2007年01月30日

“セリエA日本人最年少デビュー&ゴール”とJリーグの憂鬱

このようなタイトルをつけたことで誤解なさる方がいるといけないのであらかじめ言っておきますが、森本貴幸のゴールは実に素晴らしいものでした。
少ないチャンスを活かしたばかりか、敗色濃厚なチームに1ポイントをもたらす同点弾だということを考えると、マスコミがはしゃぎすぎるのも何となくわかります。

では何故「憂鬱」なのか?
それを順を追って述べてみたいと思います。

まずは、随分前に書いた当ブログの2つの過去記事をご覧下さい。
その1 安易な「ブランド」信仰でなければよいが……(2006.8.15)
その2 「青田買い」に見る日本人選手海外移籍考察(2006.11.01)
今回の関連記事ということで。

現在、様々な報道、およびこのスポナビ+のブログで森本のゴールについて語られていますが、私もおおむね納得する論調です。
しかしながら、私が先の過去記事に取り上げたような内容を見かけたときには「何を今更」と言いたくなることもあります。

森本が賞賛を集める一方で、同じセリエAでプレーする日本人として海外移籍における「従来型」の代表であった小笠原満男や大黒将志に対しては厳しい意見が寄せられています。
彼らはJリーグで結果を残し、日本代表としてW杯にも出場しています。少なくとも、国内の実績に関して言えば、年齢のこともあるとは言え、森本など足元にも及びません。
ところが、今や2人の置かれた立場は森本と同等か、あるいはそれ以下なのかもしれません。
まあベンチにすら入れないことも多いのですから、当然のことと思います。

ところで、これら3人のジョカトーレの現状は、日本人として少し考えさせられる事実であるということもできるような気がします。

森本が移籍した背景には育成の目的もあるので、トップチームに帯同してベンチ入りする以外は、契約によってプリマヴェーラのリーグ戦に出場し、そこでゴールを量産していたということは周知の事実です。
イタリアのプリマヴェーラが果たしてどのようなレベルにあるのかはさっぱりわからないのですが、少なくとも、森本がJリーグでほとんど実績を残せなかったということを考慮すると、半年で彼自身が劇的なレベルアップでもしていない限り、イタリアのプリマヴェーラがそれほどのレベルにあるとは考えにくいはずです。もちろん、日本の高校生のレベルは超えているとは思いますが。
それに対して、小笠原、大黒の2人はイタリアのプリマヴェーラのレベルよりはおそらく高いであろうJリーグ(J1)で充分な実績を積んできたはずです。
にも関わらず、チームからの信頼はおそらく森本が受けている信頼よりも低いのでしょう。監督の戦術、選手起用の好みの問題もあるのでしょうが、あまりにも出番が少ないと思います。

ということから何となく思ったことは、欧州の人間は自分の目の前での実績しか尊重しない、ということでした。
極論すれば、イタリアのプリマヴェーラでの実績の方が、Jリーグでの実績よりも信頼できる、ということではないか……と。
だとすると、Jリーグって何なんだろう、と思ったわけです。
日本人としては、少々複雑です。

そういうこともあってか、伊藤翔のように高校から直接海外でプロになったりする選手や、「代表より海外」と公言して同じグルノーブルへレンタル移籍が決まった大分の梅崎司のような若い選手が出てきました。
2人ともこのフランス2部のチームを踏み台にすることを堂々と言い放つ豪胆さは、これまでの日本人にはなかったことです。
前にも言いましたが、「ビッグイヤーを掲げたい」という目標を掲げる日本人選手に早くめぐりあいたいものです。

無論、海外でプレーすることが全てではありません。海外からのオファーがありながら、断り続ける選手もいます。
ですが、JFAが先のテクニカルレポートで、どういう根拠があるのかはわかりませんが、単純に海外(この際欧州としておこう)でプレーする選手の数で、グループリーグの各国の中で日本の実力を4番目と判断したのですから、JFAとしては実力をアップさせるためにももっと「海外組」が増えて欲しいのでしょう。

……話が随分逸れてしまいました。

半分は育成目的での獲得だったということもあって、まだ若い森本には幸いにもクラブ首脳陣から温かい目が注がれているようです。彼にはこのまま順調に成長を続けて欲しいのですが、やはり残る2人の日本人ジョカトーレにも奮起してもらいたいものです。
といってもまともに出番が与えられないのではどうしょうもないのか……サビオラのようにわずかな出番から道を切り開くしかないですね。過去記事にも書いたようにセリエAのプロビンチャという選択をしたことには疑問を呈したくなりますが、今となってはとにかくJリーグで活躍し、成長したという意地と誇りを見せてもらいたいものです。

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posted by bunchousann |03:52 | サッカー | コメント(10) | トラックバック(1)
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2007年01月24日

環境のハンディ、ボランティアに熱心、文武両道、伝統校、部員不足、etc.……これらは比較の対象になりうるのか?

明後日26日に春の選抜高校野球の出場校が決定します。

昨年の各地区の秋季大会の結果がベースになるわけですが、各地区ごとに違う出場枠数の都合上、“当落線上”にある高校もあるわけで、そういう高校の関係者は今頃気を揉んでいるのではないでしょうか。

ただ、昨今のセンバツには既存の一般選考枠以外にも、様々な枠が存在します。
神宮大会優勝校を輩出した地区にアドバンテージを与える神宮枠、その神宮大会優勝地区以外の地区の補欠校の中からデータをもとに守備のいいチームを選ぶ希望枠(ドラフトではありません)はその意味もわからなくはないのですが、以前からよくわからない枠が1つあります。

ずばり言いましょう。21世紀枠の選考基準がどうもすっきりしないのです。

そもそもこの21世紀枠、最初に登場したのが2001年の73回大会なのですが、その時の私の印象としては、21世紀突入を記念した1回限りのものだと思っていました。
ところがこれは1回限りではなかったようで、これまで延べ12校が選出の栄誉に浴してきました。
で、肝心な選考基準なのですが、これがどういうわけか高野連のHPには全く書いてありません。ただ、報道等を通じて知ることができます。
スポーツナビには、このようにありました。

「一般選考枠」のほかに、秋季都道府県大会8強以上で、恵まれない環境、他校や地域に良い影響を与えているなどの理由で認められた高校が2校選出される。 

「秋季都道府県大会8強以上」ということで、まずは一定の戦績が必要なことはわかります。
とはいえ、一般選考枠の高校の戦績と比べるとかなり落ちることになります。しかし新チームの場合、秋から冬にかけて急激に力をつけることもあり、また大会自体がトーナメントによる一発勝負ということもあって、実際、過去に21世紀枠からベスト4に進出した高校もありました。それゆえ戦績の面では大きな問題はないように思います。

問題は、その後の「恵まれない環境、他校や地域に良い影響を与えているなどの理由で認められ」ることです。

これは、どのように比較をするのでしょうか。いや、本来比較ができるものなのでしょうか?

スポナビに今回の21世紀枠の候補校9校の簡単な紹介が載っていました。
なるほど、どの高校も素晴らしいと思います。

地理的なハンディを抱える高校、ボランティアに熱心な高校、文武両道を掲げ実践する高校など、それぞれに特色があります。
しかし、選ばれる高校がある一方で、選ばれない高校があるということは、何らかの方法で比較をしていることになります。
その際に論理的な説明ができる方法で比較をしているのでしょうか?

さらに言えば、各地区1校の最終候補9校に残る前にも、既に各都道府県が推薦した候補校をそれぞれの地区で比較するという作業を経ているわけです。
この際も、やはり論理的な説明ができる方法で比較がされているのでしょうか?

この21世紀枠を選考することが、私には「100メートルを10秒で走る選手と、マラソンを2時間7分で走る選手は、どちらが素晴らしいのか」ということと同じように感じます。

結論を長引かせましたが、要するに21世紀枠というものは選考基準がはっきりしない以上、やめるべきではないのかと思います。

どうしてもやるというならば、いっそ最終候補に残った時点でくじ引きにでもした方がマシなのではないかとさえ感じてしまいます。
比較することのできないものを比べようとすることが、果たして「教育上」ふさわしいと言えるのでしょうか。

高野連が珍しく懸念を表明している話題として、名門校への越境入学の問題がありますよね。
どうせなら、この2枠は「ふるさと枠」にでもして、野球部に越境入学者のない高校で最も成績の良かった学校に与えるというのはどうでしょうか?
これならば、選考基準もはっきりしますし、選ばれた学校も大いに名誉に浴することになると思いますが……。

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posted by bunchousann |04:05 | 野球 | コメント(9) | トラックバック(1)
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2007年01月18日

“最後”の五輪野球に臨む~いくつかの懸念材料とともに

北京五輪を目指す野球日本代表の監督に、星野仙一・阪神SDが就任することが正式に決定した模様です。

今回の代表監督の選考は、やはり現場で指揮を執る星野監督の姿を待望していた球界やスポンサー、そしてファンの大多数を納得させるものだったと言えるでしょう。

しかし、懸念材料がないわけではありません。

既にこのネタに関しては就任が規定路線だったために、いろいろなところで議論が交わされていると思うのですが、まず最初に代表監督が最も懊悩するといってもよい代表選手の選考に関する懸念が挙げられます。
サッカーのW杯と違い、五輪はプロ野球のシーズン中に行われるというのが最大のネックになるからです。

まず、北京五輪の代表チームも前回のアテネ五輪の時と同様に、原則オールプロでいくということが確認されました。
ところが、夏季五輪はプロ野球にとって最も大事な時期である8月に行われます。ペナントレースもクライマックスに向かいつつあり、また夏休みということで、観客動員も期待でき、この時期に各球団の主力選手が代表に引き抜かれることの是非がどうしても論じられます。そのためアテネ五輪の時には、12球団から1チーム当たり2人という人数制限がつけられ、各球団に配慮する形になりました。
しかし、“金”を獲ることを義務付けられたはずの初のオールプロによる「ドリームチーム」が“まさかの銅”に終わったこともあって、今回の代表では、この人数制限が撤廃されるとの見方が強いようです。

そうすれば、当然、代表に多くの選手を供給するチームとあまり供給しないチームが出てきます。
代表チームの編成とは、その時点で最強のチームを編成することなのですから、優れた選手を集めるという行為は考えてみれば当たり前の話なのですが、ことは五輪がシーズン中に行われるためにややこしくなるのです。
星野監督や代表スタッフは、各チームの不満をどう説き伏せるのでしょうか。

また、予選の方式もこれまでよりもずっとシビアになっています。

今回の開催国は中国。よって開催国枠として既に中国の出場が決定しています。
アジアに割り当てられた枠は、残りわずか1つ。11月に台湾で行われるアジア予選は熾烈なものになるでしょう。
この1つの椅子を、現実的に言えば日本、韓国、台湾の3カ国で争うことになります。
WBCでは韓国に2敗を喫しましたし(しかもそのうちの1つはホームで!)、台湾にはホームアドバンテージがあります。
さらに言えば、日本はプロ選手が参加したこれまでの五輪予選、WBC(1次ラウンド)で、いずれもホームで戦えるというアドバンテージを持っていましたが、今回はそれがありません。

ただ、アジア予選で2位・3位になっても、すぐに五輪出場のチャンスがなくなるわけではありません。
バレーボールなど他競技でもありますが、野球にも一応最終予選なるものが設定されています。
しかし、この世界最終予選の開催時期が予定では来年の3月となっており、これまた昨年のWBCの時のような開幕前のコンディション調整の問題や、やはり代表選考の問題が噴出することになりそうです。
しかも、この世界最終予選に参加する8カ国のうち、五輪に出場できるのは3カ国のみ。アメリカ大陸の出場国枠2つは既に予選が終わっているため、アメリカとキューバで占められています。したがってメキシコやカナダがここに流れてくるでしょうから、これを突破するのは至難の業です。

最終予選の結果次第では、五輪本選がWBCの2次ラウンドのようなハイレベルな戦いになりそうで、それはそれで面白いと言えるのですが、簡単に「メダル」の声を口にすることが難しい状況にはなるでしょう。

そして、星野監督には日本一の経験がないということを懸念材料として挙げる人たちもいます。
選手、監督として、確かに短期決戦ではいつも苦汁を舐めてきたというイメージはどうしても拭えないのでしょう。
短期決戦に有効な采配が揮えるのか、特に投手交代などがポイントになりそうです。

さらに私が敢えてもう1つ懸念材料として挙げるとするならば、日本では一種のパフォーマンスとして評価されている判定への激しい抗議姿勢であるとしておきましょう。
短期決戦故に1勝の重みは必然的に増し、WBCでもあったように1つのジャッジの有利不利が試合の勝敗を分けることになり、さらに言うならば大会に生き残れるかという分水嶺になる状況も起こりうるでしょう。
星野監督はSDとしてMLBの視察などをよくされているとのことですが、日本との判定基準の違いに対して、現場に戻った時に果たして冷静に対応できるのでしょうか。
国際基準では審判への暴言はおろか、単なる抗議さえ退場に値することがあります。まして暴力などとなれば、五輪大会そのものからの追放さえあり得るでしょう。

ところで、星野監督が具体的に指揮を執り始めるのは報道によると8月の「プレ五輪」からのようです。
私は今日初めて聞きましたが、この「プレ五輪」って何でしょう? 日本、中国、キューバ、アメリカが参加するそうですが……。
しかも開催は8月となっているため、本番でもないのにプロ選手を派遣するというのはまず不可能です。おそらくアマチュアの選手が参加することになるのでしょうが、チームの継続性という点では甚だ疑問も残ります。

一応今度の北京五輪で野球競技は最後ということになっています。
WBCでは困難の末に世界一の称号を手に入れました。国民の記憶はまだ鮮明に残っています。その分、期待も大きいはずです。随分懸念要素を書き連ねながら言うのもなんですが、もちろん私も期待しています。
おっと、こういう国民の過大なプレッシャーもまた不安要素になるのでしょうか。

日本球界が今後も五輪競技に野球を残すことを真剣に考えているのならば、目先の結果も時には有効になります。
この五輪でしっかり結果を残し、発言力を確保し、具体案を示していくことができれば、野球が五輪競技として継続されることの一助になるかもしれません。

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posted by bunchousann |21:40 | 野球 | コメント(12) | トラックバック(5)
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2007年01月17日

“契約期間満了”なのに「移籍金」?~国内移籍が活発化しない理由

最初に白状しておきますが、今回は私の不勉強を思い知らされることになりました。そうか、そういうことだったのか……ってことで、まあ長~い笑い話としてお楽しみ下さい。

Jリーグは湘南を皮切りにキャンプの便りが聞こえてきましたが、まだまだオフの色合いが濃いところです。

サッカーに限ったことではないのですが、プロスポーツの世界のオフの話題と言えばやはりチーム編成、つまり移籍や新加入選手の情報が中心となります。

Jリーグも例外ではなく、今オフの主な話題は国内外への(主力)選手の移籍や過去記事にも紹介した新人選手の話が多くを占めていました。

中でも注目を集めたのは、ジェフユナイテッド千葉の主将、阿部勇樹選手の浦和レッズ・FC東京・名古屋グランパスの三つ巴による争奪戦でした。

イビチャ・オシム前監督のもと、わずか21歳でジェフのキャプテンに任命された阿部は下部組織からの生え抜きであり、まさにジェフのバンディエラと言うべき選手でしたが、今オフに契約が切れるために行われた契約延長交渉の場で自ら移籍希望を述べ、先に挙げた争奪戦の結果、「国際経験を積みたい」という彼の希望もあって、昨シーズンのリーグ王者で、今シーズンACLを戦う浦和への移籍が合意に達しました。

阿部はもともと年代別の代表に選ばれるなど、能力の高い選手でしたが、現在は日本代表監督に就任したオシム監督の門下生としてA代表でも中核を担い、またジェフのキャプテンとしてチームをナビスコカップ連覇へ導くなど、注目度は以前より明らかに上がった観があります。

現在25歳で、まさにこれからが働き盛りである彼がチャンピオンチームの一員となるのに際して浦和が用意した移籍金が「国内移籍最高額」の形容表現とともに報道されましたが、その額は4億円を超えるとも言われています。

ほう、さすがレッズ、Jリーグ最高の財政力を誇っているだけのことはある……と最初は思わず唸った私でしたが、その後で、肝心なことに気が付きました。

阿部は今オフで契約が切れると報道されているのに、なぜ移籍金が必要なのか?

これはあくまでもヨーロッパ(UEFA)のルールなのですが、「契約期間が満了すれば、移籍金なしでどのクラブにでも移籍できる」という、いわゆる「ボスマン・ルール」に慣れた身としては、今回の浦和のとった行動がどうにも理解できませんでした。
阿部のジェフとの契約は今年1月31日に切れます。したがって、仮に「ボスマン・ルール」に従えば、2月1日以降にはどのクラブとも移籍金なしで自由に契約できる、つまり、浦和が払う移籍金ははっきり言って必要のない金額であり、言い換えるならば「無駄使い」としか言いようがないと思っていたのです。
あるいは、ジェフの看板選手を頂戴するにあたって、わざわざ契約が切れる前に移籍交渉をし、移籍金を払うことで仁義を切ろうとしたのか、また阿部のジェフへの惜別の情でも酌んでやったのか、といろいろ邪推したりもしました。
それにしても、いくら浦和が豊富な資金力を持つとはいえ、4億円を超える金額となると、年間予算(2007年はおよそ70億円とも言われていますね)の3~4%にもあたる巨額です。
義理人情で払える金額としてはあまりにも大きいものがあります。

ということで、これはおかしいと思い、改めて調べなおすべく、過去記事を書く際にお世話になったJFAの「プロサッカー選手に関する契約・登録・移籍について」を見てみました。

わかりました。そういうことだったのです。

「3、国内移籍」の項に、こんなものがありました。

3-1 4(4)プロ選手契約の期間満了後30ヶ月以内に行われる移籍に関し、移籍元クラブは、移籍先クラブに対して(管理人:略)移籍金を請求することができる。

浦和は、このルールにのっとって、ジェフが要求した移籍金を支払うことにしたわけです。

確かに、日本で「ボスマン・ルール」が適用されるというのもおかしな話であるのですが、よくよく考えてみれば、契約期間が満了しているのにも関わらず、移籍金を請求できるというのもおかしな気がします。
Jリーグ間での選手の移籍が活発化しないという声を聞くことも多いのですが、理由の1つが、移籍係数の高さであるということは以前申し上げました。それに加えて、この、プロ野球における「保留条項」のようなおかしな移籍金制度もまた、その理由の1つだと言えるのではないでしょうか?

ちなみに、日本で欧州の移籍ルールが通用しないように、欧州(海外)でもまた、この日本の移籍ルールは全く通用しません。
そういった例が過去に実際に起きています。
現在はスイスのバーゼルに所属する中田浩二が、鹿島アントラーズからフランス・リーグ1のオランピック・ド・マルセイユ(以下OM)に移籍した際のことを覚えている方もいるでしょう。
JFAの移籍ルールに庇護される国内クラブへの移籍であれば、間違えなく数億円の移籍金が付いたはずでしたが、今回の阿部のケースと同様に、契約期限切れが迫っていた中田浩二の獲得に対してOMが鹿島に提示した移籍金はわずか3000万円程度でした。
しかも、OM側から言わせれば「ボスマン・プレーヤーに対して3000万円も出してやった」ということになるわけです。
先に紹介したJFAの移籍ルールは、あくまで国内移籍に関するものであって、海外クラブへの移籍に対しては全く効力がないものなのです。

Jリーグの揺籃期に協会やリーグが未成熟なクラブの保護を目的にこのようなルールを作ったのだということは想像に難くありません。
ですが、Jリーグも今年で14年目。チームも増えてきました。そしてチーム間の財政格差も年々広がりつつあります。
今回の阿部の獲得や、以前三都主を獲得した時の浦和のように巨額の移籍金を払えるクラブはほとんどないのが現状です。
そういう大多数のクラブが戦力補強をするための選択肢を増やすという意味でも、この「30ヶ月制度(と勝手に名づけさせてもらいました)」はせめてその期間を短縮するとか、あるいはいっそ廃止するとか、とにかく制度自体の見直しの時期に来ているような気がします。

もしかしたら、ミヒャエル・バラックのように「ボスマン移籍」を繰り返す大物選手なども出てきて、それはそれで面白くなるような気がしますが……。

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posted by bunchousann |23:59 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007年01月12日

日程の打ち切りは、“やれるだけやって”からにして欲しい

今年からセ・パ両リーグでクライマックス・シリーズ(プレーオフ)が導入されることになっていますが、セリーグでは雨天中止などが続いて試合の消化が遅れた場合、プレーオフに間に合わせるために日程の打ち切りをすることを検討しているようです(こちら)。

日本ハム・西武・ソフトバンク・オリックスと4球団がドーム球場を本拠地とするパリーグに対して、セリーグの場合、ドーム球場を本拠地とするのは読売と中日の2球団のみで、日程消化の面で遅れをとる可能性はもともと高くなっています。
シーズンとプレーオフの間のインターバルなどの規定もあって、過去のデータから現実的に消化しきれないチームも確かに出そうな気がします。

この「日程打ち切り」に対してセリーグ各球団でも3対3に意見が真っ二つに分かれているようですし、さらに選手会や開催球場側の絡みもあって事態は複雑化しそうな気配があります。

そもそも「とにかくプレーオフをやろう」という“プレーオフありき”の問題が事態をややこしくしていると思うのですが、少なくともセリーグに対しては、パリーグがプレーオフをやっていた3年間もの間、いったいプレーオフ開催に際して何を検討していたのかと言いたい気分です。
この程度のことは既にクリアされているからこそ導入を決めたと思っていたのですが、どうやら行き当たりばったりで決めたとしか思えません。

まあもともとプレーオフにはあまり賛成ではないという私のスタンス上の問題がありますが……。

ところでこうした日程切り上げは、MLBでも行われていますし、過去にも「消化試合」を減らすために、日本のプロ野球にも導入するべきとの声が上がっていました。
同一リーグのチーム内で試合数が違うというのは勿論違和感がありますが、過去にも引き分け再試合方式を採っていた頃は各球団の試合数が違ったことがあります。そのために個人タイトルにケチをつけた(つけられた)という話も寡聞にして知りません。

ただ、公平、公正という観点からは、なるべく試合数は同じ方がいいと思います。
であるならば、“全力を尽くして”試合を消化して欲しいものです。

最近、見なくなりましたねえ、ダブルヘッダー。最後にやったのはいつなのか、誰かご存知ないでしょうか?

MLBが日程を打ち切るのもやむなしとするのは、日本以上にはるかにタイトな日程に加え、「中止→翌日ダブルヘッダー」や、「悪天候→回復の見込みがあれば何時間も待つ」といったことをやった上でのことです。
翻って日本の場合、「シーズンとプレーオフの間のインターバルなどの規定もあって、過去のデータから現実的に消化しきれない」のは、昔は毎年のようにやっていたダブルヘッダーがなくなったからではないのでしょうか?
あの「10.19」もダブルヘッダーが産んだドラマでしたが、今の若い人たち(20代の方々)はご存知なんでしょうか?
1試合の入場料で2試合楽しめるという、消化試合に対するファンサービスとしてはもってこいという利点もあります。
MLBとは移動や球場使用の問題が違うということもありますが、日程を打ち切る前に、やれるだけのことはやって欲しいと思います。

昔はダブルヘッダーをやっていましたし、試合数が今よりも多い時期がありました。
移動手段も、昔よりははるかに優れています。
できないことはないと思うのですが、どうでしょう。

たぶん、最近の選手会のスタンスからして強烈な反発がありそうですが……。

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posted by bunchousann |19:34 | 野球 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年01月12日

5年300億、プロスポーツ史上最高額契約を(ちょっとだけ)検証

今朝は、ベッカムの巨額の契約に驚いた人も多いでしょう。

何でも欧州の06-07シーズンが終わる今年8月からのMLSのロサンゼルス・ギャラクシーとの移籍交渉が成立したとのことです。契約総額は、インセンティブも含めて5年間で1億2600万ポンド(約296億円)。
単純計算で年およそ60億円ということですから、これは彼が今までサッカーで得た年俸とそれ以外の全てを合計した年収の軽く2倍以上というとてつもない収入になります。

これまでのプロスポーツ史上最高額の契約は、過去記事にも紹介しましたが、現在はMLBのニューヨーク・ヤンキースに所属するアレックス・ロドリゲスがテキサス・レンジャーズ時代に結んだ10年2億5200万ドル(+インセンティブ)。ベッカムはそれとほぼ同額を半分の5年で得るというのです。
しかもA-RODの場合は、キャリアが全盛期に向かう過程での契約でしたが、ベッカムの場合は、どう見てもこれから下り坂に向かう中での巨大な契約です。
アメリカではMLBの今年のFAの目玉であるバリー・ジトがサンフランシスコ・ジャイアンツと交わした7年1億2600万ドルという契約が物議を醸しだしているようですが、ジトは「ドル」、ベッカムは「ポンド」。MLBのアホウドリ契約も、ベッカムの契約の前にはかわいく見えてきます。

それにしても、300億円もの金額を本当に回収できるのでしょうか?
何しろアメリカのサッカー市場は、他の北米4大スポーツが有している市場規模と比較すればまだまだ未発達です。
有力スポンサーを多数獲得できること、観客増に繋がること、など、プラス要因はいくつでも挙げられますが、こと肝心要の放映権料の増収に関してはどうなんでしょう。
これが現在MLSではどうなっているのかがわからないのですが、仮にリーグ一括管理方式であるならば、契約期間内にその額をいきなりアップさせることはかなり絶望的と言えるのではないでしょうか。

ところで、ベッカムに払われる報酬がこれほどまでに高額になった背景にはアメリカ人の「移籍違約金」に対する考え方が大いに関係していると言えそうですね。
少し前に野球とサッカーのビジネスモデルを比較した本を読んだのですが、アメリカ人は欧州サッカーにおける移籍違約金の概念がいまいち理解できないようなんです。
つまり、移籍金を相手クラブに払うという行為も、獲得選手に報酬を払う行為も、結局は選手を獲得するために金銭を払う行為という点では同じなので、移籍金のやりとりをすることで選手側が損をしている、だからサッカー選手の年俸はMLBの野球選手の年俸よりもはるかに低いのだということのようです。
この考え方に照らし合わせると、今回のベッカムの場合はボスマン移籍なので移籍金が発生せず、そのために移籍金の分だけより高額の年俸になったのではないかと思います。

ちなみに日本人にもっと身近な例で挙げますと、昨年末に松坂がボストン・レッドソックスに移籍した際の代理人、スコット・ボラスのコメントもこの考え方と一致するものです。
ボラスは「これがもしもポスティング移籍でなかったら、松坂はポスティング料としてレッドソックスが払った60億円も自らの報酬にすることができた」というようなことを言っています。ポスティング料は移籍金とは厳密に言えば違いますが、やはりアメリカのスポーツビジネス界には似たような考え方があるのだと思います。

さて、欧州トップリーグを離れることによって、レベルダウンした環境で彼の実力は発揮しやすくなるのでしょうが、残念ながらスリーライオンズに戻りたいという彼の願いからは遠ざかることになるでしょう。
「フットボール」の母国、イングランドの人々にとって、「サッカー」不毛の地でプレーすることが評価の対象になるとは思えません。

ただ、幾多のスーパースターがやってきてもアメリカ人はサッカーにまともなお金を投入しませんでした。スペクテイター・スポーツとしてのアメリカサッカーが今後どうなっていくのかには注目したいと思います。

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posted by bunchousann |12:38 | サッカー | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年01月10日

韓国戦中止ですか……出鼻をくじかれました

いやあ、すごく期待していたんですけどね、ガチンコ日韓戦。

どうやら「アジアの国々とはアジアカップでたくさん戦うのでやりたくない」という先方の都合で中止になるようです。

親善試合であるにも関わらず、(過去の事例を鑑みれば)真剣勝負ができるということ、また実力が伯仲していることなど、何かとメリットは大きかったと思うんです。
久しぶりにまともな親善試合が組めたと思っていた矢先の出来事でした。

韓国戦が行われるはずだった3月24日とその後の28日は、FIFAの国際Aマッチデーに指定されており、オシム監督は、この試合で懸案の欧州組の召集に踏み切る予定だったと言われていますね。
格下のスパーリングパートナーであればそういうことはないと思いますが、韓国クラスの相手ならば試す価値はあると言えるでしょう。

で、JFAは急遽代替案を練り直さなければならなくなったのですが、どうするんでしょう?

ここで説明するまでもなく、国際Aマッチデーにはどこの地域でも代表の試合が行われるわけで、今さら代替チームを探す作業は困難と言えます。

まず、欧州各国はEUROの予選真っ最中であり、日本での試合となると難色を示すことは間違いないでしょう。
今年最初の代表戦であり、スポンサーの都合でおそらくホームでやる取り決めになっているのでしょうし、協会の運営資金調達のためにもホーム開催にこだわるでしょうから(確か韓国戦も本当はアウェーの予定だったそうですし)。
それでもこちらが欧州遠征をするとなるといくつか魅力的な国々も残っていますが……。
21日にナビスコとACL、25日にナビスコの試合がありますが、幸いJリーグは31日までありませんから、ACLに出ないチームの選手は行こうと思えば比較的余裕を持っていくことも可能です。
EUROの予選は、グループによっては奇数の国で構成されたグループもあるので、日程によっては試合のない国々もあります。
24日はフィンランド・アルメニア・イタリア・ハンガリー・サンマリノ・アンドラ・スウェーデン・ラトビア・アイスランド・ブルガリア。
28日はベルギー・カザフスタン・フランス・ボスニア=ヘルツェゴビナ・ドイツ・ロシア・クロアチア・マケドニア・デンマーク・ベラルーシの各国が予選の試合がありません。
ただし、イタリア、ドイツ、デンマークなどは既に親善試合を組んじゃったりしていますし、強豪国ほどそういうオファーは多いもの。
現地でやるならば、欧州組を呼びやすいというメリットはありますが、やはりスポンサー様のご意向には逆らい難いでしょう。

となると、欧州以外の国々から日本に来ていただくしかないのですが、こうなると、極東という地理的なハンデがモロに出てしまい、なかなかいいコンディションといいメンバーでやって来てくれるチームにめぐり合う確率はぐんと減ってしまいます。

対戦相手としていい相手、どこかいい国はあるんでしょうか?

いっそ合宿をやって、チーム戦術の浸透を図るという手もありますが、そうなると、佳境を迎えた欧州各国リーグの選手を合宿のためだけに日本に呼ぶというのは難しいでしょう。

どっちにしても、今年のしょっぱなから出鼻をくじかれた感は否めませんね。

マッチメイクも協会の重要な仕事。腕の見せ所をちょっとだけ期待しましょう。

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2007年01月06日

現場に奮起を促すのは結構、でも本当に現場だけの問題か?

オリックスの新しい球団社長の発言が話題になっています。

中でも注目の発言は「オリックスの選手は清原ぐらいしか知らない」と堂々とマスコミに向かって発言したことです。

マスコミの論調では、どこか違和感を感じながらも「歯に衣着せぬ発言」やら「激辛エール」などと、一定の評価を与えています。

確かにここ数年の低迷を考えると、カンフル剤的なものが必要な気持ちはわかります。雑賀社長の発言意図はおそらくそういうことだったのだと思います。
しかし、それはあくまで球団内の話です。
問題は社長自ら「ファンの拡大」を謳っておきながら、では自分の発言がファンに対してどういう影響を及ぼすのかということに思いが至っていたのか、ということです。

スカイマークスタジアムに通うファンは、この発言を聞いてどう思ったのでしょうか?
清原以外の選手を応援している人たちもたくさんいると思うのですが、不快に思った人も少なくないのではないでしょうか?

そもそもこの球団の問題は、以前にもちょっと触れましたが、フロントにも大きな原因があると思っています。
過去には選手側から公然とフロント批判が出るなど、はっきり言って現場とフロントとの一体感がまるで見えてきません。
もちろんどの球団でも、多かれ少なかれ現場とフロントの間に齟齬が生じることはあるでしょう。しかし、多くは表だって出るほどの問題ではありません。

にも関わらず、今回の報道を見る限り、現場の奮起を抽象的に促すばかりで、自分たちの責任に言及するような発言はありませんでした。
だいたい生え抜きのスター選手がいないことや、成績が低迷していること、さらにファン離れが進んでいることに関して、果たして現場だけの責任と言い切れるのでしょうか?

まず、ここ数年で、オリックスほど目まぐるしく監督の変わった球団はありませんが、仰木さんの不幸なケースは例外にしても、こうしたことが低迷の一因とは考えないのでしょうか?
また、現場やファンの意向を完全に無視し、フロント(親会社)主導で勝手に近鉄と合併したことによって、ファンを失ったとは考えないのでしょうか?
さらに、かつて味わった栄光を取り戻そうということのようですが、その栄光のシンボリックな存在である神戸の街を捨て、単純に興行に適した京セラドームでいつか得るべき栄光というのは、果たしてファンを納得させることができるものなのでしょうか?

むやみに過激な発言をして人目を引きたかったのかもしれませんが、どうもこの球団の場合、特に選手たちに対しては逆効果であるような気がします。

本当に「清原しか知らない」のならば、「(注目選手は)2月にキャンプを見に行って自らの目で探してきます」と答えればいいでしょう。選手は球団の従業員ではなく、主力商品だということを理解するべきです。
「ここ数年は勝敗にも関心がなかった」とか、「昔はトラキチだった」などは、はっきり言って不要な発言とさえ感じます。

ファンだって、悲しいことですが、球団の幹部が親会社や関連会社からの出向ということは百も承知しています。

過度の期待をするわけではありませんが、失望するようなことはしないでもらいたいというのが本音でしょう。

少なくとも確実に言えることは、こんなことで注目を集める必要は全くない、ということです。

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posted by bunchousann |04:02 | 野球 | コメント(13) | トラックバック(1)
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2007年01月01日

2007年、年始のご挨拶

あけましておめでとうございます。

初めてのブログだったのですが、試行錯誤を繰り返しながら、飽きっぽい私が5ヶ月間続けてこれたのも、ひとえに読んで下さった皆様のおかげだと思っております(延べ12万4000余りのアクセスをいただきました)。

今年も年々衰えつつある私の思考回路を維持するためにも、もう少し皆様のお力をお借りしたいと思っております。

さて、2007年はどんな年になるでしょうか?

W杯とオリンピックの間の年、各競技では世界選手権が目白押し。

サッカーはオシム監督就任以来初の公式戦、アジアカップがあります。そして五輪予選も始まりますね。

野球はセ・パ両リーグにプレーオフ導入でどう変わるか、また、こっちも北京五輪の予選があります。

F1は「ミハエル・シューマッハ以後」の覇権争いに注目です。

今年もいろいろ考えることがありそうですが、現在若干酔っておりますので、年始の挨拶はこの辺にしたいと思います。

今年も一年、ヨロシクお願いいたします。

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posted by bunchousann |00:00 | その他 | コメント(6) | トラックバック(1)
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