ホースレース・ロマネスク

私的名馬列伝 第八話 サイレンススズカ

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★はじめに

 もうすぐ宝塚記念、というのと、リクエストもいただきましたので、今回は稀代の快速馬、サイレンススズカの実像に今の視点から迫ってみたいと思います。  20年近い年月を経ても、今なお色褪せない鮮烈な記憶と、非常に多くのファンかいる馬で、映像検索などしていても予想以上に沢山のレースを改めて見ることが出来、本当にその惚れ惚れするスピード感に酔い痴れました。

 3歳時と4歳時ではまるで別の馬、という部分もありますし、色々難しい部分もありますが、あくまで当時の私が見ていたサイレンススズカという馬の実像と、今の視点、特にラップ面から見たこの馬の特徴、強さに絞って語っていこうと思います。

 同馬の生涯通算成績16戦9勝2着1回で、この数字だけ見ると逃げ馬らしい強さと脆さが同居しているようですが、4歳時の成績は7戦6勝と、最後の競争中止を除けばパーフェクトな戦績で、それだけ馬自身が自分の能力を持て余してしまう性能を持っており、3歳時はそれを発揮し切れなかったのが伝わってきます。

 丁度全レース収録した映像を見つけましたので、個々に貼るよりは、と思い先に出しておきますが、これを見ていても、新馬戦の頃、そして神戸新聞杯あたりでもまだ体つきには華奢さが目立っていて、それに比べて毎日王冠時の力感ときたら半端なく、冗談抜きでオーラが立ち昇っているように見えます。  そういう馬体面、精神面での成長が、どのようにレースに影響を及ぼしていったかも考えながら、まずはレースぶりを追い掛けていきましょう。

★新馬戦~ダービー <紙一重の天才性>

 前回メジロドーベルの項でも触れましたが、このサイレンススズカがデビューした1997年は、たった2年で日本の競馬絵図をガラリと塗り替えてしまったサンデーサイレンス産駒の、その猛旋風がはじまる前に種付けされた最後の世代(=まだ評価が確定していない中で、種付け頭数や繁殖の質でも高くなかったと推測できるわけですね)になります。  それ故にかこの世代には年が明けても、クラシック路線に目立ったサンデー産駒の台頭がなく、その中で遅れてきた大物ではないか、とデビュー前から囁かれていたのがこの馬でした。

 じっくり調整を進められ、2月初頭の京都1600m戦でデビューしたサイレンススズカは、その期待を遥かに上回るパフォーマンスを披露します。  最内枠からポンッとスピードの違いでハナを取り切り、そのまま道中マイペースで逃げるも後続は追走に手一杯、直線は馬場の真ん中に持ち出して鞍上がターフビジョンを振り返る余裕があり、そのまま馬なりで7馬身差の圧勝を見せたのです。  当時としては勝ちタイムの1,35,2は、新馬としては中々素晴らしいものでしたし、何より7馬身離した2着馬が、その後重賞2着3回といぶし銀の活躍を見せたパルスビートという点でも、この馬の傑出した能力が伝わってくるというものです。

 この勝利で、やや低レベルと見られていたクラシック戦線に真打ち登場、と騒がれる事になります。  空気感としては今年の皐月賞前のファンディーナに向けられた期待に近いものがあるというか、底知れない強さで停滞感を打ち払ってくれるのでは、という期待感をたった一戦で誰しもに思わせる、そんな素晴らしい走りでした。

 その空気感に押されるように、サイレンススズカは2戦目に、牡馬クラシックの最大の登竜門、弥生賞に姿を見せます。  しかしここでは、はじめての輸送などでレース前からナーバスになっており、若駒らしい脆さを露呈する事になってしまいました。

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この記事へのコメントコメント一覧

私的名馬列伝 第八話 サイレンススズカ

>TCE00077761様

 いつもコメントありがとうございますー。

 こちらも楽しんで書かせていただきました。こんな風に適性がはっきりしている馬ですと、どこが強かったのかがきちんと浮き彫りになるのでやり甲斐もありましたよ。

 血統面に関しては私は造詣が深くはありませんので、本当に表層的な部分をつまんでいるだけですが、こちらもしっかり勉強すると面白そうなファクターですよねぇ、残念ながらそこまでの時間取れないですけど。。。
 
 ともあれ、夏もマイペースに頑張っていきますので、宜しくお願い致します。

「私的名馬列伝 第八話 サイレンススズカ」へのコメント

こんばんわ〜!
早速、要望に答えて頂き感謝しかありません(*p'∀'q) ありがとうございます。

管理人様が言うように、本当にずば抜けた心肺機能でしたよね...
あの超〜前傾ラップで追走で脚を使わせ、コーナー手前で自身なりに、一息いれることで、後半要素を高められるサイレンススズカは、本当に名馬だったんだなぁと言うことに、改めて実感致しました。
記述してあった通り、当時はマル外全盛期でして、サンデーの配合というのもまだ手探りの時代でしたからね。
サイレンススズカのスピードの源は恐らく母系から来ているんでしょうが、ヘイローの柔らかさが上手くいったのかな?
モーリスの回でも触れてましたが、血統は本当に奥が深いですね。

レースラップもいつも参考になりますし、共感する部分も本当に多いです。

毎週楽しみにしています♪
お身体にきをつけて、是非続けてくださいね!今回は本当にありがとう感謝★

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