2007年07月23日

アジア・カップ(10)おめでとう ! ブルー・侍 

前回、私の予想は、5.5対4.5で、ずばり日本有利と書いた。

その通りだった。準々決勝の山場をペナルティー・シュートアウトで決定という残酷な結末に終わった。


温度と湿度を考えれば、まさに死闘だった。


90分を終わって決着がつかない。柔道でいえば、技あり、優勢勝ちで日本に軍配があがるところだが、あくまで数字を出さなくてはならないノックアウト・ステージだ。15分ずつの2回の延長を経て、なおかつ決着しない。ヴィンス・グレラの退場は痛かった。

一人退場をくらったサッカールーズは10人で戦い続ける。日本は終始優勢だが、一人減った豪州を日本は破れなかった。両チーム決め手を欠いたままの体力消耗戦。二回の延長は終了。ミン・ディン競技場は騒然とした雰囲気に包まれた。


ここで、オシム監督は、ボトルの水を飲み干して、ゆっくりと一人で控え室へ。

結局最後は、ペナルティー・シュートアウトで下記のように4-3で決めた。
サッカールーズ     3-4 日 本
(1)ハリー・キューウェル ×-○ 中 村俊
(2)ルーカス・ニール   ×-○ 遠 藤
(3)ティム・ケーヒル   ○-○ 駒 野
(4)ニック・カール    ○-× 高 原
(5)デイヴィッド・カーニー○-○ 中 沢

サッカールーズは(1)のキュー・ウェルと(2)のルーカス・ニールの失敗が大きく響いた。逆を言えば、川口の見事なセーブだった。特にルーカス・ニールのボールを見事に右手ではじいたのは、彼の根性を表していたと言える。
日本の活躍を祈りたい。


豪州の準備は万端だったのか?

チームドクターは、最新のスポーツ科学を使い、シンガポールでのキャンプは10日間有れば、十分な準備が出来ると見込んでいた。10日間のシンガポールでのキャンプに100万豪ドル(1億600万円)をつぎ込んだという。実は、どうもそれは有効ではなかったのではないか。

ワールドカップ予選は、不快な気候と週日の夜という時間帯に設定されそうだ。ならば、オーストラリアは一層のこと悪条件に太刀打ちできる環境を整えなくてはならない。もう一つのオプションは、オシム監督が採用したように、ヨーロッパ選手の数を抑えて(もともと多くはないのだが)、Aリーグの選手を中心に構成する手だ。東南アジアでプレーするナショナル・チームを土台にするのだ。1985年に、ジョン・コスミナがキャプテンでワールド・カップの予選に出場した時は、全選手がオーストリア国内でプレーをしていた選手だった。20年後、マーク・ヴィドゥカがキャプテンでウルグアイと戦った時は、全選手が海外で活躍して選手だった。だが、時代は変わった。


ワールド・カップの予選は、少なくとも12試合を消化しなくてはならない。そして、会場は、例のベトナムからシリア、トルクメニスタンなどまで網羅される。今回のアジア・カップに集ったスコードは、それが如何に大変なものか分かったはずだ。ヨーロッパを戦場とする選手に全試合出場を問うのは、酷である。そのことに気づかなくてはならないのは、デシジョンメーカーとしての立場にいる人だ。




話をアジア・カップに戻そう。

むしろ、6月30日のシンガポールとの親善試合で負けてしまえばよかったのだ。妙に勝ってしまったので、順調に仕上がっているように見えてしまった。それが、最後まで勘違いしたまま出発進行してしまった。


下記写真【シドニー・モーニング・ヘラルドより】 
ペナルティ・シュートアウトでの敗北に目を覆うアーノルド監督
20070723-00.JPG


やはり監督は交代か

ついにサッカールーズは、アジア・カップデビューで準々決勝までは進んだが、志半ばにして完全失速した。対日本戦のみはとことんやったと言えるが、アーノルド監督には申し訳ないが、彼の作戦は失敗した。オマーン、イラク戦でみせたふがいない戦いの現状は、いかんともしがたいほど目を覆うものがあった。スピードで相手を突き崩していけないのだ。

アジア・カップ決勝進出以外は失敗という彼の発言によれば、準々決勝で敗退である。

もう、一つ、彼の物腰や発言は、彼の経験不足を露呈した。「ここにいてほしくない選手がいる」と言って、名指しに近い発言をした。所詮は、勝負の結果は自分がすべてを受け入れなくてはならない。総合的に考えて、アーノルド監督のナショナル・コーチとしての任務は終わったと言えるのではないか。


同情すべき点は多々ある。肝心のFFAからの十分の支援をうけていたかというと、これは疑問だ。プレシャーは相当あった。昨年8月シドニーで、オーストラリアがクウェートを破った時に、彼はAリーグ主体のチームをそのままアジア・カップまで引き継ぎたいと希望を出した。シーズン後の時間を練習にあてられる。だが、そういうリクエストは、聞き届けられなかった。


豪州スコードの選考は正しかったのか?

クレイグ・ムーアの身代わりとして選んだパトリック・キスノルボの選考は正
しかったのか?彼は、この大きなチャンスを生かせなかった。あの遅いペースについていけない選手だったが、それが彼の今のレベルを表している。ミスはするは。練習でみていて、監督は気づかなかったのか。

ブレット・ホルマンはどうだったのか。有効な動きが見られなかった。チャンスをふいにする動きがみられた。悪いけど、国際レベルに登場するなら、改善が必要だが、どうして選ばれたのか?


ハリー・キューウェル、ティム・ケーヒル、ジェイソン・カリーナ、ヴィンス・グレラ、ルーク・ウィルクシャーの低調振りは、何が原因だ。すべてが高温と湿度か? 監督との間になにもなかったのか?

下記写真【デイリー・テレグラフ紙より】
シュートアウトに失敗してうなだれるハリー・キューウェル
20070723-01.JPG



ルーカス・ニールの選考は当然妥当と思うが、最初の2ゲームの彼のプレーは、人に言わせると“ホラー・ショー”だった。レッドカードまでもらってしまった。いわゆるスター選手の中では、総合点でも一番パーフォマンスは悪かった。

マーク・ミリガン。オーストラリア先制点の後、日本を同点にさせる大ポカをやらかしたミリガンだが、オーストラリアの中では最高殊勲選手だった。次のワールドカップ予選には、セントラル・ディフェンスの第1候補でいける。
マイケル・ビーチャンプ。タイ戦のスコアはよかったが、まだまだ。高さもとれず、グランドも抜けられた。日本のプレーを見直してほしい。いい素質はもっている選手だが。


オーストラリアは貴重なる経験を積んだ。

種々の悪条件(高温多湿、あふれんばかりの観客、大騒ぎの観客、絶えない騒音)を如何に克服するかの課題を突きつけられた。いってみれば、それがアジアなのだ。如何に準備をするか。如何に順応力を得るか。如何に訓練するか、である。サッカーの技能は、なにも西欧や南米だけのものではない。アジアでも格段に向上がみられ、溝を埋めつつある現状だ。タイやベトナムの活躍を見ればわかるのである。サッカールーズ全員がそういう認識でいたのだろうか?

それにしても、こんなにバラバラのサッカールーズをこの数年見たことがない。一気に精神的に老けてしまった感じがする。そして、実質年齢を、2010年の南アの世界選手権で換算すると、ハリー・キューウェルは30歳、ルーカス・ニール、アーチー・トンプソン、ブレット・エマートン、マイル・ステリョフスキ、ティム・ケーヒル、ヴィンス・グレラ、マーク・ブレッシアーノは29歳になる。ゴールデン・エージは、シルバー・エイジに近づく。

だが、勝敗を度外視すれば、幾人かの選手は発掘された。ポカをやったが、マークミリガン、シドニーFCのデイヴィッド・カーニーは、悪いけど予想以上の拾い物だった。レフトバックでいける。

シュワルツァーも、サッカー現役最後の意地をかけることだろう。


すべてはワールド・カップの予選通過を最大の目標にしなくてはならない。先ずは早急に体制作りだ。


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posted by buruta |19:58 | gensan | コメント(4) | トラックバック(1)
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2007-07-23 23:00 | 続きを読む
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Re:アジア・カップ(10)おめでとう ! ブルー・侍 

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選手の年齢が2年ずれていませんか?

posted by kata | 2007-07-23 21:29

Re:アジア・カップ(10)おめでとう ! ブルー・侍 

コメント投稿者ID :


サッカーは不確定要素がが多く、多少、スポーツ科学や生理学を導入したところで上手く行くわけない。経験しないとわかんない部分が多いと思いますよ。

私見だけど、今回のオーストラリアは事前合宿が長すぎたんじゃないかな?

GLから決勝まで約1ヶ月。大の男達が集団でなれない熱帯地方をさすらうのに、その何週間もまえからシンガポールで合宿ってちょっと無謀かと。開幕時にはすでに肉体的にも精神的にも疲労していたものと推測しています。

日本だってねえ、フランスW杯の予選でアウエイのUAE戦、念入りな準備の結果、引き分けながらも先にへばったのはUAEだった。でも、そのときの疲労が次戦以降で低迷する要因の一つだったという話を聞いたことがあります。

posted by とおりすがり | 2007-07-23 22:03

Re:アジア・カップ(10)おめでとう ! ブルー・侍 

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コメントお疲れ様です。
同感です。シドニーFCのマーク・ミリガン、デヴィッド・カーニーはすばらしい発掘だったと思います。
Milliganは代表ではCBでしたが本来はボランチで潰し役兼攻守の切り替え役、カーニーは左足精度抜群で・・個人的に彼には攻撃的左MF任せてほしいと思いますが・・・そこにはKewellがいるからまだ難しいかな。。。
シドニーFC対浦和レッズの試合でも見ましたが能力高いし代表にえらばれるだけあるなとおもいました!

posted by soria quinntana | 2007-07-23 22:11

Re:アジア・カップ(10)おめでとう ! ブルー・侍 

コメント投稿者ID :

優勝候補とは思えないパフォーマンスだったと思います。おごりがあったのではないでしょうか?特にキューウェルの試合中の態度にはがっかりでした。キューウェル程の実力者なら、審判に文句ばかり言ったり、シミュレーションなんかせずに、堂々とプレーして若手のお手本になって欲しかった。

ヨーロッパで活躍する選手を中心として、こんなバラバラなチームになってしまうくらいなら、もっとAリーグ中心のチームにしても良かったのでは?大ポカをしたものの、ミリガンの成長は楽しみだし、カーニーはサッカールーズのトップチームでも機能することを証明してくれた。もう少し早い機会にジェッツの(シドニーFCファンにとっては、憎き)ニッキ・カールを出していても良かったのでは、と思った。サッカールーズには招集されていないものの、ダミアン・モリの野獣のようなチャージが、アジアンゴールを粉砕するところも見たかったです。

アロイッシとケーヒルの使い方にも少し疑問を感じたが、まあ、アーノルド監督はもうお役御免なんでしょうね。

シュウォーツァーはよくやったと思います。個人的にはクリント・ボルトンに育ってほしいけど、まだ、シュウォーツァーの足下に及ばないですね。

これで当分日本でサッカールーズの試合は見れないと思いますが、早く新しい監督を迎えて、心を入れ替えた新生サッカールーズを見たいです。若手の兄貴分であるルーカスには、今回のことは十分反省してビドゥカなき後の頼れるキャプテンとして更なる成長を期待します。それと、キューウェルはやっぱり別格の存在なので、早く試合勘を戻して、オーストラリア国民が納得の出来るプレーと態度を見せて欲しいです。

posted by stephen | 2007-07-23 22:42

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