2009年10月07日
スポーツ医学:豪で増える外傷性脳損傷事故
オーストラリアでは激突型のスポーツで、毎週何百という脳震盪が診断未確定のままにされたり、処置もされないままの中程度の外傷性脳損傷事故が、健康問題として急浮上してきました。
つまり、頭に強い衝撃が加わると、脳が傷ついたり、出血などを起こします。これを外傷性脳損傷といいます。脳が損傷することによって、脳の働きに障害が出て、感覚障害などの症状のほかに、記憶障害、失語症、半側空間無視などのいわゆる「高次脳機能障害」がでてきます。
フットボール選手のほぼ10パーセントは、おそらくより専門的に分類するならもっと多くの選手が、少なくとも1スーズンに1回は、ノックアウトされたり、ぼうっとしていて混乱したままで、精密検査されていないことが、オーストラリアの調査で明らかになりました。
すでに前のシーズンに脳震盪を起こしたことのある選手は、翌シーズンは、ぶつかり合いで脳震盪を経験するのは、ほぼ2倍になるといいます。調査でヘッドギアをかぶっているフットボール選手がこの怪我が少なくなることが明らかになりました、しかし、研究者はその理由は分かっていません。
世界の研究者は、現在、現役の間のに起きる激突型のスポーツにおける選手がかかる複数の震盪とその後の人生における認知証との関連を見つけようとしています。
ジョージ研究所(シドニー大学に属する)からの研究者は、3年にわたって3207人のアマチュアラグビー協会プレーヤーの後を追った後に、フットボール選手の間で繰り返された震盪の大きな危険性を確認しました。
米国では、ナショナルフットボール連盟に委託された報告書が、つい先日発表されましたが、それによりますと、元フットボール選手が通常の30~49歳の男性がかかる率の19倍もアルツハイマーまたは類似した記憶関連の障害にかかっていることがわかりました。
先々週でしたが、当地オーストラリアのNRL、ナショナルラグビー連盟準決勝で、ウェスタン・ブルドッグスのフルバック、ルーク・パッテン選手は、パラマタ・イールズ戦で、最初のタックルでノックアウトされた後に、その後の前半全部と後半の最初まで出場出来ませんでした。
ジョージ研究所のマーク・スティーヴンソン上級部長は、若い選手を襲う危険性について、もっと研究する必要があると指摘しています。
アメリカ・スポーツ医学ジャーナル誌で研究発表をしたスティーヴンソン教授は、こう話しています。
「我々がこの分野の研究を行うことが不可欠です、そのため、我々は証拠を集め、より効果的にこの問題を理解できるようになると思います。
選手が脳震盪を継続して経験した場合には、特段の注意が必要であると、研究結果から、両親、学校と選手を管理するラグビーチームに話しています」
英国皇太子医学研究所のブロー教授は、外傷性脳損傷とアルツハイマー病の専門家であり、外傷性脳損傷については、25年の研究暦があります。トニー・ブロー教授の主張はこうです。
「頭部への衝撃は、どんなものでも危険です。
どんな脳震盪でも、それは脳の損傷です。そして、脳震盪が累積すると、有害です。
それらは、抑制、行動、思考力、反応に関して言えば、生涯の欠陥になり得ます。そして、もしかすると早期認知症につながるかもしれません」
これまでの研究結果で出ているフットボール選手の問題としては、次の重要な点があります。
1.選手のほぼ10パーセントは、毎シーズン、少なくとも1つ以上の中規模の外傷性脳損傷を受けている。
2.脳損傷は最高30分の間の失神、事故前後の記憶喪失、意識の混濁の間で変動する。
3.シーズン前に一度脳震盪を起こすことは、次の12ヵ月間にさらに2回脳損傷を経験することになる。1人のフットボール選手は、6回脳震盪を生じることになる。
4.ヘッドギア着用のフットボール選手はこの脳損傷の危険が少ないように見せる。しかし、研究者は脳の保護具などの着用が脳への危険を減らしているかどうかの確信はない。
5.3年未満のプレー経験、または8年以上のプレー経験をもつ選手は、脳損傷の発生がより高い。
なお、日本では、通常、言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士などが訓練しますが、認知リハビリテーションの歴史は浅く、効果的な治療法の開発はこれからです。
最終的にどの程度まで回復するかは、脳損傷の程度、年齢、意識障害の長さ、記憶障害の長さなどによって変わります。復帰できるまで回復する場合もあります
が、残念ながら重い後遺症が残る場合もあるようです。いずれにしても、管理者にも専門医の判断を仰ぐという意識が必要で、なんともなさそうだからと安易に判断して放っておくことは危険です。
posted by buruta |07:44 |
gensan |
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