2007年09月18日

ホームレス・ワールド・カップ もっと注目されてもいいのでは・・?

毎年恒例のベトナムでの枯れ葉剤被害者の支援活動を終えて、久しぶりに、ブル太のコラム欄に復帰させてもらった。


そこで、またフットボールの話題だ。

ホームレス・ワールド・カップ(HWC)という言葉をお聞きになっているだろう。世界28カ国で売られている50紙のストリート・ペーパー(街頭新聞)の国際ネットワークが主催しているものだ。


ホームレスや世界的な貧困問題への意識向上のためにフットボールという国際言語を使って行われる大会だ。


このホームレス・ワールド・カップのアイディアは、残念ながら日本で生まれた物ではない。2001年に南アフリカのケープタウンで、ストリート・ペーパー国際組織年次総会の席上で生まれた。誰もが勝者、敗者のない世界、ホームレスのない世界・・・をめざして。



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ストリート・ペーパーは、世界中で、生活収入と貧困脱出のためホームレスの人たちの手によって売られている。フットボールは世界的な言語。誰でも参加できる。ホームレスの人々がいる国なら、どこでもストレートで喜び興奮する。



2002年に第1回が始まったホームレス・ワールド・カップ。そもそも、大きな会場は使わない。ホームレスがいる場所で行うからである。



2004年のスウェーデンの第2の都市ヨーテボリで開かれた。自動車のヴォルボとカメラのハッセルブラッドの町だ。大会では、2003年の18チームから32チームへと急成長をとげた。新規参加は、アルゼンチン、カメルーン、ナミビア、ナイジェリア、ペルー、ポルトガル、ウクライナ、ウルグアイ、フランス、日本だった。



今年の会場は、コペンハーゲン市内だった。48カ国もの参加をみて、スコットランドが優勝した。



毎回の大会で、ホームレスの人も社会参加ができるという証明をしてきた。

「試合をみていると、この人達がホームレスだということをいつの間にか忘れるくらい」と、ある人が言った。



今年、オーストラリアから参加したジョエル・モニエルさん。「名前を聞いたことがなくても、アデレードの町にいけば見かけることはできるよ」と聞いた。



麻薬中毒、軽犯罪の常習者。それが、彼の人生だった。次の麻薬注射を探し求めて、バスの車庫で寝泊まりする。うつろな目をして麻薬の乱用でやせ衰えた。



この男性が、どうみても、コペンハーゲンの会場でデンマーク人から多くの拍手を受けた人とは思えないほど、スポーツ選手には似ても似つかわしくない人。彼は、ついに長年のそういう生活に勝利したのだ。



モニエルの話は、南オーストラリア州で始まる。幼い時は、誰しも同じように、夢を膨らませていた少年だった。しかし、夢ははかなく消えた。



彼は、失業者の両親の家庭に生まれた。母は、重度のアルコール症だった。何念も虐待されたあげく、15歳で家から放り出された。



最初、友達の家を泊まり歩いた。やがて、街頭へ。「これは、生活ではなかった」と、彼は言う。 一大決心して、所持品を詰めて、アデレードの明るい街灯の下へ向かった。



亥年の新年の決意をした。学校をきちんと終えて更なる教育を受けようと。教会都市アデレードに着いた直後に、彼は間違ったグループに入ってしまった。ずるずると抜けることもできなく。



10代の彼は、友達に勧められて犯罪と麻薬の道に入った。


「私は外でそれほど寝たわけではなかった。自分でそのくらいは何とかできたからだった。それがすべてだった。私は、非常に健康的な田舎の少年だった。しかし、私が町で麻薬をやってから、そういうものすべてを失ってしまった。私は、人生を前向きに捉えてきたし、物事をやってきた。しかし、私はへまをやってしまった。愚かなことをしでかしてしまった。法律を犯してしまったのだ。酒と麻薬に手を出してしまった。よろしくない物だった」



一瞬の光明が見えた。


アデレードのユースセンターに行った時、モニエルは、ストリート・フットボール試合のポスターを目にしたのだ。それを見た途端、笑い声のように響いた。あるいは少なくとも大きな心の重みからの一時的な解放にもみえた。そこで、彼と友人は参加の登録をした。これが、人生の最良の決断になった。



毎週の試合毎に、モニエルは健康と自尊心の高まりを感じた。


「とても楽しかった。少なくともここ数年で最高の喜びだった」


彼はめちゃくちゃ楽しんだ。麻薬の虜になっていた彼の心は、次の週の試合の期待で高鳴るようになった。




その時だった。オーストラリア・ホームレス・サッカー・チームの監督で、“ビッグ・イシュー”の社員ジョージ・ハルキアス氏の目に、彼の足が映った。ハルキアス氏は、彼を誘った。「デンマークで行われるホームレス・ワールド・カップにオーストラリア代表として参加しないか?」と。



ゴールにボールを蹴りこんだ歓喜の経験をもつ少年にとって、これはノーマークのネットにズバッと蹴りこんだ時の感触を得た。



今年8月4日、場所はデンマークの首都コペンハーゲン。ストリートに作られたフットボール・スタジアム。ここで、モニエルの最近のストーリーが追加された。スウェーデンに3-1で勝利し、ワールド・カップ3位入賞を物にしたのだった。


「デンマークの人は、オーストラリアの人ほど冷たくなかった。立派な人たちだったよ」




「サッカーをやり始めて半年、マリファナを断った。子どもの時のような気分になれた。凄いことだった。国に戻って、今はシェフ見習いだ。シェフを夢見て楽しみにしている。すべてのことは、熱狂的な若者たちが私を引き上げてくれたことだ」と、嬉しそうに語る。




うれしい統計がある。ホームレス・ワールド・カップ主催者の調査で、この大会に出場した選手のうち77%が、ワールド・カップから半年以内に職と住居をみつけている、と。中には、そのままフットボールの選手になった人や、監督についた人もいるというのだ。



来年は、ご当地、オーストラリアのメルボルンで、HWCが開かれる。ここでまた、いろいろの悲劇・苦闘を経験した500人以上の選手が、歓喜の舞台で顔を揃える。(了)


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posted by buruta |15:00 | gensan | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:ホームレス・ワールド・カップ もっと注目されてもいいのでは・・?

コメント投稿者ID :

すばらしいですね。77%が職を見つけたというのは驚きですね。やはり、何かきっかけがあればそこからは自分から変わろうとするものなんですね。

posted by ふにゃ | 2007-09-18 15:44

Re:ホームレス・ワールド・カップ もっと注目されてもいいのでは・・?

コメント投稿者ID :

どうですかね?  職がなく仕方なくコ○キ(ホームレスと呼ぶ配慮はしない!)やってる人も居るが単に働くのが嫌いだけの奴も居るし。
 世界全体で見ると本当に職がない人は居るが、自国、日本ではプライドにしがみ付いて職を選んで働かない人もいるのでは?
 生活が苦しいながら働きながらサッカー続けてる人も居る筈です。
 この大会よりは、身障者の大会の方が重要では?

posted by Gタタキ | 2007-09-20 01:32

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