2006年08月31日

「海外組」の大逆転

他の方のブログでも投稿がありましたが、欧州サッカーの移籍市場が閉じるのは8月31日の現地時間ということで、どこのクラブも選手の獲得、放出の最後の追い込みにかかっています。
この「シャッターが下りる寸前」の慌しさの中で、実際に大物選手の移籍が決まったことも多く、ここ数年では最終日の8月31日にレアル・マドリーがロナウド(02年)やオーウェン(04年)を獲得したり、ユベントスがイブラヒモビッチ(04年)を獲得したこともあります。

そんな中で、日本人選手の動きも活発になってきました。

まずは今朝になって、稲本潤一のガラタサライ移籍が発表されました。
今まで何の情報もなかったので、正直驚きました。

稲本は以前からプレミアへのこだわりが強く、過去にPSVとの移籍話が浮上したこともあるのですが、これを断ってイングランドに残ったくらいです。このままチャンピオンシップで頑張って、またプレミアのクラブからお声がかかるのを待つのだろうと思っていましたから、そんな彼がまさかトルコに行くとは予想できませんでした。
ただ、ここまでの稲本を見ると、どうも監督の戦力構想に入っているとは言い難く、活躍をしようにも、その機会が与えられるとは思えませんでした。
その点で今回の移籍はプラスに作用するでしょう。この土壇場で呼ばれたことが何より期待の現われと言えるからです。
トルコも既にシーズンが始まっているので、プレシーズンをチームと過ごしていない稲本はチームへのフィットに時間がかかるでしょう。
ただ、ガラタサライはCLのグループリーグ出場を決めており、試合数の増加から出場のチャンスは必ずめぐってくるはずです。また、国内では常にリーグ制覇が目標となるため、メディア、サポーターの厳しいプレッシャーも味わうことができます。
ここで勝者のメンタリティを身につければ、再びプレミアの門をくぐるチャンスもめぐってくるでしょう。彼個人のキャリアアップのためにも大いに期待したいところです。

一方で、今季期待されていた平山相太が戦力外通告をされたとのニュースも入ってきました。
昨シーズンは8ゴールと、弱小クラブで、かつプロでのルーキーイヤーとしてはまずまずの数字を残し、今季の飛躍が期待されていた1人です。
そんな平山が、今回の事態を招いたのはおそらくプロ意識の欠如に尽きると思います。
シーズンインの際に堂々とオーバーウェイトでキャンプに参加したこと、さらにオランダ語の勉強をオフの間に全くやっていなかったこと、報道されたこの2点だけでも軽い気持ちでオランダに戻ってきたことがうかがえます。
そんな彼の態度を見てのことか、クラブは新しいブラジル人FWを獲得し、平山の居場所はなくなってしまったというわけです。
冒頭にも述べた通り、欧州の移籍市場はまもなく閉じてしまいます。これから欧州で移籍先を探すのはかなり困難です。
となると、おそらくJリーグにやって来ることになるのでしょう。日本では彼の居場所はいくらでもあります。
ただし、今回の件で彼が肝に銘じなければならないのは、前述したプロとしての意識の持ちようです。
おそらくこれから「筑波大学までのキャリアで王様気分のままオランダに行ったからこうなったのだ」などと厳しい批判もあるでしょう。そんな批判を封じ込めるためにも、仮にJリーグにやって来ることになるのであれば、圧倒的な力の差を見せつけ、普段の練習から真摯に取り組む姿勢を見せて欲しいものです。
ちょっと偉そうなことを言ってしまいましたが、小嶺総監督様、どうか平山君に良きアドバイスを。

不遇を囲っていた稲本。飛躍を期待されていた平山。
いいとこどりをしたがるマスコミの扱いも大逆転するのでしょうが、それも含めてプロの宿命です。
両選手の新天地での活躍に期待しましょう。

posted by bunchousann |09:40 | サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2006年08月31日

ガナーズの扉をノックした日本の高校生

ノマッチさんが先に書くかと思ったのですが……。

今日の中日スポーツの1面に「獲得即決! ベンゲル監督惚れた!! アーセナル伊藤翔」の文字がでかでかと踊っているのを見て驚きました。
中日スポーツと言えばもちろん中日ドラゴンズの機関紙とも言うべき存在であり、本来ならば1面はドラゴンズの話題がほとんどです(デイリースポーツの“阪神1面占有率”ほどではありませんが)。それがいくら大敗したとは言え、また首位攻防戦ながらゲーム差が8もあるとは言え、優勝目指して驀進中のドラゴンズを押しのけてのトピックですから、インパクトも強烈なものがあります。

では、この“伊藤翔”クンとは何者なのでしょうか?

実は私も名前と簡単なプロフィールくらいしか知らなかったのですが、伊藤翔君は現在中京大中京高校(野球の方が有名ですね)の3年生。高校生ながらJリーガーたちに混じってU-19代表に名を連ねる有望選手です。
身長は183センチ、ポジションはFW。プレイスタイルがまさにアーセナルのティエリ・アンリに似ていることから一部では「和製アンリ」とも呼ばれるそうです。本人もそれを意識し、目標とする選手にアンリの名前を挙げ、さらに高校でもアンリがアーセナルでつけている背番号14をつけてプレーする入れ込みようだそうです。

で、この伊藤君、4月にもアーセナルの練習に参加していたのですが、今回はテストも兼ねての練習参加だったそうで、ミニゲームで何とアシュリー・コールを引き摺りながらなどの計5ゴールを挙げ、めでたくベンゲルの目に留まったのだそうです。

周知の通り、イングランドはサッカー選手に対する労働ビザの発給基準が他の欧州諸国に比べて厳しく、過去に宮本恒靖や三都主アレサンドロがビザが発給されずに移籍を断念したことがありました。
ただ、彼らの移籍先として名前が挙がっていたのはウェストハム、チャールトンと言った中堅クラブ。アーセナルほどの有力クラブならそれ相応の力を行使できるとかで……A代表歴のない伊藤君獲得のためにあらゆる手段をとる模様です。正式な契約はどちらにしても高校選手権の終了後になるので時間的な余裕があること、また昨季にカメルーン人の若手選手獲得の際に今回と同じケースで例外的に「有望選手」としてビザが下りたこともあって、ビザの発給に関してアーセナル側は比較的楽観的な様子でした。

と、ここまではニュースとしてほとんど事実関係を整理したに過ぎないので、そろそろ自分なりの見解を述べたいと思います。

海外移籍に際しては、階段を一歩一歩上るように身の丈にあったクラブを選ぶべきだというのが私の持論です。そのことは繰り返し述べてきたつもりです(過去記事をご覧下さい)。
その点から言うと、今回の伊藤君のアーセナル入団(まだ正式に決まったわけではないが)は私としてはお薦めできないことになります。
実際に入団を果たしても、せいぜいカーリングカップに出られたら御の字で、しばらくは、ほとんどの日々をリザーブリーグで過ごすことになるでしょう。

ただ、彼はまだ18歳。この歳であれば、まだ欧州でも未完成品として扱われる年齢です。
同じアーセナルに入団した稲本潤一のように、すでにJリーグで実績を積んだ上で移籍した選手とは違います。
ですから、プレッシャーを感じる必要がないのはストロングポイントになるでしょう。
また、高校を卒業してすぐにJリーグに進んだところで、トップの試合に出られる保証はありません。たとえ年代別の代表選手であっても、出場機会に恵まれない選手はたくさんいます。
どうせサテライトの試合に出るならば、Jリーグよりもプレミアシップのほうがいいでしょう。
そう考えると、それほど深刻に考える必要もないのかな、と思います。
練習ではアンリやロシツキー、リュングベリなどと一緒なのですから、彼らから1つでも多くのことを学び取って欲しいものです。

アリアディエールのような伸び悩みの例もないわけではないのですが、基本的にベンゲルの若手選手の素質を見抜く眼には定評があります。
伊藤君も、あのベンゲルに選ばれたのだと自信を持って、そして怪我のないように、最後の選手権に向けて万全を期してもらいたいものです。
あとは、英国内務省様、何卒労働ビザの発給をヨロシクお願いいたします。

(通りすがりさんのご指摘を受け、一部訂正させてもらいました)

posted by bunchousann |02:08 | サッカー | コメント(5) | トラックバック(0)
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2006年08月28日

フィーバーから1週間~高校野球に“ベッカム・カプセル”は必要なのか

決勝の再試合から1週間が経っても、「佑ちゃんフィーバー」は衰えるところを知りません。

斉藤君がマウンドで汗をぬぐっていた青いハンカチを求めてファンやマスコミが狂奔し、いつの間にやら「ハンカチ王子」なるニックネームが世間を闊歩しています。彼の群馬の実家には連日ファンやマスコミが殺到し、家族の方はちょっとした外出もままならない状況に追い込まれているようです。
こういう情報を耳にすると、つくづく英雄がいないと生きていけない人々の多さを思い知らされます。特にマスコミはその最たるものでしょう。「佑ちゃん」とその足跡を追いかけて東奔西走する様は、何だか泳ぐのを止めるとエラに酸素が供給できずに死んでしまうサメにも似て、呆れるのを通り越して最早哀れですらあります。

ところで、そんな「佑ちゃんフィーバー」がもたらす膨大な量の情報の中に、こんなものがありました。

いわゆる“ベッカム・カプセル”と呼ばれる高気圧カプセルの話です。高濃度の酸素を体に供給することで怪我や疲労の早期回復に効果があるとされ、2002年の日韓W杯の直前にイングランド代表のベッカムが骨折からの早期回復を目指して使用したことから、日本でも有名になりました。
この“ベッカム・カプセル”を早稲田実業のナインは使用していたというのです。
正直、驚きました。
ベッカムの他にも、今回のドイツW杯に際して同じイングランド代表のウェイン・ルーニーや日本代表の柳沢敦も怪我の治療の過程でこの高気圧カプセルを使用したと聞きましたが、いずれにせよ、このような代物は体の全てを自己管理すべき立場にあるプロのアスリートが使うべきものだと思っていました。
斉藤君が4連投という過酷な条件下の中で、疲労困憊のはずの終盤に自己ベストに迫るような140キロ台後半のストレートを連発していた(実際に私は観ていないが、うんざりするほど報道されている)その理由の一端が垣間見えた気がしました。
3連投となった駒大苫小牧の田中君も、本来は150キロのストレートを投げる豪腕として高校野球のファンなら説明不要の選手ですが、菊池君に代わって登板した再試合の中継をほんの少し観た印象では、とても本来の球速ではなく、ストレートはせいぜい140キロに届くかどうかといったところでした。
効果は、明らかに出ていると言ってよいでしょう。

選手の体を過密日程から保護する、その目的は痛いほど理解できます。しかしながら、こうした特殊な治療機器を使ったことで、優勝にケチをつけるような心ない輩が必ずいるということを、果たして早実の監督をはじめとする関係者はどれだけ理解していたのでしょうか?
実際に各種掲示板にはすでにその手の投稿があふれています。早実の選手たちが全力を尽くした事実は何ら変わらないというのに、優勝どころか、日頃のハードな練習さえも否定されかねないというのはあまりにも酷い話です。
もっと複雑なのは、駒大苫小牧の選手たち、中でも田中君でしょう。
自分たちにもそんな便利なものがあったならば……とは口が裂けても言わないでしょうが、過密日程による疲労のせいで本来の投球ができなかった悔しさは、一層増幅することでしょう。
アンフェアとまでは言いませんが、何処かすっきりしない感じがするのは決して私だけではないはずです。

そして、「伝説の決勝戦」にこうして瑕疵をつけた最大の原因は高野連にあります。
もう以前にも書きましたが、このような過密日程さえなければ、2人の好投手が常軌を逸する連投を強いられることもなく、連投の疲労を取るために高額な医療機器を利用する必要も無く、医療機器を利用することで、勝利にケチがつかなくても済むのです。
よりフェアでフレッシュな勝負が観たいのは、全てのファンの願いです。
一般に危機管理に際しては「事故が起こってからでは遅い」と言いますが、既に過去に事故が起こっている状態であるにも関わらず、何ら改善しないというのは、やる気の有無を問うだけでなく、もっと別のダーティーな理由の有無を問いたくもなります。
阪神球団とも相談して、一刻も早い善処をとるべきです。

クーベルタン男爵の名言に「オリンピックは、参加することに意義がある」というものがあります。
このブログを観るようなスポーツ通の人たちには、男爵の名言の正しい意味を説明する必要もないでしょうが、アマチュアリズムの権化である高野連の主催する高校野球において、“ベッカム・カプセル”が使用された(早実を擁護するなら「使用せざるを得なかった」)事実を観て、男爵がどんなコメントをするのか、是非聞いてみたいものです。

posted by bunchousann |19:00 | 野球 | コメント(11) | トラックバック(0)
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2006年08月25日

F1トルコGPと東京五輪

今週末はF1のトルコGPが開催されます。

イスタンブールのサーキットはティルケのコースデザインの中でも最高傑作と言えます。オーバーテイクもたくさん見られそうで、面白い闘いが期待できます。昨年はライコネンが優勝し、チャンピオンへの望みをかすかに繋いだわけですが、果たして、今年はどうなるのでしょう?
アグリチームのニューマシン“SA-06”も、フロントサスペンションなどの未完成な部分がついに整うわけで、信頼性の問題はあるにせよ、これまでのように「しんがり」を務めることだけは避けてもらいたいものです。

で、このトルコGP。
ここ数年、トルコ以外にも、マレーシア、中国(上海)、バーレーンと新しいGPが開催されるようになりました。
基本的には金持ちスポーツのF1にとって、新しい市場、スポンサーの開拓は必須事項であり、13億人の大市場を睨んだ中国GPやオイルマネーを狙ったバーレーンGPはシンプルにそういう目的なのだと納得させられるのですが、トルコGPだけは、何となく違った匂いが漂っています。

トルコGPには、政治の匂いが漂っています。
と言っても、決してネガティブな意味で言っているつもりはありません。

トルコという国にとって目下の懸案事項は、何が何でもEUへの加盟を果たすことです。
ところが、これまでのところトルコは単なる加盟候補国の1つであり、2007年からの加盟が可能となっているルーマニアやブルガリアのように、期日が設けられているわけではありません。
加盟交渉は、どうやらあまり上手くいってないようです。
クルド人などの少数民族の権利保護が不十分だというのがおそらく最大の理由なのでしょうが、どうやらそれだけではないようです。
トルコがイスラム国家だから、欧州的ではない、という感情的な理由もあるようです。また、人口が約6900万人と多く、これはイタリアやスペイン、フランス、イギリスといったEU内の大国を上回る規模であるため、大国が発言力の低下を恐れて参加させないのだという話も一部では聞こえてきます。

そんな中でのF1トルコGP開催には、トルコ政府の全面バックアップがあったと聞きました。
私には、トルコがF1という欧州の文化を受け入れることによって、自分たちも欧州の一員であるのだと必死にアピールをしているように思えるのです。
2005年にイスタンブールのアタチュルクスタジアムでCLの決勝が行われたように、サッカーの世界ではとうに欧州の一員ですが、それだけでは物足りなかったのかもしれません。

スポーツによる国家のアピールというと、現在の醒めた日本人にはピンとこないかもしれません。
2002年のW杯も、少なくとも日本は韓国ほどに対外アピールをしませんでしたし(その結果の共催という声もあるが)、2016年という随分先の五輪開催で、東京と福岡が泥仕合を演じていますが、日本という国家のアピールという点では、五輪の開催がそれほど重要なことだとは思えません。
それもそのはず、政治的、経済的にある程度成熟した国家であれば当然のスタンスと言えるでしょう。

ところが、日本にもスポーツで国家をアピールした時代がありました。
1964年の東京オリンピック。
高度経済成長真っ只中に行われたこの大会で、日本は敗戦からの復興を世界に大きくアピールしたのでした。

現在のほとんどの日本人は、6月のW杯を見ても然り、先日の高校野球を見ても然り、もはやスポーツに純然たる競技の面白さすら求め得ず、専ら「感動」と言う名のドラマだけを求める国民になってしまいました。
そんな現在の日本人の1人で、スポーツを愛する者としては、トルコの人々や、東京オリンピックの時代を生きた人々が、少々羨ましく思えてなりません。
スポーツが国家を大きく前進させる推進力となっている、そんな時代を生きている(いた)のですから。

posted by bunchousann |02:24 | F1 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2006年08月23日

改めて「託児所」の可能性を思い知らされた

拙稿『安易な「ブランド」信仰でなければよいが……』では、小笠原や大黒の移籍話について否定的な考えを述べさせてもらいました。
そこで日本人にとって、いや、世界中の多くの「フットボーラー輸出国」の選手にとって、最も理想的な海外移籍とは何かを、ここ数日(不謹慎にも仕事中に)考えてみました。

この夏は、ご存知の通り「ユーべの八百長」絡みの大型移籍が絡んで、期限までまだ1週間を残しているにも関わらず、欧州全体で有力選手の移籍が相次いでいます。

そんな中、私が注目していたのは、ここ2シーズンのフェイエノールトの爆発的な攻撃力を支えていた「K・K」コンビの行く末でした。

サッカーファンならご存知の通り、カイトはリバプールへ、カルーはチェルシーへの移籍が決まりました。
カイトはここ5シーズン連続でエールディビジで20ゴール以上をあげている安定感が魅力です。移籍先のリバプールではイングランド代表のクラウチとの競争が予想されますが、代表ではゴールをあげているクラウチもレッズでは昨シーズンリーグ戦でわずか7ゴールしかあげていません。あくまでも参考のデータですが、ゴールデンシューのポイント換算では、15ゴール程度は期待できるわけで、上手くプレミアのスピードに順応すれば、即エースとなることも充分に可能です。
一方のカルーですが、こちらは何と言ってもシェフチェンコ加入の影響をモロに受けることになりそうで、同胞のドログバに次ぐFW3番手あたりを争うことになるでしょう。しかしまだ21歳と若く、ほんの少しモウリーニョが我慢すれば一気に花開く可能性も秘めています。

それにしてもこの2人、昨年までフェイエノールトで小野伸二のチームメイトだったんです。
それが今では04-05欧州王者のリバプールとプレミア2連覇のチェルシーの一員なのですから……。
何だか、急に遠くへ行ってしまった感じがするのは私だけでしょうか?

この2人の移籍の事実を目のあたりにして、毎年のことながら改めてエールディビジ、とりわけその3強の可能性を思い知らされます。
オランダは優れたスカウティングによって世界中の優秀な若手を集め、育成して大国の強豪リーグに移籍させることで有名です。この事から「欧州で最も優秀な託児所」と呼ばれることもあります。
フェイエノールトに限っても、過去にはトマソンがミランへ、ファンペルシがアーセナルへとステップアップを果たすなど、ビッグクラブへの入り口へとなっています。アヤックスやPSVなども含めると、いったい何人のワールドクラスの選手が産まれたのか、数えるときりがありません。

この「オランダ3強経由ビッグクラブ行き」こそが、何となく海外移籍の理想形のような気がします。
それでは、これから日本人にその可能性があるのでしょうか?

結論から言うと、可能性はあるが、かなり困難な道であると思います。

小野伸二はフェイエノールトでレギュラーを獲り、その可能性を最もよく見せてくれた選手でしたが、やはりオランダ3強はそれほど甘くはありません。小野のケースは、あくまでも例外的に彼が優れていたということにしておいたことがいいと思います。
Jリーガーの出世例としては韓国代表のパク・チソンに触れないわけにはいきませんが、彼も京都からPSVに移籍したものの、2年間はレギュラーを獲れませんでした。ヒディンクが辛抱強く彼を起用しなかったら、今頃彼はオールド・トラフォードのピッチには立っていなかったかもしれません。

しかし、チャンスはあります。
オランダ3強のレベルは確かにそれなりに高いものがありますが、それ以外のエールディビジのクラブはというと、それほどのレベルにあるとは思えません。
過去に藤田俊哉、戸田和幸といった日本代表経験者が短期間ながらそれぞれユトレヒト、デン・ハーグといったクラブでレギュラーとしてプレーしました。ヘラクレスの平山相太もまだ奮闘中ですが、レギュラーを獲るチャンスは充分に残ってます。
これらエールディビジのクラブでレギュラーを獲るのは、日本代表レベルの選手であれば、そう難しいことではないと言えます。

ただ、プレー以外で問題があるとすれば、エールディビジの財政規模、この一点に尽きます。
エールディビジでは外国人選手に最低でも日本円で約5000万円の年俸を保証しなければいけないのだそうですが、この金額を3強以外のチームが捻出するのはかなり至難の業です。
何しろオランダは人口1500万人程度の国ですから、市場の大きさは限られています。ヘラクレスの平山の場合は、日本のスポンサーがつくことでやっとこさ年俸の支払いが行われている状況です。
先に紹介した藤田俊哉も、ユトレヒトで充分な戦力になっていたにも関わらず、ユトレヒト側が当時藤田の保有権を持っていたジュビロ磐田に5000万円のレンタル料が払えないということであえなく日本に帰還するハメになってしまったほどです。しかもユトレヒトはヘラクレスと違って残留を争うクラブではなく、毎シーズンUEFAカップ出場を目標とする「セミトップ」と呼ばれるクラブですから、エールディビジ全体がいかに財政的に厳しいかが解ろうかというものです。

それでも平山が現在プレーできるように、チャンスは0ではありません。
もしエールディビジのクラブに所属し、そこで好プレイを見せれば、同じオランダの3強に引き上げられる、そんな可能性もあるわけです。
もちろん、小野伸二のように、パク・チソンのように、いきなりJリーグから引き抜かれることもあるかもしれません。
そしてその後は……本人の努力とほんのささやかなタイミングの妙によっては豊かな可能性が待っています。

以前にも書きましたが、闇雲にハイレベルを目指すことがいいことだとは思いません。
階段は大股で上るよりも、一歩一歩上るほうが楽だし、怪我をする可能性も少ないのですから。

posted by bunchousann |02:26 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年08月21日

2人の将来を大人が潰してはならない

「野球は記録のスポーツ」とは、元パリーグ公式記録員の千葉功さんの名言ですが、野球とは、それに付随する膨大な数字によってある程度試合の内容が想像できてしまう特殊なスポーツといってよいでしょう。

私は仕事の都合で最後まで観ることはできませんでしたが、駒大苫小牧の田中君と早稲田実業の斉藤君がどのような死闘(死投)を演じたかは、彼らが投じた白球の数によって想像できます。

しかも、このような投球を彼らは酷暑の炎天下の中、2日、3日と続けており、その疲労はもはや限界の極みに達していることでしょう。

スポーツ科学の進化した現代にあって、他のスポーツでは考えられないようなハードスケジュールが、どういうわけか高校野球に限ってはポジティブに捉えられ、ファンもマスコミもほとんど疑問を差し挟もうとしません。
高校生よりもはるかに体力に優れているはずのプロの先発投手でさえ、現代では、だいたい前回の登板から中5~6日で登板し、しかも完投さえすることなく、中継ぎや抑え投手に交代するのがスタンダードです。
夏の高校野球を主催するA新聞ならともかく、ほかのマスコミは、この超過密(というか過激)日程にとっくに異を唱えても良さそうなものなのですが、少なくとも私は寡聞にしてそのような話を聞いたことがありません。
それどころか、むしろ「熱投OOO球」などと連投を賞賛し、チームのために“文字通りの”犠牲になることを奨励するかのような報道が目立ちます。
ここのファンブログもいくつか読ませてもらいましたが、ほとんどの投稿が「暑い中、よく頑張った。明日も暑いだろうが頑張れ」といった類の“応援”ばかりでした。
今回の連投で、2人の投手生命が、一時的にでも危機に晒されているといった認識の投稿は、私が見る限り、1つだけだったような気がします。
ただ応援するのは簡単ですが、責任を持って応援するのは難しいことだと思います。

本当にチームのために犠牲になり、投手生命を絶った投手だって、何人もいるのです。
彼らの投手生命は誰のものでもなく、投手本人のものであるにも関わらず……。

まして今回の2人はプロも注目の好投手です。
おそらく、彼らには将来があります。ここで野球を終わらせる選手ではないことは他ならぬファンが最もよく解っているはずです。

彼らは、言われれば投げるに決まってます。
ですが、責任を取らなければならないのは、言うまでもなく大人です。
職業監督のプロフェッショナリズムの履き違えで、前途有望な若者の将来を潰してはいけません。

プロ野球のスカウトの中には、こうした高校野球の現状を嘆いて、「甲子園は才能の墓場」と呼ぶ人もいるほどです。

もう、日付が変わってますから今日になりますが、おそらく2人とも自分の将来よりもチームの勝利のために投げるのでしょう。
責任ある立場の大人たちの善処も、おそらく期待できない中で、私としては、遠い未来にこの日の悪影響が現れないことをただ祈るばかりです。

posted by bunchousann |03:05 | 野球 | コメント(3) | トラックバック(1)
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2006年08月18日

誕生日にあの男とその「存在感」を想う

全く個人的なことで恐縮ですが、8月18日は私の誕生日であります。
プロフや過去の記事にもある通り、今年で31となりました。

さて、林家ペーや一部のプロ野球ファンならご存知でしょうが、8月18日と言えばあの有名選手の誕生日として有名(?)であります。

清原和博。昭和42年8月18日生まれ。今年で39歳。

初めて清原を観たのは忘れもしない私が10歳の夏。
PL学園で既に大スターだった彼を甲子園に観に行きました。3年生だった彼が後に優勝することになる最後の夏の大会、3回戦の対津久見戦でPLが3-0で勝った試合だったことは覚えています。

それからの彼の経歴は詳しく書きませんが、彼がライオンズの若き4番打者として活躍していた頃に、幸いにして、私は数多く生で観戦する機会がありました。

中学2年の夏までを私は大阪で過ごしました(小5の夏まで枚方、中2の夏まで吹田)。私が子供の頃には、関西に南海、阪急、近鉄と今は無き私鉄3球団が存在していたので、ライオンズもビジターの半分以上は関西でゲームをしていたわけです。そんなわけでこれら3球団のホームスタジアムである、これも今は無き大阪球場、西宮球場、藤井寺球場にしばしば観戦に行ったものです。そのほとんどが、ライオンズの試合でした。
白状すると、私の少年時代の憧れの選手は彼の前を打つ秋山幸二だったのですが、やはり「存在感」を感じたのは同じ関西人の清原だったのです。
例えば、藤井寺で観たホームラン。近鉄ファンの方ならご存知でしょうが、藤井寺は住宅地のど真ん中にあるため、鳴り物が一切使えませんでした。「お前は過保護のキーヨハラ!」と近鉄ファンからの野次がモロに聞こえる中でかっ飛ばした豪快な一発を、私はたぶん忘れることは無いでしょう。

そんな清原を観ていた小学生がもう31になったのですから、彼も歳を重ねたことになるわけです。
何とも皮肉なことに、彼は今、かつて彼に激しい野次を浴びせかけた近鉄の後継球団オリックス・バファローズに所属しています。
FA移籍した読売で辛酸を舐め、大幅な減俸も厭わず再起を図ったはずでしたが、ここ数年と同様にたびたび怪我に悩まされていることもあり、残念ながらここまでの結果は無惨なものです。
8月17日現在、55試合出場、打率.218、本塁打8、打点27、さらに出場試合数を大きく上回る65三振を喫し、往時の影は薄くなるばかりです。

と、ここまで書くと、読売時代にスタンドに横断幕を掲げていた「清原信者」なる方々はがっかりするでしょうが、巷間言われている、彼の「存在感」を示す興味深いデータを見つけたので紹介しておきましょう。

パリーグでも最弱の打線と言ってもよいオリックスにあって、清原の四球32は何と球団トップ。わずか55試合の出場で規定打席に到達している北川や村松などよりも多いのです。
たとえどんなに低打率にあえごうが、三振を繰り返そうが、「存在感」は確かに存在し、相手投手にもはっきり影響を与えるのです。

さて、現在は名古屋在住の私ですが、交流戦という便利なものができたにも関わらず、もう20年近くも彼の存在感を生で感じていません。
彼が読売在籍時には、ほぼプロ野球公式戦をスタンドで観る環境になかったものですから……なんて、言い訳ですよね。
それでも、1人の選手の若き日々から最晩年までを知ることができそうなのは、私の人生史上、たぶん清原が初めてのような気がします。

「存在感」がもうしばらく消えないことを、今は願うばかりです。

posted by bunchousann |02:48 | 野球 | コメント(1) | トラックバック(1)
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2006年08月17日

驚嘆、感動、そして感謝!

いやあ、驚きました。
8月16日のアクセス数が何と2667(ランキング3位)!

8月15日までの累計アクセス数以上のアクセスがたった1日であったことになるのです!

昨日はナゴヤドーム時代の後輩たちと飲んでいたのですが、帰宅してほろ酔い気分でパソコンを立ち上げると、目を疑うような数字にほんとに驚きました。

ちなみに私がこのブログを始めたことを知っているのは上記の後輩たち、わずか4人しかいません(しかもこの日の飲み会で教えたばかりです)。

つまり、このブログを見てくださっている方は、ほぼ私とは個人的に何のゆかりも無い方ばかりというわけでして……そう思うとド素人の文章をわざわざ時間を割いて見てくれていることに対して猛烈な感動が襲ってきたのであります。

皆さん、本当に有難う! お盆の最中、10日から21日まで12日連続で働くことになる身には本当に励みになりました。

私のモットーは、他人があまり書きそうにないネタを書くことです。
これからも、良さそうなネタがあれば適当に更新してまいりますので、何卒、ヨロシクお願いします。

posted by bunchousann |13:36 | その他 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年08月15日

安易な「ブランド」信仰でなければよいが……

ここにきて、2人の日本人カルチャトーレが誕生するかもしれないとのニュースを耳にしました。

まずは小笠原満男。代表経験も豊富な鹿島のバンディエラです。

今年2月まで柳沢敦が所属していたシチリア島に本拠をおくメッシーナからのオファーを、どうやら受諾する模様です。まだ柳沢がいた昨年の冬にもオファーがあったようですが、その時はW杯に集中するために断ったという経緯がありました。

もう1人は大黒将志。ガンバで花開き、代表の窮地を救い、日本人に「大黒様」とあがめられた男。

小笠原とは対照的に、こちらはガンバのJリーグ優勝を置き土産に、欧州の冬の移籍市場に合わせて、W杯まであと6ヶ月という難しい時期にあえて海外に飛び出しました。
行き先はグルノーブルというフランス2部のクラブ。シーズン半ばの加入後、リーグ戦出場17試合5ゴールという成績を残しました。
ただし、彼はグルノーブルの戦術とは合わないとの声明を公に発信し、獲得の噂があるセリエA、トリノへの移籍を希望しているとのことです。

この2人のセリエA挑戦、一昔前なら無邪気に歓迎する空気が日本のサッカーファンの間にもあったと思うのですが、果たして、知識と意識をともに成長させつつある、現在の目の肥えたサッカーファンの皆様はどう感じているのでしょう?

私はセリエAのマニアでも何でもありませんが、あまり素直に喜べないのが本音です。

2人の移籍報道を聞いて最初に思ったことは、とにかくセリエAなら何処でもいいからプレーしたいのだな、ということでした。

そもそもこの2人のプレーするメッシーナとトリノ、いったいどんなクラブなのでしょう?
まずメッシーナは昨シーズンを18位で終え、本来ならばセリエBに降格しているはずのクラブです。しかし、ユベントスが「八百長裁判」の判決を受けてセリエBへの降格を命じられたために、おそらく「高い確率で」残留するであろう、と言われているクラブです。
トリノは逆にセリエBから昇格してきたクラブです。かつては40年代後半に「グランデ・トリノ」と呼ばれたスクデット5連覇の歴史も持つ古豪です。地元では同じ街に本拠を置くユーベよりも高い人気を誇るそうですが、いかんせん近年の成績では大幅に差をつけられてしまってます。

要するに、ギリギリ残留(予定)のクラブと昇格したてのクラブ。
当然のことながら、この2チームの今シーズンの目標は「セリエA残留」となります。

残留を目指すクラブにとって大切なのは、いかにして勝ち点を稼ぐか、この一点に尽きます。
0ポイントで終わるのを避けるために、引き分け狙いの試合をしたり、あるいは自陣に閉じこもることをも厭わない「つまらない」サッカーをすることも多いと思います。
小笠原や大黒はともに攻撃的な選手。こういうチームでプレーすると、自らの良さを発揮するのが難しいのではないでしょうか?
小笠原は鹿島では王様でしたが、新チームではそうはいかないでしょう。ペルージャでの中田英寿のように、いきなり自由を与えられるということはなかなか考えられません。下手をして、中盤を省略するような戦い方などされれば、それこそボルトンでの中田英のように存在意義さえ不明確になってしまいます。
大黒の場合はもっと深刻でしょう。彼は“アタカンテ”、つまり得点を取らなければ評価の対象になりませんが、イタリアに限らず欧州のFWは、フィリポ・インザーギのようなごく一部の例外を除き、周囲に活かされるのではなく、独力での局面打開が求められます。よしんばインザーギのようになるにしても、信頼を得るのに長い時間がかかるでしょうし、そもそも残留を目標とするチームが攻撃に人数を割くとも思えず、味方のサポートが充分にあるかどうかは不分明です。彼はグルノーブルのパス回しの少ないチーム戦術に不満を持っていたようですが、このままでは、皮肉にもグルノーブルの時と戦術がさほど変わらないような気がしてなりません。

トップディビジョン残留が第一目標のプロビンチャでも、「カルチャトーレ」の響きは甘美なものなのでしょうか?
セリエAという「ブランド」の力はそんなに偉大なのでしょうか?

誤解の無いように言っておきますが、私は日本人選手の海外移籍自体はおおいに賛成です。
ただし、ジャパンマネーの絡みもあって、どうしても日本人の海外移籍というとこの2人のようなパターンが多いように感じます。そこに、「ブランド」への憧れを持った選手が飛びつき……結果は……最近では大久保嘉人の例が最もわかりやすいでしょう(彼の場合はリーガについての勉強不足もあったと思いますが)。

日本代表の監督がオシムに変わってから、松井大輔への注目と評価が高まってます。
彼のように、階段を一歩一歩上っていけるような環境が日本人にももっと与えられれば、海外移籍ももっと意義のあるものになるのではないかと思います。

posted by bunchousann |21:48 | サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2006年08月12日

世代交代~ベテランの悲哀

今回もまた私と同い年の選手の話です。

8月16日に行われるギリシャとの親善試合に向けた、イングランド代表のメンバーが発表されました。
そのメンバー表の中に、あのデビッド・ベッカムの名前はありませんでした。
世界各国の多くのベテラン選手が今回のW杯で代表からの引退を宣言しましたが、ベッカムは主将の座を明け渡したものの、まだまだスリーライオンズの一員としてやる気を見せていました。
しかし、彼は多くの一流選手のように、「引退」を宣言する前に、監督の選考に漏れるという屈辱を味わいました。

もう引退してしまいましたが、日本で言えば中田英寿がメンバー落ちをするようなものと言っていいのでしょう。FAは代表メンバー発表の際に、わざわざベッカムを選考から外した理由について、時間を割いて説明したようです。

2002年のW杯を契機に、日本でもすっかり有名になったベッカム。
ただし、日本でもそうでしたが、どちらかというと、ここ数年の彼はサッカー以外の方で有名人であった感じがします。
彼のフットボーラーとしてのキャリアのハイライトは、なんと言ってもマンU時代、98-99シーズンの「トレブル」だと思うのですが、その頃の彼は、日本ではサッカー好きにしか知られていなかったはずです。

しかし、それも今は昔。
今のベッカムのプレーならば代表落ちも致し方ないのかもしれません。

近年のベッカムは、正確無比なプレースキックこそ超一流の技術を維持していますが、かつての運動量はなくなっていますし、もともとスピードのある選手ではないので、どうしてもプレー自体が緩慢に見えてしまうような気がします。
今回のW杯で同じ右サイドハーフにアーノン・レノンというスピード豊かな新星が現れたこと、また代表には選ばれなかったものの、ショーン=ライト・フィリップスというやはりスピードスターが同じポジションに存在することなどもあって、その緩慢ぶりが余計に際立つことになってしまったようです。
プレミアシップを見れば一目瞭然ですが、イングランドのフットボールは非常にスピーディーです。レアル・マドリーに移籍して、スペインの優雅ではあるが、ややスピード感に欠けるスタイルに慣れてしまった影響があるのかもしれません。
W杯期間はもちろん、それ以前から、こうしたベッカムの最近の代表でのプレーに対して、内外のマスコミから大きな批判の言葉が浴びせられました。今回の代表落ちに、その影響も少なからずあったのかもしれません。

イングランド代表のマクラーレン新監督は、これまでの彼のキャリアを尊重して、わざわざ直接代表落ちを告げたそうです。そして同時に、2008年のユーロに向けて世代交代を進めることについても伝えたということでした。

前回、中日の川上憲伸の今季の活躍に触れました。
野球選手としては一番脂が乗り切っている年代であっても、サッカー選手としてはすでにベテランと呼ばれる年代なのだ、と、一般社会人としてはまだまだ駆け出しと呼ばれる年代である私はしみじみ感じたのでした。
アスリートの寿命とは、かくも儚く短い。それゆえに、ファンは活躍した者に対しては、賞賛と尊敬を惜しまないのです。

それにしても、今日のサッカー界は、内外のベテランたちの悲哀が伝わってくるニュースばかりでした。
オランダでも、長年エースとして君臨してきた30歳のルート・ファン・ニステルローイがやはり代表から外れました。
日本では、ジュビロ磐田に所属する33歳の名波浩が、出場機会を求めて、降格危機に瀕しているセレッソ大阪にレンタル移籍するのではないかというニュースが飛び込んできました。

日本代表を見ても然り、世代交代は必然ではありますが、同い年のベッカムの代表落ちを知り、何となく感傷的になってしまうもうすぐ31歳の私でした。

posted by bunchousann |00:00 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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