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私的名馬列伝 第五話 バブルガムフェロー

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★はじめに

 元々今日はこの馬の列伝を書こうと決めていたのですが、何の因果か丁度、今年の牡馬クラシックの主役の一翼を担うと期待されていたブレスジャーニーの骨折による戦線離脱のニュースが流れました。  年明けから調教のピッチが上がらず不安視されていて、スプリングSでの復帰を一度は発表しつつの離脱は、ここまで懸命に立て直しを計ってきた陣営にとっても痛恨でしょうし、ファンとしても今でも手薄な牡馬戦線が更に寂しくなる、ましてそれがこんなにドラマ性のある馬ともなれば尚更に残念です。

 奇しくもバブルガムフェローも、クラシックで有力視させながら直前離脱を余儀なくされ、けれど復帰後も変わらぬパフォーマンスを発揮して活躍した名馬ですので、ブレスジャーニーにもしっかり怪我を治して、またあの小気味よい切れ味を披露してもらいたいものです。

 ともあれ、バブル自身は当時産駒デビュー二年目の、飛ぶ鳥を落とす勢いのサンデーサイレンス産駒、その中でも垢抜けた馬体と雰囲気を持ったエリート然とした馬でしたし、それらしい賢さとそれゆえの詰めの甘さ、時には脆さも見せた、こういってはなんですがあまりはっきりとした強さを感じさせない不思議な馬でした。  生涯通算成績は13戦7勝2着2回3着3回、着外に敗れたのは3歳時のJCのみと、今でいうなら馬券圏内を外したのは一回だけと非常に安定した戦績を誇っています。  それでもやはり時代を代表する名馬、とまでは思われないのは、結果論的に見て時代の印象を担う対決で悉く敗れ去った事は影響しているでしょう。  産駒成績もそこまでパッとしたものは残せなかったですが、そんな風にどこまでもマイペースに飄々とエリートコースを駆け抜けていったこの馬の歴史を改めて振り返ってみましょう。

★新馬~スプリングS<名門の看板に恥じず>

 バブルガムフェローは、当時でも既に名門厩舎として名を馳せ始めていた藤沢厩舎の期待馬らしく、秋の府中開催1800m戦でデビューします。  今だと新馬と未勝利で本賞金が違ったりもして、単純に新馬は競馬に慣らさせる為の叩き台、という考え方は薄らいでいる気はしますが、当時は期待馬であるほどに初戦で無理はさせない、特に当時のトップジョッキーの岡部Jが携わる馬にはそんな傾向が顕著にありました。

 初年度産駒の大旋風を受けて、一層にサンデーサイレンス産駒への期待感も高まっており、その中でも牧場時代から西のダンスインザダークと並んでの評判馬だったバブルは、当然のように単勝1倍前半の圧倒的人気に推されます。  しかし前出のように、初戦はまず競馬の流れを覚えさせ、かつ競馬が余り苦しいものだと思わせないようにゆったり走らせるモットーがあっただけに、超スローから仕掛けも遅く、ラスト2Fの瞬発力特化戦となったレースを5番手からじわっと差を詰めるも無理はせず、3着という結果で走り終えたバブルガムフェロー。

 その教育の成果は当然2戦目に生かされ、中2週の未勝利戦では一転自分で逃げる競馬を選択、ペースも中盤で緩ませない一貫戦で、改めて競馬の厳しさ、踏ん張りどころを教え込みながら楽に逃げ切って、噂にたがわぬ素質を見せつけます。  続く府中3歳S(当時はOP)では、スッと番手につけて、坂地点でかなりの加速を要するギアチェンジ戦でも自分から楽に反応するセンスの良さを見せて完勝、勇躍GⅠ戦線に乗り込む切符を手にします。

 そして迎えた、冬の中山の朝日杯3歳S。  久しぶりにレースを見ると、うわぁ解説吉田均さんだ懐かしいー、とか余計な感慨が浮かんできますが(笑)、ともあれここまでとは違い急流になりやすい中山マイル戦で、しかしここでもバブルは素晴らしい競馬センスを披露します。

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私的名馬列伝 第五話 バブルガムフェロー

コメントありがとうございます。

致命的に文才はありませんので、こうして愚直に自分の思うところを極力わかりやすくまとめて吐露する形にしか出来ませんが、それでも楽しんで頂けたのでしたらありがたいことです。

これから本格的にGⅠシーズンが始まって、不定期連載のこの企画をねじ込む余地がどれくらいあるか、私もこうしてきちんとした形で競馬ブログを掲載するのは初めての試みなので、やってみないとわからないところはありますが、なるべくご期待に沿えるよう頑張っていきたいと思います。

私的名馬列伝 第五話 バブルガムフェロー

久々にスポナビブログに来てみたところ、こちらの記事が目に留まり拝読させていただきました。一見長文でありながら、cloverさんの非常にわかりやすく、なんというか嫌味のない文章でバブルガムフェローの物語を気持ちよく堪能することができました。私は1999年当時から競馬を見始めたので、戦績から見たこの馬の凄さは知ってはいたものの、cloverさんのいうところの淡白さとお坊ちゃん的魅力というのは新鮮でした。
これからも私的名馬列伝、楽しみにしております。

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