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競馬における斤量の影響についての一考察

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★はじめに

 リクエストをいただいたので、斤量とハンディキャップに関する個人的な見解などをつらつら語ってみようと思います。  ただお断りさせていただきますと、私はデータ収集には伝手のない人間ですので、今回語ることはいつにも増して説得的なエビデンスがあるわけでもなく、あくまで長年競馬を見てきて、現状私が能力分析に用いているツールの範疇での印象論になります。そのあたりはご了承くださいませ。

1.古来言われる1kg1馬身は正しいのか?

 古くから伝わる競馬の格言に、斤量1kgで1馬身差、というものがあります。  私達も普段からなんとなく、この計算尺度を当て嵌めて、この斤量差でこの着差だったから、今回の斤量なら通用する、など考える向きがありますが、果たしてこれはそこまで万能の尺度なのでしょうか?

 或いは全ての条件を糾合して考えた時には、この尺度に近似した数字になるのかもしれませんが、しかし競馬のレースは常に一期一会、距離も馬場も展開も全く違う中で、果たしてこの要素が一律で通用するのか、というと、やはりそうではないと思います。  といって、どの条件なら斤量差があまり出ないか、逆に大きく出るか、出るとしてその幅はどのくらいなのか、という点に、明確な答えを与えられるわけではありませんが、純粋な能力適性面でもいくつか、斤量の影響が大きいのでは?と感じる要素はあるので、そのあたりから掘り下げていきましょう。

2.加速力と瞬発力に対する影響を考える

 重い斤量を背負った馬の敗因としてよく耳にするのが、思ったようなポジションを取れなかった、或いは勝負所でもたついてしまった、というものです。

 競馬におけるポジショニング争いとは、雑にまとめてしまえばレース2F目での加速にどれだけスムーズに対応できるか、であり、勝負所の動き出しにしても概ね加速ラップが問われている、という視座で言えば、斤量は加速力の面にはかなり大きく影響を与えると考えられます。  人でも重いものを持っていれば、即座に素早く動くのは難しくなりますし、普段通りの動作に至るまでの準備加速に時間がかかるのは当然なので、このあたりは競走馬にもストレートに反映する部分ではないかと思います。

 丁度先週、マルターズアポジーが重い斤量を背負って七夕賞に出走し、序盤にフェイマスエンドに頻りに絡まれてペースを上げさせられ、直線を待たずに失速する、という例がありました。  元々加速性能に非常に優れた同馬ですが、ここではレース2F目に10,5というスプリント戦並のダッシュを問われていて、その負担がレース後半に大きく圧し掛かった可能性は高いと思っています。3コーナーから被せられたとはいえ、流石に本来あんなに早く失速する馬ではないので、序盤のペースアップに斤量負担の相乗効果があった、と見てもいいのではないでしょうか。

 要するに重い斤量を背負う馬にとっては、普通のレース以上にラップの波が大きくならない方がいい、というのは言えると思います。  今週の函館記念でも、近年で57kg以上を背負って連対したのはトウケイヘイローとダークシャドウくらいしかいませんが、どちらのレースもかなり波が少なく、後半の加速要素も最低限に留められた一貫ペースのレースでした。

 重い斤量を背負った馬にとって難しいのは、後半でも加速要素を少なくしたいから、出来るだけいいポジションは取りたい、けれどいいポジションを取る為には最序盤にある程度頑張って加速しないとならない、その2箇所の加速地点におけるエネルギー分配のバランスを取ることでしょう。  それに対しては、結構レースロケーションが影響を及ぼす面も強いと思います。  具体的には、最初のコーナーまでの入りが長く、テンのスピードが上がりやすいレースは、その分だけポジション争いが厳しくなり、ポジションとペースのバランスを守りにくい、と考えられます。

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この記事へのコメントコメント一覧

競馬における斤量の影響についての一考察

>jhoge様

 いつもコメントありがとうございますー。
 私も斤量に関してはあまり体系的に考えたことがなかったので、いい機会になりました。
 本当に思いつくことを適当に連ねただけでしたけど、こうやって改めて活字にしてみると、斤量が重くても狙える条件と狙えない条件は確実にあるなぁと実感します。

 というより、今丁度福島10Rを見ていて、2番人気のネイチャーレットがトップハンデ×長距離×外枠×若手騎手という、かなりダメそうなファクターてんこ盛りだったので注目してましたけど、あ、やっぱり負けた、と。
 まぁ今日は馬体減ってて夏負けもあったでしょうし、一概には言えないでしょうけど、ちょっとだけ持論に自信がつきました。。。

 お互い夏に負けずに、しっかり競馬を楽しんでいきましょう。
 

競馬における斤量の影響についての一考察

おはようございます。早速考察していただき有難うございます。

私も長い間競馬をやってきまして、只漠然と負担重量の差はこんな感じなのかなあ?
と思っていたことを質問させて頂きましたが、こうやって活字にしていただくと
成程確かにそれもあるよね。と感心する事が多々あり、良い勉強をさせて頂きました。
cloverさんの仰る様に一度グリーンチャンネルあたりでJRAのハンデキャッパーに
ロングインタビューでもしてもらいたいものですね。

暑い日が続いていますがお身体に気を付けてお過ごし下さい。

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