2008年02月04日
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
【東洋太平洋Sフェザー級タイトルマッチ、王者内山高志TKO勝利も課題を残す】 気がつけば早いものでもう2月。先月の川嶋選手の激闘を記事にして以来随分と更新出来ませんでした。というのも書く事がなかったというわけではなく単に自分の仕事が鬼のように忙しくPCを立ち上げることが出来ない日があったりと。。 おかげさまで川嶋選手の世界戦については数多くのコメントと気が付けばスポナビさんのおすすめエントリーとなっていたりと本当に感謝しています。 しばらくは更新が不規則となり、興味を持って頂いている方々には申し訳無いのですが、どうか長い目で見て頂ければ幸いです。 本日は時間がようやく空き、さらに2日に行われた東洋太平洋のタイトルマッチ後というタイミングであったので感想を書いてみたいと思います。 東洋太平洋Sフェザー級タイトルマッチ 王者内山高志(ワタナベ)VS挑戦者山崎晃(六島) この一戦王者内山選手としてはタイトルを獲得し、自身の初防衛戦と世界へ向けた一歩としてプレッシャーの掛かった試合であった。 対戦相手の山崎選手を今回始めて見たのだが、アマチュア経験があるが、プロデビューは26歳と遅い。試合前の大方の見方としては王者内山選手目線であることはその輝かしい実績からも致し方ないであろう。 しかし実際に試合が始まりラウンドを重ねる毎に私は挑戦者である‘山崎晃’というボクサーに大変好感を持ち、最近見失っていた‘ボクシングの根っ子’のようなものを見た気がしていた。 試合は一発でその強烈なパンチ力を観客に誇示してしまった王者内山選手が的確にパンチを上下に打ち分け10RTKO勝利という結果に終わった。ただこの試合王者のパンチ力と共にそのパンチを受けながらも常にアグレッシブに前に出てパンチを繰り出していった挑戦者の驚異的なタフネスぶりも圧巻であったのだ。 解説では挑戦者の山崎選手は建設現場で荷揚げの仕事をこなす傍らボクシングをしていると言う。その紹介通り入場シーンでは最近見ることの少ない独特なヘルメットに作業着という出で立ちで、王者との華やかさとは対照的であった。 破壊力、テクニックと言う点では明らかに王者が上である。そのことに関して試合前のインタビューで挑戦者の山崎選手はそれを理解し‘自分の出来る限りで苦しめたい’‘玉砕覚悟’という言葉を冷静にコメントしていた。 そしてそのコメント通り、試合が始まると常に前に出てパンチを放ち時折り王者が顎を上げるシーンも見られた。 そのファイトスタイルは決して万人に受けるとは言えない、言い方は悪いかもしれないが、‘泥臭い’攻撃を繰り出す挑戦者と冷静且つ的確にパンチを叩き込む王者という図式となった。 パンチ力の差も歴然としており、いつたたみ込まれてもおかしくない展開が続くが、守ることなく挑戦者である山崎選手は‘自分の出切る限り’を繰り出した。 見ている私が‘うっ’と声が出てしまうほどの王者の左ボディ。 そんな王者に対しラウンド終了毎にそのファイトスタイルとは違った実にスポーツマンらしい表情を見せる挑戦者。 過去10年間一度もダウンをしたことのない挑戦者山崎選手らしく、そのタフネスぶりには驚かされた。そしてその‘泥臭い’闘いが何だか無性に嬉しくなってしまい、昔観ていた‘昭和のボクシング’を思い起こさせた。 相手のあるボクシングにおいて勝ち負けは別としても‘有言実行’は難しい。 結果としては10RTKOであったが、その10RにおいてセコンドからGOサインが出され、その通りTKO勝利した王者内山選手は当然ながら素晴しい。しかし今回は王者内山選手にとって勝利以上に大変貴重な経験となったのではないか。この時期にここまでタフな選手と対戦出来たことは間違いなく今後の防衛戦、さらには目指す世界挑戦にも生きてくるであろう。 そして試合前のコメント通りに‘自分の出切る限り’を実行し、挑戦者に必要な常に前に出て攻める姿勢を実戦し敗れ去った山崎選手。近年ボクシングスタイルとして‘打たれずに綺麗に倒す’ことを掲げるボクサーが多い。もちろんそこまで技術を高め試合に望むことも良い。しかし気迫を前面に出し、アグレッシブに挑む‘泥臭いスタイル’も良いではないか。 もちろん勝敗が重要である、しかし観客に魅せ、伝えるボクシングをするのもプロのボクサーには必要なのである。今回の‘ボクシングの根っ子’のようなファイトを見せてくれた山崎選手に私は心から‘ナイスファイト’と言いたい。
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posted by cartier |18:17 |
ボクシング |
コメント(8) |
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この記事に対するコメント一覧
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東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
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私は夜中の放送を録画して見ました。
内山選手は日本人には珍しくボクシングには理想の体型をしていて、「もしかしたら中量級で世界が取れる」と感じさせてくれる選手でした。
苦戦の原因は山崎選手の頭(バッティング)が気になり、思いようにカウンターが打てなかった事で安全運転してしまったと思います。
山崎選手は本当に「昭和の泥臭いファイト」を見たという感じでリングを去る時は会場の皆さんが拍手しているのを見て、感動しました。
posted by TK | 2008-02-04 20:17
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
コメント投稿者ID :
山崎も試合に勝つ為にこそ「自分の出切る限りを実行」したんであって、ただ良い試合をする為だとか、ただ自分が言った約束を守る為にだとか、そういうことでやったのでは無いと思う。
もし山崎が勝っていて、安全運転すれば判定確実だったのをあえて魅せる試合をするために危険を承知で打ち合いに出た、というのなら分かるけど。
良い試合製造マシーンって、結果が伴わないなら、ボクシング的にはおミソみたいなものなわけでしょ。上を狙えるコンテンダーとしては認めないわけだから。褒め言葉ではあるんだろうけれど、ボクサーが喜んで受け入れていいもんじゃないと思う。
posted by e | 2008-02-05 04:33
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
コメント投稿者ID :
>e
勝つために戦うなんて当然のことで誰でも知ってるよ
管理人だって記事でその部分も書いてるし
その前提で負けたけど凄かったって意味だよ
おミソとか君が勝手に可笑しく解釈してるだけだよ
posted by フー | 2008-02-05 05:22
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
コメント投稿者ID :
とおりすがりです
山崎選手は本当にタフでしたね
ブラウン管ごしでも、強烈な左ボディと幾度となく跳ね上がるアゴ…
それでも前に出る姿は唖然としてしまいました…
それでもひたむきに前に出ることで
中盤から終盤にかけて、何発かいいのを入れてましたね
山崎選手は初めて見たわけですが、
彼のボクシングに対する姿勢がそのままでてたような気がしました
posted by なざにあ | 2008-02-05 17:21
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
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山崎のいいパンチも入ってましたよね。
あれが世界のパンチなら内山も倒れていたでしょう。負けたけどファンのハートをがっちりつかんだとおもう。俺が女なら山崎にほれる。
posted by いちばん | 2008-02-05 20:44
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
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管理人‘cartier’です。
皆さんコメント有難う御座います。
>>TKさま
いつもコメント感謝します。おっしゃるように内山選手の骨格は西洋人のようで、パンチの軌道も日本人にない鋭さで、今後に期待をしたいですね。今回はあえて山崎選手に焦点を合わせてみたのですが、‘昭和の泥臭さ’が妙に嬉しくファン共々に好感が持てました。
>>eさま
少々言葉が足りなかったかもしれませんが、けっして良い試合だったので褒めたというような軽い気持ちで書いたものではありませんし、ボクシングに対してそのような見方をするつもりもありません。もし宜しければ以前の記事や、今後の記事もご覧頂ければご理解頂けると思います。
>>フーさま
ご理解頂き有難う御座います。しかしながら、言葉足らずの部分もあったかもしれませんので今後はさらに文章力を高めなければいけませんね。
>>なざにあさま
ひたむきな姿勢とタフネスぶりには本当に驚きましたね。思いの伝わる良いファイトでした。
>>いちばんさま
たしかに山崎選手のパンチは入ってましたね。観客の反応も回を増す毎に大きくなっていましたし、終了後の彼を囲む回りの表情が全てを物語っていたように思います。私はほれましたよ(笑)
posted by ‘cartier’ | 2008-02-05 22:28
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
コメント投稿者ID :
実力で圧倒されてもなお前進したのは、
詰めに入られてもなお立ち続けたのは、
「まだまだ、これからだ」っていう
勝利への執念から来る物であって
他の何物からでもないでしょうね。
最後まで倒れなかった山崎も、
その山崎を10Rにして詰め切った内山も、
本当によかった。
posted by hellharmony | 2008-02-06 11:18
東洋太平洋タイトルマッチ 内山高志VS山崎晃に想う
コメント投稿者ID :
管理人‘cartier’ です。
>>hellharmony さま
いつもコメント有難う御座います。
‘勝利への執念’その通りでしょうね。
今回の対極とも思える2人の闘いは初心を思わせるような気持ちの良い試合で改めてボクシングを想い直しました。
posted by ‘cartier’ | 2008-02-06 20:52
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