2010年02月12日

W杯までの日本代表戦をどう観るか(さしあたって2試合消化)

日本代表への批判は多いと思うけどネガティブパワーにエネルギーを費やしてもねぇ。
この大会の日本代表はいつもこんな感じですから、
何を期待出来て、何を捨てるかみたいなものは観る側として大事かも。
プレーしている選手の気持ちもコンディションも足並みは揃っていないだろうし。
他のチームのモチベーションはどうなんでしょうか?
中国は勝ちに来ているのかな、香港はアマチュア集団でしたが。
さて韓国はどうでしょうか?日本相手なら手加減はないと思います。
現時点の結果から東アジア大会の優勝はほぼ中国で決まりでしょう。
でも、大会の価値を軽んじている様子はあるので、
中国あたりがハッピーになるのもアリなんじゃないでしょうか。
よりシリアスの取り組んでいる者が勝った方が道徳的ですからね。
(サッカーに道徳を持ち込むのもどうかって言うのもありますけど)
大方の大会前の(理想の)イメージは中国、香港のボロ勝ちして、
韓国と接戦を演じて(当然の)優勝……サッカーは思い通りにはならない競技です。
ぼくはこの時期はフラストレーションをため込む方が最終的に良い結果につながると思っています。
大きな目標の前に簡単なカタルシスを得てはいけません。
だから、ポジティブな面を見つけて、ネガティブな面が修正可能か考察するのが
(あえての)この大会の楽しみ方だと思うわけです。
って言うか、フォーマット的に中途半端すぎなので、
この大会はもともとあまり楽しめないでしょう。

で、この2試合はながら観してのプレーヤー個々への焦点を絞っての感想です。
(1)大久保が元気:これは良い事。よく動けているし攻守どちらにも参加して効果的なプレーをしていると思います。昨日もワンツーで裏を取ろうとしてオフサイドになったのがありましたね。中村のトラップが長かったのがオフサイドになった理由ですが、目の前のディフェンスをかわそうとしたのかも知れないし、雨が原因かも知れない。それと大久保がフィードをディフェンスとからみながら落として玉田のシュート。しかし大久保のファールを取られてノーゴールというのも秀逸なプレーだったと思います。こぼれ球にも詰めていたし、やたらに痛がって転がるの以外は良かったと思います。周りがダラ~~っとしていてもかなり献身的にプレー出来ているので、少なくともチームに良い影響は与えていると思います。ゴールは決まる時は決まるし、決まらない時は決まらない。大久保は今FWと言うよりはセカンドトップ的になっていると思います。そう考えるとボールのない所でちょっと動きすぎでチームとして整理がしづらい状況を作っちゃっている可能性もあります。個人的には、このポジションは二川とか山瀬が好みです。

(2)稲本が元気:彼は安定感がありますね。大きな理由は技術の確かさだと思います。ディフェンス時のポジショニングも論理的だし、彼のワンボランチってのは大事なオプションです。稲本、長谷部、遠藤で3ボランチのオプションっていうのも試してほしい気がします。この3人は同じボランチと言う事でも能力的に役割はだいぶ違うので、面白い化学反応が見られると思います。ただし、ひょっとしたら使い物になるまでに時間がかかるかも知れない。香港戦は、本当なら稲本を使う気はなかったのではないでしょうか。あそこで小笠原を下げるよりは中村を下げた方を観てみたかった気もします。

(3)小笠原が積極的:まだ手探り感はあるんですが、出てくると存在感がありますよね。俊輔が計算出来ないので、小笠原の存在は大事ですね。シュートを打つ意識も高いし、ガツっとしたディフェンスプレーも俊輔、遠藤、憲剛にはないカラーです。今回の様な憲剛も本調子じゃない時に小笠原の質はチームを支えます。ただし長谷部とかぶる様な評価だとしたら、あまり面白くないかも。

(4)トゥーリオが積極的:これは相手が相手だからだと思いますけど、パワープレー的な要素もありますよね。その分、中澤が存在感がないけど、プレシーズンだからと言う事にしておきましょうか。中澤はFWに当てるボールの質を高める練習をしてほしいですね。CBはあわよくばFWまでボールを届ける、と言う意識がすごく大事だと思います。のんびりボールを動かしていてはダメです。トゥーリオに話を戻すと、彼が上がった時は、もっとパワープレーをチーム全体が意識して良いと思います。昨日は相変わらずモジョモジョとボール回しをしている事が多かった。香港には攻められる可能性は低いのですから、早い段階から高頻度でパワープレー発動しても良かったと思うのですが、いかがでしょうか?中国戦でも同じ事が言えると思います。それともつないで崩すのにシバリを入れていたのでしょうか?日本のサッカーファンはキレイに崩すのを強いる傾向があるので、そう言う雰囲気を察した可能性もありますよね(ないか)。両サイドバックの活動が低かったので、放り込めるのが小笠原、遠藤くらいだったのかも知れませんが、中澤から前線のトゥーリオけCBどうしのロングパスとか試していたら、ぼくはかなりテンションが上がるんですけど。

(5)憲剛のプレーが雑:2試合ともパスミスとか多かったですよね。本来そんなプレーヤーじゃないので本番に向けて気にする必要はないと思います。でも、さしあたっての試合を考えると、ちょっとなぁ~~と思ってしまう事も確か。運動量も少ないのかな?たぶん高めのポジションなんだと思うのですが、そこがグズグズになっているのが、実はこの2試合を困難にしている最大の理由だとぼくは思っています。だから、この2試合がチームとして思う様になっていないのはしょうがない。それでも引っ張って試合に使っているのは数ヶ月後の事を考えての事でしょう。優勝したからどうと言う大会じゃないので、そう言う意図で憲剛を使っているのはアリかも。個人的には小笠原を10mくらい上げてほしいですが過去からの流れもあるわけで、ボチボチって感じかな。いずれにしろ、ここには人材的にも問題は少ないです。(上積みを期待出来ない、と言う見方もあるかも知れない)

(6)両サイドバックの存在感がない:これは結構問題かと。サイドバックの攻守での関与って、このチームの大きなテーマのハズなので、ここまでサイドバックの貢献が見えないと不安になりますね。ここのポジションは思い切ったプレーを選んで良いと思うのですが、プレシーズンなので体が動かないのかな。ウッチーは、また別の理由もあるみたいだし。両サイドバックをFW東京で固めちゃうのはアリだと思います。でもウッチーはいったんサブにしたらも、たぶんフェイドアウェーになっちゃうので難しいのかな。せっかく育ててきたんだからね。個人的には長谷部を右サイドバックにおいて中盤を稲本、小笠原、
阿部にしたらゴリっとしたチームになって相手にとって嫌な感じが出るのではと思ったりしています。ただしヴォルフスでは長谷部のサイドが狙われたりもしているので難しいのかも知れません。

(7)平山の評価は難しい:目立つので分りやすい標的になっていました。そこはもちろん二重丸。左サイドで抜け出した時なんて意外性がありすぎて鈍足に相手も味方もついて来れませんでした。ヘディングなどで2つくらい決定機があったので、あれは決めてほしかったけど、本番に取っておくと言うとらえ方で良いのではないかと。ま、本番では同じシチュエーションは森本に譲りそうな気もします。前線にボールを収めるには必ずしも身体がやたらにデカイ必要はないですからね。でも一生懸命にやっている平山は好きなんですよね。たぶん日本人はみんな好きじゃないのかしら。ただ、前線が平山、森本、岡崎なんかだとビジュアル的にどうですか?サッカー的な問題ではないですけど。どうでも良い事ですけど。いずれにしろ平山は前線のセカンドオプションだと思います(若干確信しています)。でも彼ならクサらずに練習には励むはず。

(8)玉田だってがんばっている:2得点にFWを批判するのは理にかなっていません。ボールの収まり具合も悪くはなかったと思います。玉田は長所と短所が結構極端なプレーヤーでユティリティ性は低いんだと思っています。運動量はあるしFW的プレーもMD的プレーも出来ます。そう言う意味ではなくて、ボールを受けた時、受ける時に得手不得手がはっきりしている。彼は熱心にワンタッチゴールを狙って前線に飛び込むプレーを繰り返していますが、実はそう言うのは得意じゃない様に見えます。少なくとも岡崎や大久保に比べて質の違いがあります。逆に1つボールを持ってからのシュートでは非凡な才能があります。キックの精度も高い。それなら、それで玉田が点を取るのなら、そこから逆算した攻撃というのがあっても良いのかな、と言うのが意見(誰に?)。もう1つ、ぼくが気になるのは玉田がサイドでボールを受けた時のプレー。縦に行くか中に行くかの選択のところで縦に行く時の判断に躊躇がある様に見えてショウガナイ。あそこは相手を見る暇なしに開いたトラップから前にボールをこづけば良いのではないか?ではカットインする場合はどうかと言うと、これもちょっと問題があります。これは縦に行く怖さが相手に伝わっていない事と表裏一体なんだけど、ディフェンスのポジショニングとの関係から、ちょっとマイナス気味に切れ込まなくてはいけなくなってしまう。で1人かわして2人目かわして、となるとどんどんドリブルコースがマイナス側になってしまいゴールから遠ざかってしまう。上記の様に、彼はボールをコントロールしてからシュートと言うのが形なのだから、ドリブルはゴールに向かってほしい。最低でもエンドラインと平衡なコースを取ってほしい。元々彼はそう言ったドリブルが出来る人なので、ボールキープや連携に拘らずに勝負にいった方が良いんじゃないでしょうか。特に今回、相手は中国や香港だったので「やれる相手」のハズ。ここで試してみないとW杯ではプレーオプションがどんどん減ります。周りの味方もゴチャゴチャ寄ってくるんじゃなくてメッシにでもボールを預けた気分でカウンターの準備だけして見ていれば良いんじゃないでしょうか。特に大久保や憲剛とごちゃっとした位置関係になるのは、ぼくはあまり気に入りません。ドリブルコースもなくなってしまいます。サイドアタッカーが良い形でボールを受けたらセンタリングに対応する様なアイディアが吉。連携と言ってもワンツー以上の事は必要ないでしょう?あ、これって接戦・なんとか・なんとか、ってヤツ?そんなんなら、それいらないです。

岡田監督がどうこう、とか言う議論はつまらないので与する気がしませんが、個々のプレーヤーに要求出来る事は、もっともっとあると思うんですよね。それはサッカーの現象そのものなので。そう言う意味では香港戦なんかは個人の能力でゴリゴリの素人臭いサッカーで圧倒すると言うが、ぼくとしては一番観たかったし、たぶん、そんなのが一番結果を出しやすかったのではないかと妄想するのですが、言うても練習試合みたいなものですから勝ってナンボという扱いじゃないんだろうな、と。結局本気度の低さが低調な試合に結びついたと言うのがぼくの理解です。強豪相手なら彼らも本気になるのでしょうが、今度はいくら本気になっても結果につながらないと言う事になって、要は相手にあわせてしまって、どのレベルでも勝てないと言うよくある現象を目の当たりにするのでしょう。って言うか、ここ20年くらい目の当たりにし続けているわけです。時々はミラクルがあってフランスに引き分けたりブラジルに引き分けたりイングランドに引き分けたりしているので、そう言うのがW杯で観られれば良いですよね。(って引き分けばっかり!?)

posted by cerebellum |13:53 | 観戦 | コメント(6) | トラックバック(0)
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Re:W杯までの日本代表戦をどう観るか(さしあたって2試合消化)

コメント投稿者ID :

僭越ながら、ネガティブにエネルギーを費やすことも一つに大きな意思の現れととることもできますよ。
それこそ野球の星野ジャパンに対するそれのように。
それを全て切り捨てることこそ今後を考えても危険なはず。
前例ができますからね。

百歩譲って、そのネガティブパワーが根拠も論理の正当性もないものであるならば、管理人さんの意見にも頷けます。

しかし、現在のネガティブパワーは全く根拠も何もないものでしょうか?

欧州で脂が乗りはじめている選手が控えに甘んじて、
Jの年間最優秀選手がつい最近まで招集されなかったというだけでも
世論の失望を誘うには充分過ぎる理由だし、
監督自身、未だに本大会で実績がない以上、準備期間中においての結果と彼自身のビジョンにおいて周囲を満足させれなければ、バッシングも仕方ないでしょう。
これがブラジルなら即刻クビでしょ。

ある意味小笠原や平山が今になって呼ばれるのも、そういったネガティブパワーの影響とも思えるけど。

本当に自分の信念とビジョンにブレや挫折がないのならこの時期に今までにないタイプの選手が呼ばれることもないと思いますけど。
彼に変わった時点で巻は干されたわけだし。

posted by ネガティブ賛成 | 2010-02-12 18:35

>ネガティブ賛成さんへ

コメント投稿者ID : NID00000782

最初の一文しか読んで頂けていない様なのが残念ですね。
長い文章なので読むのは面倒ですけどね。申し訳ありません。

根拠も正当性もないとは言っていないです。
意思の表れかどうかも興味がありません。
文中に述べている様に(また過去のエントリーでも書きましたが)
現在の日本代表に関して「監督が誰か」という議論は
ぼくにとって面白くないのです。
それだけの事です。

posted by cerebellum | 2010-02-12 19:01

W杯までの日本代表戦をどう観るか(さしあたって2試合消化)

コメント投稿者ID : NID00000182

普段テレビで観戦しているのであまり個人に焦点を絞ってみることはないのですが、大久保、確かに元気ですね。相手にチェックされてなかったのか、彼が味方の足を止めてるのかは、今までのことから疑問を持ってますが、早いトコ点決めてくれないと不信感は拭えません。韓国戦は荒れそうで怖いのでクリーンなプレーを肝に銘じておいてほしいです。
玉田は相手が相手であったにしてもやっと決めてくれましたね。しかも右足で。ごっつぁんとはいえ優しい気持ちになっちゃいました。
ディフェンス面に関しては固定されてるってこと以外特に目立ったことはないようなので今後の対策に期待です.

posted by ぼちぼち | 2010-02-12 22:47

W杯までの日本代表戦をどう観るか(さしあたって2試合消化)

コメント投稿者ID : NID00000525

SHの位置に岡崎選手のような飛び出す動きが良い選手をおいて、1トップが流れたスペースに突っ込ませるのですけど、その「動きながら捌く1トップ」をうまくこなせるのが玉田選手だけなのかな、と。前田選手も期待されたのでしょうけど(前田選手はもう少し前に張り気味でしたが)。今そこで試されているのが平山選手なのですかね。平山選手が機能すれば、玉田選手の別の面も生かせるかと期待します。

SHの大久保選手は中継点になる動きをして、玉田、中村憲剛選手と役回りがかぶってしまっているかもと思いました。
3人のうち一人が飛び出す、裏を取る動きをしても崩すのにいいのかな、と思います。ディティールまでは正直考え切れないのですが…。

岡田監督のいうニアゾーンの攻略(SBとCBの間のルーズになるゾーンに入ってCBをつり出し、できたスペースへの早い飛び出し&ショートパスで崩す)というのも、成功したときはショートパス云々より飛び出す選手の動きだな、と感じますので。

posted by cnq | 2010-02-13 10:45

>ぼちぼち さんへ

コメント投稿者ID : NID00000781

大久保に要求されるプレーは制限された方が良いと思います。
点が取れていないのは、そう言った事と関係があると思っています。
例えばサイドを固定するとか。
ヴィッセルでは役割がはっきりしている方が点を取っています。
彼はいろんな事が出来るフットボーラーなので
色々やりたくなっちゃうんでしょう。

ディフェンスが固定されている件に関しては
今のチームに能力的な要求を満たしていると言う面では
トゥーリオと中澤が突出しているので難しいですね。
でも本番では急に出番が回ってきたのが活躍する、
と言うのがしばしばあるので
そんなのもあるかな、とか思っているとワクワクしませんか?

posted by cerebellum | 2010-02-14 23:53

>cnqさんへ

コメント投稿者ID : NID00000782

玉田がトップの場合はちょっと前に流行だったゼロトップみたいな感じですね。
平山ならはっきりしたワントップです。
平山はFC東京での訓練によってワントップだけども
どこでボールを受けるか、と言うアイディアが豊富になりました。
でも、それはあくまでワントップ的な役割だと思っていて、
玉田とはだいぶ印象が違いました。

>役回りがかぶってしまっているかもと

これはぼくの感じている事と全く一緒ですね。
今後、これが整理されていくのかどうか。
彼らは共通してボールに触りたがりタイプなので、
どこで動く事を抑えるか、と言う事を相談するのが良いんだと思います。

>飛び出す選手の動きだな

これはそのとおりですよね。
本番では森本がその役割をします、たぶん。

posted by cerebellum | 2010-02-15 00:02

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