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2017 ヴィクトリアマイル レース回顧

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 昨日の雨の影響を引きずりつつも、レース直前には晴れ間も覗き、牝馬の祭典らしい華やかさで彩られたヴィクトリアマイルは、メンバー最軽量のアドマイヤリードが中団から馬群の真ん中を一瞬で突き抜け、嬉しい戴冠となりました。  断然の1番人気に推されたミッキークイーンは7着と掲示板をも外す結果となり、改めて荒れるGⅠヴィクトリアマイルの怖さを知らしめる結果になりましたが、その敗因も含めてしっかりレースを振り返っていきましょう。

 まず今日の馬場ですが、ちょっと特殊な雰囲気を醸していましたね。  午前中のレースからほぼ全てのジョッキーが最内を避ける競馬を選択してはいたのですが、でも全く内目が伸びないわけではなく、少なくとも3~4頭分外からはほぼ内外の差はない馬場ではあったのかな、と感じます。  時計的にも8Rの1000万下が47,3-47,2の平均ペース、4コーナー出口最速ラップの展開で1,34,5でしたので、稍重表記通り1秒そこそこは重い馬場だった、と考えていいと思います。

 展開は、全馬綺麗なスタートを切る中で、その中でもやはりスプリント路線を使ってきた分だけソルヴェイグの出足は鋭く、この馬が楽にハナを取り切ります。  スマートレイアーは無理せずにその後ろに入り、外からアスカビレン、リーサルウェポンなども積極的に前に取りついて、更にレッツゴードンキも掛かり気味に先団の外目を追走する形になります。

 その後ろにジュールポレールとオートクレール、その外にミッキークイーンがドンと構え、それをマークするように内からクイーンズリングと、スタート直後にやや躓いて位置を下げたデンコウアンジュ、クリノラホールなどが中団を形成します。  アドマイヤリードは内目でクイーンズリングをマークする位置、ウキヨノカゼは後方の外目、ルージュバックはスタートから下げると決めていたような立ち回りで後方三番手くらいを追走、という隊列になりました。

 ラップは35,6(11,87)-24,5(12,25)-33,8(11,27)=1,33,9(11,74)という推移になりました。  ハーフで取っても47,9-46,0で、この馬場で騎手の意識は緩むからこそ、まずハイペースはない、と踏んでいたのですが、逆にここまでスローも頭に入れていなかったですね。  特に中盤の中緩みが著しく、12,2-12,3と強烈に緩いラップで馬群が凝縮してからの、一気の11,1-10,8という瞬発力の質を強く伴う加速力戦になりました。  流石に馬場もあり、ラストは11,9と多少なり持続力も問われましたが、しかし400-200mの坂地点が明確に最速ラップになっているように、持続力だけでは絶対に足りない、というレースになったと見ていいでしょう。

 道中も馬場のいいところを選んで走る馬と、内目の少し重いところからコースロスを防いでくる馬など、立ち回りや馬場適性も当然結果を左右しましたし、その上で加速地点の4コーナー出口でしっかりエンジンをかけていけるポジショニング、及び騎手の意識がかなり明暗を分けたなぁ、と考えます。

 勝ったアドマイヤリードは、これこそ全てが綺麗に上手く嵌った形でしょう。  元々追走力面ではやや危うさがあったので、前半47,9の流れはお誂え向きでしたし、かつ内枠で序盤からそこそこ位置を取れたし、インの悪い馬場も苦にしない適正面でのプラスもありました。  かつ中緩みを敏感に察知して、内目に進路を取って先にクイーンズリングが動いてくれたことで、苦も無くその後ろをついていって、加速が問われる4コーナーで楽にポジションを上げられましたし、その上で直線に入ったところではスマートレイアーの後ろと、しっかり綺麗な馬場の分水嶺ギリギリのラインに入り込めました。

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レース回顧・中央競馬
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この記事へのコメントコメント一覧

2017 ヴィクトリアマイル レース回顧

>TCE00075648様

 ご指摘ありがとうございます。
 例えばご指摘のエイシンティンクル戦にしても、ラップ論者としては自身の上がり34,2、レースの上がりが12,0-11,3-12,0のところ、ラスト1Fで6馬身近く詰めているので、実質的な上がりは12,0-11,3-10,9くらいと見做して、福永Jがしっかり追い出したのもそのラスト200m手前からなので、本当にいい脚は1F、という観点には実は納得できたりします。

 ただレースに入っての見た目の印象が、数字的に見て実際の能力と本当に一致しているか、それとも乖離しているかは、余程レース経験を重ねている競走馬でないと中々断定は出来ませんし、それを暴論、決めつけと怒られる感覚もわかるつもりではいます。

 特にキャリアの浅い馬では当然その未知の幅が広くなる、過去にしか担保を置けない頭でっかちな手法ではありますし、それでも次を踏まえてある程度の適性判断は出すべき、というスタンスですので、そちら様の競馬観・理念と合わない部分は今後も出てくると思います。
 それでも温かい目でご愛読いただけるなら幸いですし、また私の軽率や過ちと思う部分があればご指摘くださいませ。 

>安置エイジ様

 コメントありがとうございます。
 いえいえこちらこそ、いつも非常に趣深く味わいのある文章を堪能させていただき感謝しています。

 私のような文才のない凡俗は、こういう継続性という形でしか熱意を示せないと思っていますし、今のところはそれを全く苦にすることなく続けられていますが、それでも幸いに読者の方に恵まれ、更にはこうして励ましのコメントを戴けるのは格別に嬉しいものです。

 面白い文章を書き続ける為の苦慮・煩悶は、味も素っ気もない文体で淡々と見たまま、思うままを綴ればいいだけの私とは比較にならないものと推察しますが、これからも応援しておりますので、競馬ブログの新しい地平をどんどん切り拓いていってくださいませ。

「2017 ヴィクトリアマイル レース回顧」へのコメント


いつも回顧と考察を執筆されており、大変さと共に”根気”と”信念”を感じます。応援しています。

安置エイジ

2017 ヴィクトリアマイル レース回顧

 スタンスにいちゃもんをつける気は全くないので、お間違いなく。
 根拠なく、競走馬の特性を決め付けることが問題だと言っている。

 それにしても「速い足が長く使えない」というルメールのコメントもおかしい。
 3走前の武のエイシンなんとかという馬を差し切ったときは、4角最後方からずっといい足だったから、何を言ってるのって感じ。

 今度、重馬場で負けたりすると、本質的には上手くない、なんてコメントが出たりする、楽しみだ。

2017 ヴィクトリアマイル レース回顧

コメントありがとうございます。

レース回顧とはそもそも全て結果論ですし、結果を受けてそこに理由を当て嵌め、馬の適正判断を上増しして、次のレースに備える作業です。
そして当然個人のブログですので、私個人の「競馬観」が反映した、独自の物差しに当てはめた分析になりますし、他者から見た時にそれが見当違いに思えることは多々あると思います。

勿論文責は私にありますので、知らず鼻につく書き方になっていたとしたら申し訳ありません。
ですがスタンスは変えるつもりはありませんし、事前にそれを明示してもおりますので、その点はご了承願います。

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