2008年03月18日
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
いまさらながら,プレミアリーグの海外進出計画についてちょっと述べてみたいと思います。 いきなり話題が変わるようですが,新聞に小熊英二さん(歴史社会学者,慶応大学教授)のインタビューが載っていました。ナショナリズムとグローバリズムに関するものなのですが,概観としては優れものだと思ったので,内容を要約して紹介します。
A.ナショナリズムとグローバリズムは,仲の悪い双子のようなもの。両方とも,交通通信技術の発達に基づく均質化と資本主義化の産物である。(身分差や地方差を解消する)均質化が国内でなされるとナショナリズムと呼び,国際的になされるとグローバリズムと呼ぶ。ナショナリズムの形成そのものが,グローバル化の結果。 B.両者が対立するように思われる原因 B-1.国家関係の存在。 大国のグローバルな展開に,劣位の国が対抗手段としてナショナリズムを形成する,など(例:ペリー来航と明治維新)。 B-2.利益を得る階層の違い。 ナショナリズム=国内均質化は,国内における身分制廃止や福祉政策,格差解消につながる(「”同じ日本人”なのにおかしい」)→中の下ぐらいの階層(保護貿易,補助金,外資規制で守られる農民・商人,終身雇用の会社員など)の利益になる。 グローバリズム=国際的均質化は,上層(海外の投資先を模索する投資家,外国語を話し,国外でも高収入を得られる特殊技能を身につけている者など)+下層(移民労働者など)の利益になる。 C.最近の日本でナショナリズムに引きつけられる人が増えたのは,1992年以降の経済停滞が原因の1つ。経済成長の停滞,産業空洞化,若年失業者の増加→新自由主義的政策の導入→貧富の格差拡大→移民排斥運動やネオナチの支持者増加,という欧米でみられる現象の焼き直し。 D.ナショナリズムは常に反グローバリズムであるとは限らない(例:新自由主義者のサッチャー,レーガン,小泉は,同時にポピュリズム的なナショナリスト)。「アメリカでは国旗に敬礼しているから日本でも」「日本人としてのアイデンティティーをしっかりもたないと国際人としては通用しない」などの論調は,ナショナリズムとグローバリズムの混交,双子の関係をよく表している。 E.ナショナリズムとグローバリズムの敵は,ローカリズム。交通通信技術と資本主義の発達でローカリズムや地域共同体を破壊させてこそ,人々に国家という想像の共同体に愛着をもたせることができる。グローバル企業にとっても,自給自足のローカル共同体は破壊すべきもの。
という感じです。 個人的に補足するなら,E.について,ローカリズムは,ナショナリズムあるいは国家によって壊されていきましたが,当然良い面もあり,それはそこから逃れた自由な「個人」が誕生したことでしょう。中間団体の破壊なくして自由な「個人」は誕生しえませんでした。 こんなものをなぜここで紹介したのかといえば,これを道具にプレミアリーグの海外進出計画について分析してみたい,と思ったからです。 プレミアリーグの海外進出計画については,FIFA,UEFA,AFCなどから反対され,今のところ計画はほぼ頓挫したようです。これらのアクターの行動の根底に(プレミアリーグも含め),経済的利益の追求があることはほぼ間違いないことでしょう。 しかし,経済的利益からAFCなどが反対するのはわかりやすいのですが,FIFAやUEFAが反対するのはそうわかりやすい話ではありません。 UEFAの会長であるプラティニさんのインタビューを読むとそれはどうやら,ナショナリズムからのグローバリズムに対する反対,つまり,彼の中では,フットボールの有する価値(観)は,国家という政治共同体が形成する境界に沿って生成されたものであり,それを乗り越えることは許されない,という立場からの反対ではないかと考えられます。ブラッターのコメントは詳細ではなかったのでよくわかりませんが,今までの言動からするとおそらく同様の立場からの反対なのでしょう。ビジネス的な面からいっても,彼らは,国家に沿った既存の境界があるからこそビジネスができる(例えば,ヨーロッパスーパーリーグができてしまえば,UEFAチャンピオンズリーグは不要になるわけです。つまり,国際組織は,「国」が無くなったらいらなくなってしまうわけですから,それを希薄化させるような動きには組織防衛/自己保存の観点から反対しなければならないわけです。)わけですから,反対するのも当たり前でしょう。 一方で,選手やサポーターからは,過密日程などの理由からの反対もありますが,ここではより理念的な問題をとりあげようと思います。その一例として,ギジェム・バラゲさんのコラムをとりあげます。 余りまとまりが無い文章ですが,簡潔にまとめるなら,おそらくプレミアリーグの「地元と密接に結びついた歴史や伝統」が海外進出によって損なわれてしまうのではないか,という懸念から反対するという意見だと思われます。これは,グローバリズムに対するローカリズムからの抵抗,ということになるでしょう。ここで注目されるのは,プレミアリーグが,ナショナルなものとしては捉えられていない,ということです。世界中で放映され,それによって多額のテレビ放映権が流入し,オフには海外集金ツアーをし,世界中でユニフォームを売り飛ばしているプレミアリーグを,ナショナルなものとするのは無理があるという認識だろうと思います(この点で,プラティニやブラッターよりよほど現実的な見方といえるでしょう)。それでも,プレミアリーグの根本にはローカルなものがあるのであり,プレミアリーグの海外進出は,それをほり崩してしまうのではないか,という懸念があるというわけです。 つまり,プレミアリーグの海外進出計画(グローバリズム)は,ナショナリズム(UEFA,FIFAなど)からもローカリズム(地元サポーターなど)からも反対にあってる,ということになります。多方面から反対にはあっているが,その反対は同床異夢だということになりそうです。これはEで描かれた構図(グローバリズム,ナショナリズム vs ローカリズム)とは少し違いますね。 プレミアリーグの海外進出計画が今後どうなるか,はよくわかりません。ナショナリズムは置いておいて(説得的な理由を彼らが並べられるとは思えないので),ローカリズムの保護を訴える意見は,「地元と密接に結びついた歴史や伝統」を重んじ,いってしまえば無意識にしろ地元のサポーターの地位を特権化(地域性に基づく特権化)するわけですが,海外のサポーターは,それこそサポーターという地位の「均質化」を求めることでしょう(”同じサポ”なのにおかしい)。ギジェム・バラゲさんのコラムから引用すれば 「イングランドのファンが、おれたちのために1試合観戦するのをあきらめることは、そんなに問題なのか?」 ということです。これは(文化的な意味において)クラブが誰のものであるのか,ということを考えざるをえない問題です。リーグは,クラブの集合体であるからです。そして,それはたとえソシオ制度をとったとしても同じことです。クラブは,「地元のサポーター」のものなのか,それとも(どこに住んでいるかは関係はなく)「クラブのサポーター」のものなのか。前者なら,地元のサポーターが特権的にふるまうのは仕方のないことでしょう。クラブが地域共同体の象徴なら,その地域共同体に参加するサポーターこそが大事なサポーターであり,そこに参加していないサポーターなど二級サポーターだ,ということになりそうです。後者なら,それらは理由がないことになるでしょう。地元のサポータが優遇されているように見えるのは,単に数が多いからにすぎないということになるでしょう。ほとんどのクラブはこの点が曖昧になっている(今までは,明確にする必要性がなかったですし,クラブ経営の観点からもそれは賢明なことだった)と思いますが,仮にプレミアリーグが海外進出しようとするなら,この困難な問題に一定の結論を出さなければならないと思いますし,それに興味がありますね。 ちなみに,上記で「明確にする必要性がなかった」と書きましたが,日本の場合は,「地域密着」を唱うのが流行ってるように,あえて明確にする場合が多いように思います。クラブ立ち上げ期には有効な手法でしょうから,それは妥当なことだと思いますが,歴史的な観点からいえば,明治維新以降とり壊しが進んだ地域共同体を復活させる1つの動き(もちろん時代の流れに適合した新しい形で。地域共同体が復活したからといって「個人」が消失するなどは考えられないように。)と捉えられるかもしれません。いずれ「代表 vs クラブ」の議論にも影響することになるかもしれませんね。
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posted by coladevaca |02:53 |
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プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
コメント投稿者ID :
今回の海外進出は利益追求のためで、それにFIFAなどが反対するのは自分達の利益を犯されたくないだけ
ナショナリズムとか関係ないよ
それと今回の海外進出はリーグ戦を一試合増やして行うので
イングランドファンが怒るとかもないよ
posted by ランパード | 2008-03-18 03:47
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
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↑
「イングランドのファンが、おれたちのために1試合観戦するのをあきらめることは、そんなに問題なのか?」
------
Eだけ分析というより主張っぽい。どうでもいいが。
日本で言えばJリーグ「アジア選手枠創設」(の動き)がその‘グローバリズム’って事ですかね?
私はこの動きに多大な気持ち悪さを覚えているが、それは‘ナショナリズム’もしくは‘ローカリズム’がそうさせるのでしょうかね?
アジア枠はアジア(収益)向けのものであり、彼らの目的の究極はJリーグの「アジア」化に思う。それは築いてきた「地域密着」志向とは明らかに違う流れであって。
posted by 100ml | 2008-03-18 11:49
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
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>100ml さん
>日本で言えばJリーグ「アジア選手枠創設」(の動き)がその‘グローバリズム’って事ですかね?
グローバリズムというと,一般には超大陸的=地球規模的運動をイメージさせると思うので,ちょっとしっくりこないと感じはありますが,似たような要素はあると思います。少なくとも,国境を超える動きではありますよね。
>私はこの動きに多大な気持ち悪さを覚えているが、それは‘ナショナリズム’もしくは‘ローカリズム’がそうさせるのでしょうかね?
それが全ての原因だ,とはいいませんが,大きな要素であるとは思いますよ。というより,こういった方がいいかもしれません。ナショナリズム,あるいは,ローカリズムには慣れているけど,グローバリズムに慣れていないのが原因ではないか,と。
仮にローカリズム(地域密着)を徹底していくとしましょう。そうすると,例えば,浦和レッズは,スタッフや選手,サポーターなども含めて,「浦和市出身」とか「埼玉県出身」とかに限られるべきである,という考え方だって出て来ておかしくないはずですよね?現実にはアスレティック・ビルバオなんかがそれに近いですが。
しかし,こういう考え方は一般に支持されているとはいえないですよね?こういう考え方をとってしまうとクラブが強くならない,成長できないからです。クラブが「地域/ローカル」の枠に押し込められてしまうから。そこで,ローカリズムが緩和されていくわけですが,じゃあ,どこまで緩和させていくか,というと,まずは他の分野でもよく使われる「ナショナル/国家」という枠が使われることになるわけです。「浦和市出身者じゃなきゃダメ」から「日本人じゃなきゃダメ」に妥協するわけです。
ここまでみてわかることは,いくら地域密着を唱い,それを理想化しようと,地域密着なりローカリズムなりは最初から妥協があるのが普通で,後はどこまで妥協していくか,が問題となっていくわけです。一般に,ナショナリズムと結びついた形で妥協の形が作られていくわけですが,プレミアリーグ(その中でも特にビッグクラブ)は,グローバリズムと結びついた形での妥協を模索しているわけです。
「浦和市出身じゃなきゃダメ」というわけでもないのなら,「別に外国人でもいいじゃない」
と。確かに「地域」との結び付きは緩まるかもしれませんが,「国内」より大きな「世界」という枠を設定できればそれだけクラブとして成長できる機会を得ることができるわけです。あとは,どこまで「世界」という枠を押し広げるか,の問題でしょう。
このような動きに対して感じる違和感というのは,仮にあなたがプレミアの地元サポやイングランド在住サポではなく,Jクラブのサポーターだとしたら,自分のクラブの枠である「地域」や「国」というのを乗り越えた強そうなクラブと対面する恐怖感のようなものではないでしょうか。自分のクラブの生存が脅かされていると。黒船におびえる日本人と似た感じかと。
そうでないとしたら,単純に「慣れてない」だけかな,と。個人的には,海外のミュージシャンが日本に講演にしにくるのと同じだと思います。それで,日本のミュージックシーンが衰退する,とか騒ぐ人ってあんまりいないですよね?日本の音楽関係者,音楽ファンには騒ぐ理由があるかもしれませんが(AFCやJクラブのサポが騒ぐのと同じように),普通は騒がないですよね。おそらく,自分達が衰退するかどうかとは関係がないということが経験的にわかっていますし,もう「慣れてしまっている」から。音楽の場合は,言語の壁があるので安心してるのかもしれません。また,別にそうでない人にとっては,洋楽だろうとなんだろうとどうでもよく,いい音楽を生で聞くことができる機会が増えるのは歓迎でしょう。
それでも,ホーム&アウェーの形式は,絶対に維持すべきローカリズムの(最後の)生命線だ,という人がいるかもしれません。ただ,それはあんまり説得力がない気もします。カップ戦では中立地開催というのは結構ありますから,毎年1試合,カップ戦の決勝戦が増えると思えば,大した問題じゃない気がしますがどうでしょう?
posted by coladevaca | 2008-03-18 22:37
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
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こういった視点でサッカーを見ると面白いッスね。
ただ、組織のスタンスとしてグローバリズムとかローカリズムとかがあるんだろうけど、観客・サポにとっては単に好きなチームを応援してるってことなんだと思う。妥協っていうと対立関係に聞こえるけど、補完関係にあるってサポ側としちゃ考えたほうがいいんじゃないか。地域に住むサポも地域外に住むサポもチームに対して貢献してればサポなんじゃない?サポ内で区別したがる人は当然出てくるけど。
そうは言うものの戦略上、クラブ側から見てどちらを重視するかってことはあると思う。Jはやっぱりローカリズムってスタンスでしょうね。一方で代表人気はナショナリズムを煽って人気を高めてきたわけだけど、よく見てる観客・サポは代表でやるサッカーって結局寄せ集めってことがわかってるわけで、内容がいい試合なら海外の見たり、もっと感情移入できる自チームの試合見たり、代表ってのは選択肢の1つであって、以前と比べファーストチョイスではなくってきてる。単に内容重視する人が増えたからだろうけど、見方変えるとJにとって「試合の内容」を厳しく見られてるわけでそれはそれでいいんじゃないかな。要は面白くすればいいわけだから。
ただ、純粋に内容がよくなって観客が増えてくれればいいんだけど、地域重視だとまだサッカーが根付いていない今の状況、新たな観客増やすにはJだと力が弱い。そういう点で去年のACLみたいに国民感情に訴えてって手も出てくるんでしょう。前に管理人さんが言ってたように人気を得るためには対世界って構図がわかりやすい「代表」をまだ当分、協会は重視する方向でしょうね。
とは言え、レッズのスタンスは今のところ「地域」重視だけどビッグクラブって呼ばれるようになって「国」全体に広げてきたらどうなるんだろう?ちょっとは状況変わるかもしれない?
ま、どんな試合にしても面白ければ文句はないんですが・・・。
posted by ブランク | 2008-03-18 23:57
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
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>フットボールの有する価値(観)は,国家という政治共同体が形成する境界に沿って生成されたものであり,それを乗り越えることは許されない
こういう思考とは違うのでは?
プラティニ会長の言葉じりよりも、一連の発言から背後の考えを想像するに、上記のような「ナショナリズム」ではなく、ローカリズムに傾いたものだと思います。
UEFAの組織防衛/自己保存の観念は宿してはいるでしょうが、もっと根源的な願いがありそうです。
「ローカリズムの保護を訴える意見は、無意識にしろ地元のサポーターの地位を特権化」にもつながるし、それはプラティニ会長も承知し、利用しようとしているでしょう。が、しかし、中小企業保護的な志向が遥かに強いものと想像します。
各地の特色をということと、資本力に依存し過ぎない競争をということに集約されるのではないでしょうか。
大資本力クラブを常に上位に常駐させ、小さなクラブがいつも負けるようではスポーツ的ではないし、加えて、資本主義の理想理念でもあった、新規参入を妨げないということに反します。特にスポーツでは、「繰り返し新規参入」ともいうべき挑戦が可能でなければなと思います。
小熊教授の論旨は存じませんが、A以下に要約してくださった内容は、鵜呑みにできない点が多々あります。サッカーと離れるので、最後のEだけとりあげます。
>交通通信技術と資本主義の発達でローカリズムや地域共同体を破壊させてこそ,人々に国家という想像の共同体に愛着をもたせることができる。グローバル企業にとっても,自給自足のローカル共同体は破壊すべきもの
国家が想像の共同体であるなら、地域愛着を有した個人のグループをいくつも抱え込んだ、そういったものを大括りにした共同体であるとしても問題ないはずです。
自分の国と言ったら、あまり行政単位を気にせずに、友人知人・親類家族がたくさん分散しているところ。そういう感覚から、元来のナショナリズムが派生してくるということで、なんら悪くなさそうです。
「グローバル企業にとって、自給自足のローカル共同体は破壊すべきもの」というのは、商業面の理屈であって、一体化せずに考えるべきでしょう。
>Eだけ分析というより主張っぽい。どうでもいいが
どうでもいいかどうかは、ちょっと疑問。
戻ります。
>こういう考え方をとってしまうとクラブが強くならない,成長できない
逆はいかがです?
資本力あるクラブが出身国に関係なく、際限なしにいい選手を集め、ファンも集め、毎年毎月強くなければいけない、「勝たねばならない」と、今以上に勢力を伸ばしてもいいですか。
クラブとしての成長ね。いつまでも右肩上がりの成長神話、サッカーでは消滅していないんでしょうか。
すべてバランス感覚の問題で、どちらかに完全な偏りをしてはまずいと思いますが、今、プラティニ会長は、商業主義の反対サイドを重視しようとしているだけだと感じます。
posted by コリバノフ | 2008-03-19 00:59
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
コメント投稿者ID :
>ブランクさん
>地域に住むサポも地域外に住むサポもチームに対して貢献してればサポなんじゃない?サポ内で区別したがる人は当然出てくるけど。
この感覚は,普段の感覚としては妥当なものだと思いますよ。
今回の話は,プレミアリーグが新しいことを始めようとした結果,これまで色々問題があるにしろ上記のように「チームに対して貢献してればサポ」という一定のバランスが保たれていたものが崩れて,「本当にそうなのだろうか?」という疑問が浮かぶような矛盾や問題点として現れてしまった,ということだろうと思います。
>レッズのスタンスは今のところ「地域」重視だけどビッグクラブって呼ばれるようになって「国」全体に広げてきたらどうなるんだろう?ちょっとは状況変わるかもしれない?
本文にも書きましたが,「地域重視」というのはクラブ立ち上げ段階としては正しい選択だと思います。平たくいえば,比較的狭い,小さいクラブでも情報を送りやすい地域のお客さんをターゲットに,彼らをうまーく持ち上げて,ファンになって貰うわけです。Jリーグがローカリズムをとるのは正しいことだと思います。ただ,「地域」というのは狭い(つまり,人が少ない)わけで,人気が高まれば高まるほどそれを超えることを迫られるわけです。レッズが,これからビッグクラブになろうとするなら,「地域」というのはいずれ乗り越えるべき壁だと思いますよ。
将来的には,ずっとローカルのままいく中小クラブと,ナショナル,グローバルな規模で活動するビッグクラブとに分かれていくでしょうね。
posted by coladevaca | 2008-03-19 23:56
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
コメント投稿者ID :
>コリバノフ さん
>各地の特色をということと、資本力に依存し過ぎない競争をということに集約される・・・以下
あのインタビューからあなたのおっしゃるようなことを読み込む方が無理があるように思いますけど。
まず「各地の特色を」なんてことがどこにでてきますか?
プラティニによれば,監督や選手や会長がイングランド人かどうか,それに応じてイングランドのクラブかどうかが決まり,たとえクラブがイングランドで戦っていても外国人が戦っていればイングランドのクラブではない,と見事なまでにイングランドのクラブの地域性を否定(!!),サポーターとはリバプールなどイングランドにいるサポーターのことである,と見事にイングランド以外のプレミアサポの存在は無視(!!)して,サポーターのいない中国になんかにいく必要はないというわけです。どうみてもここで問題になっているのは,イングランドという「国」についてであり,クラブのナショナリティが希薄になっていることを嘆いているようにしかみえません。
また「資本力に依存し過ぎない競争」なんてことを想起させる発言がどこにありますか?そもそも資本とか競争という言葉は出てきてないですよ?
そして「大資本力クラブを常に上位に常駐させ、小さなクラブがいつも負けるようではスポーツ的ではない」ということについては,プラティニがいう「中国のビジネスは中国のクラブがやるものだ」としても存在しうる問題ですよね?中国のクラブ間で資本の均衡がとれなくても生じうる問題です。
それに「資本主義の理想理念でもあった、新規参入を妨げないということに反」するというなら,なんで中国市場にプレミアクラブの参入を拒絶するのかがさっぱりわかりません。
全体的に,あなたの意見は,プラティニのインタビューから離れたあなたの個人的な意見に過ぎないと思いますよ。
>国家が想像の共同体であるなら、地域愛着を有した個人のグループをいくつも抱え込んだ、そういったものを大括りにした共同体であるとしても問題ないはずです。・・・以下
Eがいっているのは,ナショナリズム=国内均質化であるなら,ネーションに多様性を持ち込むローカリズムは論理的に対立する,ということでしょう。ローカリズムが敵だというのは,ナショナリズム=国内均質化という概念からくる論理的帰結です。Eが気に入らないならナショナリズム=国内均質化という考え方自体を否定するような議論をすべきことになります(グローバリズムについても同様)。ですので,国家が「想像の共同体」であるならうんぬんという話は,この文脈ではとりあえずはおいておいていい話でしょう。
そもそもの話ですが,「想像の共同体」という概念について。あなたはご存知ないでしょうが(というのは知っていたらあなたのいうようなことは言わないだろうと思いますので),小熊さんがこの概念を使うにあたっては,おそらく,ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体 - ナショナリズムの起源と流行』という本を念頭においていたと思います。ナショナリズム研究についての古典ですので。というわけでまずはこの本をお読みになることをお勧めします。彼が「想像の共同体」をどういう意味で使ったのかがわかるはずですし,論旨もすっきりくると思いますよ。
>資本力あるクラブが出身国に関係なく、際限なしにいい選手を集め、ファンも集め、毎年毎月強くなければいけない、「勝たねばならない」と、今以上に勢力を伸ばしてもいいですか。・・・以下
いいんじゃないですか。少なくとも,ダメだという理由は私には思い浮かびません。例えば,戦力均衡を重んじるアメリカンプロスポーツ的仕組みとそういう存在はは明らかに相容れないとは思いますけど,アメリカ流のやり方以外も別にあっていいと思いますし,実際,ヨーロッパは違うやり方をとっているわけです。結局,そういうやり方が好きかどうか,という好みの問題になると思いますし,好きな人はそういうビッグクラブを応援すればいいし,そういうのが好みでないなら,そういうやり方をとらないローカルクラブを応援すればいいでしょう,という感じでいいと思いますが。
posted by coladevaca | 2008-03-19 23:59
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
コメント投稿者ID :
coladevacaさん
>あのインタビューからあなたのおっしゃるようなことを読み込む方が無理
あのインタビューだけでは無理ですね。
「一連の発言から背後の考えを想像する」というのは、チャンピオンズ・リーグの改革試案や「青田買い」的な若手選手集めに関する見解ほか、これまで会長戦に出るころから言ってきたことなどを加味して想像するという意味です。
それらを併せて想像したことを率直に述べたもので、勝手なわたしの「個人的な意見に過ぎない」ものを主張するためにプラティニ会長にかこつけたのではありません。
「サッカーのためにならないからだ。サッカーには価値観があり…」
このようなプラティニ会長の言葉もありましたから、その前の言葉じりだけでなく、含意も検討すべきかと思い、異なった受け取り方を示したつもりです。
まるで通じず、わたしの「個人的意見」にすり替えたと理解されたのでしょうか。
あなたが、小熊教授が使ったという「想像の共同体」という概念についてご教示なさってくれたベネディクト・アンダーソンの著書。わたしは読んでいません。
アンダーソンにとっての「想像の共同体」が、小熊教授の「想像の共同体」と同じもので、「そもそもの話」、それに関して論じろというなら、もちろんアンダーソンの著書を読んでからにすべきですね。
そのようなつもりは全くありません。
単に実態というよりもある種の観念に近いものという意味で「想像の共同体」という言葉を使用しただけです。この際、本旨ではないですね。
仰るとおり、「ナショナリズム=国内均質化という考え方自体」が程度問題だとわたしは考えています。ですから、ある程度を超えた国内均質化を、ナショナリズムは必要としないで済むと思っています。
ある水準以上の国内均質化を否定しています。
それでもナショナリズムは成立するという考えです。
まあ、そのあたりもプラティニ発言からは離れていってしまいますから、これで。
posted by コリバノフ | 2008-03-20 02:27
プレミアリーグの海外進出計画について(グローバリズム/ナショナリズム/ローカリズム)
コメント投稿者ID :
coladevacaさん
うっかりしてました。
「実態というよりも」ではなく「実体」のつもりでした。
失礼しました。
posted by コリバノフ | 2008-03-20 02:31
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