2007年07月19日

IndyCarナッシュビル:ディクソン2連勝、タイトル争いでも猛追

 インディ500ウイナーのダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が連勝して流れに乗ったように思われたインディカー・シリーズ。しかし、ここに来てタイトル争いに強力な対抗馬が現れました。2003年のインディカー・シリーズ・チャンピオン、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ)です。

 今年のインディ500ではフランキッティに次ぐ2位に終わり、唇を噛んだディクソン。その後、決勝で中位に沈んだレースもありましたが、リッチモンドで2位に入って復調すると、得意のワトキンスグレンで待望の今季初優勝。さらに翌週のナッシュビルでもポール・トゥ・ウインで2連勝を飾りました。ちなみにディクソンは、ワトキンスグレンでは2005年から3年連続優勝。ナッシュビルも昨年に続く2年連続の優勝です。相性の良いコースで確実に結果を出し、流れを引き寄せました。ロードコースのワトキンスグレン、オーバルのナッシュビルと異なるタイプのコースで勝ったことも、いまのディクソンの好調を物語っています。

 この連勝で、リッチモンド終了時に65ポイントあったフランキッティとディクソンの差は34ポイントに接近。フランキッティも3位、2位とコンスタントに上位入賞していますが、予断を許さない状況になってきました。一方、ディクソンとランキング3位のダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ)との差は97ポイント。断言するのは早計ですが、ここ最近の勢いを考えると、タイトル争いはフランキッティ、ディクソンのマッチレースになってきた感もあります。今季の残りは6レース。上位のドライバーにとっては、チャンピオンシップの上でも落とせないレースが続きます。

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2007年07月19日

WGPドイツGP250cc:青山、ファイナルラップの逆転劇

 ドイツGPの250ccクラスでは、KTMの青山博一が見せてくれました。上位4台がトップを争う展開となった決勝レース、2番手でファイナルラップに入った青山は、コーナーでトップを行くアレックス・デ・アンジェリスのインを突いてトップに浮上。そのまま追いすがるチームメートのミカ・カリオらを振り切って今季初優勝を飾ったのです。激しいトップ争いの中で冷静にポジションをキープし、最後の最後、「ここしかない」という勝負所で切れ味鋭いパッシングを見せた青山。クレバーで見事なレース運びでした。

 カタルーニャGPの125ccクラスで小山知良(KTM)が初優勝を飾った時もそうでしたが、今季、下のクラスでは日本人ライダーがシビれるレースを見せてくれています。MotoGPクラスでは残念ながら中野真矢(ホンダ)、玉田誠(ヤマハ)の両ライダーが苦しい戦いを強いられていますが、9月の日本GPに向けて今後の奮起に期待したいところです。

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2007年07月19日

MotoGPドイツGP:まさかのスリップダウン、痛いノーポイント

 前戦オランダGPでは10人抜きの大逆転劇を演じたバレンティーノ・ロッシ。しかしドイツGPでは上位を目指す中、前を行くカワサキのランディ・ド・プニエをコーナーでインからかわそうとしてスリップダウンを喫し、まさかの転倒リタイヤに終わりました。

 タイトル争いのライバル、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)は終盤失速したものの、きっちりと5位に入賞。これでストーナーとロッシの差は32ポイントと再び開きました。ストーナーは今季ここまでまだリタイヤがなく、不調の時も悪いなりにレースをまとめて毎戦着実にポイントを稼いでいます。ストーナーにミスが少ないことを考えると、追う立場のロッシとしては今回のノーポイントは後々大きく響いてきそうです。

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2007年07月19日

MotoGPドイツGP:ホンダ、ようやく今季初優勝

 エンジンの排気量が990ccから800ccへと変更された今季のMotoGP。このレギュレーション変更以降は他メーカーの後塵を拝し、勝利から遠ざかっていたホンダでしたが、ようやく10戦目にして今季初勝利を挙げました。ザクセンリンクで行われたドイツGPで、2番手からスタートしたダニ・ペドロサが独走で優勝。またチームメートの昨季チャンピオン、ニッキー・ヘイデンも2戦連続の3位表彰台を獲得し、ホンダの復調を印象づけました。

 ホンダはここに来てニューシャシーやパーツなど、マシンの改良が功を奏してきた様子。ここからの巻き返しに期待したいところです。

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2007年07月10日

F1イギリスGP:跳ね馬の7月攻勢! ライコネン連勝

 フェラーリがワン・ツー・フィニッシュを飾ったフランスGP終了後、私はこのブログで「フェラーリの反抗が本物なのか、レース結果を額面通り受け取ってよいものなのか、少し疑問が残る」と慎重な見解を書きました。しかし、フェラーリの「7月攻勢」は本物でした。

 2週連続開催で迎えたイギリスGPで、マクラーレンとフェラーリの4人のドライバーは金曜のフリー走行からほぼ互角のタイムをマーク。なかでも初の地元GPを迎えたルイス・ハミルトンの勢いと、前戦優勝で波に乗るキミ・ライコネンの好調ぶりが目立ちました。そして迎えた土曜日の予選は、Q3のラストアタックでハミルトンがライコネンを逆転してポールポジション奪取。ここまでの流れは、地元開催のプレッシャーをはねのけ大仕事を成し遂げた“スーパールーキー”のものでした。

 しかし、翌日の決勝で強さを見せたのはハミルトンではなく、予選の最終アタックでミスをしながらもフロントロウ2番手を得たライコネンでした。スタートでポジションをキープしたライコネンは、マシンバランスに苦しみペースの上がらないハミルトンに序盤からプレッシャーをかけ続け、ハミルトンのピットイン時のミスに乗じてトップに浮上。その後、1回目のピットインで給油時間を短くしたアロンソに一時トップを譲ったものの、積載燃料が軽くなった第2スティント終盤の勝負どころでプッシュして2回目のピットインで逆転すると以後はアロンソを寄せつけず、そのままトップでチェッカーを受けました。

 近年のF1に多いことですが、今回のレースでも上位3台のコース上でのバトルを見ることはありませんでした。それでも、ピットインのタイミング、戦略を見越した「見えない相手とのタイム差の削り合い」には緊迫感があったと思います。その中でも今回のライコネンのレース運びは見事というほかありません。マシンやタイヤに適応してキレを取り戻したことに加え、ライバルに先行されても焦らない冷静さ。そして、ここぞという勝負どころで予選並みのタイムを出せる集中力。ゲームプラン通りにことを運んだ“アイスマン”らしい完勝と言えるでしょう。

 それでも本人にしてみれば、レース後の会見でも語っているように「ポールからスタートしていればもっと楽な展開だったはず」のレース。2位のアロンソもライコネンの速さにお手上げだったことを認め、ハミルトンもエンジンを温存するために3位キープに切り替えたと語っています。次戦ヨーロッパGPまではスパ・フランコルシャンでのテストを挟んで2週間ありますが、もしライコネンがこの勢いを保ちニュルブルクリンクでポールポジションを獲得するようなことがあれば、ハットトリック(3連勝)もあり得るかもしれません。

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2007年07月05日

F1フランスGP:跳ね馬、反撃の狼煙?

 モナコ、カナダ、アメリカと3戦の間、ライバルであるマクラーレンとの差を見せつけられてきたフェラーリ。シルバーアローの勢いに為す術なく後塵を拝してきた跳ね馬が、ヨーロッパで再び息を吹き返しました。フランスGPの予選、まずフェリペ・マッサが4戦ぶりにポールポジションを奪取。そして決勝では、3番手からスタートしたキミ・ライコネンがスタートでルイス・ハミルトンをかわし、その後2回目のピットストップの間にトップを行く僚友マッサの前に出て開幕戦オーストラリア以来となる今季2勝目を挙げたのです。2位にもマッサが入り、フェラーリは今季初のワン・ツー・フィニッシュを成し遂げました。

 今回のフェラーリの復活劇は、ドライバーがコメントしているようにGP直前のテストで手ごたえを得たマシンの進化によるところが大きいでしょう。また、マニ・クールの比較的スムーズな路面がフェラーリのマシンにマッチしたということもあるかもしれません。しかし、レース結果をそのまま額面通りに受け取ってよいものか、少し疑問が残ります。

 というのも、今回のGPはマクラーレンの失策に助けられた部分もあると思われるからです。まず、予選でフェルナンド・アロンソがエンジントラブルで10番手に沈んだこと。ライバル2台のうちの1台が中位に埋もれたことは、フェラーリにとってかなり有利に働いたはずです。そしてマクラーレン勢の3ストップ作戦が不発に終わったこともフェラーリ勢の独走を助けました(3ストップならば、マクラーレンは少なくともあと1セットはソフト側のタイヤを履くべきでした)。また、勝ったとはいえ、ライコネンの走りにもまだ本来のキレが感じられないような気もします。

 これで4強ドライバーが2勝ずつ挙げたことになりますが、ポイント上ではコンスタントに表彰台に上り続けているハミルトンのトップは変わらず。コンストラクターズ部門でもマクラーレンの優位は変わりません。ライコネンやマッサとしては、タイトル争いにかろうじて踏みとどまった、というところでしょうか。
 
 フェラーリの反撃は本物なのか。それとも母国凱旋に燃えるハミルトンらマクラーレンが再び勢いを取り戻すのか。その答えは今週末、ドーバー海峡を渡りシルバーストーンで見ることができるはずです。

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2007年07月05日

IndyCarリッチモンド:波に乗るインディ500ウイナー

 今年、悲願のビッグタイトルを手にした男が波に乗っています。インディカー・シリーズ第9戦のリッチモンドは、今年のインディ500ウイナー、ダリオ・フランキッティがポール・トゥ・ウイン。前週のアイオワ戦に続く2連勝で、今季3勝目を挙げました。タイトル争いでも首位をキープしており、現在ランキング2位のスコット・ディクソンに65ポイントの差をつけて後半戦に突入することになります。

 ビッグタイトルを得て一皮むけたのでしょうか。インディカー転向以来タイトル争いに絡むことのなかったフランキッティが今、シリーズチャンピオンに最も近い位置にいます。まだシーズンも半分残っているのでタイトルの行方を語るのは時期尚早かもしれませんが、このままの勢いを保ってシリーズタイトルを獲る可能性は十分あると思います。

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2007年07月05日

MotoGPオランダGP:ロッシ、10人抜きの大逆転勝利

 アッセンで行われたオランダGPは、予選で中位に沈んだヤマハのバレンティーノ・ロッシがスペクタクルなレースを展開。11番手から前を行くマシンを着実にパスしていき、最後にはトップを走っていたポイントリーダーのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)をも抜き去り大逆転勝利を収めました。11番手スタートから10台を抜いての勝利とは、モータースポーツの醍醐味を集約したようなしびれるレース。本人も会心のレースだっただろうし、観客も盛り上がったことでしょう(残念ながら、私はそのレースの映像を見逃してしまったのですが……)。

 ロッシにとっての今季3勝目は、同時にヤマハの世界ロードレース選手権最高峰クラス通算150勝目という節目の優勝でもありました(自身の最高峰クラス通算60勝といい、節目の勝利が多い今季のロッシです)。モトGP公式サイトの情報によると、ヤマハの150勝の中で最も多くの勝利を挙げているのがロッシで28勝。エディー・ローソン(26勝)、ウェイン・レイニー(24勝)、ケニー・ロバーツ(22勝)といった往年の名ライダーたちの勝ち星をすでに上回っています。

 ちなみに、今回レースにヤマハ・ワークスチームはスペシャルカラーリングのマシン(ライダーのスーツも)で臨みました。これはチームのメーンスポンサーであるフィアットの新型500(チンクェチェント;ルパン三世も乗っていたあのクルマの21世紀リメーク版)発売を記念したものだとか。ポップでなかなかイカしています。

 それにしても、トヨタ資本が入っているヤマハをフィアットがスポンサードしているというのも、そもそもスゴい話です。ロッシ人気あってのことだと思いますが。

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2007年07月05日

MotoGPイギリスGP:難コンディションにもミスしないストーナー

 少し前の話ですが、ドニントンパーク・サーキットで行われたイギリスGP。ウエットコンディションのレースを制したのは、またしてもドゥカティのケーシー・ストーナーでした。5番グリッドからスタートしたストーナーはモトGPクラス初優勝に向けトップを走っていたコリン・エドワーズ(ヤマハ)をレース終盤にパスし、そのままフィニッシュ。前戦カタルーニャGPから連勝したストーナーは、これで今季5勝目です。

 なによりも、ウエット路面という難しいコンディションにおけるストーナーのミスのない走りが光りました。あのバレンティーノ・ロッシでさえ追い上げている最中にコースオフを喫したほどでしたが、このレースでのストーナーは前を追いながらも無理はせず、マシンを見事にコントロールしていました。

 シーズン序盤はドゥカティの“直線番長”ぶりばかりがクローズアップされていましたが、ストーナーの強さはもはやマシンの性能だけによるものではないでしょう。それは同じマシンに乗るストーナーのチームメート、ロリス・カピロッシの成績がいまひとつであることからも裏付けられます。

 タイトル争いでもトップを行く若きストーナー。追い上げるロッシとのバトルはさらにヒートアップしていきそうです。

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2007年06月22日

F1アメリカGP決勝:ミスをしない超新星、焦りを隠せない王者

 アメリカGPの決勝は、大波乱のレースだったカナダGPから一変。上位陣ではマクラーレン、フェラーリがそれぞれチームメート同士による接近戦を展開したものの大きな順位の変動はなく、ルイス・ハミルトンが2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾りました。カナダGPでは4度のセーフティカー先導があったものの、比較的楽に初勝利を手にしたハミルトン。しかし、アメリカGPでは終止チームメートであるフェルナンド・アロンソのプレッシャーを受け、楽な展開にはなりませんでした。

 ハイライトはレース中盤の38周目。タイヤのグレイニング(異常磨耗)でペースの上がらないハミルトンに対し、ストレートでスリップに入ったアロンソが1コーナーへのブレーキングでアウト側からパスしようと仕掛けてきた時です。それでもハミルトンは動じることなく、セオリー通りイン側のブロックラインをキープ。見事に王者アロンソの挑戦を跳ね除け、トップの座を死守してみせました。モナコGPでは王者を慌てさせるほどの猛追を見せたハミルトンが、今度は王者をピシャリと完封。F1デビュー以来コース上で一度もオーバーテイクを許しておらず、「守っても一流」であることを証明したハミルトンの評価は、右肩上がりの一方です。

 一方、今回も優勝を逃したアロンソには焦りの色も見て取れました。ハミルトンにアウト側から仕掛けた次の周のストレートで、アロンソは一瞬ピットウォール側にマシンを振ったのです。タイヤカスなどで汚れたライン以外の場所にマシンを振るなど、通常ならば不必要なことですが、熱くなっていたのでしょうか。「なぜ前に行かせない!?」とチームにアピールしたように見えました。レース後の表彰台では一応ハミルトンと健闘を称え合い、観客にも応えてみせましたが、顔色なし。記者会見でも大人の発言に終止しましたが、そのコメントはまるで自分を諭しているようです。

 ちなみに、今季のアロンソはライバルをアウト側からオーバーテイクしようと仕掛けるケースが多く見られますが、いずれも失敗に終わっています。王者アロンソをもってしてもアウト側から抜くというリスクを負わなければならないほど、現在のF1でオーバーテイクは難しくなっているのかもしれません。

 7戦を終えて、ポイントリーダーは変わらずハミルトン(58ポイント)。2番手には10ポイント差でアロンソがつけ、タイトル争いでもマクラーレンのワン・ツー体制が続いています。歴史をさかのぼると、マクラーレンでは過去にもチャンピオンと若手が同じチーム内でタイトル争いを繰り広げたことがありました。1984年のニキ・ラウダとアラン・プロストによるタイトル争いは、わずか0.5ポイント差でラウダが3度目の王座を獲得。しかし若き日のプロストはレース巧者であるラウダから多くのことを学び取り、翌年には初のチャンピオンに輝いています。そして、1988年のアラン・プロストとアイルトン・セナ。“ジョイント・ナンバーワン”と呼ばれたプロストとセナ、そしてホンダエンジンの最強のコンビネーションは年間16戦15勝という圧倒的な強さを誇り、セナが初のタイトルを獲得しました。しかし翌年にはプロストとセナの確執が表面化。以後、プロストが引退する1993年の最終戦まで尾を引いたのです。アロンソとハミルトンのタイトル争い、そしてチームメート同士の関係はこの先どうなるでしょうか。

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