2007年04月06日

それでも、あなたたちはまだ“全面的に”「被害者」なのですか?~「プロ」ではなく、「裏金」と「アマチュア」の話

今回のおすすめにも取り上げられているように、裏金問題に関する西武の外部識者による調査委員会の中間報告については既に様々な意見が出ているようです。
ということもあってちょっと遅きに失した感が否めず、書こうかどうか迷ったのですが、ポイントを絞ってちょっとだけ書かせてもらうことにしました。
とは言え、私、もうこの裏金問題について言及するのは4回目にもなります。ちょっとくどいかな……。

裏金過去ログ1:そんなに現行制度にこだわるなら、せめてこれくらいはやってくれ~「栄養費」ではなく、「裏金」とドラフトの話(2007.3.10)
裏金過去ログ2:こういう時代だからこそ、第一声が肝心なのだ~「奨学金」ではなく、「裏金」とドラフトの話:雑感(2007.3.12)
裏金過去ログ3:責任の取らせ方がおかしくないか~「希望枠撤廃」ではない、「裏金」とドラフトの話:高野連編(2007.3.22)

昨日(4月5日)のスポーツ紙はどこも1面トップにこの話題がきていましたが、そのタイトルを見た時に、2番目の過去ログでも言及したことを思わずにはいられませんでした。

最初に踊る文字はどこも「西武」の二文字。
でも西武が悪いのはもう先の2選手の件で皆が承知していることです。わかりきったことを改めて大きな文字で書く必要がどこにあるのでしょうか。
私としては、貰った他の5選手、それよりもさらに「延べ」170人もの指導者連中が何らかの金銭を貰っていたということにもっと焦点を当てることはできなかったのか、と思うのです。

この問題に関するアマ側の態度には、正直言って理解し難いものを感じています。
裏金を渡すプロ側こそが諸悪の元凶であり、自分たちアマ側はプロ側の利益のために利用された全面的な被害者である……諸々の報道にあるアマ球界のお偉方の発言を聞いていると、どうしてもそのような解釈をせざるを得ません。

本当にそうですか?

裏金の授受には「有望選手の囲い込み」というプロ側の利益が発生するのと同時に、単純に「金銭の受領」という万人に共通の利益がアマ側にも発生します。
本質こそ違えど、賄賂とほぼ同じ構図が出来上がるわけです。
その賄賂のやり取りでは、子供でも知っていることですが、賄賂を贈った側だけでなく、貰った側も罪に問われるわけです。
また、金銭の贈与の際には、一定金額以上になると贈与税が発生しますよね。
これらの裏金のやり取りで、おとなしく税金を納入することはまずあり得ませんから、受け取った金額の多い人の中には、脱税という立派な犯罪行為に問われるケースも出てくるでしょう。

今回の中間報告では27年間で「延べ」170人もの指導者・関係者に金銭が渡っていたとうことでした。
「延べ」ということは、その中には当然のことながら複数回金銭を受け取った人物がいるということです。
こういう人物は「魔が差した」のではなく、確信犯だと言えます。
選手を「指導」するという立場からして、その行為は、選手本人が受領するケースよりも何倍も悪質だと思います。

これでも、まだ被害者面するというのは片腹痛いというものです。

今回の調査はあくまで中間報告ですから、この先調査を続ければ、さらなる事例が報告されるのでしょう。
そして他の球団にもそういう行為があったのではないか、と調査委員会では言及していましたが、そういう疑いの目を向けない人はおそらくいないと思われます。
一部には個人の特定を徹底的に行うべきという声もあるようですが、もうここまで広まったら、ひょっとして日本中から野球の指導者がごっそりいなくなるのではないかと本気で心配しなければいけないレベルに達してきました。
それもこれも、まさに身から出た錆というものであって、決してプロに責任を全てなすり付けるような類の問題ではありません。

コミッショナー代行氏の言葉を借りれば、「膿を出し切った」としても、その傷跡が、さらに化膿しそうな気配すら漂っています。

最後にもう一度言いたいのですが、アマ側の関係者も、今後、発言をする際には「被害者」ではなく「当事者」としての発言が求められるということを肝に銘じてもらいたいものです。

posted by bunchousann |00:00 | 野球 | コメント(10) | トラックバック(1)
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