2008年06月22日
'雨中の苦しいゲームだった。
思い通りにならないゲームだった。
時折危ない場面はあったが、攻め続けたゲームだった。
だが、点が取れないゲームだった。
後半終了間際、残された時間は本当にわずかだった。
左サイドから中村憲剛が上げたクロスを前線で競ったリバウンドボールに
内田は本能で反応した。
いつもは意図を込めたボールを前線に送る彼が
この時はただ頭でボールを合わせただけだった。
それでもボールはゴールに向かった。
浮いたボールに途中出場の巻が体を寄せた。
巻もそれがゴールに結びつくなどとは思っていなかった。
彼はただいつもする彼のプレーをしただけだった。
スリッピーなグランドも手伝って、
ディフェンダーとゴールキーパーの間に落ちたボールは
ワンバウンドしてマウスに転がり、ネットを揺らした。
中村憲も、内田も、巻も、特別なことをしたつもりはなかった。
彼らの信条のひたむきなプレーがつながり
日本は勝ち点3を奪い、3次予選2組をトップで通過した。
アウェイで敗れた相手にホームでスコアレスドローでは負けに等しい。
それは間違いのない事実だ。
だが、その瞬間、3人の頭の中からそんな事実は消えていた。
やらなければならないことを愚直に、当たり前にこなした結果が
3人には「無欲の決勝点」になった。
だが、ここから先、日本代表は最終予選でより厳しい立場に追い込まれるハズだ。
その時、当たり前のことを当たり前に消化し
勝負の女神が微笑んでくれるかが勝負の分かれ目になる。
posted by トウジ |21:36 |
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2008年06月18日
阪神は初回、関本の左中間本塁打で先制点を挙げ、
2回に3連続四球に犠飛、内野安打を絡めて2点を取り試合の主導権を奪った。
楽天は3回、2安打と相手の守備の乱れをついて1点を返したが後続がなく、
阪神が終盤猛打で加点し試合を決めた。
「率先垂範」=他人に先立って物事を行い、模範となること(広辞林)
「他人のいやがることを先頭に立ってやれ!」
学生時代、1度や2度は先生にこう言われた経験、あなたあるでしょ?
「他人のいやがること」
例えば、中学時代ならトイレ掃除?
社会人なら採算割れ確実な新プロジェクト?
(最近の筆者の場合、毎日の風呂掃除かもしれない…?)
話は前日にさかのぼる。
阪神1番・赤星は安打、四球など5度の打席ですべて出塁した。
後に続く打者・関本は愚痴も言わず4度の送りバントを決め、
プロ野球タイの1試合4犠打を記録した。
自分を殺し黙って打球を転がし続けた。
話はきょうに続く。
1回の第1打席。赤星は倒れ塁上に走者はない。
1-2からの真ん中の直球。
本人自ら「ラッキーパンチ」という打球が左中間スタンドに突き刺さった。
それはまぎれもなく関本への「ご褒美」だった。
3回、1点を返した後の楽天の2死1・3塁のチャンスで、
山崎武が2ストライク目の内角高めの速球のストライクの判定に
自らの欲をさらけ出し、頬を膨らませてあからさまな態度を取ったのとは
あまりに対照的だった。
両軍の選手、応援を続けたファンには申し訳ないのだが、
今日の試合はこの1回で終わったようなものだと思う。
終盤の阪神脳猛攻の中で、
関本自身も犠飛と安打で合計3打点を挙げる活躍を見せたが、
それはあえて言えば単なる付録とも言えるものだった。
「見ている人はちゃんと見てくれている」
それが形になったゲームだった。
posted by トウジ |21:26 |
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2008年06月15日
楽天が3回、四死球で得たチャンスに3安打を集中、3点を奪い逃げ切った。
楽天・先発の岩隈はリズムの良い投球で要所を締め、
130球で無四球完投勝利。10勝目を挙げた。
人の懸命な姿は胸を打つ。そこには信頼が生まれる。
野球だって例外ではない。楽天・岩隈は味方の失策にも冷静だった。
2回、巨人は先頭・ラミレスの安打と内野ゴロ失で1死1・2塁のチャンスを作った。
だが岩隈は、あくまで外面はクールに、内面はホットに、
後続を大きな右飛と内野ゴロに打ち取った。続く3回は三者凡退。
これを意気に感じた打線が3回、集中打で応えた。
一死後、連続四死球で得たチャンスに
草野が巨人先発・グライシンガーの2球目を左中間に運び、
塁上の走者2人を迎え入れた。
続く山崎武が今度は初球を中前にはじき返し、2塁走者が還り3点目。
投手と打線の相互信頼がそこにはあった。
巨人は8回に反撃。先頭・鈴木が左前打、高橋由・三振の一死後、
木村拓が三塁線に巧みな一打を放ち、チャンスを広げた。
三塁手・草野の懸命のプレーも及ばなかったが、
この真摯な姿勢がまた岩隈の闘志に火を付けた。
続く小笠原の2球目に鈴木が三盗、しかし一塁走者の木村拓は動かなかった。
小笠原は6球目を二ゴロ併殺打に倒れ、好機の芽は摘み取られた。
岩隈は仲間の気持ちを背に感じながら130球を真摯に投げ込んだ。
巨人の走者は一瞬の隙を見せた。
野球の神様は、自らが選んだ選手たちを勝利へと導いた。
posted by トウジ |16:24 |
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2008年06月12日
両軍とも1回に1点を取り合い、ソフトバンクはさらに2回に4安打を集中、
犠飛を絡めて2点を奪った。中日は8回、藤井のプロ2本目の本塁打で
1点差に迫ったが時すでに遅く、大隣に完投を許した。
「1番・荒木が塁に出て、2番・井端がヒットエンドラン・・・」。
中日ファンにはおなじみの応援歌「燃えよドランゴンズ」の一節だが、
今季は期待に応えられないケースが目立つ。
柔軟さを欠く荒木、負傷を抱える井端…。
2人の調子が今ひとつなのだ。
それに加えてこの日は前日に続く走塁ミスが攻撃に水を差した。
1回、荒木がヒットで出塁、
盗塁のあと井端がチームバッティングで走者を3塁に進めた。
ウッズが歩き、4番・和田がレフトに犠牲フライを打ち上げた。
誰もが、2死1累で、続く中村紀のバットに期待を寄せた瞬間だった。
2塁をオーバーランしたウッズが送球よりも先に1塁に戻れず併殺。
荒木のホームインが早く得点は認められたが、チャンスは潰えた。
そのウラ、ソフトバンクが、先頭打者の安打、盗塁、3番打者のタイムリーと
野球の教科書のような展開であっさり同点に追いつき、
2回には前日のVTRを見るような連打にエンドラン、犠飛を絡めて
これでもかの2点をもぎ取った。
今のドラゴンズには、この2点が重い。
ヒットは散発でつながらず、
8回、藤井のプロ2本目の本塁打で1点差に迫るのがやっとだった。
1・2番の連携がままならず、中軸から快音が聞けない。
いつの時代も現実は厳しいものだが、
それにしても、昨年の日本一チームの苦しみは深い…。
posted by トウジ |21:46 |
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2008年06月11日
1回に柴原のタイムリーで先行したソフトバンクが
4回に5連打で3点、続く5回に小久保の本塁打で追加点を挙げ、
中日の反撃を2点に抑えて逃げ切った。
どちらが責められるべきか? 中村紀か? デラロサか?
1点を先行された2回表、中日の攻撃。
中村、井上の連打で無死1,2塁のチャンスを作った。
続く打者は交流戦三塁で先発のケースが多いデラロサ。
小細工は向いていない打者、
だがここは序盤でもあり、ベンチは確実に走者を進める作戦を取った。
サインは送りバント。
初球、デラロサはストライクゾーンに来たボールにバットを引いた。
2塁走者・中村はバントすると信じ大きくリード…。
次の瞬間、捕手からの送球は走者よりも早く2塁ベースに達していた。
中日はこのチャンスに後続がなく、その後も意地は見せたが決定打を欠いた。
試合のペースはソフトバンクの手中に渡り、戻ることはなかった。
もちろん、責められるべきは状況判断を欠き刺された中村だろう。
しかし、プロ野球の、いや、日本の野球の常識では
走者が2塁にいるときの送りバントは「ストライクバント」。
ストライクゾーンにきた投球はバントすることになっている。
2塁走者・中村はその常識を信じ3塁に進むことを考えた。
ところが待っていた現実は…。
単純にどちらを責めるという問題ではないかもしれない。
だが、この溝が埋まらない限り、
攻撃力の低迷が長引く中日の浮上のチャンスは
限られていると言わざるを得ない。
posted by トウジ |21:59 |
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2008年06月09日
4回に3点を英智のタイムリー3塁打などで先行した中日が、
6回に追いつかれたものの、裏に井上、英智の連続タイムリー、
荒木のヒットで3点を勝ち越し振り切った。
第1打席、スライダー、スライダー、スライダー…。
バットは3回とも空を切った。三球三振。
楽天の先発・田中将大の投球に中日・英智は舌を巻いた。
そして0-0で迎えた4回裏、和田、井上の単打で作った2死1・3塁のチャンス。
英智は2ストライクから真ん中高めのスライダーに反応した。
狙っていたかどうかは分からない。しかし打球は左中間を切り裂いた。
田中の落胆は、続く小田の3点目のタイムリーにつながった。3-0.
5回表、楽天は中日の先発・山本昌から
フェルナンデスの右越え2塁打でチャンスを作ったが、
2死後、敬遠も考えられた高波への渾身のストレートは
昌の男気を感じさせた。
しかし、続く6回、渡辺直人の安打と盗塁、高須の適時2塁打で山本昌をKO、
後を継いだ吉見が打たれ、先発の勝ち星を消す同点に追い込まれた。
前日までならここで意気消沈の中日打線、だが、この日は違った。
その裏、中村紀の中越え2塁打と右翼先発・井上の右前適時打で勝ち越し、
送球処理の間に無死3塁の好機が訪れた。
打者は英智。
青山のタテのスライダーに喰らいついた打球は二塁手の左を抜けた。
さらに荒木の中前打が出て6点目が入り、試合は決まった。
試合後のヒーローインタビューで英智は言った。
「2本目のタイムリーは普通に、フツーに行こうとと言い聞かせて振った」。
かつてお立ち台で数々の名言を披露してきた英智。
それこそが「フツー」ではない心理の表れだった。
posted by トウジ |22:08 |
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2008年06月08日
1-1で迎えた9回表、続投の中日先発・中田から四球と失策で
無死二、三塁のチャンスを得た楽天は、鉄平の三塁打で2点を挙げ勝ち越し、
2死後、フェルナンデスが替わった浅尾から2点二塁打を放って試合を決めた。
中日・落合監督は、中田を評して、よく「暴れ馬」と表現する。
制球よりもボールの勢いで勝負する投手であること、
強い気持を前面に出した投球をすること、
回を追うに従ってボールに勢いが増し、
試合終盤に140キロ台後半の球速を記録することなどを、
その言葉に置き換えているのだろう…。
この日の中田も、文字通りのそれだった。
2回裏、中日にとって実に4試合ぶりとなるタイムリーを伏兵・小田が放ち先制、
しかし続く3回、楽天の無死一塁の攻撃で、
慌てる必要のない牽制球を素早いモーションから投じ、走者に当て二塁に進めた。
そして進塁打と犠飛で同点を許す。
その後は立ち直り、ベンチが信頼する「エース」としての投球を続けた。
「この回を投げ切り、延長に入れば交替」のムードがドームを支配した9回表、
中田の強気が顔をのぞかせる。
2ストライク・ノーボールから先頭打者を歩かせ、
次打者のバントを高めの速球や鋭い変化球で失敗に導いた。
三度目のバンドにはもう一度渾身の高めの速球。
勢いのあるゴロが中田の前に転がった。
「二塁だ」。その瞬間、中田はそう思ったに違いない。
捕手・小田も二塁送球を指示したのだろう。
だが、気持ちと上半身はその思いと声についていったが、
快速球を連発してきた下半身は疲労を蓄積していた。
態勢の「備え」を欠いた送球は二塁ベースの遥か左を中前に抜けていった。
自らの失策は、その後の「心の備え」も失わせた。
続く鉄平に中越え三塁打を浴びて、中田はマウンドを降りた。
「強気」とは、力で押しまくることではない。
中田の辞書に、きょう、「大胆細心」という言葉の意味が書き込まれたはすだ。
posted by トウジ |18:40 |
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2008年06月06日
北海道日本ハムが2点をリードされた5回、2死1、3塁から紺田の中前打と高口の三塁打で
3点を挙げて試合をひっくり返し、7回に4点を奪って突き放した。
中日はソロ・ホームラン3本による得点だけだった。
「仏の顔も三度まで」 。
「どんなに寛容で慈悲深い人でも三度目の失敗までは許してくれるが、
それ以上は認めてくれない」。そんな解釈でいいだろうか。
中日ドラゴンズ・先発の佐藤充は今季初先発。2年ぶりの勝利に挑んでいた。
立ち上がり、北海道日本ハムファイターズは、拙攻に拙攻を重ねた。
佐藤充の制球難で毎回のようにチャンスをもらいながら
盗塁死、送りバント失敗、併殺。
どこからみても佐藤充に「早く立ち直ってください」という攻撃だった。
そして中日はウッズの2打席連続本塁打でリードを広げた。
だがその中日の楽勝ムードが一変したのは、
佐藤充に勝利投手の権利が見えた5回表だった。
北海道日本ハムはこの回もチャンスを作ったが、
三塁走者が内野ゴロで飛び出し、タッチアウトで2死1,3塁。
「またか」と思ったのはスタンドの観客だけだった。
マウンド上の男は言い知れぬ不安を抱えていた。
それは今季初先発、1年勝ち星なく過ごしたあせりだったのだろうか。
1番・紺田に中前に合わされ、続く新鋭・高口に右中間に運ばれ、逆転された。
その後は、中日投手陣に負傷のアクシデントなどもあったが、
一度北海道日本ハムに傾いた流れは二度と戻らなかった。
17安打7得点の北海道日本ハムに対し、本塁打のみの4安打3得点の中日。
もがく中日投手陣はもう、打線に対して「仏の顔」ではいられない。
posted by トウジ |23:13 |
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