2009年12月22日
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
南アフリカ大会の日本の対戦相手はカメルーン、オランダ、デンマーク。二勝すれば決勝トーナメントへ進む確率はかなり高くなる。トルシエはシード国のオランダ戦を捨てて、他の二試合に全力を尽くせと説く。オシムはカメルーンとデンマークに勝つのは夢ではない、即ちオランダに勝つのは難しいと予想する。もちろん岡田監督はオランダからも勝ち点を奪うと明言している。 そのオランダとは二戦目で顔を合わすが、日本とオランダそれぞれの初戦の結果によって、その試合の重さは大きく変わる。それによって戦略も変わるが、多くの人たちが口にするようにオランダに勝つことは本当に難しいのか?ちょっとオランダ人気質を解剖してみました。 オランダ人はスペースの活用に貪欲である。オランダは面積がほぼ九州に等しい小国であり、その一割は海を埋め立てて造られた土地です。 オランダ人は危機管理意識が強い。海抜0メートル地帯に住んでいれば、治水は最大の関心事に違いない。温暖化で海面が上昇すれば小さな島国のように被害を受ける。 オランダ人は直線的に考える。国内最大の交通手段が自転車という起伏のない平らな大地に住んでいれば当然かもしれない。 ところが障害のない直線的思考はどこまでもまっすぐ進んで、時として行き過ぎた極端な判断を生む。売春やマリファナを合法化し、世界に先駆けて安楽死を認めた。これでは先進を好むのではなく、極端を好んでいるに違いない。あのグリーンピースの本部も今はアムステルダムにある。そもそもトータルフットボールがオランダで生まれたのも納得できる。 「オランダの極端追求は昨日今日にはじまったことではない(中略)17世紀の黄金時代には、オランダはイングランド、スコットランド、フランスを併せたよりも多くの船を所有していた」(「世界の作家32人によるワールドカップ教室」より) モンドリアンの絵を思い出して欲しい。風景や樹木を描いても水平と垂直方向のベクトルに分解されて、抽象の世界に入っていく。現在のオランダの成功は、直線的思考が垂直に働いた上昇志向の結果です。しかし、飛躍を目指す集団には必ず浮き上がった手に負えない存在が現れ、そのような組織では必ず内紛が起こります。 「オランダ人はトラブルが好きなんだよ。代表チームの周辺で何も問題が起きないと、逆にどこか悪いんじゃないかと心配するんだ(中略)ワールドカップやヨーロッパ選手権が行われるたびに、必ずトラブルが発生する」(「オレンジの呪縛」より) オランダと戦う場合はイライラさせるプレーをしてピッチ上で内紛を誘発する。例えば4-4-1-1のフォーメーション、ダブル4バックで相手に有効なスペースを与えない。守って、守って守り抜く。こちらが極端な戦略を選べば、相手も極端な攻撃を仕掛けてくるに違いない。 これを鎖国システムと名付けてみよう。鎖国状態でゴールを守り、交渉は1トップの出島で行う。17世紀のオランダは世界中を股に掛けた大国、それでも日本は鎖国政策によって対等に付き合っていた。 そのオランダも17世紀の後半にはイギリスとの戦争で国力を使い果たし、多くの船と植民地を失ってしまいました。それも内紛が原因だったのかもしれません。内紛を抱えるチームにはつけ込む隙がある。オランダ人気質を逆手に取ればチャンスはある。オランダがなんだ。FIFAランクがなんだ。 ところで、オランダについて学ぼうと「蘭学事始」と題しましたが、杉田玄白の元祖「蘭学事始」はこんな言葉で始まっています。 「志を高く持つ人は篤く学び、無識なる者はみだりに誇張する」 ちょっと極端を極端に誇張しすぎたか。オランダ流オランダに勝つ方法でした。
posted by 直木 善久 |23:07 |
岡田監督と日本代表 |
コメント(9) |
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蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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おもしろい!
鎖国システムか!!
今やってる「神風プレス」よりは、勝つ可能性がありそうだ。
posted by ははははは | 2009-12-23 05:12
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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オランダって中長のパスをショートパスのように繋ぎ、ピッチをどの国よりも広く使うけど、スペインのようなパスの緩急・変化がないので、最終局面にかかるとWGがサイドを打開して相手の守備ブロックを崩すのがほとんど。だから、オランダのWGを日本のSBが味方のサポートを受けずに1人で押さえられれば、日本の守備ブロックも歪みは出来ず、失点の確率はかなり減るのではないかと思う…。そして、2点3点と失点しなければ1点は得点出来るはずだから勝ち点を獲得できるのではないか…。
posted by イメージ | 2009-12-23 11:48
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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オシムは3戦トータルに考えて、オランダ戦は捨てろと言ってますが、賛成ですね。
勝点をとる確率の低い試合に、主力を使わず、温存して、デンマーク戦に備えるほうが、合理的ですが、日本人の気質からして、「1勝1敗1分」と同じで、岡田監督がそんなこと言ったら、また叩かれるでしょうから、決して、言わないでしょうが・・・。
GL突破が至上命題ならばコンディションを考えて、もしかしたら直前で変えてくるかもしれませんが、引く覚悟も時には必要では。
posted by 確率の高いほうを選ぶ | 2009-12-23 12:34
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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実際、岡田が言っているのは理想論でありベスト4なんて夢のまた夢。
鎖国してからのカウンターもいいかもね。
posted by 鎖国も良いかもね | 2009-12-23 17:54
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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まぁ、フランスW杯の時は引きこもって叩かれてましたが。
posted by ふぁ | 2009-12-23 22:23
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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オランダに内紛が多いのはヨーロッパの中でも黒人差別が特に強い国だから。
今回のオランダ、特に前線はほぼ白人。
内紛の可能性は少ないと思いますが...
posted by オレンジ野郎 | 2009-12-23 23:00
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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オランダに行ったら分かるけど、危機管理意識とかはあるようには思えない。海抜0メートルは、まさにその通りで、オランダのあちこちで、川・海より下に家がある。。。っていうより、川の上に家がある。ただ、堤防がない!!
公園でサッカーをしている姿なんて見たことがなく、1週間で5日は雨が降る(1日中ずっとじゃないけど)ところ。
平均身長が180を超えて、ものすごいポジティブなところが彼らの強みなのかもしれない。
posted by う~ん。。。 | 2009-12-24 07:01
蘭学事始(オランダに勝つ方法)
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二勝してもあがれないケースもあるよ。アトランタ五輪の日本みたいに。
posted by 記憶では | 2009-12-24 13:37
訂正いたします
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皆様
コメント有難うございます
“ハハハハハ”様
日本には「サムライ」と「カミカゼ」しかないのかと、
いつも感じています。
新しい言葉が生れないのは、内容が進歩していないからでしょうか。
“確率の高いほうを選ぶ”様
トルシエとオシムは同じことを言っているのですよね?
捨てる覚悟があるなら、
奇策で戦えばまだ可能性があるかと…
“鎖国も良いかもね”様
こっちが鎖国システムなら、
相手は黒船戦法か?
“うーん。。。”様
>オランダに行ったら分かるけど、危機管理意識とかはあるようには思えない。
そうなんですか…
オランダ人はクラブチームほど代表チームを応援しないとも聞いたことがあります。
“記憶では”様
>二勝してもあがれないケースもあるよ。アトランタ五輪の日本みたいに。
あっ!そうですね。
2勝1敗で3チームが並べばそうなりますね。
文章を訂正いたします。
有難うございました。
posted by 直木善久 | 2009-12-26 08:52
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