2008年02月04日
【東洋太平洋Sフェザー級タイトルマッチ、王者内山高志TKO勝利も課題を残す】
気がつけば早いものでもう2月。先月の川嶋選手の激闘を記事にして以来随分と更新出来ませんでした。というのも書く事がなかったというわけではなく単に自分の仕事が鬼のように忙しくPCを立ち上げることが出来ない日があったりと。。
おかげさまで川嶋選手の世界戦については数多くのコメントと気が付けばスポナビさんのおすすめエントリーとなっていたりと本当に感謝しています。
しばらくは更新が不規則となり、興味を持って頂いている方々には申し訳無いのですが、どうか長い目で見て頂ければ幸いです。
本日は時間がようやく空き、さらに2日に行われた東洋太平洋のタイトルマッチ後というタイミングであったので感想を書いてみたいと思います。
東洋太平洋Sフェザー級タイトルマッチ
王者内山高志(ワタナベ)VS挑戦者山崎晃(六島)
この一戦王者内山選手としてはタイトルを獲得し、自身の初防衛戦と世界へ向けた一歩としてプレッシャーの掛かった試合であった。
対戦相手の山崎選手を今回始めて見たのだが、アマチュア経験があるが、プロデビューは26歳と遅い。試合前の大方の見方としては王者内山選手目線であることはその輝かしい実績からも致し方ないであろう。
しかし実際に試合が始まりラウンドを重ねる毎に私は挑戦者である‘山崎晃’というボクサーに大変好感を持ち、最近見失っていた‘ボクシングの根っ子’のようなものを見た気がしていた。
試合は一発でその強烈なパンチ力を観客に誇示してしまった王者内山選手が的確にパンチを上下に打ち分け10RTKO勝利という結果に終わった。ただこの試合王者のパンチ力と共にそのパンチを受けながらも常にアグレッシブに前に出てパンチを繰り出していった挑戦者の驚異的なタフネスぶりも圧巻であったのだ。
解説では挑戦者の山崎選手は建設現場で荷揚げの仕事をこなす傍らボクシングをしていると言う。その紹介通り入場シーンでは最近見ることの少ない独特なヘルメットに作業着という出で立ちで、王者との華やかさとは対照的であった。
破壊力、テクニックと言う点では明らかに王者が上である。そのことに関して試合前のインタビューで挑戦者の山崎選手はそれを理解し‘自分の出来る限りで苦しめたい’‘玉砕覚悟’という言葉を冷静にコメントしていた。
そしてそのコメント通り、試合が始まると常に前に出てパンチを放ち時折り王者が顎を上げるシーンも見られた。
そのファイトスタイルは決して万人に受けるとは言えない、言い方は悪いかもしれないが、‘泥臭い’攻撃を繰り出す挑戦者と冷静且つ的確にパンチを叩き込む王者という図式となった。
パンチ力の差も歴然としており、いつたたみ込まれてもおかしくない展開が続くが、守ることなく挑戦者である山崎選手は‘自分の出切る限り’を繰り出した。
見ている私が‘うっ’と声が出てしまうほどの王者の左ボディ。
そんな王者に対しラウンド終了毎にそのファイトスタイルとは違った実にスポーツマンらしい表情を見せる挑戦者。
過去10年間一度もダウンをしたことのない挑戦者山崎選手らしく、そのタフネスぶりには驚かされた。そしてその‘泥臭い’闘いが何だか無性に嬉しくなってしまい、昔観ていた‘昭和のボクシング’を思い起こさせた。
相手のあるボクシングにおいて勝ち負けは別としても‘有言実行’は難しい。
結果としては10RTKOであったが、その10RにおいてセコンドからGOサインが出され、その通りTKO勝利した王者内山選手は当然ながら素晴しい。しかし今回は王者内山選手にとって勝利以上に大変貴重な経験となったのではないか。この時期にここまでタフな選手と対戦出来たことは間違いなく今後の防衛戦、さらには目指す世界挑戦にも生きてくるであろう。
そして試合前のコメント通りに‘自分の出切る限り’を実行し、挑戦者に必要な常に前に出て攻める姿勢を実戦し敗れ去った山崎選手。近年ボクシングスタイルとして‘打たれずに綺麗に倒す’ことを掲げるボクサーが多い。もちろんそこまで技術を高め試合に望むことも良い。しかし気迫を前面に出し、アグレッシブに挑む‘泥臭いスタイル’も良いではないか。
もちろん勝敗が重要である、しかし観客に魅せ、伝えるボクシングをするのもプロのボクサーには必要なのである。今回の‘ボクシングの根っ子’のようなファイトを見せてくれた山崎選手に私は心から‘ナイスファイト’と言いたい。
posted by cartier |18:17 |
ボクシング |
コメント(8) |
トラックバック(0)
2008年01月14日
【川嶋、打撃戦で判定負け 33歳元世界王者引退】
(スポナビより)
激闘だった。元王者の意地とボクシング生命最後の思いが伝わってくるような川嶋選手の気迫と闘志。
下馬評では王者有利と言われたこの一戦も、それを覆し釣りがくるくらいに挑戦者は攻め続けた。
王者ムニョス選手の調整不足が伝えられ、追い風も吹き始めたこの一戦、その王者からの追い風を差し引いたとしても彼の挑戦者としての姿勢は怪物王者に対し何度もあわやとも思わせる場面を作った。
序盤相変わらずの大振りな左右のパンチを繰り出すもムニョス選手は寸前でかわすと的確にパンチを打ち込むシーンも見られた。しかし今日も川嶋選手はそれだけでは終わらなかった。
中盤以降明らかに嫌がっていたボディブローが決まり始まると、終始上下左右に動き攻め立てる。しかし王者も間髪いれずに的確に連打を返す。そしこの的確なパンチが結果として王者にベルトを戻す大きな要因であった。
これ以上今日の試合に講釈するつもりはない。今日の川嶋選手は正にチャレンジャーであり、素晴しかった。彼のスタイル全てを出し切ったと言える闘いであった。
12R終了後、私はもしや川嶋選手の勝利かと期待をしてみた。そして川嶋選手へ嬉しい謝罪の記事を書くことための様々な文面を考え、その時を待った。
しかし、判定は無常にも3-0という形で王者ムニョス選手の防衛となった。一瞬詰まりながら、画面に映し出される川嶋選手を見るとその表情は実に晴れ晴れと自分のファイトに納得しているように見えそれが救いでもあった。
本当に悔しく残念だぞ、本当に。今日の川嶋選手を攻めること出来ない。そして今日の試合はダブルバンタム級タイトルマッチ以上にエキサイティングでファンを引き込んだ試合だったかもしれない。
試合後、川嶋選手は試合前にコメントしていた通り‘引退’を発表したようだ。この試合を見たファンの皆さんはどう感じただろう。
私はこれだけの試合をした彼に対し、何か言うことは出来ない。彼が選ぶべき選択が一番正しいのであるから。
川嶋選手、お疲れ様でした。
posted by cartier |23:09 |
ボクシング |
コメント(21) |
トラックバック(1)
2008年01月13日
【引退覚悟の川嶋=14日にWBA・Sフライ級戦】
(スポナビより)
早くも今年に入り3戦目となる日本人選手による世界タイトルマッチ。
10日に行われた‘ダブルバンタム級タイトルマッチ’において前記事に頂いたコメントにも多かった、勝敗以外での4選手のクリーンなファイト内容に対する賞賛。当然ながら勝利することが重要なのであるが、それ以外の部分で共感出来たことに非常に嬉しく改めて‘ボクシング’を思い直した。
そこで明日14日に行われる世界戦‘王者ムニョスVS背水の元王者川嶋’。
本来ならば話の流れから‘ダブルバンタム級のような・・・’と話は続けたいのだが、この一戦は少々意味合い、ファンの見方も違ってくる。川嶋選手は記者会見で‘引退覚悟’のコメントを出した。そして‘100%勝ちにこだわる’とも。しかしそんな思いとは裏腹にファンの目は厳しい。
このスポナビの‘Yahoo!ズバリ予想’を一つ参考に見てみるとこの記事を書いている時点で参加3,319人の内‘ムニョス選手勝利’とする人が2,180人、一方の‘川嶋選手勝利’とした人は1,062人となっていた。その他77人。
鵜呑みにするつもりは無いのであるが、それでもやはり‘ムニョス選手有利’との声が多いことは事実である。
前記事で頂いたコメントの中で>>PPMさんより‘番狂わせはあるのでしょうか’と尋ねられ、‘早期決着’を仕掛けるという‘奇策’が必要と思う返事をさせて頂いた。真っ向勝負も醍醐味ではある、しかしこの試合ゴング直後から貪欲に勝ちにいかなければ勝利は難しい、いやそれでも勝利する可能性は低いであろう。
そんな状況の中、川嶋選手には、先日のダブルバンタム級タイトルマッチのようなクリーンファイトは全く望まない。とにかく1Rから、1Rだけを注目したい。
ボクシングにおいて‘UP SET’は常に潜んでいる。この試合は現役王者と元王者という図式の戦いでもあることから‘UP SET’という表現は適切ではないのかも知れない。しかし`UP SET’と呼ばれてもいいではないか。
それでも勝利出来たならば。
posted by cartier |22:48 |
ボクシング |
コメント(8) |
トラックバック(0)
2008年01月11日
【長谷川、5度目の防衛 池原は0-3の判定負け】
(スポナビより)
終わった。2つの世界戦。
結果をみると両王者が共に3-0の判定で完勝となったわけであるが、まずは池原選手、世界ランク4位という名に恥じぬファイトを見せてくれた。
勝敗は、果敢に手数は出すものの決め手に欠いた挑戦者とその鉄壁なディフェンスでパンチを押さえ、攻守の切り替えを巧みに操作した王者との差は大差の判定として表れてしまったが、池原選手の最後まで攻め続けた挑戦者らしい姿勢は大勢のファンには十分に伝わったのではないだろうか。私はそう感じた。ただ一つ残念だったのは終始攻撃が単調であり少し変化も必要だったそんな気がした。
一方の王者シドレンコ選手はオリンピック銅メダリスト、アマ戦歴300戦の実績通り効果的にパンチを当てる技術は素晴しい。プロの選手として魅力ある戦い方かと言えば賛否もあるであろうこのスタイル。彼は勝つ術を知っている、そんな頑なな強さを持ったボクサーであった。
そしてWBC王者であり‘世界への1歩’‘移籍後初の試合’となった長谷川選手。その重圧からか序盤は大きく振りぬいたパンチで自身がバランスを崩す場面が度々見られる。そして2R早々マルドロット選手のパンチによる右瞼からの出血。そのラウンド数から不安が過ぎるも持ち前のスピードある左が少しずつ挑戦者を捕らえ始める。マルドロット選手も果敢に打ち返し予想以上の試合展開となった。
最終ラウンド、WBCが行うオープンスコアリング・システムによりここまで大差が付いているマルドロット選手は果敢にロープ際に押し込み激しい打ち合いを演じる。
やはりマルドロット選手も世界ランク1位の選手であり攻撃的な姿勢は見るべきものがあった。
この2試合を見終え、今では定着しつつあるWBCのオープンスコアリング・システムだが、今日の試合では大差であったため挑戦者は自ずとKO必至であり最終ラウンドは反映する形で決死の打ち合いとなった。もし池原選手が挑んだWBAにもこの制度が採用されていたら果たして展開が変わっていた可能性はあるのだろうか。
そして逆にWBCが採用せずWBA同様であった場合あそこまで差がついていたと挑戦者マルドロットサイドは思って戦っていたであろうか。何気なくそんなことも考えてしまった。
最後に今日の2試合、長谷川選手が出血し、応援していた池原選手は敗れてしまったものの、その終始クリーンなボクシングには一ファンとしてスッキリとした満足のいく戦いであった。
posted by cartier |00:51 |
ボクシング |
コメント(19) |
トラックバック(0)
2008年01月10日
【本日注目のWバンタム級世界戦に昔を想う】
いよいよ、本日注目のバンタム級世界戦2つの試合が行われる。
ここ数年、本来リング上で注目されるべきボクシングが、それ以外のエンターテイメント的な部分から始まり試合当日を迎える流れが多かったため、結果として余計な雑念が自ずとインプットされた状態で試合を観させられていたような気がしている。
昨今の興行、イベントの運営状況そして流れから致し方ない部分も多分にあるのだが、過剰な演出は時としてリング上とのギャップに見るものを萎えさせてしまう。
そんな年を明け、本日行われる2つの世界戦。ここまで過剰な報道もなく粛々と当日を迎えたようで私のように幼い頃から泥臭いとも思えるボクシングを観てきた者としては逆に緊張感が高まる、昔家族で見ていた‘世界戦’の雰囲気に似ているのだ。
当たり前のように世界チャンピオンの強さが報道され、日本人チャレンジャーとしては分が悪い。しかしながら大歓声の中見せ場は必ずやってくる・・・そんな当たり前に興奮出来る試合が見れるような気がしている。
久しぶりに雑念の無い真っ白な状態で見ることの出来る、純粋に日本人選手を応援したくなるような‘綺麗に応援出来る’そんな世界戦前の高まる思いなのだ。
今日はどうしてもこの事が書きたくなり、少々日記のような記事になってしまったが、
‘世界の舞台へ一歩を踏み出す長谷川選手’そして‘ようやくたどり着いた世界へ挑む池原選手’両者の立場から思いは様々であろうが、長谷川選手は完全勝利目指し、池原選手は‘勝ち’を目指し戦ってほしい。
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者 長谷川穂積 :24戦22勝(7KO)2敗
挑戦者同級1位 シモーネ・マルドロット(イタリア):27戦26勝(9KO)1敗
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
王者 ウラディミール・シドレンコ(ウクライナ):戦績22戦20勝(7KO)2分
挑戦者同級4位 池原信遂:28戦27勝(19KO)1敗
posted by cartier |12:52 |
ボクシング |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年01月09日
【絶好調ムニョスに大橋会長超弱気】
(スポナビより)
14日に行われる世界戦を前に王者であるアレクサンデル・ムニョス選手の公開練習が行われ、その怪物ぶりを披露した。ファンの間ではこの対戦に関してムニョス選手の現状での勢い、試合毎に見せられるメンタルの強さと脅威的な破壊力からも今の川嶋選手の挑戦を疑問視する声も多い。そんな中、挑戦者である川嶋選手のジムの大橋会長が弱気な発言をしていたようであるが、果たして川嶋選手に勝機はあるのか?
昨日の記事へ頂いたコメントの中にも今回の川嶋選手の挑戦に関して疑問の声があった。ボクシングファン心理とジムサイドの思惑、志向の違いが浮かび上がった下でのこの一戦、良くも悪くも結果が全てを物語るのではないだろうか。
さて、この様々な観点からも注目される世界戦であるが、実は前の記事へ頂いたコメントの中でHN‘GOLDENじじぃ'さんからもご指摘頂いたアンダーカード。実はこのアンダーカードそのどれもが注目すべき対戦なのだ。
・真鍋 圭太(石川)VS 細野 悟(大橋)
・ローマン・ゴンザレス(帝拳)VS 松本 博志(角海老宝石)
・黒田 雅之(新田)VS 池原 繁尊(横浜光)
“1RKO賞金マッチ”(50万円)と題打たれたこの3試合。そのどれもに可能性を秘めた激闘の予感がする。
3試合全て期待出来るカードであるが、特筆すべき選手は‘ローマン・ゴンザレス’(ニカラグア)選手である。
WBA世界ミニマム級1位であり、14戦14勝14KO無敗という実績と共に来日。
11月の日本リング初戦では現王者新井田戦以外負けの無い強豪‘エリベルト・ゲホン’選手に何もさせずKO勝利。ゲホン選手が動き出す前に倒されてしまった感はあるものの、左アッパーのコンビネーションは圧巻でそのレバーブローの破壊力は強烈。20発放ったパンチの内、実に17発は左であり右の3発は合わせる程度でしかなかった。更に恐ろしいことにここまでの技術を持つ彼はまだ20歳という若さなのである。
世界は広い、いや広すぎると改めて感じさせられた一戦であった。
このゲホン戦1戦しか見ていないため、全てを語ることは出来ないが、本物感のある選手であることは間違いない。
そんな‘ローマン・ゴンザレス’選手と対戦する‘松本 博志’選手であるが、彼は過去、1999年5月当時WBAミニマム級暫定王者であった‘ソンクラーム・ポー・パオイン’(タイ)に判定ながら勝利した戦歴を持つ。今回の対戦相手も間違い無く実力は王者クラスであり厳し過ぎる相手である。果たしてあの左手のみのコンビネーションを対処出来るか?この1点で試合は決まってしまうであろう。しかし何が起こるか分からない‘UPSET’が潜むのもボクシングであり、現にそんな経験をしてきた松本選手。その部分にも注目してみたい。
最後に他の2試合もかなり注目していて書き出すときりが無いためここまでにするが‘黒田 雅之’‘細野 悟’選手にも注目している。
posted by cartier |00:01 |
ボクシング |
コメント(3) |
トラックバック(0)
2008年01月06日
【長谷川を筆頭に、池原、川嶋が世界に挑む】
今年初のボクシング記事となります。
ボクシングファンの方、今年も屈託の無いご意見宜しくお願い致します。
*
昨年は様々な出来事、社会現象にもなり注目を集めた日本ボクシング界であるが、果たして今年のボクシング、取り分け日本ボクシング界はどのような年になるのだろうか。
さて、新年早々に世界タイトルマッチが3試合行われる。以前の記事の通りまずは10日に行われる注目のバンタム級Wタイトルマッチ
‘WBC王者 長谷川 穂積 VS 同級1位 シモーネ・マルドロット’
‘WBA王者 ウラディミール・シドレンコ VS 同級4位 池原 信遂’
さらに4日後の1月14日にはこちらの記事でも取り上げた
‘WBA世界スーパーフライ級王者 アレクサンデル・ムニョス VS 元WBC世界スーパーフライ級王者 川嶋 勝重’戦が行われる。
この3試合それどれの期待、背景など思いは前回の記事で書いているので現時点で新に述べる事は特別ないのであるが、ここへきて前回の発表記者会見時より更に興味が湧いてきたカードがある。‘シドレンコVS池原’戦だ。
この王者シドレンコ選手は日本ではあまり馴染みの無い王者であるが、アマチュア時代にはシドニーオリンピックフライ級で銅メダルを獲得している実力者でもある。だが必ずしもアマチュア時代に好成績を残り、オリンピックでメダルを取ろうとも必ずしもプロで開花するとも言い切れない。
そんな中、プロ転向後も実力に磨きを掛けこれまでのプロ通算が22戦20勝(7KO)2分と無敗を誇る安定王者として君臨している。その対戦相手の中には、これまで過去に2階級制覇の戸高秀樹や、WBA世界S・フライ級元王者セレス小林選手などと熱戦を繰り広げたあの‘レオ・ガメス’選手やWBA世界バンタム級暫定王者‘フリオ・サラテ’選手とも対戦し勝利を収めている。
ここまで書いてしまうと挑戦者である池原選手に勝ち目が薄いように思える。現実として厳しい試合なることは間違い無いであろう。
しかし、この試合お互いのファイトスタイルが似ている部分が多く、一瞬の畳み掛ける際、打ち合いになれば見せ場もありそうな気がしている。そして池原選手にとってはそこが勝負の分かれ目となるのではないかと。
この一戦、個人的には日本ボクシング界の繁栄を望む意味からも事実上最初で最後の世界戦である池原選手に頑張って貰いたい気持ちと、一ボクシングファンとして日本のリングでシドレンコ選手が見れることの嬉しさとが入り混じり何とも贅沢な一戦となりそうである。
最後に冒頭にも触れた今年の日本ボクシング界の展望として私が思うに、ここ数年で着実に実力を付け、試合をこなしてきた選手が飛躍する年になるような気が、そうなってほしい年である。その意味では既に始まった今年のチャンピオンカーニバルは大変興味深いカードが揃い、楽しみである。チャンピオンカーニバルについては次の機会に書こうと思っている。
posted by cartier |23:02 |
ボクシング |
コメント(11) |
トラックバック(0)
2007年12月31日
【来年は飛躍の年となれ!日本ボクシング界】
いきなりですが、本日は年末のご挨拶ということで論調を変えさせて頂きます。(笑)
タイトルなのですが、散々迷った挙句にわかりやすさと言う点で、今回に限り大変恐縮ではありますが、恥を忍んで自分のブログ名をつけさせて頂きます。
年末のご挨拶は‘格闘技’のカテゴリーの中でもさせて頂いたのですが、所謂‘格闘技’と‘ボクシング’では見る方の層が全く違う為こちらでも改めてご挨拶をさせて頂きたいと思います。
大晦日に大きなイベントがある総合格闘技とは違い、ボクシングは年明けに予定されています。そのためその話題は年明けという事とします。ではどのような内容にしようか考えるとありきたりに‘ボクシング界の1年を振り返って’などということになるのですが、前回の記事で内藤選手に関する振り返りを記事にしてしまい、それ以外でこのブログに取り上げた主な記事というとそのほとんどが‘日本ボクシング界’の話でした。
正直なところこの部分で話をしても‘内藤’選手にたどり着いてしまう気がします。そんな一年でありました。
ということでここでは簡単なご挨拶に留めようと思います。
ここでのブログを初めて半年が経過致しましたが、その間様々な数多くの厳しいご意見、疑問、同調頂くご意見、煽り(笑)等を頂きその全てに大変感謝しております。ほとんど気にしていないのですがアクセス数コメント共に驚く数字だったのは‘ボクシング’記事でした。
その中でも論調などからも一部誤解を招くこともあり、その点につきましては大変申し訳なく思っております。
ただ、一つ言いわせて頂ければ‘ボクシングを考える’というこの一点でご理解頂けたらと思います。
さて、今年は私の現在の環境が世界に関して的確に意見することが可能では無いと感じており、主に日本ボクシング界の記事を書いて参りましたが、来年は少しずつ‘一子相伝の資料’(笑)を紐解きながら日本と世界に関して書ければと思っております。
カテゴリーの中に‘名選手・名勝負ライブラリー’があるのですが、映像の環境が整っていない現状なので少々残念ですが、保留状態でした。今後はこちらも別な形で進めてみたいと考えております。
それでは来年も宜しくお願い致します。
スポナビ事務局の方々お疲れ様でした、来年も宜しくお願い致します。
posted by cartier |12:51 |
ボクシング |
コメント(7) |
トラックバック(0)
2007年12月18日
【内藤2冠達成!MVP&年間最高試合】
(スポナビより)
このブログで応援し続けた、WBC世界フライ級王者の内藤大助選手(宮田)が今年の最優秀選手(MVP)と年間最高試合の2冠を受賞した。
文字通りこの一年でもっとも活躍し、その実績が評価されるべき選手であることは間違い無く、常に応援し続けていた私としても大変喜ばしく、そして救われた思いに尽きる。
既にご存知でもあるように王者となるまでの前王者ポンサクレック選手との2度の世界戦は決して誇れるものではなく、世界フライ級タイトルマッチ史上最短KO記録となる無残な結果を残し、さらに再戦においても負傷判定負けという運にも見放された感すら漂っていた。3度目の世界戦が決定するもTV放送の撤退やスポンサー不足等から困難を極めた。しかしながらその後時間を経てようやく3度目の世界戦へと漕ぎ着けることとなる。
3度目の世界戦を経験するという、ボクサーとしては恵まれ過ぎている状況の中で3度目にして彼はその期待に見事応え世界王者となった。
その期待と重圧は将来を嘱望された若いボクサーとは異なり32歳という‘大人のボクサー’にとっては当然ながら様々な精神的な弊害も伴なったであろう。
この想像図り得ぬ重圧を乗り越え見事王者となったこの前王者ポンサクレック戦が受賞対象となったことは本当に報われる。
そして話題と言う点においては今やボクシングを知らない人でも語ることが出来うるであろう、あの‘世紀の世界戦’だ。
試合決定後から、私は内藤選手に対してこのブログで応援記事を書き始め、様々なコメントを頂いた。
その多くは‘既に協栄ジムに買収されている’だの‘裏工作’が進んでいて結果は明らかと示唆する半ば諦めムードのコメントであった。ファンがそのように思っていたのか真意は判断しかねるが、そう思っても致し方ないかのようなマッチメークが挑戦者、いや一家にあったことも事実であった。
決定後もTBSの姿勢、ファイトマネー・グローブ問題におけるジム内での不協和音、切腹発言、トレーニング不足など様々な不安を煽る要素がいち早くネットを駆け巡り、紙面を飾った。しかしながらその逆風に対し公に内藤選手を応援する団体も名乗りを上げボクシング本来の追い風も吹いた。
ただ残念ながらそれだけでは完全払拭とはならず内藤選手を信じ、応援していたボクシングファンですら、その馬鹿げたコメントに対して少なからず‘完全否定’出来ない怖さも存在してしまっていた。それほど日本ボクシング界に対する不信は大きく拡がっていた。
しかし、現実は何も怖がる必要など無く、結果は「国民の期待」を背負って戦った通り、見事王者である内藤選手が勝利を収め、今や日本国民の周知の事実と言っても過言では無いであろう。
‘日本ボクシング界の救世主’となった内藤選手は試合直後よりその‘等身大の本物のボクサー’内藤選手を求める各メディアから引く手あまたの状態となり様々なジャンルで彼の姿を見かけることとなる。
奇しくも今年の象徴とする文字は‘偽’であった。
政財界や厚生省、社保庁等関係省庁における虚偽、食品業界のおける偽装問題など業種は様々であるが、日本ボクシング界も例外ではなかったのではないであろうか。
内藤VS亀田の世界戦は正に‘偽’を感じさせる試合であった。
来年以降ボクシング界はこの‘偽’を再び感じさせることの無い様関係者各位にはご尽力頂きたいと節に思う。
最後に今回内藤選手が見事MVPと年間最高試合の2冠に輝いたわけであるが、年間最高試合となった3度目の世界戦を実現させたジムや関係者の努力は並大抵の事でなかったことは今までの日本ボクシング事情を考えれば容易に判断する事が出来る。そしてその後の‘注目の世界戦’への様々な障害。それらも含め今回の‘MVP’獲得は内藤選手本人は当然のことながら彼を支え応援してきた周りの方々にも該当する賞であったと私は敬意を表したい。
posted by cartier |12:15 |
ボクシング |
コメント(9) |
トラックバック(1)
2007年12月07日
【湯場が2度目の防衛=牛若丸16試合連続KOならず-ボクシング日本ウエルター級】
(スポナビより)
今朝は少々早起きをし朝からタイトルマッチを見るという何とも贅沢な一日の始まりだ。
9日(日)にはこの階級での世界戦(WBC王者フロイド・メイウェザーVS挑戦者リッキー・ハットン)が行われるが、今日は昨日行われた今年最後となる注目の日本タイトルマッチ、日本ウェルター級王者湯場忠志選手に挑戦した同級1位牛若丸あきべぇ選手の試合に関して。
当然の事ながら録画であり、試合結果もスポナビの記事にて判っている。
結果は1回1分30秒KOで王者湯場選手が牛若丸あきべぇ選手を下し、見事2度目の防衛に成功したのだが、それだけでは必ずしも伝わり切れない内容がここにはあった。
昨日の放送枠が約40分であり試合結果が1分30秒ということから入場から終了まで10分程度のものとなってしまうため、どのような編集がされるのか、3階級王者湯場選手の過去のタイトルマッチでも放送するのかと思いきや試合開始までの半分の約20分はほぼ挑戦者のインタビュー映像という何とも残念な且つTBSらしい相変わらずの編集に苦笑してしまう。
さて、ここから本題にはいるが、ボクシングファンであればご存知の通り、王者湯場選手は日本ライト・スーパーライトと現在保持するウェルター級の3階級を制覇という偉業を成し遂げた3人目の選手である。(その3人の中の一人には現在その戦いの場をK-1MAXの舞台へと移行した前田宏行選手がいる)そのこれまでの戦歴は31勝(22KO)4敗2分けであるがその‘3階級制覇’という偉業とは裏腹にその4敗の多くは節目ともなる試合が多く引退を考える時期もあった。そしてその4敗の中の1敗には牛若丸あきべぇ選手も戦ったバキロフ選手の名も連ねる。
一方の牛若丸あきべぇ選手に関しては今さら話す必要もないであろう。賛否両論ありながら‘あの一家’から卒業した後の前回のバキロフ戦では下馬評を覆し見事な勝利を飾っている。そして今回その勢いに乗りタイトルと日本連続KO記録が掛かっている。
この二人の試合前のインタビューでは
挑戦者のあきべぇ選手は‘タイトルとKO新記録両方取りたい’と言い、王者湯場選手は‘記録とか簡単に作ってもらいたくない、そんな安いもんじゃない’と語り現在までの対照的とも言える2人の立場をハッキリと表すコメントを述べている。
この一戦、一般的にはやはりあきべぇ選手の‘記録とタイトル奪取’なるかが焦点になっていたと思われる。ただ、それは‘あの一家’から離れ前回戦ったバキロフ選手に勝利したことで、それ以前の所謂‘創り上げたKO記録’と言われたものが少なからず払拭されてきた状況に変わりつつある中でのタイトルマッチであったことも事実ではないであろうか。私も少なからず見方は変わっていた。
試合開始直後から激しく打ち合う両者。湯場選手が不用意にあきべぇ選手の間合いに入り放った右からの1.2が打ち終わる直後、打ち下ろす右フックでまずは挑戦者であるあきべぇ選手が王者からダウンを奪う。会場のボルテージはいきなりのハイテンションである。そのこれまでのファイト内容からおそらくこの瞬間会場のほぼ全ての観客はあきべぇ選手の勝利を確信してしまったのではないだろうか。そんな雰囲気に満ち始めている。
しかし、王者に焦りの色は見られない。結果を知った後で書いているのでそう思い込んでしまっているのかも知れないが、やはりその表情は冷静なのだ。
そして今までの試合同様にあきべぇ選手は更に前へ出て仕掛けてゆく。
しかしダウン後の王者に焦りはなく自分本来の距離を取り始める。
するとそんな王者に対しあきべぇ選手は手を出す事が出来なくなる。
王者は自分の距離を保つと、一瞬フェイントをかけての狙いすました左フックが炸裂しあきべぇ選手は崩れ落ちる。この時点で勝負あった。あきべぇ選手はすぐに立ち上がるも足元はふらついている。先ほど王者から奪ったダウンとのダメージとは異なり状況は一変する。
あきべぇ選手はその後焦りと倒し屋との異名を前面に出すかの如く右フック2発を放つも空を切る。
王者湯場選手は冷静に距離を置き、得意の踏み込んでの左フックを1発、2発と繰り出す。その後も手を休めることなくロープ際での右から左の1.2でフィニッシュ。
終わってみれば王者湯場忠志選手はダウンを奪われるもその技術の差は歴然としており‘倒し屋を倒す’圧勝と言える勝利であった。
勝利後のインタビューからわかるように地道に試合を重ね3階級王者となった湯場選手と最短KO記録を作り挑んだあきべぇ選手の試合は、焦らず試合を重ねた王者に軍配は上がった。
更に湯場選手は現時点では‘世界よりも前人未到の4階級’を掲げているようなので今後そちらにも注目したい。
‘選手生命の長きを望む湯場’と‘最短を狙うあきべぇ’の一戦は結果として王者が勝利したが、決してあきべぇ選手も悲観することはない。はっきりと実力差が判ったのであるのだからここから本当に新たなスタートを切ればよいのだ。バキロフ戦のような戦いが出来る事を証明したのであるのだから可能性は大いにある。ファイトスタイルはその選手の力を最大限生かしきれることが重要なのであって変える必要は無く、今のまま前へ出る積極的なスタイルを続ければいい。但し技術はまだまだ磨く部分が多い。克服する部分が見えたことは負けての収穫であるのだから。
完全な個人的な意見ではあるが、折角ここまできたのであるからここは一つ‘牛若丸あきべぇ’というリングネームも元の本名に戻し‘倒し屋渡部信宣’として本当の意味での一からのスタートとしては如何だろうか。リングネームも大切であるから。
最後に今回の試合は改めて‘ボクサーの順風満帆などほんの一握りである。’ということを実感させる結果となったのではないであろうか。
posted by cartier |10:40 |
ボクシング |
コメント(6) |
トラックバック(1)