2007年10月30日

日本シリーズという華やかな舞台の裏側で……

くそう、ネタバレで観る気が失せた試合の後は快勝かよ……。
仕事で生中継で観られないのが何とも歯痒い限りです。さて今日の先発は誰でしょうか? とにかく期待しましょう。

セリーグ、パリーグのクライマックスシリーズを勝ち抜いてきた中日・日本ハムによる日本シリーズもいよいよ第3戦。
まさに日本プロ野球最高の舞台というべき日本シリーズですが、ここまで2試合、札幌ドームの熱気に包まれて好ゲームが続いています。

この時期、日本シリーズでプレーできる選手というのは、本当にプロ野球選手冥利に尽きるのではないでしょうか。
チームに対するマスメディアの扱いは他球団を圧してほぼ独占状態ですし、ファンの声援も一段とボルテージが上がります。
そして注目が高まれば選手のプレーも高まるものです。スポーツニュースでしか観ていませんが、初戦はダルビッシュの気魄溢れる投球にドラゴンズは手も足も出ず、2戦目はまさに先手必勝と言わんばかりに“アラ・イバ”のコンビプレーでグリンの出鼻をくじきました(「Get Sports」の横浜・石井拓朗の解説はなかなか面白かったです)。エースといい、切り込み隊長といい、注目の選手たちにああいうプレーが出るとチーム全体が盛り上がりますよね。

さて、このシリーズの記事はドラファンのブログが乱立している昨今、たくさんの方が書いていらっしゃるので、本稿ではその裏側でひっそりと伝えられた小さな、しかし毎年行われるもう1つのプロ野球選手の現実をお伝えしようと思います。

29日、シリーズを戦っているドラゴンズで、戦力外通告になった6選手の発表がありました。
初戦を落とした後の2戦目の勝利で、シリーズを戦う選手たちは気分よく名古屋に戻ってきたことと思いますが、今回発表された選手たちは一体どんな心境なのか、想像もできません。

(ここまで、去年の同種記事のコピペを一部改ざんして書きました。対比すると面白いかも)

それでは1人1人見てみましょうか。ファーム情報に詳しい方のコメントがあれば有難いです。

●21 樋口龍美(投手・3年目 1976年5月12日生まれ、31歳)
春先に教育リーグで観た時に、もう後がない、というコメントを残したのですが、やはり3年間1軍登板がなかった時点でこれあるは予感できました。
ファームの成績はそれほど悪くなかったのですが、3年目とは言え、年齢が年齢なだけに1軍で投げられなければ意味がないということでしょう。
自由枠で入団しながら、そのほとんどを怪我との戦いで終えてしまったわけで、そもそも勝負の舞台にさえ立てなかったのですから、さぞ悔しかったと思います。
貴重な左腕ということで、まだ需要があるかもしれませんが……春先の感じでは、短いイニングならば何とか投げられるかもと思うのですが。

●36 デニー(投手・20年目 1967年9月21日生まれ、40歳)
春先、1軍でいいピッチングをしていたのですが、早々に怪我で離脱してしまいました。その後はほとんど1軍での登板はなし。
なぜか、ファームでの成績がよろしくないので、それが上に上がれなかった原因なのでしょうか。
あるいは戦力外通告前から退団の意向を持っていたという話も耳にしましたので、引退か、あるいは首脳陣とのトラブルでもあったのでしょうか。
ただ、右の中継ぎは正直余り気味ですし、鈴木あたりとスタイルが被るような気がします。個人的にはまだまだやれそうな気がしますが。
ワールドシリーズに出た松坂大輔と松井稼頭央の激励に行っていたそうですから、トライアウトは受けないのでしょうか。

●58 石川賢(投手・4年目 1981年6月1日生まれ、26歳)
大学同期の川島(ヤクルト)が新人王を獲った時は、八戸大学繋がりで2年目以降はやってくれるかと思ったのですが……未だ1軍未勝利では致し方ないのかもしれませんね。
ファームでもいい数字は残っていませんし、ドラゴンズの投手事情を考えるとこの数字では上でチャンスを得るのは難しいと思います。

●70 三沢興一(投手・11年目 1974年6月8日生まれ、33歳)
読売時代の「便利屋」の姿も今は昔。ヤクルトで2年間を過ごした後、トライアウトを受けて中日へやってきたわけですが、結局1軍登板もないまま1年で戦力外に。
ファームでもまともに投げていないので、コメントのしようもありません。

●54 鎌田圭司(内野手・3年目 1979年3月26日生まれ、28歳)
樋口のところでも書いた、春にたまたま観た教育リーグでは大活躍していたのでちょっと驚きましたが、よくよく考えると仕方がないのかな、とも思います。
どのチームでも高卒選手と大卒・社会人出身の選手に求められる役割というのは多かれ少なかれ違うわけですが、ドラゴンズの場合、これがかなり明確に分かれていると思うのです。現在のドラゴンズでは、前者は将来のレギュラー候補、後者は今いる選手のバックアッパーとしての色合いが濃いような気がします。
鎌田のような内野手であれば、当然「アラ・イバのバックアッパー」になるわけですが、このポジションは明らかに余剰人員を抱えているとも思います。
他のメンバーをざっと挙げてみると、今年1軍を経験した柳田、代走のスペシャリスト澤井、ルーキー西川、岩崎(こちらも終盤は代走で出ていました)。パンチ力のある新井という例外もいますが、ほとんど俊足巧打系の選手ばかりです。
この中で鎌田はファームで46試合に出場しながら打率が.188しかなく、しかもメンバー中最年長。このあたりが原因だと思われます。

個人的には大卒・社会人出身でドラフト下位指名の選手がレギュラーになるのは、高卒のそれよりもはるかに難しいと思います。ドラゴンズには井端という偉大な例外がいますが、こういった例は他球団を見渡してもごくわずかだと思います。
言い方は悪いのですが、「使い捨て」られてしまうポジション。
レギュラーがガッチリしているドラゴンズにあっては尚更そういう印象があります。

●65 金本明博(内野手・2年目 1987年12月5日生まれ、19歳)
ドラゴンズがシーズン途中にウェーバー公示を申請し、育成選手として再契約を画策したとされることでちょっとは名が知られた、あの選手です。
このウェーバー公示はセリーグが選手会の抗議に対して「超法規的措置」でウェーバー公示を認めなかったために、結局球団側も矛を収めましたが、支配下登録選手枠の本質的な問題がうやむやのままに終わってしまった感は否めません(一応選手会の要請で、シーズン中の支配下登録選手の育成選手への再登録はできなくなったみたいですが)。
で、シーズンが終わって、案の上、戦力外通告。
まあシーズン途中でそうしようとしたくらいですし、こうなるのかな、という感じはしました。今後は育成選手として再登録を待つのでしょうか。

戦力外通告というのは選手の力量もさることながら、球団の編成上の都合というのも少なからず作用してきます。
もしかしたら、他の球団からニーズのある選手がいるかもしれません。
また、どこでもいいから野球を続けるということであれば、今は12チームに増えた独立リーグの各チームにとって、こういう「NPB出身」という即戦力は願ってもない補強になります。
社会人野球に戻る選手も以前にくらべれば随分と増えている印象があります。
あるいは、野球以外の他の道を歩む選手もいるかもしれません。

何にせよ、まずはお疲れ様です。
そして、これからのご活躍をお祈りしております。

posted by bunchousann |05:15 | 野球 | コメント(6) | トラックバック(4)
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