2007年07月02日

赤い跳ね馬の逆襲、ここから始まるのか~F1フランスGP

ここ数戦のF1の主役を張っていたのは間違いなくマクラーレン、とりわけ“スーパールーキー”のハミルトンでした。
カナダ、アメリカと連勝。ドライバーズポイントでもトップに立って欧州に戻ってきました。そしてここフランスから夏場のタイトなスケジュールへと突入するわけですが、果たして3連勝なるかとの期待もかかりました。
ですが、ここで笑ったのは赤い車(シャア専用ではありません)の2台でした。

マクラーレンは予選のQ3でアロンソにエンジントラブル発生、結局アロンソはQ3を全くアタックすることができずに10番手からのスタートという結果になってしまいました。エンジン交換しないで済んだのがせめてもの救いでしょうか。
ポールシッターはマッサ。2位にハミルトン、3位にライコネン。
琢磨は前回のアメリカGPでのペナルティが持ち越しになり、最後尾からのスタートとなりました。

スタートでライコネンがハミルトンを上手くパスし2位へ。ここでフェラーリは早くも1・2体制を築きました。そして2度目のピット後にマッサをかわし、そのまま逃げ切って開幕戦以来の今季2勝目を挙げました。

それでもハミルトンは3位。これで8戦連続表彰台。この人にF1での挫折はいつやってくるのでしょう……。

今回印象に残ったのはやはりアロンソ。スタート直後にロズベルクをかわすと、ここからハイドフェルドとの激しいバトルが繰り広げられました。
多くの車がハードタイヤを選択する中、ソフトタイヤを履いての第一スティントということは、最初からプッシュするという意気込みの現れでしたが、事実、その走りには鬼気迫るものを感じました。
ここ2シーズン、彼がチャンピオンになった過程を見ると、いずれもポイントをリードして逃げ切ってのチャンピオン獲得だったわけで、誰かにリードされるという状況は随分久しぶりのはずです。
まして相手はチームメイトでルーキー。メディアの注目も、ファンの注目もどうしてもそちらに行きがちで、2年連続チャンピオンとして面白いわけがないでしょう。

そんなもろもろの思いが乗り移っての彼の走りだったように思います。アデレードヘアピンでの再三にわたる仕掛けは明らかなオーバースピードの連続でしたが、以前の彼ならもっとじっくりと攻めていったに違いありません。当初は3回ピット作戦をしようとしていたこともあって、車体が軽いというアドバンテージをを利用するために早めの仕掛けをしたのかもしれませんが、そのアロンソよりも重い車で第1スティントをしたたかなライン取りで凌ぎ切ったハイドフェルドも見事でした。
ただアロンソの気魄に押されたのか、まさかあんな高速コーナーで仕掛けてくるとは予想できなかったのか、結局第2スティントでオーバーテイクを許してしまうのですが、それでもこの2人のバトルは見ごたえがありました。
ただ、残念ながらアロンソは2度目のピットストップでハイドフェルドに先行され、結局7位。

現在の予選ルールでは10位と11位の差が非常に大きくなっています。結果論ではあるとは言え、Q3に進んでも今回のアロンソのようになってしまっては、11位であることの方が少々うらやましく思えてしまうのではないでしょうか。11位であれば、最初のガソリンの量を変えるなど、もっと作戦の立てようがあったのかもしれません。マクラーレンは伝統的に重い車のバランスをとるのが上手いという印象がありますし……。

上位3位に次ぐ4位はカナダで大クラッシュをしたクビサ。
F1を見るようになってようやく10年ほどになりますが、久々に見たドン引きするような大クラッシュだったので、随分心配したものです。ただ、さすがは「世界一安全な車」と言われるF1。軽傷で済み、しかも3週間後のレースで見事に結果を出してみせました。
クビサ曰く、事故の瞬間は覚えていないそうですが、事故の恐怖を思い起こさなくて済むということがかえって好結果に結び付いたのかもしれません。
何にせよ、まだ22歳。将来有望なドライバーですから、これからもいい走りを期待したいものです。

佐藤琢磨は前回のペナルティ持ち越しで、予選順位の降格が決まった中でのレースということもあって、モチベーション的に難しかったと思います。
ただ、バトンがひっそりと1ポイントを獲得したように、さすがにワークス勢が少しずつ盛り返してきました。それにともなって零細チームのマシンの戦闘力自体が少しずつ見劣りするようになってきました。
次回のイギリス・シルバーストーンはF3時代から慣れ親しんだサーキットです。ここでのパフォーマンスで、ある程度見極められるのではないかと思います。

今回はフェラーリの1・2でアロンソが7位に終わったことを思うと、さぞマクラーレンとフェラーリの差は縮まったように思えますが……コンストラクターズポイントはまだ25ポイントも差があり、ドライバーズポイントは逆にハミルトンがアロンソを4ポイント引き放す結果になりました。
シーズンを盛り上げる意味でも、さらなる赤い跳ね馬の逆襲に期待したいところです。

ちなみに、真剣勝負、笑ってはいけないのですが、あのアルバースのリタイヤシーンだけはどうしても笑いを我慢できませんでした……。

posted by bunchousann |16:25 | F1 | コメント(2) | トラックバック(0)
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