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2017 有馬記念 レース回顧

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 王者は王者のままで――――寒風に包まれるも人いきれで途方もない熱量を発していたであろう中山2500m・有馬記念を舞台に、また一頭不朽の名馬が、これ以上ない形で現役生活の最後を締め括りました。  まずはキタサンブラック、この3歳クラシックシーズンから活躍し、古馬になって一段と強くなって、丸々二年間王道路線の主役を張り通し、歴史的名馬に肩を並べる成績を残した同馬に最敬礼と共に、素敵なレースを沢山見せてくれてありがとう、と感謝の言葉を贈りたいなと思います。

 まず今日の馬場状態ですが、特に散水情報などもなかったのですが、全体的に一気に馬場が悪化したのか、昨日よりも歴然と時計が出ていませんでしたね。  4Rのマイル未勝利戦が47,9-48,2と平均ペースで1,36,1止まり、9Rのグットラックハンデもかなりのスローではありながら、ラスト1000mでも60,2と時計を要していて、このレースの2,36,0から踏まえれば勝ち時計が2,33,6に留まったのもある程度納得は出来ます。

 レース展開は、内枠から綺麗なスタートを決めたキタサンブラックが、二の足の速さ断然で楽にハナを取り切りレースを支配していきます。  その番手に、こちらも好発を決めたシャケトラが上がってきて、外のカレンやトーセンビクトリーはあまり前に行けずにその後ろ、そしてインコースからヤマカツエースがポケットに入り込んで、そのすぐ横にクイーンズリングと、内枠勢が枠を利してしっかりポジションを取ってきます。

 そのやや後ろにこちらも好スタートだったサトノクロニクルとサクラアンプルールがつけて、丁度中団くらいにシュヴァルグランとブレスジャーニー、その後ろをマークするように内目に入れたサトノクラウンと、やや出負けからじわっとリカバーしたスワーヴリチャードという並びになり、レインボーライン、ミッキークイーン、サウンズオブアース、ルージュバックは後ろから末脚に賭ける競馬を選択しました。

 ラップは42,5(12,15)-38,8(12,93)-37,1(12,37)-35,2(11,73)=2,33,6(12,29)という推移でした。  最序盤はそこそこ流れましたがすぐに隊列が落ち着き、最初のホームストレッチから徐々にペースを落としたキタサンが第2ブロックではかなり思い切って息を入れてきて馬群が凝縮、それでも動く馬がいなくて向こう正面から3コーナーにかけても上がり切らず、一応残り1000mが12,2-12,1-11,7-11,2-12,3という推移で、ロンスパにはなっていますが、それでも仕掛けの意識はかなり遅くコーナー入りでも緩め、直線入り口でキタサンが一気に後続を出し抜く形になっています。

 馬場が重くなったので、このラスト1000m59,5は悪くはないですが、といって抜群というほどでもないのは確かです。  キタサンの過去2年のラスト1000mを見ていくと、3歳時が12,0-11,9-11,5-11,3-12,2というレースラップを主導して、全体的に仕掛けの意識も速く、コーナーでの加速もそこそこ速かった分凌ぎ切れなかった形になります。  去年はサトノ軍団の押し上げもあり、11,8-11,7-12,1-11,7-12,1と、向こう正面でかなり上がった分コーナーで一息入れるも、波の少ないラップで長い脚を使ってきたサトノダイヤモンドに苦杯を喫した形でした。

 これら前2年に比較すると、明確にラスト3F目から2F目への加速度合いと瞬発力の質の高さを問われているのが明白で、ロンスパの中での持久力面よりも、より純粋に最速地点での機動力と切れ味の質、器用さの方が強く問われた感じはありますね。  コーナー中間で上がり切っていない分だけ、外から動いてもそれなりに対応できる展開にはなったと思いますし、ただ全体的に出し切りきった競馬、というイメージは持てなかったのは事実でしょうか。

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レース回顧・中央競馬
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この記事へのコメントコメント一覧

2017 有馬記念 レース回顧

>maru011様

 書き忘れましたが、そろそろJRAもトラックチャートを導入して欲しいですね。
 頭数の多さや柵など色々あるのでしょうが、韓国競馬みたいに1Fごとのチャート計測が出来るようになってくれればなぁと思います。
 ここまで測る人によってラップのずれが大きいとなると、レースの質そのものを見誤る可能性も当然出てきちゃいますしね。ご助言ありがとうございました。

2017 有馬記念 レース回顧

>maru011様

 コメントありがとうございますー。

 仰る通りにこの有馬にせよ、東京大賞典にせよ、前の勝ち馬と乗り役が自分は息を入れる、けど後ろから押し上げようとすると息が入らないギリギリのラインにコントロールしているのは確かですよね。
 そこで無理をしても共倒れになる可能性はかなり高いのも事実ですが、ただ馬のタイプ的に瞬間的にスッと動いて高い切れ味を発揮できる馬でもない、とも思うんですよ。

 イスラボニータみたいな加速性能が抜群の馬で番手マークなら、前の出し抜き地点でより鋭く脚を使って抜け出せるからいいですけれど、長く脚を使うタイプですと結局一度も先頭には立てない競馬になってしまうので、見ていてもどかしく感じてしまうんですよね。
 今更に思えば去年ダイヤモンドがあそこで動けたのも、向こう正面では自分は息を入れて、ノブレスにレースのスイッチャーを託せる担保があってこそ、とも言えますし、有馬記念の舞台は本当に前で強い馬が完璧にコントロールした時に動けないレースになるのはあるのでしょう。

 ただそれとは別に、福永Jが常に、ここでは緩む可能性が高いから、もしも必要以上にそうなるなら自分はフラットに入って自分の馬の持ち味を生かせるようにしよう、と意識して臨んでいるように見えないのもあります。
 前の仕掛けに合わせる競馬の方が確かに大きく崩れる不安は少ないでしょうが、このあたりでギャンブルが打てないのが大きなGⅠで勝ち切れない所以でもあると思うので、そこを臨機応変に構えられるようになってほしいな、とは思ってしまうんですよね。

2017 有馬記念 レース回顧

6.8-11.6-11.9-12.2-12.3-13.3-13.2-12.8-12.2-12.1-11.7-11.2-12.3

6.8-11.8-11.9-12.1-12.5-13.0-13.1-12.8-12.3-12.1-11.9-11.4-11.9

上がJRA公式ラップ、下がネット上にあるコマ送りで計測した人たちのラップで、下の方が波が小さい。
13秒のトコは1コーナーの登り坂。人馬ともに機械のような正確さでコントロールした。

レースを見てても急加速と失速したイメージが無かったのでそっちの方が近いと思う。
豊が捲りにくい波の小さいラップをつくったので、福永に文句を言うのはちょっと酷かな。
向こう正面からつついて勝てる馬なら春天やJCで勝ってるはずでしょう。

2017 有馬記念 レース回顧

>J.N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 私も、元々こういうブログを年明けから始めよう、と準備はしていたのですが、有馬記念があまりに名レースだった事で衝動的に開始を繰り上げてしまった経緯があります。
 そういう意味では奇縁ですし、それだけ心から感動するレースには人を動かす力があるとは言えるでしょうね。
 今年はレース内容の迫力や盛り上がりでは見劣ったのは確かですが、やっぱり心のどこかで今回勝つべきは、と誰もが思っていた結果、完璧な大団円が見られただけでも良かったとは思えますね。

 仰る通り、それに記事でもちょっと触れたように、確実に不利がなければ、まず間違いなくシュヴァルグランが2着だったと思います。
 クイーンズリングとスワーヴリチャードは加害側なのでその序列は変わりませんし、その争いにサクラがどこまで加わってこれたか、そう期待を持てる勢いは直線入り口では確実にありましたからねぇ。
 ですが、これが今の時代の競馬ですし、咀嚼して次頑張るしかないですよね。

 とりあえず明日は兵庫ゴールドトロフィー、明後日はホープフルS、金曜日に東京大賞典と、まだこの媒体で書くレース予想もみっつ残っていますので、きっと巷では予想下手で有名な私でしょうが(笑)、最後くらいは有終の美を飾りたいものです。

 お引っ越し準備も大分整ってはきたので、その時もまた宜しくして頂ければと思います。

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