2008年01月14日
【川嶋、打撃戦で判定負け 33歳元世界王者引退】
(スポナビより)
激闘だった。元王者の意地とボクシング生命最後の思いが伝わってくるような川嶋選手の気迫と闘志。
下馬評では王者有利と言われたこの一戦も、それを覆し釣りがくるくらいに挑戦者は攻め続けた。
王者ムニョス選手の調整不足が伝えられ、追い風も吹き始めたこの一戦、その王者からの追い風を差し引いたとしても彼の挑戦者としての姿勢は怪物王者に対し何度もあわやとも思わせる場面を作った。
序盤相変わらずの大振りな左右のパンチを繰り出すもムニョス選手は寸前でかわすと的確にパンチを打ち込むシーンも見られた。しかし今日も川嶋選手はそれだけでは終わらなかった。
中盤以降明らかに嫌がっていたボディブローが決まり始まると、終始上下左右に動き攻め立てる。しかし王者も間髪いれずに的確に連打を返す。そしこの的確なパンチが結果として王者にベルトを戻す大きな要因であった。
これ以上今日の試合に講釈するつもりはない。今日の川嶋選手は正にチャレンジャーであり、素晴しかった。彼のスタイル全てを出し切ったと言える闘いであった。
12R終了後、私はもしや川嶋選手の勝利かと期待をしてみた。そして川嶋選手へ嬉しい謝罪の記事を書くことための様々な文面を考え、その時を待った。
しかし、判定は無常にも3-0という形で王者ムニョス選手の防衛となった。一瞬詰まりながら、画面に映し出される川嶋選手を見るとその表情は実に晴れ晴れと自分のファイトに納得しているように見えそれが救いでもあった。
本当に悔しく残念だぞ、本当に。今日の川嶋選手を攻めること出来ない。そして今日の試合はダブルバンタム級タイトルマッチ以上にエキサイティングでファンを引き込んだ試合だったかもしれない。
試合後、川嶋選手は試合前にコメントしていた通り‘引退’を発表したようだ。この試合を見たファンの皆さんはどう感じただろう。
私はこれだけの試合をした彼に対し、何か言うことは出来ない。彼が選ぶべき選択が一番正しいのであるから。
川嶋選手、お疲れ様でした。
posted by cartier |23:09 |
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2008年01月13日
【引退覚悟の川嶋=14日にWBA・Sフライ級戦】
(スポナビより)
早くも今年に入り3戦目となる日本人選手による世界タイトルマッチ。
10日に行われた‘ダブルバンタム級タイトルマッチ’において前記事に頂いたコメントにも多かった、勝敗以外での4選手のクリーンなファイト内容に対する賞賛。当然ながら勝利することが重要なのであるが、それ以外の部分で共感出来たことに非常に嬉しく改めて‘ボクシング’を思い直した。
そこで明日14日に行われる世界戦‘王者ムニョスVS背水の元王者川嶋’。
本来ならば話の流れから‘ダブルバンタム級のような・・・’と話は続けたいのだが、この一戦は少々意味合い、ファンの見方も違ってくる。川嶋選手は記者会見で‘引退覚悟’のコメントを出した。そして‘100%勝ちにこだわる’とも。しかしそんな思いとは裏腹にファンの目は厳しい。
このスポナビの‘Yahoo!ズバリ予想’を一つ参考に見てみるとこの記事を書いている時点で参加3,319人の内‘ムニョス選手勝利’とする人が2,180人、一方の‘川嶋選手勝利’とした人は1,062人となっていた。その他77人。
鵜呑みにするつもりは無いのであるが、それでもやはり‘ムニョス選手有利’との声が多いことは事実である。
前記事で頂いたコメントの中で>>PPMさんより‘番狂わせはあるのでしょうか’と尋ねられ、‘早期決着’を仕掛けるという‘奇策’が必要と思う返事をさせて頂いた。真っ向勝負も醍醐味ではある、しかしこの試合ゴング直後から貪欲に勝ちにいかなければ勝利は難しい、いやそれでも勝利する可能性は低いであろう。
そんな状況の中、川嶋選手には、先日のダブルバンタム級タイトルマッチのようなクリーンファイトは全く望まない。とにかく1Rから、1Rだけを注目したい。
ボクシングにおいて‘UP SET’は常に潜んでいる。この試合は現役王者と元王者という図式の戦いでもあることから‘UP SET’という表現は適切ではないのかも知れない。しかし`UP SET’と呼ばれてもいいではないか。
それでも勝利出来たならば。
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2008年01月11日
【長谷川、5度目の防衛 池原は0-3の判定負け】
(スポナビより)
終わった。2つの世界戦。
結果をみると両王者が共に3-0の判定で完勝となったわけであるが、まずは池原選手、世界ランク4位という名に恥じぬファイトを見せてくれた。
勝敗は、果敢に手数は出すものの決め手に欠いた挑戦者とその鉄壁なディフェンスでパンチを押さえ、攻守の切り替えを巧みに操作した王者との差は大差の判定として表れてしまったが、池原選手の最後まで攻め続けた挑戦者らしい姿勢は大勢のファンには十分に伝わったのではないだろうか。私はそう感じた。ただ一つ残念だったのは終始攻撃が単調であり少し変化も必要だったそんな気がした。
一方の王者シドレンコ選手はオリンピック銅メダリスト、アマ戦歴300戦の実績通り効果的にパンチを当てる技術は素晴しい。プロの選手として魅力ある戦い方かと言えば賛否もあるであろうこのスタイル。彼は勝つ術を知っている、そんな頑なな強さを持ったボクサーであった。
そしてWBC王者であり‘世界への1歩’‘移籍後初の試合’となった長谷川選手。その重圧からか序盤は大きく振りぬいたパンチで自身がバランスを崩す場面が度々見られる。そして2R早々マルドロット選手のパンチによる右瞼からの出血。そのラウンド数から不安が過ぎるも持ち前のスピードある左が少しずつ挑戦者を捕らえ始める。マルドロット選手も果敢に打ち返し予想以上の試合展開となった。
最終ラウンド、WBCが行うオープンスコアリング・システムによりここまで大差が付いているマルドロット選手は果敢にロープ際に押し込み激しい打ち合いを演じる。
やはりマルドロット選手も世界ランク1位の選手であり攻撃的な姿勢は見るべきものがあった。
この2試合を見終え、今では定着しつつあるWBCのオープンスコアリング・システムだが、今日の試合では大差であったため挑戦者は自ずとKO必至であり最終ラウンドは反映する形で決死の打ち合いとなった。もし池原選手が挑んだWBAにもこの制度が採用されていたら果たして展開が変わっていた可能性はあるのだろうか。
そして逆にWBCが採用せずWBA同様であった場合あそこまで差がついていたと挑戦者マルドロットサイドは思って戦っていたであろうか。何気なくそんなことも考えてしまった。
最後に今日の2試合、長谷川選手が出血し、応援していた池原選手は敗れてしまったものの、その終始クリーンなボクシングには一ファンとしてスッキリとした満足のいく戦いであった。
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2008年01月10日
【本日注目のWバンタム級世界戦に昔を想う】
いよいよ、本日注目のバンタム級世界戦2つの試合が行われる。
ここ数年、本来リング上で注目されるべきボクシングが、それ以外のエンターテイメント的な部分から始まり試合当日を迎える流れが多かったため、結果として余計な雑念が自ずとインプットされた状態で試合を観させられていたような気がしている。
昨今の興行、イベントの運営状況そして流れから致し方ない部分も多分にあるのだが、過剰な演出は時としてリング上とのギャップに見るものを萎えさせてしまう。
そんな年を明け、本日行われる2つの世界戦。ここまで過剰な報道もなく粛々と当日を迎えたようで私のように幼い頃から泥臭いとも思えるボクシングを観てきた者としては逆に緊張感が高まる、昔家族で見ていた‘世界戦’の雰囲気に似ているのだ。
当たり前のように世界チャンピオンの強さが報道され、日本人チャレンジャーとしては分が悪い。しかしながら大歓声の中見せ場は必ずやってくる・・・そんな当たり前に興奮出来る試合が見れるような気がしている。
久しぶりに雑念の無い真っ白な状態で見ることの出来る、純粋に日本人選手を応援したくなるような‘綺麗に応援出来る’そんな世界戦前の高まる思いなのだ。
今日はどうしてもこの事が書きたくなり、少々日記のような記事になってしまったが、
‘世界の舞台へ一歩を踏み出す長谷川選手’そして‘ようやくたどり着いた世界へ挑む池原選手’両者の立場から思いは様々であろうが、長谷川選手は完全勝利目指し、池原選手は‘勝ち’を目指し戦ってほしい。
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者 長谷川穂積 :24戦22勝(7KO)2敗
挑戦者同級1位 シモーネ・マルドロット(イタリア):27戦26勝(9KO)1敗
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
王者 ウラディミール・シドレンコ(ウクライナ):戦績22戦20勝(7KO)2分
挑戦者同級4位 池原信遂:28戦27勝(19KO)1敗
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2008年01月09日
【絶好調ムニョスに大橋会長超弱気】
(スポナビより)
14日に行われる世界戦を前に王者であるアレクサンデル・ムニョス選手の公開練習が行われ、その怪物ぶりを披露した。ファンの間ではこの対戦に関してムニョス選手の現状での勢い、試合毎に見せられるメンタルの強さと脅威的な破壊力からも今の川嶋選手の挑戦を疑問視する声も多い。そんな中、挑戦者である川嶋選手のジムの大橋会長が弱気な発言をしていたようであるが、果たして川嶋選手に勝機はあるのか?
昨日の記事へ頂いたコメントの中にも今回の川嶋選手の挑戦に関して疑問の声があった。ボクシングファン心理とジムサイドの思惑、志向の違いが浮かび上がった下でのこの一戦、良くも悪くも結果が全てを物語るのではないだろうか。
さて、この様々な観点からも注目される世界戦であるが、実は前の記事へ頂いたコメントの中でHN‘GOLDENじじぃ'さんからもご指摘頂いたアンダーカード。実はこのアンダーカードそのどれもが注目すべき対戦なのだ。
・真鍋 圭太(石川)VS 細野 悟(大橋)
・ローマン・ゴンザレス(帝拳)VS 松本 博志(角海老宝石)
・黒田 雅之(新田)VS 池原 繁尊(横浜光)
“1RKO賞金マッチ”(50万円)と題打たれたこの3試合。そのどれもに可能性を秘めた激闘の予感がする。
3試合全て期待出来るカードであるが、特筆すべき選手は‘ローマン・ゴンザレス’(ニカラグア)選手である。
WBA世界ミニマム級1位であり、14戦14勝14KO無敗という実績と共に来日。
11月の日本リング初戦では現王者新井田戦以外負けの無い強豪‘エリベルト・ゲホン’選手に何もさせずKO勝利。ゲホン選手が動き出す前に倒されてしまった感はあるものの、左アッパーのコンビネーションは圧巻でそのレバーブローの破壊力は強烈。20発放ったパンチの内、実に17発は左であり右の3発は合わせる程度でしかなかった。更に恐ろしいことにここまでの技術を持つ彼はまだ20歳という若さなのである。
世界は広い、いや広すぎると改めて感じさせられた一戦であった。
このゲホン戦1戦しか見ていないため、全てを語ることは出来ないが、本物感のある選手であることは間違いない。
そんな‘ローマン・ゴンザレス’選手と対戦する‘松本 博志’選手であるが、彼は過去、1999年5月当時WBAミニマム級暫定王者であった‘ソンクラーム・ポー・パオイン’(タイ)に判定ながら勝利した戦歴を持つ。今回の対戦相手も間違い無く実力は王者クラスであり厳し過ぎる相手である。果たしてあの左手のみのコンビネーションを対処出来るか?この1点で試合は決まってしまうであろう。しかし何が起こるか分からない‘UPSET’が潜むのもボクシングであり、現にそんな経験をしてきた松本選手。その部分にも注目してみたい。
最後に他の2試合もかなり注目していて書き出すときりが無いためここまでにするが‘黒田 雅之’‘細野 悟’選手にも注目している。
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2008年01月06日
【長谷川を筆頭に、池原、川嶋が世界に挑む】
今年初のボクシング記事となります。
ボクシングファンの方、今年も屈託の無いご意見宜しくお願い致します。
*
昨年は様々な出来事、社会現象にもなり注目を集めた日本ボクシング界であるが、果たして今年のボクシング、取り分け日本ボクシング界はどのような年になるのだろうか。
さて、新年早々に世界タイトルマッチが3試合行われる。以前の記事の通りまずは10日に行われる注目のバンタム級Wタイトルマッチ
‘WBC王者 長谷川 穂積 VS 同級1位 シモーネ・マルドロット’
‘WBA王者 ウラディミール・シドレンコ VS 同級4位 池原 信遂’
さらに4日後の1月14日にはこちらの記事でも取り上げた
‘WBA世界スーパーフライ級王者 アレクサンデル・ムニョス VS 元WBC世界スーパーフライ級王者 川嶋 勝重’戦が行われる。
この3試合それどれの期待、背景など思いは前回の記事で書いているので現時点で新に述べる事は特別ないのであるが、ここへきて前回の発表記者会見時より更に興味が湧いてきたカードがある。‘シドレンコVS池原’戦だ。
この王者シドレンコ選手は日本ではあまり馴染みの無い王者であるが、アマチュア時代にはシドニーオリンピックフライ級で銅メダルを獲得している実力者でもある。だが必ずしもアマチュア時代に好成績を残り、オリンピックでメダルを取ろうとも必ずしもプロで開花するとも言い切れない。
そんな中、プロ転向後も実力に磨きを掛けこれまでのプロ通算が22戦20勝(7KO)2分と無敗を誇る安定王者として君臨している。その対戦相手の中には、これまで過去に2階級制覇の戸高秀樹や、WBA世界S・フライ級元王者セレス小林選手などと熱戦を繰り広げたあの‘レオ・ガメス’選手やWBA世界バンタム級暫定王者‘フリオ・サラテ’選手とも対戦し勝利を収めている。
ここまで書いてしまうと挑戦者である池原選手に勝ち目が薄いように思える。現実として厳しい試合なることは間違い無いであろう。
しかし、この試合お互いのファイトスタイルが似ている部分が多く、一瞬の畳み掛ける際、打ち合いになれば見せ場もありそうな気がしている。そして池原選手にとってはそこが勝負の分かれ目となるのではないかと。
この一戦、個人的には日本ボクシング界の繁栄を望む意味からも事実上最初で最後の世界戦である池原選手に頑張って貰いたい気持ちと、一ボクシングファンとして日本のリングでシドレンコ選手が見れることの嬉しさとが入り混じり何とも贅沢な一戦となりそうである。
最後に冒頭にも触れた今年の日本ボクシング界の展望として私が思うに、ここ数年で着実に実力を付け、試合をこなしてきた選手が飛躍する年になるような気が、そうなってほしい年である。その意味では既に始まった今年のチャンピオンカーニバルは大変興味深いカードが揃い、楽しみである。チャンピオンカーニバルについては次の機会に書こうと思っている。
posted by cartier |23:02 |
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2008年01月03日
【大晦日2大イベント…終わってみれば‘やれんか!’】
明けましておめでとうございます。
昨年中は様々な多くの方にコメントを頂き大変有意義な年でありました。今年も様々な観点から記事を書くことが出来ればいいと思っております。宜しくお願い致します。
さて、大晦日は今までと同様に‘やれんのか!’をリアルタイム、‘Dynamite!!’は録画し翌日に見終えた。同じ‘総合格闘技イベント’‘大連立’とは言ったものの、自分の中ではコンセプトの違う2大会であるという認識であった。その認識の上でも結果としてはやはり‘やれんのか!’に尽きてしまいTBSでの‘Dynamite!!’には限界を感じてしまった。
‘やれんのか!’は公式発表から大晦日までの僅かな期間で開催したイベントとは思えぬほどの出来栄えであった。
*
そしてそれは戻ってきた。放送開始はいつもと変わらぬ会場風景から始まり、第一声が会場に発せられると会場は瞬時に反応し歓声が響き渡る。続いてドクター・ジャッジ・レフェリーが、コールされる毎に大小の歓声が渦巻く。この会場に訪れたファンはこのイベントの観る術、楽しみ方を判っている。格闘技のイベントでここまで選手以外の人々に歓声や反応が素直に現れるイベントも類を見ない。格闘技に本来求められるものは‘マッチメーク’‘試合内容’そして‘試合結果’であるが、そこへ向けられるファンの声と同様な思いが関係者全てにも届けとばかりに送られていたように思え、自然と目頭が熱くなっていた。
今回の‘やれんのか!’でも注目を集めている佐藤氏による‘煽りV’が始まる。佐藤氏曰く、過去映像が全く使用出来ないため相当苦労している、と言われていたが、個性あるファイター達の‘その後’を見事に映し捉える。そのセンスの良さと相変わらずのクオリティの高さには総合格闘技を忘れてしまうほどドラマチックに仕上げ、悔しさにも似た‘やられた’感に酔わされた。さらに追い討ちをかけるように立木氏の‘ファンの皆様’の第一声でそれは溢れ出た。
和太鼓と高田氏というファンも見慣れた安心出来る演出から選手入場が始まり、場内のボルテージは急加速し‘秋山’選手のコールで空気は一変し一度目の頂点に達した。だが、その頂点はつぎの選手コールへの布石に過ぎなかった。PRIDE過去10年間においてこれほどまでに‘正義’と悪’‘白と黒’とに色分けされた客席の反応は記憶に無い。だが、これで終わりではないのが今大会。メインを飾るべく最後に登場した‘ヒョードル’選手がその勇士を現した瞬間、これまで通りの大会が始まった。
この余韻覚めやらぬまま、第一試合が始まった。ここから全ての試合に関して長短の感想を書いてみる。
【ローマン・ゼンツォフ●VS○マイク・ルソー】
キャリアと知名度でゼンツォフ選手有利かと思われたこの試合。一瞬のタックルからのテイクダウンでルソー選手が典型的なアメリカレスリングベースの戦い方を仕掛けた。スタンドを得意とするゼンツォフ選手にはあの方法がベストであろう。ルソー選手のグランドでのポジショニング、体重移動は完璧だった。
【川尻 達也○VS●ルイス・アゼレード】
スタンドでの打撃戦と思われたこの試合であったが、アゼレード選手が下になるグランドでの攻防となり、圧力で上回る川尻選手が後一歩の攻撃を繰り出しながらも判定決着。アゼレード選手はあの展開になると勝機は見えないため、グランドからの移行する技術向上が不可欠。
【瀧本誠○VS●ムリーロ・ブスタマンチ】
前回の記事で瀧本選手を取り上げた際、その反応は散々であった。しかし自分が瀧本選手に関して取り上げた部分は間違いではなかったと、一安心。但し満足出来る内容とは当然言えず、まだまだ総合格闘家への通過点にしか過ぎず、勝敗の問題ではない。
【石田 光洋○VS●ギルバート・メレンデス】
五味戦の完敗からのようやく迎えたこの一戦。彼のこの試合に掛ける思いは相当なものであったのではないであろうか。
そんな気持ちの伝わってくる展開。石田、メレンデスともに強靭なスタミナを誇る2人だけに見ている方も力が抜けない。メレンデス選手が一瞬その必要な攻めに緊張の途切れにも似た場面も見られ、終始先手を打って攻めた石田選手に軍配が上がった。試合後メレンデス選手はリマッチを要求し、石田選手は拒んだが私ももう一度見たい。そしてそろそろ判定勝ちを乗り越える石田選手に期待したい。
【三崎 和雄○VS●秋山 成勲】
勝敗によってはここまで一丸となって流れていた‘やれんのか!’の空気が一変し、ここまでの他の試合をも消してしまう可能性を秘めた危険な試合。
秋山選手に緊張の色は見えず、一方の三崎選手は時折り強張る表情も覗かせる。開始直後三崎選手のフェイントを掛ける動きにも秋山選手は微動だにせず、前蹴りを繰り出す。その秋山選手を中心に三崎選手が回る展開となり、お互いけん制をするまま時間が過ぎる。
秋山選手が脅威的なスピードで放ったワンツーが三崎選手の顔面を捉え崩れ落ちる。畳み掛けるように秋山選手のパウンド。勝負あったように思われたこの場面であったが、三崎選手は瞬時に体勢を整え立ち上がる。
そしてあの場面を向かえることとなる。不穏な空気をかき消すような三崎選手への大歓声の中、三崎選手の振りぬいた左フックが秋山選手の右頬から鼻先を打ち抜いた。
腰を落とし座り込む秋山選手。ダメージの残る中すぐに起き上がろうとする瞬間、三崎選手の右の蹴りが顔面にクリーンヒットし勝利。
結果としてスタンドでの決着となり、共通のバックボーンである‘柔道’の文字は過去の遺物となっている。三崎選手は既に7年の総合格闘技歴により完全な総合格闘家と進化を遂げたが、一方の秋山選手はわずか3年でこの進化は脅威である。
エメリヤーエンコ・ヒョードル○VS●チェ・ホンマン
この試合2度、下になったヒョードル選手であったが危なげなく仕留めた試合であった。
本来ならばメインを飾り、‘Dynamite!!’では録画放送されるはずであったこのカードだが、急遽TBSサイドの意向により生放送されることとなったため6試合目に繰り上がった。会場のファンには‘地上波が帰って来ました’などと一種の煽りとも思えるアナウンスを懸命に伝え続けていた。このシーン、チケットを買って会場に足を運んだファンにとっては正直なところあまり関係の無い話である。観客にとってはこの場に及んで生放送で地上波に流れることを望んでいるとは到底感じず、メインがいきなり始まってしまうことへの戸惑いの色が濃く滑稽で一体感の薄れた反応となってしまった。
何よりも試合をする選手本人に失礼な話である。もともとこのような状況があり得ると聞かされていたのかは定かでないが、残り2試合後に控えたモチベーションの維持。今回、ヒョードル選手だったためその表情を読み取ることは出来なかったが、普通の選手であれば試合にも影響し兼ねない。‘大連立’におけるイベント運営手法として致し方ないと思うべきなのか。
桜井“マッハ”速人○VS●長谷川 秀彦
何ともシックリしない、噛み合わない試合となってしまった。
試合の内容もさることながら、‘三崎VS秋山’‘ヒョードルVSホンマン’戦の後でのこの試合。一種の‘箸休め’的時間となってしまったことは否めず大変残念であった。‘豪華創作料理フルコース’で腹がいっぱいになった直後に美味しい‘和菓子’を進められても中々箸は進まない。そんな感じであった。正直なところこのマッチメークであれば初めから2試合目辺りでも良かった気がした。
青木 真也○VS●チョン・ブギョン
急遽大晦日のメインとなってしまったこのカード。
そんな青木選手に気負いがあったのであろうか、ヨアキム・ハンセン戦を筆頭に過去総合で結果を残している選手達を相手に全て1R以内に一本勝ちを収めている青木選手。そんな青木選手に対し本当に総合初戦で、急なオファーだったのか?と疑いたくなるほどグランドでの青木選手の動きに対応していたブギョン選手。元オリンピック柔道銀メダリストという肩書きはあるものの、パウンドでの打撃を受けているシーンからはまだまだ未熟差が露呈しており、凄く違和感を感じてしまった。この短期間にあれだけの対応が出来るのであればかなりポテンシャルの高い選手という事になるのだが・・・。
とりあえず本日は当日の大会を総括してみた。その後の動きに関しては、改めて書く必要があると判断出来れば書きたいと思う。
posted by cartier |14:17 |
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