ホースレース・ロマネスク

2017 天皇賞(春) プレビュー

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★はじめに

 いよいよ今週は伝統の天皇盾を巡っての大一番、春の天皇賞が行われますね。

 余談から入りますが、私が競馬観戦を始めた90年代前半から2000年代初頭にかけては、春の天皇賞と言えば強い馬が順当に勝つ、荒れないGⅠの代名詞のようなところがありました。  実際に過去の勝ち馬を眺めていても、名前だけでその走りが脳裏にはっきり浮かんでくるような素晴らしい名馬ばかりなのですが、2000年代半ば頃から、全世界的に長距離レースの実質的な価値の低下が著しくなり、国内でも牝馬の時代の到来とセットになって、チャンピオン級がこぞって出走する、というレースではなくなりました。

 また95年の馬場改装以来、一貫して高速馬場であり続ける淀の舞台においては、例え長距離戦であろうと枠の有利不利、ポジショニングの重要性が飛躍的に増し、いつしか数多の名馬を飲み込む魔物が住むレース、荒れるGⅠとして定着した感があります。  それは2006年のディープインパクト以来、10年連続で1番人気馬が飛んでいる、という点だけを踏まえても顕著ですし、本当に一筋縄ではいかないレースになりました。

 近年のファン層にはそれこそ死語に近いかもですが、淀の坂はゆっくり上りゆっくり下る、という格言がありました。  これは特に二回坂を通る長距離戦でより説得力を持って語られたもので、実際昔の馬場ですと、坂の下りから一気にスパートしたらスタミナ切れを起こして直線でバテてしまうのが普通であり、その分だけ直線勝負の比重は高く、強い馬が順当に勝ちやすい展開を生んでいた、とも言えます。  けれど高速化著しい近年では、坂の下りから一気にペースが上がってそのまま雪崩れ込む展開がほとんどになり、後方から外を回す王道的な競馬を試みた名馬達が、その淀の3~4コーナーの罠にかかって失速してきました。

 すなわちこのレースを勝ち切るには、馬の実力もさることながらいい枠を引く運と、そしてその中でベストの戦略を引き出す胆力が求められると言っていいでしょう。  そして今年は、キタサンブラックにサトノダイヤモンドという、近代競馬に高い適応を示しつつ、どこか古き時代の王者の貫禄を纏う2頭が、真の王者の座をかけて激突する舞台になります。  果たして前評判通り2強の決着になるのか、それとも荒れるGⅠの面目躍如とばかりに伏兵がこの特殊な舞台で台頭してくるのか、大注目の一戦です。

★レース傾向分析

 淀の外回り3200mのコース形態は、スタートしてすぐに上り坂が待ち構えるのが特徴的です。  3000mに比べると3コーナーまでの距離はあるものの、最初から上りで飛ばしていく意識を持ち辛く、特に外枠の馬には難しいバランスが求められます。

 この淀の坂は全長でおよそ800mに渡り、レース終盤で見ると、残り1200m地点から800m地点まででじわじわと4mほど上り、そこから100mちょっとで一気に3mも下り、そこから300mかけて1mをじんわり下る、というレイアウトになっています。  つまり、上り坂で行き脚をつけたまま下りに入ると、序盤の一気の下りでブレーキを利かせられない危険性があり、特に2周するレースでは、序盤で無駄足を使ってしまいかねない事になるため、外の馬が積極的にポジションを取るのは勇気が要ります。  その為どうしても先行争いの中では、内枠の方が優位性が高く、大レースの中では有馬記念と並んで枠順に悲喜こもごもが生まれる舞台だと言っていいでしょう。

 どうあれ先行する馬はある程度は坂で減速出来ないのを折り込んで出していくことになりますし、例外もありますが前半1000mのペースは概ね60~61秒台に収束します。  そこから一周目のスタンド前、1~2コーナーで息を入れる形になり、向こう正面からまた少しずつペースが上がりはじめて、そして二周目の坂の下りから前がスパートを開始する、というのが順当に流れた場合のメカニズムになります。

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