2009年07月02日
暴力事件続く オーストラリアのエリート・スポーツ選手
このところ、オーストラリアのスポーツ選手に、暴力事件が続いている。ほんとうに、残念なことだ。
北京オリンピック出場をふいにした水泳のニック・ダーシー選手は、もう一人の水泳選手の顔面を殴り、顔面骨折を含む大けがをさせた暴力行為は、発作的な行為として刑期を免れた。
ダーシー選手の相方であるカウリー選手は、あご、眼窩、硬口蓋、頬骨と鼻に骨折を受けた。
彼は、一生涯5枚のチタンプレートと20本のネジを頭の中にいれたまま過ごさなければならない状況なのだ。
その3ヵ月後に、ラグビーリーグ・インターナショナルのグレッグ・バード選手は、同じシドニーの法廷で、やはり発作的行為とされた暴力行為で、懲役16ヵ月の刑を言い渡された。
バード選手が暴力を振るったのは男性ではなく、ガールフレンドのケイティ・ミリガンさんだった。
エリート競泳選手のニック・ダーシー氏は、他の水泳選手の顔を殴って大けが負わせても、監獄行きを免れたというのに、ラグビー・リーグのスター、グレッグ・バード選手は、同じように発作的に殴って、16ヶ月の懲役刑を言い渡された。
ダーシー選手は、昨年、北京オリンピックの代表に選ばれた直後、ナイトクラブでサイモン・コーリー氏を殴り、オリンピック出場権を剥奪された。その後、懲役14ヶ月の判決を受けたものの、執行は保留となっている。問題を起こさなければ、服役する必要がない。
バード選手は、恋人のケイティ・ミリガン氏の顔面をグラスで殴り、やはり大けがを負わせている。彼女は眼窩に骨折を負い、まぶたと唇に数カ所の裂傷を負った他、さらに顔面にも切り傷を負った。
バード選手の被告弁護人は、怪我は「手術と治療」で直せたが、「損傷、障害または美貌を損ねた」という証拠はないと主張した。
この事件のため、同選手は当時所属していたクロヌラ・シャークスを解雇され、フランスのカタラン・ドラゴンズに移籍した。刑が確定すれば、バード選手は、最低8ヶ月は服役しなければならない。同選手は現在判決を不服として上告しており、保釈中。
二人とも、スポーツ界のスターで、これ以前に暴力沙汰を起こしたことはない。そして両者とも発作的に暴力をふるったという点で共通点は多い。
では、判決の違いは何によるものなのか?
比較してみると、ダーシー選手は自分の罪を認めたが、バード選手は一貫して無実を主張。ダーシー選手は反省している態度を見せたが、バード選手はそうした態度を見せず。ダーシー選手の場合、被害者が挑発したことが分かっており、ダーシー選手自身も自分は正当防衛に及んだと考えているのに対し、バード選手の場合、バード選手も被害者も、事件の状況をいまだに明らかにしていない。
しかし、決定的な違いは、バード選手のケースがドメスティック・バイオレンス(DV)にあたる、という点だ。
バード選手の事件は、同選手とミリガン氏が当時住んでいたクロヌラのアパートで起こった。家で起こったという点が重要で、パブなどの飲食店で起こった場合と罪の重さが全く異なる。
ロジャー・クリスデル判事によると、DVの判決には「(DVが起こるのを)抑止しようという要素が強く」伴う、という。
バーニーNSW州地域サービス担当相は、「バード選手の犯罪は、まさに政府が取り組んでいる典型的な例だ。この手の犯罪は、許容できない。家庭内暴力は犯罪だ。それ以外に表現する言葉はない」と語った。
全くの偶然だが、バード選手に判決がおりた翌日、ラグビー・リーグの選手達による反DVキャンペーンが始められた。
オーストラリア・ラグビー連盟(ARL)最高責任者ジェフ・カー氏は、「大多数のラグビーリーグプレーヤーがバード選手の判決にショックを受けたろう。まだこれから法廷があるので、グレッグのケースについてコメントすることは非常に難しい。しかし、私は99%のプレーヤーが、特に家庭内暴力で震え上がるだろうと思う。ラグビーリーグでこれ以上家庭内暴力事件を見たくない。」と言った。
エリート選手には、それなりの責任が伴うことを忘れてはなるまい。
社会に与える影響 子ども達に与える影響など、エリート選手による暴力は計り知れない物がある。AFLのホール選手もまた最近グランド上で暴力を行った。常習犯には、厳罰で臨むしかない。
ケースによっては、永久追放があってもいいのではないか。
選手の資質の問題が多きことは認めるが、他には、どうも、チームやクラブの管理姿勢に強いものを感じない。それが暴力の温床になっているのではないか。スポーツ精神を、クラブ・マネージメント側から厳しく教えていかなくてはいけないのではないか。それが基本である。
そんな気がする。
posted by buruta |06:38 |
gensan |
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