2009年09月29日
イタリアサッカー連盟は、モウリーニョ監督の「今季のユヴェントスは審判のミスに助けられている」という発言に対して、インテルと監督に2万5千ユーロ(約325万円)の罰金を科した(2009年3月21日)
イングランドサッカー協会は、PKを巡って主審を厳しく非難していたリパブールのベニテス監督に、批判は不適切な行為だとして罰金を科すことを発表した(2009年9月2日)
見逃したボールを3球続けてストライクとコールされたイチローが、バットで線を引いて「ここを通った」とアピールし、これを主審が侮辱行為と判断して退場を宣告した。(2009年9月27日)
まぁ、審判への批判や抗議にまつわる話は尽きません。しかし処罰されるのはいつも監督や選手であり、八百長にでも絡まない限り審判の責任が問われることはありません。それはごく当然の話です。
何でもすぐに処罰などと言われると、消極的なジャッジしか出来ません。そして批判などの外圧から守られてこそ公正なジャッジが可能になります。厳しい対応で審判の権威も守らなければならない。
インターネットで検索すればよく分りますが、協会は審判に関する記事の隠蔽に尽力しています。確かに審判は攻撃から保護されなければいけませんが、過保護の傘に守られて、いつまでたっても技術が向上しないばかりか、まだ質の低下を招く可能性もあるはずです。Jリーグファンなら審判によってかき回され、ぶち壊された試合の一つや二つはすぐに思い浮かべることが出来るはずです。
監督が審判を批判すれば罰金、選手が審判に抗議すれば退場や出場停止、監督や選手はリスクを背負って抗議しているのに、メディアは知らんぷりで審判問題を取り上げようとしません。それなら誰が審判を批判するのでしょうか。誰が審判に「しっかりジャッジしてくれ」とプレッシャーを掛けるのでしょうか。私はファンしかいないと考えます。
質の低い審判と、内容を問わずに審判への批判を非紳士的な行為だと切り捨てるジャーナリズムが結び付けば、そのスポーツは確実に魅力を失います。またファンが協会と同じ立場に立って審判問題を考えても、メディアと同じように目をつむっても結果は同じです。
日本のファンは審判にプレッシャーを掛けたり、保護された権威を揶揄することに慣れていないのでしょうか。審判への抗議をスポーツマンとしてあるまじき行為などと指摘していると、いつまでたっても日本の審判は成熟しないでしょう。プロスポーツは高校野球や高校サッカーではないのですから…
「ピッチにもう一人敵がいるとは思わなかった」(山口智)
今シーズン第3節の京都戦後の発言。今頃分かったの?という気がしないでもないが…
「ルールは知っているが、フットボールを知らない。それがレフェリーの問題だ」(アンディ・グレイ=解説者)
サッカー先進国なら、この程度で審判を侮辱したなどと騒がないでしょう。
「いい判定も悪い判定もあるだろうが、全体をならしてみればちょうどいいんだ」(アーセン・ベンゲル)
私もそう思います。良いジャッジを褒め、悪いジャッジを批判する。それをならせばちょうど良くなる。
「レフェリーを『ジャッジ』しようと思わない。すでにイングランドでは、たくさんの人がそれをやっている。これ以上は必要ない」(アーセン・べンゲル)
さすがベンゲル。紳士的な発言だ。しかしそのベンゲルも昨シーズン途中で順位を6位に落とすと、
「主審はウチのファウルばかり厳しくとっていたし、挙句の果てはシルバの退場だ。理解に苦しむ」
浜の真砂は尽きるとも、世に審判問題の種は尽きまじ。
posted by 直木 善久 |23:34 |
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2009年09月28日
ご理解いただこうと説明を加えたら、
火に油を注ぐ結果になってしまった。
私が原因なので何とか落とし前をつけなければと思いつつ、
次は火だるまになってしまうかもしれませんね。
野球の出自は娯楽、
サッカーの出自は闘争。
これはそのスポーツの特質を端的に表現した言葉であり、
間違っていないと思います。
そこからスポーツの娯楽性や闘争性を論じるなら、
何を持って娯楽性が強い、
何を持って闘争性が強いと判断するのか、という議論になります。
ボディコンタクトをもって闘争性を考えることも出来ますが、
私は運動量を持って闘争性を捉えています。
私が野球の視点で論じれば、
野球は連戦が可能になるように工夫されたスポーツです。
だから年間200本安打などの素晴らしい記録が残せるのです。
悔しかったらサッカーも連戦して、
年間200アシストの記録でも作ってみればいいでしょう。
出来ますか?
こんな感じで書くでしょう。
野球ファンが野球の面白さを忘れているのではないかと不安になりました。
いただいた批判をまとめると、
「人を不愉快にさせる表現は止めなさい」
「審判を侮辱している」
「それほどあなたはスポーツやサッカーを知っているのか」
ということになります。
「人を不愉快にさせる表現は止めなさい」
私は不愉快なテレビ番組に出会うとチャンネルを変えます。
テレビ局に「不愉快だ」などと投書はしません。
なぜなら、それを観ても不愉快ではない人がいるからです。
私は他者が自分と同じでなければいけないとは考えません。
「審判を侮辱している」
会社で社長から、
「お前は仕事のことが全然分かっていない」と言われても、
「なるほど、その通りだ」と思うことも、
社員の前で侮辱されたと感じる場合もあるでしょう。
侮辱というのは相手を見下しているか否かが問題です。
私は大雨でも試合を続行するべきだという立場に立っています。
サッカーのことを誰よりも知っていなければいけない審判に対して、
「サッカーを知らない」と皮肉ることが侮辱でしょうか?
シロウトは審判に口出しするな、これは侮辱かも知れません。
「それほどあなたはスポーツやサッカーを知っているのか」
知っていないと発言できないなら、
ほとんどの分野に対して何も言えなくなります。
政治の世界には詳しくありませんが、
発言できない分けではありません。
経済も良くわからないが、
仕事の話はします。
「それほどあなたは自分のことを知っているのか」
そう問い詰められると、
それも良くわからないので最後は何も言えなくなってしまう。
初心者にも門戸を広げている。
多様な考え方を受け入れている。
そういう分野が発展すると考えます。
スポーツだって同じことですよ。
posted by 直木 善久 |04:11 |
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2009年09月27日
スポーツにおいて競技に優劣はありません。
どの競技でも体を動かす喜び、プレーする楽しみを味わえます。
しかしそれで、各競技間の差異を指摘してはいけないということにはなりません。
闘争性、娯楽性、教育性、精神性、興行性の配分と、
その意味付けによって多様なスポーツが存在します。
前回の「サッカーを知らない審判」で、
サッカーは雨ごときで中止してはいけないと強調するために野球を引用しましたが、
雨中で行うスポーツが、
雨で中止になるスポーツより優れているということではありません。
ただ、雨中でも戦うスポーツの方が闘争性は高いはずです。
サッカーの魅力が闘争性であり、
野球の魅力が娯楽性で何か問題があるのでしょうか?
「野球は娯楽だ」ではなく、「野球は娯楽性が高い」ということです。
私たちがプレーする野球やサッカーが娯楽です。
連戦できる運動量しか使わないスポーツの闘争性が高いとは言えません。
ボクシングよりもサッカーや野球の闘争性が低いから劣っているとは言えません。
私は野球も観ます。相撲も観ます。
スポーツすべてに関心があり、
スポーツの多様性を認めています。
そしてプロスポーツはいろんな視点から語られるべきであり、
批判されて強くなるべきです。
比較するのが良くないという指摘もありましたが、
私は比較を良くないと考える人の生活を想像することが出来ません。
A君はB君よりも仕事が出来る。
こういう判断も良くないのでしょうか。
AさんよりもBさんの方が可愛い。
A店よりもB店の方が美味い。
差異の認識によって人は動くものです。
自民党と民主党の差異を比較して選挙に行くのではないでしょうか。
責任とか決断と無縁な生活をしている人が気楽に批判する、
という指摘もありましたが、
責任と決断に無縁な人も想像できません。
批判するから間違わない決断が出来るのではないでしょうか。
「批判なくして進歩なし」
「批判と悪口は違う」
いつも言っているのでこれ以上繰り返しませんが…
上から目線という指摘もありました。
しかし、物事は上から見るからよく分かるのです。
野球だってサッカーだって上から観戦します。
下から覗くのはちょっと怪しい人。
「サッカーを知らない審判」では、
野球がサッカーより劣っているとは何処にも書いていません。
そして審判の責任を追及していません。
口を開いてみてはどうかと、ちょっと挑発していますが…
「サッカーを知らない審判」と書いたら、
「スポーツを知らない管理人」とのご批判が返ってきましたので、補足させて頂きました。
posted by 直木 善久 |16:26 |
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2009年09月26日
野球は雨が降れば中止になります。
グラウンドコンディションが悪いとボールが転がらない。
外野に飛んでくるボールは見にくい。
足が滑る。
手も滑る。
理由はたくさんありますが、
私は野球が雨中でプレーしないのは、
野球の出自が娯楽だからではないか、と考えています。
ベストコンディションで試合をすればいいじゃないか。
娯楽から嵩じたスポーツなら当然の発想でしょう。
しかしサッカーの出自は闘争です。
闘争なら雨が降っても、雷が鳴っても止められるものではありません。
自然とも闘う厳しさがサッカーの魅力でしょう。
野生的な激しい闘争性がサッカーの魅力でしょう。
雨ごときで中止にするのは、その魅力を否定したのも同然です。
自然との闘いを切り捨てたスポーツは、その魅力の一つを消したことになる。
野球人気の低下はドーム球場の増加と関係があるのかも知れません。
もちろんラインが識別できないほどピッチが水没すれば中止にすべきです。
また、落雷の危険性が生じた時点で止めるべきです。
しかし、9月12日の鹿島と川崎の試合での不可解な中止の判定は、
判断を誤ったというレベルではなく、
主審がサッカーを理解していないことが原因ではないでしょうか。
この試合の主審はサッカーの魅力を理解していなかった。
サッカーと野球の区別が出来ていない。
それもワールドカップで笛を吹いたことがあるベテランの審判だったから驚く。
ワールドカップで同じ状況に出会っても中止にするのでしょうか?
「死ぬ気で戦う」
そう選手が発言すれば、
「本気か?」
と、私は疑う。
かっこいい台詞を吐いただけではないかと…
もしも本気なら、たとえピッチで雷に打たれて死んでも本望だろう。
闘争とはそういうものだ。
選手も観客もサッカーを選択するには覚悟がいる。
娯楽は参加するだけでいいが、闘争には覚悟が伴う。
あの大雨のスタジアムの中で、審判だけがその覚悟が足らなかった。
海外のリーグで笛を吹いた経験もなく、
闘争としてのサッカーを肌で感じたことがないから、
雨ごときで中止することが出来る。
選手の安全性を軽視するつもりはないが、
通常のサッカーに比べて、特筆するほどの危険性に満ちていたようにも見えない。
それなのに、「戦える」、「戦いたい」という選手達から試合を取り上げてしまった。
10月7日の再試合は、後半29分から行われます。
その再開方法だけが注目されていましたが、
そもそも今回の出来事はサッカーを知らない審判が引き起こした茶番にすぎません。
もちろん主審だけの問題ではないでしょう。
マッチコミッショナーも、ホームの責任者も、他の審判たちも、
口を開く覚悟も無いのでしょうか。
posted by 直木 善久 |15:10 |
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2009年09月20日
日本サッカー協会はワールドカップの成績に関して目標を掲げたことが無い。
ということは、
掲げた目標が達成できるように責任を持って努力した人がいない。
ということは、
達成できずに責任をとって辞めた人がいない。
ということは、
達成して高い評価を受けた人もいない。
という認識でいいのでしょうか。
監督の人選が終われば、あとはゼネコンの丸投げのようなもの。
チケットの売り上げを計算するだけ。
目標を示さない協会に対して、
岡田監督は自ら「ベスト4」というノルマを課したのか。
後を追うように犬飼会長は次のような発言をしている。
「ベスト4が非常に厳しい目標であることは承知している。日本のサッカーを見せて世界を驚かせたい」
これは協会も目標として「ベスト4」を掲げた。
と、理解していいのでしょうか。
日本代表は南アフリカで「ベスト4」を達成しなければいけない。
ということは、
岡田監督はベスト4を達成することが出来る監督だと評価した。
ということは、
協会はその実現のために責任を持って最善のバックアップをする。
ということは、
実現出来なかったら会長は責任をとる。
ということでは無さそうだ。
「世界を驚かせたい」という発言ではファンと何らかわらない。
責任を明確にして、
達成出来なければ会長職から去って、私たちを驚かせて欲しい。
岡田監督の「ベスト4」発言も、
「俺と心中する気があるのか」
「あんたは本気なのか」
と、会長の首に匕首を付きつけるほどの迫力はない。
オシムは(ベスト4に関して)「監督だけでなく、選手もそう思うことが大事」
と話していましたが、
「会長も目標に掲げることが大事」と言いなおして欲しい。
そして責任を持って発言しなさいと。
日本サッカー協会はワールドカップの成績に関して目標を掲げたことが無い。
ということは、
真剣に強化を考えている人がいない。
ということは、
いつまでたっても日本は弱いまま。
ということは、
南アフリカで「ベスト4」は無理。
という認識でいいのでしょうか。
posted by 直木善久 |09:53 |
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2009年09月13日
「監督!監督じゃないですか」
「はっ、はい」
「お疲れさまでした」
「いえいえ」
「今日はお一人で釣りですか」
「はい、久しぶりの休日なんで、まぁ、釣れるもヨシ、釣れなくてもヨシという心境で…」
「監督はその言葉がお好きなんですね。この前の会見でも仰っていた」
「無心の境地ですよ」
「でもやっぱり釣れた方が楽しいですよ」
「ところで、この辺りでは何が釣れるの?」
「そうですね、今ならタラかなぁ」
「タラ?タラは冬の魚でしょ?」
「いやぁ、この時期でも釣れますよ。監督!ほら、引いていますよ」
「おっ、幸先いいね」
「巻いて、巻いて、やっぱりタラですよ、タラ」
「んー、こんなタラは見たことがない。なんて言うタラですか?」
「これはね、本田を先発で使ってタラ、っていうタラです」
「ほーっ」
「ほら、また引いてますよ」
「今度も珍しいタラだ。これは何ていうタラですか?」
「これはね、森本が合流してタラ、っていうタラです」
「ふーん」
「監督、タラは魚へんに雪って書くでしょ」
「そうだね」
「でも、『大口魚』って当て字で書くこともあります」
「へぇー、知らなかった。確かに口が大きくて獰猛な顔つきだね」
「監督は大口が嫌いですか」
「大口?ハハハ、そうかもしれない」
「大人しくて、真面目で、コツコツ努力するタイプがお好きですよね」
「大口を叩く選手はチームの和を乱すでしょ。不協和音になります」
「なるほど」
「ふてぶてしいし、反抗的だし、メディアに対してフォローする手間も増える」
「でも窮地に追い込まれた局面を打破できるのは、そういうふてぶてしい選手じゃないですか?」
「確かに個人が打開しなければいけない局面はある。しかし基本はチームワーク。サッカーは11人で戦うスポーツですよ。『俺が』、『俺が』だけでは勝てません」
「ビッグマウスはダメですか?」
「他の選手も嫌うし、それに第一にメディアが嫌います」
「でもね、監督」
「なに?」
「ワールドカップで『ベスト4』なんて、かなりのビッグマウスですよ」
「んっ?…」
「大口ですよ」
「んっ、釣られてしまった」
「釣るもヨシ、釣られるもヨシ、春うらら」
posted by 直木善久 |17:57 |
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2009年09月11日
51.○4―3 ガーナ 国際親善試合(ユトレヒト) 2009/9/9
残り15分を切って1対3。失点が多い苦手な時間帯をむかえて、日本の勝利はもう無いと確信してしまった。申し訳ない。
長友佑都のアシストに玉田圭司が蹴り込み、稲本潤一のパスを岡崎慎司がヘディングで決めて、なんと2分間で同点に追いついた。今までとは全く逆の展開、日本が魅せる終盤の怒涛の攻撃。それでもまだ、終了間際に突き放されて肩を落とす選手たちの姿を想像してしまいました。重ね重ね申し訳ない。
後半38分、左サイドから長友が中央にパスを流すと、稲本が右足でミドルシュートを決めて大逆転。私は謝罪会見を開いて、深々と頭を下げたい気分になってしまった。
「オランダ戦と同じストーリー、同じ結果になると発言いたしましたが、私の安易な判断でございました。ここに皆様へお詫びを申し上げます」
結果は4得点3失点、オランダ戦の3失点を含めて、この時期に修正すべき問題がハッキリ見えたことは次につながる。しかし、何やら良からぬ問題も浮き彫りになってきた。それは中村俊輔と本田圭佑の関係です。揉め事が大好きなメディアが誇張しているのかもしれないが、「いよいよ俊輔時代の終焉か?」、「本田の評価はガタ落ち」と、メディアも俊輔派と本田派に分かれて論じ始めている。
最近の俊輔は進んで代表チームの精神面やピッチ上でリーダーシップを執ろうとしている。海外での実績、代表での経験を考えると当然かもしれない。
「俺について来い」
そこまで強いリーダーシップを発揮できない俊輔は、ピッチでパスを出すように周囲の選手を活かしてこそリーダーシップを発揮することが出来るはず。リーダーシップを執るには一段高い視点が必要なのに、本田をライバル視するだけでなく、その存在を恐れているようにも見える。
かつて本田は「中村俊輔とポジションを争う」と明言している。これは後から代表に上がってきた選手なら当然のことでしょう。
「何を小癪な、そう簡単に奪えないよ」と構えておけばよいものを、昨シーズンから今シーズンにかけての本田の活躍に、俊輔はビビってしまったのではないか。フリーキックもリーダーとして状況を判断して、本田に打たせてみるくらいの太っ腹が必要だ。
オランダ戦の後に俊輔は次のように語っている。
「後から入ってきた人も含めて、全員が連動していかないと。新しく入ってきた人は体力があるわけだから。それなのにズレてズレてとなっていたから、簡単に後ろの方まで行かれていたのが多かった」
まぁ、後半からピッチに立った本田を遠まわしに批判しているのかもしれない。それに対して本田は、
「言いたいことがあるなら、直接言ってくればいい。その方が代表は強くなる」
こちらの方が筋は通っているし、正々堂々としている。
「ここは日本代表。オシムさんだったら、自分だけのプレーをしている選手はクラブへ返されたかもしれない」
俊輔はオシムの名を引用した。
「うちのパパは強いんだぞ!」
権威に頼る子どもの喧嘩の様相だ。ガーナ戦後には、
「岡ちゃんもすごい良かったし、前ちゃんも、まず連動して走るということができて、それから個性というものがね。ポストプレーもできるし、気の利いたプレーもできるし。おれも体を入れてやっていたし、ヤットもやっていたし、そういうところは意識することでできると思う」
どんな業界でも、ちゃん付けや愛称で呼んで仲間だよねと強調する微妙な立場の浮いた人がいるものだ。大丈夫か、俊輔。
一方の本田は、
「今日は相手に脅威を与えることができなかった」
「今日は何もしてないけど、チームが勝って良かった」
「自分が成長するために、もっと問題点を指摘してほしい」
と、大口どころか謙虚で常識的な対応をしている。
私はちょっと生意気な本田と太っ腹の俊輔を見たいのに、両者とも逆の道を歩んでいる。橋本英郎は本田に関して、
「ガンバにも守備はしないけど、点を獲るというスタイルの外国人がいる。そう考えるとチームに落とし込む方法はある。いい面を引き出してあげたい」
これが俊輔の言葉ならリーダー合格だ。
選手はピッチ上のプレーで評価されるべきです。ピッチの外で何を話そうが私の評価は変わりません。俊輔はエスパニョールで活躍して欲しい。しかしエスパニュールではチームメイトを活かし、そして自身が活かされるというスタイルで戦うはずです。セルティックでもそうだった。代表でも同じスタイルで臨んで欲しい。
ガーナ戦の後半24分、1対3と2点を追う局面で岡田監督は俊輔を本田に替えた。俊輔は右足首を捻挫しており、俊輔がボールを奪われてピンチを招く場面も何回かあった。結果的に俊輔が下がってから逆転したことになるが、これだけで俊輔と本田を比較して評価しない方がいい。
ただ交代後は全員が、俊輔に頼ることなく、俊輔を探すことなく、状況に合った最善で最短のパスコースを探して攻め上がれたことは勝因の一つかもしれない。
俊輔が怪我をおして強行出場したのは、岡田の指示か、俊輔の意地か。まぁ、それはともかく、私は生意気な本田が見たい。太っ腹の俊輔が見たい。そんな二人が共存している代表が見たい。
posted by 直木善久 |16:40 |
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2009年09月09日
50.●0―3 オランダ 国際親善試合(エンスヘーデ) 2009/9/5
ワールドカップ欧州予選は9つのグループリーグで争われています。1つのグループに6カ国、ただオランダが属する「グループ9」だけが5カ国、よって試合の無い日が多く生じることになります。たとえ予選が無くても、オランダは格下のチームを相手にして調整しておきたい。
一方、アジア予選でオーストラリアに勝てなかった日本は、強豪国とアウェイで戦って、弱点を確認しつつ修正を加えて強化を図りたい。その思惑が一致して今回のオランダ戦が実現したのでしょう。
ところがオランダは既に7戦全勝で、ワールドカップ出場を決めてしまった。オランダにとっては、単に負けなければいい試合になってしまう。目標を達成したFIFAランク3位の相手を、日本はなんとしても本気にさせなければいけない。
そのためには、まず先取点を取ること。それしかない。立ち上がりから相手は本気モードで攻めてこない。その隙をいかに突くかが見所です。立ち上がりにこそアイデアを駆使し、果敢に攻め上がり、リスクを冒さねばならない。
開始早々から日本は果敢に攻めていました。前半2分、右サイドから中村俊輔がパスを浮かせると、ゴール前の岡崎慎司の足元にぴったり収まる。しかし決めることが出来ない。前線でプレスをかけてボールを奪うが、なかなかゴールには結びつかない。そうして攻撃が跳ね返されている間に、徐々にオランダのペースに巻き込まれてしまう。
「我々はボールを奪われても下がらずに一歩前へ出る」と岡田監督は話していたが、奪い取ったときにバックパスを出し始めるとゴールはどんどん遠のいていく。奪い取った時にこそ前に出る。前半は互角に戦っていたという人もいるが、執拗なマークに苛立つ選手がいたもののオランダは本気モードではなかった。
後半に入って18分、俊輔のフリーキックを横っ飛びのキーパーが止めた。日本の攻撃はここで終わったように見える。24分、日本はキーパーを含めた9人でゴールを守っているのに、オランダはたった5人でゴールを決めてしまう。28分の2失点目もゴール前に9名もいたのに、オランダは3人で日本のゴールをこじ開けた。なんと8人がその3人を取り囲んでいたのに(写真参照=この後にスナイデルの2点目が決まる)。ダメ押しの3点目も7人に対して3人で得点を奪われた。前半とは全く違う棒立ちのチームに変わっている。
3点差で勝ったのに、オランダのファン・マルワイク監督は、「今までで最低の試合をしてしまった」と嘆いている。岡田監督は勝利にこだわるなら、もっとディフェンシブに戦うことも出来た。しかし今までのスタイルがどこまで通用するかを見極めたかったのでしょう。
岡田監督、ここから修正すべき日本の弱点は確認できましたか。相手守備を切り崩すアイデアも実らず、正確なプレーもつなぎきれず、果敢な精神力も持続しない。そのうえ足まで止まってしまった。弱点だらけではないか。もっとも監督が一番の弱点かもしれないが…
試合前の会見でこんな話をしていた。
「釣れるもヨシ、釣れなくてもヨシ、春うらら」
無心の釣り人の心境らしい。運を天に任せるのは南アフリカの本番でお願いしたい。今は餌を替え、ルアーを替え、竿を替え、場所を替え、勝利を釣り上げるために尽力する時でしょう。「無心」には雑念や欲が無いという意味もありますが、思慮や分別が無いという意味もある。ここまでの親善試合で格下の小魚しか釣り上げていないのに、智慧と工夫なくして大魚が釣れるわけがない。
試合後の会見では後半から投入した本田圭佑について、
「玉田が悪いから替えたのではなく、本田を試したかった」と語っています。
本田がチームに溶け込むことが出来るのか、それを試したかったのか、本田を活かせばオランダに通用するのか、それを試したかったのか。本田の起用が成功すれば日本は大きな武器を得ることになる。
本田はオランダで戦っている。本田は開幕から4得点を記録している。本田はイングランドのチームからも注目されている。今回の本田は多くの意味と価値を持ち合わせていたのに、指揮官は本田の役割をチームに徹底させず、今までのチームの中に埋没させてしまった。
岡田監督は「世界との差を縮めるには、いろんなストーリーがある」とも語っていました。しかし、どんなストーリーであろうとも、結末は同じように思えます。果たして次のガーナ戦はどのようなストーリーで戦うのでしょうか。同じストーリーで、同じ結末にならないように期待したい。
posted by 直木 善久 |01:11 |
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2009年09月04日
昨年の10月、ベルバトフの加入でベンチスタートが増えたテベスがまず口火を切った。
「ここ数試合は俺が犠牲になっている。ゴールを決めたい。今までずっと重要なゴールを決めてきたんだから」(サン)
すわ監督批判!
ところが、いつもは不満に対して毅然とした態度でのぞむファーガソンは、
「彼はここで幸せだと思う。クラブも彼に残って欲しいと考えている。他の選手もファンも彼を愛しているしね」(スカイ)
とまぁ、本心はともかく、
2年間のレンタル移籍中のテベスを完全移籍で獲得するために、
メディアには寛容な態度を示していた。
「テベスはまるで虎のようだ。ピッチを走り回ってチームに貢献してくれた。彼のような選手がチームいるのは大きい」(欧州通信)
機嫌を直してくれよと、褒め称えている。
ところが今年の4月に再びテベスが口を開く。
「僕は大事な試合で出ていない。他のクラブで何ができるかを考えなければいけない」(サン)
移籍交渉がうまく進んでいないようだ。
しかし、この挑発にもファーガソンは乗ってこない。
5月、業を煮やして、テベスが追い討ちをかける。
「求められているとは感じない。サヨナラを言う時が想像できる」
「出来ることは全てしたが、彼らはオファーも契約も持ってこなかった。時が来たら去らねばならない」(ニュース・オブ・ザ・ワールド)
メディアは移籍と書きたてるが、
「移籍についての話は聞いていない。彼はまだユナイテッドの選手。私は彼の移籍話に首を突っ込まない」
と、ファーガソンは落ち着いている。
水面下で行われている綱引きの内容は分からないが、
かつてベッカムやファン・ニステルローイとやりあって来たファーガソンは手慣れている。
そして6月、クラブはテベスの退団を発表する。
「昨晩(19日)、最終的な交渉が行われました。マンチェスター・ユナイテッドは、カルロス・テベスと新しい契約を結ばなかったことを発表します。2年に渡って貢献してくれたカルロスに感謝し、将来の幸運を祈ります」
テベスはユナイテッドを気に入っていたが、少し駆け引きが過ぎたのか。
そしてここから怨み節が始まる。
「ファーガソンはあの試合で僕をベンチに置くというミスを犯した。俺がユナイテッドに来てから初めて負けた決勝戦だ」(ガーディアン)
「もし僕がマンチェスター・シティでプレーすることになっても、ユナイテッドのファンは裏切り者だとは思わないだろう。僕はクラブから追い出されたのだから」
「オールドトラッフォードでリバプールに1対4で敗れてから、ファーガソンはまるで俺の責任だと言わんばかりに、俺を無視するようになった」
「僕はマンチェスター・ユナイテッドにすべてを捧げたし、みんなもそう思っている。だから、こんなふうに終わってしまうのはあんまりだ」(ピープル)
テベスは怒り、嘆き、ときには哀願しているようにも聞こえる。
しかしテベスの言葉は、いかにユナイテッドの選手であることが名誉であり、
ファーガソンが魅力的な男なのかを私たちに教えてくれるだけだ。
きっとテベスが最初に不満を漏らしたときから、ファーガソンは怒っていた。
ただ、もう一つの問題、クリスティアーノとの交渉を抱えており、
テベスに対してはシューズを蹴るようなまねは止めておこうと、
決めていたに違いない。
移籍金次第で彼は退団する。筋書き通りなのでしょう。
ファーガソンを瞬間湯沸かし器のように言う人がいるが、
私のイメージはかなり違う。
「アレックスが僕に電話をかけてくることなどなかった。携帯にメールすら送ってこない」(AFP)
シティへの移籍が決まってからも、怨み節を止めないテベスに対して、
やっとファーガソンは本音を口にした。
「私も価格が適正なら喜んで契約するつもりだったが、簡単に言うと、彼には38億円の価値はない」
と、あっさりと切り捨てた。
「シティはテベスをユナイテッドから奪ったのが手柄だと思っている。情けない話だ。彼はもっとずっと前にシティに行ってもよかった」
テベスがファーガソンを見返すには、
ダービーマッチでゴールを奪ってシティが勝利するしかない。
posted by 直木 善久 |06:42 |
ちょっとだけプレミアリーグ |
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2009年09月02日
シーズンが始まる前から、
マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督は、
盛んにマインドゲームを仕掛けていた。
「マンチェスター・シティはメンタリティーに欠けた弱小チームだ。彼らはユナイテッドのことだけを気にして、そこから抜け出すことができない」
「やつらはテベスをマンチェスター・ユナイテッドから奪ったのが手柄だと思っている。もっともテベスはずっと前にシティに行ってもよかった」
大型補強をしてビッグ4に迫ろうとするダービー相手を必要以上に挑発していた。
世界に向けてダービーマッチをPRしている。
シティの監督のマーク・ヒューズはファーガソンの下でユナイテッドでプレーしたこともある。
そして今シーズンはテベスの存在が一段と緊張感を高めている。
確かに面白くなりそうだ。
きっと世界中で視聴率を稼ぐでしょう。
ファギーはスポークスマンの役割を十二分に果たしている。
「アーセナルは最大の試練を迎えている。アーセンには全くカネがないことを私は知っている。アデバヨールで得たカネを使うことができるか疑問だね」(テレグラフ)
大きな問題を抱えているアーセナルを強調したかったのでしょうか?
ビッグ4の中で、若手を育てることに一番情熱を注いでいるのがベンゲルだと、
ファギーは充分承知している。
他のチームに「アーセナルはアデバヨールの穴を埋めていない」と喧伝しながら、
自身は気を緩めないのがファギーの手法だ。
「リバプールの主軸は常に、主将のジェラードとエースストライカーのフェルナンド・トーレスだ」(ザ・サン)
シャビ・アロンソが抜けても大丈夫だと、
リバプールのベニテス監督へエールを送っている。
果たしてそうか?
「アンチェロッティはミランを率いて、チャンピオンズリーグで2度も優勝を成し遂げている。どうして今さらスタイルを変える必要があるというのだ」(ザ・サン)
スタイルを変えなくても大丈夫だと、
チェルシーのアンチェロッティ監督にもエールを送っている。
果たしてそうか?
まぁ、このくらいのことでベニテスもアンチェロッティも気は緩めないでしょう。
ところがその2日後にベニテスは、
「ここ2シーズンのジェラードとトーレスの仕事ぶりは、信じられないほど素晴らしい。ジェラードはトーレスの後ろでプレーするときが最も危険だ。そしてトーレスもジェラードを後ろに置いたときに最高のプレーを披露する。ジェラードとトーレスはリバプールの伝説になるだろう」
ファギーの術中に嵌ったか。
ところで、大枚はたいてユナイテッドからクリスティアーノを、
そしてリバプールからアロンソを獲得し、
そのうえベンゲルを呼び寄せようと画策したレアル・マドリードの狙いは、
プレミア人気の切り崩しに違いない。
それならプレミアから人気選手をかっさらうレアルにこそ、
ファギーは喧嘩を売るべきではないか。
「スタメンを決定するときの苦悩を思えば、私はペジェグリーニ監督にだけはなりたくない」
実際は軽く皮肉を言って終わり。
今、レアルに喧嘩を吹っ掛ければ、
負け犬の遠吠えのように扱われることをファギーは心得ている、
posted by 直木 善久 |06:04 |
ちょっとだけプレミアリーグ |
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