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2017 東京大賞典 レース回顧

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 年末の大一番・東京大賞典は、好スタートから躊躇なくハナを奪い切ったコパノリッキーが、道中マイペースに持ち込んで押し切り、見事に引退レースでGⅠ級レース11勝目の金字塔を達成しました。レースを振り返っていきましょう。

 馬場は大体昨日の想定通りに、年末としては標準的に重い条件だったとは思います。  C級のマイル戦で勝ち馬が千切る形で1,43,8、ひとつ前のB1の1200mも1,13,8まででしたから、このレースの2,04,2はまずまず優秀な方ではあるかなと感じますし、その上で諸々展開面でなるほど、と思わせるものはありましたね。

 レース展開は、まず外からケイティブレイブとコパノリッキーが出していって、最終的に外からコパノが譲らずにハナを取り切ります。  何故かゲート入りが最後でいいスタートを決められたミツバとインカンテーションがそれを追いかけて2列目、その後ろにロンドンタウンとヒガシウィルウィンが続いて、後方からアポロケンタッキーとサウンドトゥルー、という隊列になりました。

 ラップは35,5(11,83)-51,6(12,90)-37,1(12,37)=2,04,2(12,42)という推移でした。  このレースの肝は最序盤はかなり流れている事と、その分中緩みがかなり大きく、直線での加速度が非常に高くなっている点ですね。  ハーフで見ても61,3-62,9とハイペースはハイペースなのですが、中盤の4Fが綺麗に12,8~13,0と緩い流れに終始していて、ある程度追走力があり、道中で息が入って仕掛けを遅らせられれば強いコパノリッキーにとってはべストに近い流れを作れた、と言えるでしょう。

 去年と違うのは、序盤はそれなり以上に速いのでそこでリードを明確に作れている事と、中盤もギリギリ捲りを誘発しないラインでフラットに緩めている、そのコントロールのバランスにあると言えます。  去年のように前半65秒とか馬鹿げたペースですと、そりゃあ後続も楽ですから向こう正面からどんどん来てしまいますし、今年はその轍を踏まずにそういう動き出しをしにくいレースに支配したところである意味勝負あり、でした。    それでも例えばここにタルマエがいたなら容赦なく向こう正面から捲ってきたでしょうし、そうならなかった事でコパノ得意のコーナーからのじわっと加速、そして直線での一気の出し抜きが完璧に嵌っています。  後半ラップも12,9-12,6-11,7-12,8となっていて、コーナー中間でしっかりペースを引き上げて被されないように配慮しつつ、まだ直線で11秒台の切れ味を引き出す余力を残せたわけで、これは大井の2000mでコパノが過去に勝利したJBCや帝王賞と酷似しており、ある意味では有馬同様の忖度パターンではありましたね(笑)。

 勝ったコパノリッキーに関しては、こちらも今更多くを語ることはないでしょう。  キタサンほどの安定感はなかったですが、自分の形に持ち込めるなら本当に素晴らしい能力を発揮した馬ですし、しかしこの秋は南部杯からスタートして、1600m⇒1200m⇒1800m⇒2000mとハチャメチャなローテーションながら、全て馬券圏内に食い込んできたあたり凄まじいですね。本当に引退が勿体無いほどです。

 とにかくタフな馬場で緩急をつけての揺さぶりが上手かったですし、コーナーワークという武器も明確に持っていて、潰しに行くならいけるけど、それをやると後続の餌食になる、という意味ではキタサン同様にすごく厄介な馬だったと思います。  まあ正直今日は相手というか他の騎手に恵まれた部分はないとは言いませんが、絶妙にいやらしいバランスで動くに動きづらい、というラップを組み立てた田辺Jも流石ではありましたし、今年の年末は大団円がテーマだった、という事でしょうね。

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レース回顧・地方競馬
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この記事へのコメントコメント一覧

2017 東京大賞典 レース回顧

>MOMO様

 いつもコメントありがとうございますー。

 そうですね、レース内容はともかく、結果としての大団円度で言えば、それこそ出来過ぎなくらいに綺麗に完結した年末競馬だったなーと思います。
 どちらも種牡馬としてはやや地味目な印象にはなってきますが、自身を超えるような仔を出してくれれば万々歳ですし、二世同士の戦いを楽しみに待ちたいですね。

 あくまで印象論になってしまいますが、福永Jって人がいいというか、人が嫌がることをするのが生理的に苦手なのかな、というイメージはあります。
 基本的に奇策とか奇襲戦法って、自分より強い馬の力を万全に発揮させないように削ぎ落とす方が絶対的に成功確率が高いのですけれど、それに伴うアンフェアギリギリなラインに踏み込むのを躊躇っている内に機会を逸している気はするんですよね。

 それはそれで美質だと思いますし、じゃあそれを損なわずに、かつ大舞台での存在感を発揮しようと思えば、やっぱり個々の馬特有のスタイルを掌中にして、それに殉じていく、とはなるでしょう。
 ただ結局のところ、我々ド素人が外野からわいのわいの言ってる視座と、実際に馬を育てる側が乗り役に求める視座は全く別物ではあると思いますし、そのあたりの技術論的な部分はすごく気にはなるので、来年はそのあたり注目して学んでいきたいなーと漠然と思っています。

2017 東京大賞典 レース回顧

>J.N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 コパノリッキーは本当に、潜在能力だけなら歴代チャンピオンメンバーの中でもかなり上位にいた馬だと思います。
 どうしても脆さが同居する馬でもあったので、現役生活を通じて絶対王者感はそこまでなかったですが、本当に個性的で見ていてハラハラドキドキさせてくれる馬でもありましたね。

 インカンはちょっと重い馬場に戸惑った感はありましたよね。
 白山大賞典があるから距離は平気か、と安易に考えたのですが、あの時は不良馬場でもありましたし、軽いスピードを生かす条件がベストなのかもしれませんね。
 まだまだ馬は若いですから、来年のフェブラリーステークスやかしわ記念、南部杯あたりは楽しみにしたいと思っています。

 丁度今晩、2017年のマイベストレースランキングやるつもりでしたので、仔細はそちらをご覧になっていただけると有難いです。
 ただ印象度では確かに宝塚は破壊力ありましたよね、秋の結果も踏まえて、あれだけの名馬でもあそこまで崩れる事はあるんだ、というのは衝撃でした。
 それを思い返しても、やはり今の現役でキタサンを自分の土俵に引きずり込んで崩せる絶対能力があったのはサトノクラウンだけ、とは言えたのかもしれませんね。

2017 東京大賞典 レース回顧

いつもありがとうございます。
コパノリッキー、キタサンブラック同じ牧場で生まれ育った2頭の先輩、後輩のサラブレットがそれぞれ別のフィールドで有終の美を飾るレースになった事で、後に語り継がれるエピソードになったのではないかと思います。
今回の東京大賞典、買う側ではなかったのでケイティブレイブ1頭を注目して見ていました。この馬(人)の事は皆さんが仰ってる通りだと思います。
その中で気になったのがcloverさんが言われていた「多分福永J自身はこの馬では、帝王賞のように差す競馬をしてみたいと思っているのかな、と感じますし」という下りです。確かチャンピオンカップ前の本人のインタビューで同じ事を話されていた筈ですから、自身の思いと管理する側の思いの違いがあり、自身の感性を殺してしまった事が福永Jの「公務員ような仕事」に至ってしまったのではないかと思います。
ただ、相手の思いを組んだとしてもその中で自分の感性を最大限に発揮する努力は怠っていた事は間違いないですが・・・。
「言われた通りにやりました奨励金は確実に取りましたよ」ではあまりに内向き過ぎますから(地方競馬主催の今回そこは関係ないかもですが・・・)
福永Jはあの福永洋一元騎手の息子なのですから、馬との折り合いや周りの人達の忖度ばかりを気にせずに、時にはそれを無視して自身の嗅覚に忠実に従って騎乗して頂きたいと思います。そうすればきっと新しい世界が開ける筈です。



こんばんは〜。

誰も潰しに行かないとリッキーは、やっぱり強かったですね。

タルマエが毎度潰しにいってたのには今なら納得できます(笑)

インカンは私も期待してたのですが、馬場入りしてからのバランスが?だったので合わなかった可能性もあるので同じ舞台に出てきたら様子見たいです。

一先ず今年のビッグレースは終わりますが、印象に強く残ったレースはありますか?

私は天皇賞春.秋と、そして宝塚記念でした(笑)

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