毎月、欠かさず買っていました。特に佐瀬稔さんの「感情的ボクシング論」が好きでよく読んでいて、初めて読んだ時はグレート金山選手の王座転落の記事を書いていたのを記憶しています。
かつて膝の怪我で手術・入院していた際ちょうど竹原慎二の初防衛戦があり、その病院はテレビ東京系が入らない所だったのでワールドボクシングの竹原対ジョッピー戦の展望記事が書かれていたページを広げベッドの上でラジオを聴いていました。竹原の王座陥落の放送を聞いた時はベッドを叩いて悔しがった事もありました。そんなこんなで、この雑誌に対してはいろいろな思い出があります。
基本的にスポーツにあまり関心がなかった自分にとって唯一のめりこんだスポーツがボクシングであり、そういった意味では自分の人生と共に歩んできたのが、この雑誌だったように思います。そんな中でボクシングワールドの休刊というのは、とても残念な事であり悲しい出来事です。近年のボクシング人気の低迷、出版不況、景気の悪化等様々な要因を象徴しているように思います。
近年は知名度のある雑誌でも次々と休刊に追いやられています。出版物が売れないというのは何もこの雑誌だけの話ではないのでしょう。一時ワールドで細義数子の本の広告を載せていた事がありましたが、それを見た時は細義数子が嫌いな事もあって「何でワールドでこんなの載せなあかんねん」と思っていたのですが、今となっては、あれも雑誌存続の為の精一杯の努力だったのだなと思います。
これでボクシング専門誌はボクシングマガジン一誌となりましたが一ボクシングファンとしては、せめて、このマガジンだけは何とか存続していってほしいと思います。自分もかつてはワールドとマガジン両方を買っていた時期もあったのですが基本的に一度買った雑誌・本等はなかなか捨てられない性分なのでどんどん溜まっていってしまいワールドのみ買うようになってしまいました。今後もしマガジンまで休刊に追いやられるような事になればボクシング人気もおしまいでしょう。現在のキックボクシングか新興の総合格闘技と同じくらいの地位にまで低迷している事と思います。
以前このブログで会場に足を運ぶ事を呼びかけた事がありましたが、それと同時に雑誌を買う事も呼びかけたいと思います。出来れば毎月、買ってくれればよいのですが、それが駄目なら、せめて日本人選手が世界戦で勝利した時やパッキャオのような選手のビッグマッチがあった時だけでもよいので買ってほしいと思います。そうする事が業界の明日に繋がっていくと感じます。
基本的にこのブログを読んでいる人達はボクシングの好きな人達だと思います。一人一人はあまり力になれずとも皆で業界を支えあっていければと思います。勿論、出版社自身、ボクシング業界自身も改革、そして努力していくべきだとも思いますが。ボクシングマガジンの灯だけは皆で消さないようにしていきましょう。
それと管理人さんできれば、もう少し更新の頻度を上げてくれると嬉しいです。いろいろと大変なのでしょうけれど、せめて2週間に一回くらいは更新してほしいと思います。
最後にボクシングワールドに対して「ありがとう、お疲れ様」と言いたいです。
posted by スージーQ | 2009-05-18 00:18
ワールドの休刊について
コメント投稿者ID :
今回は、やはりという思いがあったのは事実ですが、
本当に残念です。
初めてワールドを買ったのが1984年。
私も隅から隅まで読んでいました。
他に情報源がないので。
日本ランキングも暗記するくらいでした。
雑誌の存在価値が今よりもずっと高かった時代です。
出版業界でずっと働いているので、
こういった状況は痛切に感じます。
部数減⇒書店配本の減少⇒さらに部数減
といった悪循環に加え、原価の圧縮(取材費がない)などの悪条件が重なり、やむなく休刊。
こうした状況では、小手先で誌面構成を変えたり、
雑誌名を変えても効果はありません。
これはボクシングというカテゴリーに限らず全てのジャンルで起こっています。
金を取る方策、なかなか難しいですね。
posted by shuukei | 2009-05-20 12:49
ワールドの休刊について
コメント投稿者ID :
個人的希望ですが、ワールドというその名をかんがえてもマガジンとは一線をひいてもいいとおもうんです。そこで、あのwowowのエキサイトマッチと完全連動!毎月の試合をクローズアップして記事を作るんです。パッキャオやメイウェザー関連などなど、注目の試合なんかをうまく紹介すれば、一般受けもするのでは…。
お互いにとってもメリットありそうなんですけどね。ワールド、僕もお世話になりました。もう一回がんばってほしい…
posted by カポネ | 2009-05-25 21:57
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