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2017朝日杯フューチュリティステークス レース回顧

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 ただただ強い――――その一言以外、陳腐な回顧記事なんて要らないんじゃないかと思わせるほどの圧巻の競馬で、無敗の1番人気・ダノンプレミアムが完勝、春のクラシック戦線に向けて、完璧なる2歳戦のキャリアを完成させました。  まだホープフルSが残ってはいますが、この勝ちっぷりを見せられたら間違いなくJRA賞はこの馬でしょうね。末恐ろしい強さだったと思います。

 まず今日の馬場ですが、結局雨の影響は全くなかったようで、綺麗な良馬場での開催になりました。  見た目に多少内が荒れてきた感はありますが、それでも内外で伸びの差は極端には感じず、ペースや仕掛けどころ次第でどこからでもいい競馬が出来るフェアなグラウンドではなかったかと思います。

 時計的にもまずまず高速馬場は維持していて、ひとつ前の1600万下のマイル戦・元町Sが47,6-46,2=1,33,8という時計でした。  このレースは外からミエノサクシードが豪快に差し切ったのですが、この馬はむしろ今までOPに上がれていなかったのが不思議なくらい強い馬ですし、2着のティソーナは番手から早め抜け出しでの粘り込みでした。  仕掛けどころも11,4-11,0-11,9と、ある程度コーナーで引き上がってはいるものの直線が最速で、加速型と持続力型どちらでも一定の力は出せる流れでしたし、その点からも馬場のバイアスはほぼなかったと見ています。

 そして今年の朝日杯は、後でより細かく見ていきますが、47,2-46,1=1,33,3という決着でした。  この時期の2歳馬のチャンピオン戦なら、基本古馬1000万下クラスと互角なら水準かそれ以上、と判断できる中で、直前で馬場差も一切考慮しなくていい1600万下のレースを、前半要素・後半要素ともに上回ってくるというのはちょっと異次元の競馬だったと言えます。  これを仮に2着争いが勝ち負けだったとして考えても、47,2-46,7=1,33,9ですので、やや1600万下には見劣るけれど、それでも確実に水準以上と言える内容であり、レース全体のレベルも前評判通り高かった中で、より図抜けた強さをダノンプレミアム1頭が見せつけた、と断言していいでしょう。

 レース展開は、まずダノンプレミアムはいつものように抜群のスタートで、外から来る馬を待つ感じでじわっと入っていきます。  中目からはアサクサゲンキも素晴らしいダッシュでしたが、陣営のコメント通りにある程度控える形になり、それを見済ましたようにファストアプローチが積極的に出していき、そして大外からは押して押してケイティクレバーが進出して、結局ケイティクレバーがハナ、ファストアプローチが番手外で、ダノンプレミアムは2列目のポケットに収まる格好で進めていきます。

 そのダノンの外にカシアスとアサクサゲンキのスプリント重賞勝ち馬が続き、外からその先団グループにやや掛かり気味のダブルシャープが取り付いていきます。  内の隊列は、ダノンプレミアムの後ろの3列目ポケットにフロンティアがいて、そのすぐ隣にタワーオブロンドンがつけてピッタリダノンプレミアムをマーク、その後ろの中団にムスコローソ、ケイアイノーテック、ステルヴィオ、アイアンクローなどがいました。  ダノンスマッシュはここ一番で痛恨の出負けをして後方インで一発に賭ける形になり、比較的隊列は凝縮した形で勝負所に入っていきましたね。

 ラップは35,2(11,73)-24,1(12,05)-34,0(11,33)=1,33,3(11,67)という推移でした。  正直スローバランスでここまでの時計が出るとは思っていなかったですし、レースとしては序盤先ず先ず速く、中盤は緩んだものの決して極端では無い、レース全体の総合力もそれなり以上に問われる中でのこの内容は、繰り返しになりますが圧倒的です。  後半が12,1-11,3-11,0-11,7という推移で、仕掛け自体はもうコーナー出口の600-400mの下り坂で11,3とそれなり以上引き上がっていて、しかし勝ち馬だけはそこから直線で更にすさまじい瞬発力を引き出せる余力が充分にあった、という見立てでいいでしょう。

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レース回顧・中央競馬
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この記事へのコメントコメント一覧

2017朝日杯フューチュリティステークス レース回顧

>dive in future様

 いつもコメントありがとうございますー。

 ご質問の件ですが、ごくごく端的に言ってしまえば、追走力の上限の幅と、トップスピードに入ってからの持続力面で明確にダノンが優れている、というより、ファンディーナがその面で極端に脆いのかなと思っています。

 ファンディーナの場合、相対的、または絶対的な面での追走力があまり高くないです。
 基本的に平均からスローバランスならまだ対処できる馬ですが、大体前半1000mで59秒を切ってくるか、バランス的に前傾になってしまうと厳しい感じはします。
 秋華賞が如実にハイペースが堪えたパターンですし、前走のリゲルSや皐月賞を見ても、59秒くらいの追走を問われると加速面はともかく、切れ味の絶対的な質は落ちてくるんだと判断しています。

 その上で持続力、だいたい芝なら11秒前半の無呼吸区間に入ってから使える脚がかなり短く、かつその区間を過ぎてしまうと一気にバテる傾向は顕著ですね。
 前走のリゲルSも、11,1-11,1-11,9というレースラップで、コーナー外目から動いて直線半ばまでは先ず先ずの脚でしたがラストはパッタリ止まりましたし、11,6-11,3-12,0だったローズSもラップ推移的にはまだ楽なはずでも、コーナーで差を詰めている分最後が極端に甘くなりました。

 突き詰めれば皐月賞の負け方もこれだと思っていて、あのレースは今の時点でメンバーレベルを考えればかなり善戦しているわけですが、結局あのレースもギリギリ平均で、切れ味の質は削がれるにしても加速力自体は引き出す余力はあったはずです。
 そして序盤は2列目ポケットにいたのに、3~4コーナー中間で外に出して早めに動く形で強気の勝負をした分ラストが甘くなったわけで、もしもあの時インに絞ったままだったら、ペルシアンナイトなどの進路も微妙だっだでしょうし、この馬も直線まで足を残せて…………なんて妄想する余地はありますね。

 逆に長所は、スタートからの加速、ポジショニングの上手さと、ペースが落ち着いた時に後半要素を高めてこられる、特に切れ味の質を上げてこられる点で、この馬のベストパターンは去年・今年のエリ女みたいなラップでの前受なんだと思います。
 その上で、跳びが大きいのに騙されますが機動力は頗る高いので、出来る限り内目で仕掛けを我慢する、クロコスミアタイプの競馬こそが本領発揮のための重要条件になるでしょう。

 ダノンプレミアムはこのファンディーナの長所を全て同等レベルで持っている上で、その弱点の部分でさえも平均的な馬より上、最上級ではないかもしれませんが、前受する馬としては異次元のレベルで保持しているところが凄味かなと考えています。
 少なくともサウジ戦のように、前半自身46,4で入って尚持続力レベルの一足をしっかり引き出せる馬は、古馬のトップマイラーでもそんなに多くはいませんし、どちらのレースもラスト11,7でまとめているように、減速幅も最低限に留めてほとんど後続を寄せ付けないわけですからね。

 後は本当に距離が伸びて、この後半要素の性能をどこまで維持してくるかだけだと思います。
 少なくとも皐月賞までは相当にアドバンテージがあると思いますが、ダービーですと流石に58秒台のペース、なんてことは中々ないので、追走力自体は武器になってこないでしょう。
 かつワグネリアンやオブセッションも既にハロン12レベルの追走はこなしてきているので、この辺りの馬と後半要素とポジショニング性能だけでどこまで伍していけるかが大注目だと思っています。

「2017朝日杯フューチュリティステークス レース回顧」へのコメント

こんばんは。

ダノンプレミアムは、スケールの大きいファンディーナのイメージで見ていましたが、ファンディーナとこの馬の比較を教えてもらえたら、嬉しいです。

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