2008年07月09日

正しい創傷治療と「破傷風」

昨日紹介した読者の方からのお問い合わせのなかに、
「破傷風」のことがありました。
「昔は、破傷風が重大で、まず消毒といわれてきましたので、必要であったのではないのでしょうか?」
この件に関しても、筆者の末武先生がご回答いただいております。
少し長かったので、編集して紹介いたします。

●破傷風と消毒について
破傷風は、体内に入った破傷風菌が産生した神経毒素によって、
全身の筋肉を麻痺し、呼吸困難を起こすなど、死に至る恐ろしい病気です。
発症したら根本的な治療は存在しないので、発症を防ぐこと(予防)が大切。
そのため「土が入り込んだ傷は、消毒して破傷風を防ぐべきではないか」
という考えに至るのだと思います。

しかし、それは違うのです。
土が入り込んだ傷だからといって、それを消毒しても破傷風の予防にはなりません。
破傷風菌は、通常、芽胞(がほう)という状態で休眠しています。
芽胞は半結晶状態なので、煮沸や冷凍処理、乾燥、アルコール消毒などしても、
完全には死滅しません。つまり、消毒しても破傷風予防の効果はないのです。

傷に多量の泥や砂が混入している場合には、専門医療機関で外科的デブリドマンする
(創傷部をよく洗浄し、汚染物を洗い流し、挫滅した組織などを切除してキレイな創面を作り出す方法)
もちろん現場では、大量の水でよく洗い流すくらいしかありません。

通常の消毒薬に効果がないことを、ご理解いただきたいと思います。
なお、破傷風の予防に最も効果的な方法は、
受傷直後に「破傷風ヒト免疫グロブリン」を投与することです。

●サイト紹介
末武信宏先生が、『[傷のケア]:早くキレイに痛みなく治す最新の創傷治療』という
サイトを立ち上げられました。
破傷風と消毒について、詳しくはこちらをご参照ください。

posted by コーチング・クリニック編集長 |11:10 | コメント(0) | トラックバック(0)
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