2008年05月30日
CASの裁定文からわかること(正しいものであれば、ですが)~我那覇問題
お久しぶりです。 プロフを注意深くご覧戴いた方であれば、管理人が今どういう状況に置かれているのかよくおわかりだと思うのですが、そういったゴタゴタでどうも肉体以上に精神の方がややグロッキー気味になっています。 ということで時間がたっぷりできたのに全然更新しなかったわけですが、ちょっと今話題の我那覇選手の問題について、いくつか簡単に雑感を述べたいと思います。 と、言いましても、例のCASの裁定文の翻訳をするような英語力はちょっと私にはありませんので、「様々な意見を参考にさせていただく」(翻訳すれば「他人のふんどしで相撲をとる」、または単に「パクる」ともいうようです)ことにして、ちょっと話を進めてみようと思います。 今回のCASの裁定文の訳がJリーグのHPで紹介されておりまして、私も一応それを拝見させていただいたのですが、どうもわかりにくいですね。 こちらの国語力、読解力の問題だと言われれば全く返す言葉もないのですが、わかったこともいくつかあります。 まず、それは既に多くの人に指摘されていることですが、Jリーグ自らリリースしたニュースの中にもある、 Jリーグは、何が正当な医療行為であるかを判断するための詳細な条件を、実体的にも手続的にも、具体的に示す十分な措置をとっていなかった ことだと思います。 これは、すなわちJリーグが定めた「Jリーグ規約 ドーピング規定」の不備、およびその運用に問題があったという解釈が妥当だと思います。 私は当初この問題に関してほとんど関心を持たなかったのですが、思い返してみると、昨年の時点でこのことを既に指摘されている方がいらっしゃることに気づきました。 この記事は、Jリーグのチームドクターの要請によって、WADAが我那覇選手の静脈注射に関する判断を下す前に書かれたものです。 1人のファンの視点でこのように問題提起されているのもかかわらず、ここまで問題が大きくなってしまったわけです。これだけでも充分に問題になると思います。 このような裁定文がリリースされたにも関わらず、Jリーグ側の反応には多くの方が不満を持っています。Jリーグ側は「ドーピング行為であったか否か」の裁定がなされなかったことにひどく不満を持っているようですが、自らの規約、そしてその運用に不備があったことをこのような形で指摘されているのですから、まずはその点に関して何らかのコメントを出すべきだと思うのです。 こうして、不満を持つサポーターの声を受けた途端に川崎フロンターレ側も強気になり、Jリーグ側が返却しないと主張している制裁金1000万円の返却をリーグ側に求め始めました。 その行為自体は当然と思うのですが、この我那覇選手の問題にクラブ側が協力的でないとの批判もあったわけで、その理由がこの裁定文を読めば、さもありなん、とも思えるのです。 裁定文の「認定事実」を一部抜粋すると、 27. 2007年5月2日、「相手方(管理人注:Jリーグ)」は、Eメールにて、武田氏宛てに、ドーピングコントロール委員会においてなされた決定の結果として、2007年5月7日火曜日にアンチ・ドーピング特別委員会の会議が開かれることを通知した。当該書簡は、ドーピングコントロール委員会での会合の反訳録が正確であることの確認を求め、また、2007年5月7日に「制裁案はJリーグアンチ・ドーピング特別委員会によって決定される[ことになる]」と記載していた。この書簡と内容は、我那覇選手に対しては宛てられておらず、また、渡されることもなかった。川崎フロンターレのCEOとして、武田氏は、2007年5月2日付書簡により返信し、議事録の正確さを確認し、また、「Jリーグアンチ・ドーピング特別委員会での弁明の機会も行使しないことをお伝え致します。」と通知した。 28. 2007年5月7日、アンチ・ドーピング特別委員会の会議が開かれた。川崎フロンターレ及び我那覇選手は出席しなかった(同選手は同会議について知らなかった)。当該会議は、川崎フロンターレと我那覇選手の両者に制裁を課すことを決めた。2007年5月8日、Jリーグの臨時理事会が招集され、制裁を課すためにアンチ・ドーピング特別委員会において採択された決定が承認された。それから川崎フロンターレは口頭で決定の通知を受けた(太字:管理人)。 先に挙げた「Jリーグ規約 ドーピング規定」の18条を一部抜粋すると、 「(略)……選手・Jクラブ等に対して科される制裁の内容・程度については、アンチ・ドーピング特別委員会において、制裁の対象となる者に弁明の機会を与えた上で決定する(以下略)」 とあるので、この裁定文の翻訳が正しく、かつ認定事実そのものに誤りがないとすれば、川崎フロンターレというクラブの、我那覇選手に対する非協力的な行動も理解できるように思います。 それにしても、こういう事態になったとき、選手は誰に救いを求めればいいのでしょうか。 クラブ側はもうちょっと選手の主張を聞く、ということくらいはできたように思うのですが……。 (追記:上記のように書いたのですが、先程戴いたコメントから思うところもありまして、5月2日に5月7日に行われるアンチ・ドーピング委員会の通知が送られてきたわけですが、当然のようにこの時期はGWの過密日程の中にあります。2007年、J1は5月3日に9節、5月6日に10節が組まれていて、ご指摘の通り充分に検討する時間がなかったかもしれません。前例がないということで難しい判断をしなければならないのですし、それはJリーグ側も同じだと思います。Jリーグ側も、もうちょっと適当なタイミングで委員会を開くなどの措置をとるべきだったのではないか、とも思いました) 先に挙げた記事と関連して、このような記事も同じブログから見つけたのですが(こちらのブロガーさんはただいま一時休業中です)、いずれにせよ、このように複合的な要因で、1人のサッカー選手の真っ当な活動が阻害され、そしてそれが直接の原因でないにせよ、パフォーマンスにも何らかの影響を及ぼしてしまったわけですから、川崎サポのみならず、サッカーファンとしてはこれほど残念なことはありません。 日本代表が苦しい戦いを続ける中、優秀な選手、とりわけ優秀なFWは1人でも多い方がいいに決まっています。 また、我那覇選手はグッドコンディションであれば代表に選ばれる能力のある選手であり、ここまで川崎一筋のキャリアということを考えると、クラブにとっても大切な選手であるはずです。 にもかかわらず、この裁定文に書いてあることが事実だとすれば、何とも悲しいではありませんか。 昨年はベストメンバー規定などなど色々ありましたが、問題のアンチ・ドーピング特別委員会はそれよりも前に行われているので、それを理由にゴタゴタ言われる必要はないわけで、Jリーグ側の制裁を受け入れる前に、少しでも選手の言い分を信じることができなかったのか、と、サポではないにせよ思ってしまうのです。 久しぶりの更新ですが、ちょっと重い話題になってしまいました。 次の更新は……意外に早いかもしれません(笑)。
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posted by bunchousann |01:30 |
サッカー |
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