2008年05月15日

カゼヲキル 2 激走

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 明日、編集部の引越しがあります。部数拡大に伴い、現在の編集部が手狭になったからというわけではありません。社内の機構の変更に伴うものです。かつて編集部があった南別館の7階に戻ります。3年ぶりくらいです。本誌ができてから6年になりますが、これで引越しは4回目です。今までのところが一番広い上に明るくて気に入っていたのですが…。

 昨日、今日と2日間にわたって箱詰めで忙殺されました。たまっていた資料などを大量に廃棄処分に。引越しをするたびにものが整理できるのはいいのですが、「これはちょっと読んでから捨てよう」なんて、作業の合間に思ってしまうものですから、そこで作業は中断して、なかなか前に進みません。かつて取材した方のサインが出てきたり、完走証が出てきたり、思わぬ発見があるものです。

 処分しようと思っても捨てられないのが、読者からの手紙です。取材でお会いしたかたいただいた手紙は、宝物です。捨てようかどうしようか迷ったのですが、やはり捨てられませんでした。

 
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 増田明美さんの自伝的小説『カゼヲキル 2 激走』を読み終わりました。スピード感があるので、すぐに読めます。『カゼヲキル 1 助走』がとてもよくて、続編を待ちわびていたのですが、期待にたがわぬいい出来です。「オリンピック選手にしか書けない迫真マラソン小説」と、うたい文句にあります。何しろリアルです。ビルドアップ走の設定タイムであるとか、監督のアドバイスであるとか、フィクションなのに、ノンフィクションのようなリアリティがあります。面白いのは、別名ではありますが、現在のスポーツジャーナリストとしての増田明美さんが、出てきていて、その人が非常にいい人として描かれている点です。取材している風景など、いつもの増田さんがそこにいて、解説でしゃべっている言葉も増田さんの言葉で、しかし、解説者の前で選手として走っているのも、ン十年前の増田さんなのです。

 主人公が中学生から高校生になり、人との関係のなかで心を揺らすのですが、それが切ない。情景が細やかに書き込まれているわけではないのに、映像としてシーンが浮かんでくる。経験したことはないのに、かつてどこかで自分も経験したことがあるような、そんな気持ちにさせる小説です。人のことを決して悪く言わない増田さんらしいといえば増田さんらしい、はらはらしながらも、心が温かくなる小説です。

 陸上部に所属している中学生や高校生はもちろん、走っている方なら、大人でも十分に楽しめます。

 ちなみに、増田さんは、5月24日の黒部名水ロードレースの前夜祭で出版記念サイン会を行うそうです(レース当日もやるのかな?)。瀬古利彦さんも『マラソンの真髄』のサイン会をしますので、参加される方はぜひ、サイン入りの書籍を手に入れてください。


posted by 樋口 |22:17 | コメント(0) | トラックバック(0)
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