2008年03月03日

英雄の新しい仕事~アジアの強豪国、監督出揃う

久しぶりにサッカーの記事を書こうと思います。

東アジア選手権、怪我人続出で苦しい台所事情の中で、日本はそれなりに健闘しましたが、残念ながら2位に終わってしまいました。
この大会が終わって、日本代表は岡田監督に代わってから6試合をこなしたわけですが、どうもその内容に関してはネガティブな意見が多いようです。中には監督を代えろなんて極端な意見も散見できました。

まあ内容ということで言えば、残念ながらまだまだ岡田監督の思い通りになっていない側面はあると思うので、同情の余地はあるかもしれません。ただし、選手起用や選手交代に関しては、東アジア選手権を観た限り、管理人もちょっと首をかしげるところがあるので、皆さんが抱く不満もわからないわけではありません。

だからと言って、現実的には後戻りをするのは非常に困難な時期だと思います。
既にアジアではW杯3次予選がスタートしています。日本は3月26日にアウェイでバーレーンと対戦しますが、3次予選ではおそらく最も実力的に高い相手であり、油断はならないと思います。

そんなアジアでは、昨年のアジアカップ以来、代表監督が不在の強豪国が多数ありました。
日本でも11月末にオシム監督が不幸にも病床に臥し、まさにチーム作りがこれからという時期に代表監督を交代する必要に迫られてしまったわけですが、実はこの時点で、2006年のW杯に出場したアジア各国のうち、日本、韓国、イランと、オセアニアから転籍したオーストラリアの代表監督が未定ということで、その人事が注目されていました。

その後、ビッグネームに悉くふられ続けた韓国は、結局自国から許丁茂(ホ・ジョンム)監督を迎え、そしてオーストラリアは、昨年のアジアカップまでその韓国で指揮をとっていたピム・ファーベーク監督に決定しました。

ちょっと話が横道にそれますが、最近「韓国経由オーストラリア行き」って多いですよね。
2006年W杯ではヒディンクが指揮をとりましたし、今回のファーベークで2例目なのですが、確かオーストラリアはファーベークにオファーする前にはディック・アドフォカート(現在ゼニト・サンクトペテルブルク監督)にオファーを出して、契約寸前でドタキャンされたように記憶しております。実質的にはここ数年で今回が3例目の「韓国→オーストラリア」とも言えそうです。

……本筋に話を戻します。

韓国、オーストラリアと監督が決まっていく中で、先日ようやく代表監督が決まったのが西アジアの雄とも言うべきイラン。
その監督が、あのアリ・ダエイ氏ということで、ちょっとした驚きを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

アリ・ダエイは世代的には日本で言うところの「ドーハ世代」にあたるわけで、既にほとんど現役を退いたこの世代では、多数の指導者がJリーグで活躍しています。ですから、彼が指導者をしていても一向におかしくないのですが、ついこの間までは現役だったということで、少々違和感を感じています。

全盛期の彼と言えば、やはり1997年のジョホールバルを思い出さずにはいられません。
当時、まだサッカーにそれほど詳しくなかった私でさえ、彼の名前は知っておりました。警戒すべき選手としてさんざん取り上げられながらもゴールを奪ってしまうあたりは、さすがはアジア屈指の選手だとしみじみ感じたものです。
その後もイラン代表の中心選手としてキャリアを重ね、Aマッチ出場148試合、そして何より109ゴールは世界記録としても認知されています。

欧州や南米の選手ではないだけに、対戦相手云々という指摘はどうしても避けられないと思いますし、その指摘は理解できることでもありますが、それでもイランにとってはまさに国家を代表する英雄と言えるでしょう。

ただ、すっかり選手としての能力が衰えたキャリアの晩年は、その巨大すぎる存在が足かせになり、どの代表監督も彼を外すことを躊躇したそうです。アリ・ダエイはイラン国内ではサッカー選手のレベルを超える政治的、経済的影響力を持っているとも言われており、誰もがその脅威から逃れられなかったのだと思います。
イラン代表のユニフォームサプライヤーは、国際的なスポーツメーカーではなく、彼の経営するファッションブランドのものですし、もうこれだけでその影響力の強さが伺い知れるというものです。

今回の就任にもそういったイラン国内のサッカー政治の状況がたぶんに絡んでいるとは思いますが、果たして上手くいくでしょうか。
監督である以上、現場の最高責任者になるわけです。意地の悪い言い方をさせてもらうと、これまでのように誰かが責任をとってくれるわけではありません。
指導者としての実績がほとんどないのも、ネガティブな要因として見られるのではないでしょうか。それに追いうちをかけるように「名選手、名監督ならず」という言葉も想起されます。
ただし、指導暦に乏しい名選手が、カリスマ性を発揮して、好チームを作り、好結果を残した例もたくさんあります。イランのサッカー界はこちらに期待したのでしょう。

ということで、日本もそうですが、最終予選で対戦が予想されるアジアの各国も、まだチーム作りはこれからということができます。
今回のアジア予選では、これらの強豪国が最終予選までにどれだけチームの連携面を高められるのか、そういった点にも注目が集まりそうですね。

posted by bunchousann |16:35 | サッカー | コメント(8) | トラックバック(1)
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