ホースレース・ロマネスク

2017 東京盃 レース回顧

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 JBCスプリント本番を見据えて、スピード自慢の有力馬が出揃った一戦は、中央からの移籍2戦目となるキタサンミカヅキが、前走のアフター5スター賞に続き大外から力強く差し切って、新たなスプリント王候補に名乗りを上げました。レースを振り返りましょう。

 この日の馬場は良に回復して、少し前日より時計がかかっていたと感じます。  レディスプレリュードの想定でも書いたように0,5秒くらいはかかってきて、実際にこのレースも12秒台に突入、その分だけ必然的に相対的な前傾度が高くなったレースですね。

 展開は、近走はまともに逃げられなかったシゲルカガが、久し振りに往年の小気味よいダッシュ力を披露してハナを取り、その外から二の足を効かせてコーリンベリーが番手外に取りついていきます。  更にその外にトウケイタイガーがつけて、内からはニシケンモノノフにサトノタイガーが好位に潜り込んでいきました。  外目はブルドックボスがいて、その斜め後ろにスアデラ、それを見る位置でドリームバレンチノ、そこからもう一列後ろ、前の馬群の一番後ろにキタサンミカヅキが虎視眈々と構えていました。  ナックビーナスは大きく出遅れて後ろから、と厳しい競馬になってしまいましたね。

 ラップは35,2(11,73)-36,9(12,3)=1,12,1(12,02)という推移でした。  バランス的には前傾2秒に近いハイペースですが、このレースの特徴はそれだけでなく、後半ラップが12,6-11,7-12,6と非常に波が大きいところです。    無論大井の3~4コーナーは加速し難い地点ですので、上級条件での大抵のレースが直線400-200m地点の再加速を伴うのは普段通りですけれど、それでもその前の3F目、11,7の地点から一気に12,6に0,9秒もブレーキしていて、かつ直線を向いてまた0,9秒加速している、この幅は平均的に見てもかなり大きい方だと思います。  こういうレースの支配は実にコーリンベリーらしいところで、この馬自身は加減速が抜群に上手な馬ですのでこれでいいのですが、結果的に垂れていくシゲルカガや、それを待って一息入れていたコーリンベリーの真後ろにいた内枠の有力馬、ニシケンモノノフやショコラブランはここでワンテンポ仕掛けを待たされる格好になっています。

 それとは対照的に、外枠の馬はこの12,6の地点で無理なく外から取り付くことが出来ており、実質的な再加速度を、直線に入る前から勢いをつけていけた事で上手くフォローしており、けっかてきにかなり外差し優位の展開になりました。  その上で展開が噛み合ったブルドックボスを、よりこういう粘り気のある重たい馬場に適性が高く、ラストまでバテずに伸びてくるキタサンミカヅキが捕まえた、というイメージですね。

 それにしても勝ったキタサンミカヅキは本当に南関の水が合うのでしょうね。中央時代とはべつ馬の様な力強さで2連勝、決して本番でも侮れない存在になってきました。  序盤はどうしてもそこまでポジションは取れないですし、多分追走面でもそこまで無理は効かないタイプだと思いますので、ある程度展開の助けはいるタイプでしょう。

 アフター5スター賞に関してはこのレースほど優位性を作れる余地はなかったところを能力で差し込んできましたが、流石にこのレベルになると噛み合い切らないとここまでは、というのはあるかもしれません。  この馬自身は35,8-36,3とフラットに近いラップで走破出来ており、残り600mからの緩みの地点でしっかりエンジンを掛けながら進出出来たのが、内でブレーキを踏まされていた馬に対しては絶対的なアドバンテージになっていたと思います。  かつ馬場が重くなってくれたのもこの馬にとっては僥倖で、ラスト1Fで一気にラップが落ちるところでしっかり差し込んでいて、切れ味はないものの長くいい脚を使う、というイメージですね。

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レース回顧・地方競馬
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この記事へのコメントコメント一覧

2017 東京盃 レース回顧

>まっつん様

 フジノウェーブのJBCでも既に10年前ですか、長く競馬観戦に興じていると、だんだんそのあたりの時間間隔があやふやになりますね。
 あの時期のスプリント路線のレベルが微妙だったのは確かですが、それでもあの勝ち方は鮮烈でしたよね。

 この馬の凄いのは、その後も更に5年ほど一線級のままでいたことでしょうか。今で言うスノードラゴンのようなイメージで、葦毛の方が息が長いイメージって結構古くからあります。
 どうしても1200mベスト過ぎて、1400mのJBCとかですと結果が出せなかったので、もう一度大井のJBCを使えていればなぁ、と感じます。

 大井競馬場に行ったことはそれなりにあるんですが、ただ私基本的には引き籠りの自宅観戦派なので(笑)、ここ数年は現地観戦していないですね。
 最近はどんどんオシャレになっているようですし、機会があればと思わなくもないんですが。
 ノボジャックがJBCスプリント勝った時に、一番高いスタンド席で食事しながら観戦していた記憶がありますけど、ああいう優雅なスタイルでの観戦も趣きがあって楽しいですよね。

「2017 東京盃 レース回顧」へのコメント

やはり地方競馬も凄まじい歳月を共に過ごしてるんですね...
さすがです。

メイセイオペラのお話が出ましたが
懐かしいですね
あの時府中に衝撃が走ったと言われてますね。
菅原勲はレジェンドですね。

個人的には地方馬初のJBC勝利
フジノウェーブが印象にあります
安藤勝Jと小牧太Jを出し抜いた御神本Jの騎乗ぶりもさることながら
フジノウェーブの根性には感動させられました。
フェブラリーステークスも期待したんですがね 笑

やはり地方競馬は地方競馬で楽しいですよね
私はまだ関東の地方会場には足を運んだことなく、大井競馬場には1度行ってみたいと切望してます。
大井競馬場には行かれた事ありますでしょうか?
お食事やお酒飲みながらナイターで競馬を楽しむなんてのも新しいオシャレだと思います。

2017 東京盃 レース回顧

>まっつん様

 いつもコメントありがとうございますー。

 そうですね、地方の競馬場は形態や馬場の違いがかなり大きいですから、適性的にもかなり問われるものが偏る場合があって面白いです。
 その分リピーター率も比較的高くなると思いますし、このタイプの馬が走るなら、この馬も合いそうだなぁ、と考えるのが楽しいですね。

 地方競馬自体は、中央とほぼ同じ頃から大きなレースは見ていますので、やっぱり四半世紀くらいにはなるでしょうか。丁度交流重賞黎明期でしたしね。
 ただ今の様な視座で丁寧に競馬を見るようになったのはここ6~7年ですし、だからこそ過去の名馬の適性が実際はどうだったのか?というのを見極めたくて列伝も書いている、ってところはあります。もっとも中々そちらに手を伸ばす余裕がないんですけれども………。
 
 それこそ地方のスター、アブクマポーロとかメイセイオペラなんかもその観点で見直すと楽しそうとは思いますが、何分そこまでかっちりデータが揃っていないのはあるので手を出しづらく、本当にその点では、今はちょっと検索すれば大体出揃ういい時代になったと思います。

「2017 東京盃 レース回顧」へのコメント

いつもご丁寧に返事ありがとうございます。
参考になります。

地方競馬もかなりお詳しいですね。
地方の各競馬場はかなり癖のあるコースや距離によっては偏りが顕著になるシチュエーションが数多

こちらの記事を読ませていただくと非常に勉強になりますね。

地方競馬とのお付き合いはどれ程のものになるんでしょうか?

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