2007年03月22日
責任の取らせ方がおかしくないか~「希望枠撤廃」ではない、「裏金」とドラフトの話:高野連編
今日(3/22)の多くのスポーツ紙の1面を飾った、ドラフトにおける希望枠撤廃が1年先遅れされたニュースは、ネガティブな意味で大きな反響を呼んでいるようです。 そんな中で、アマチュア野球界において悪名高きあの団体が、理解しがたい処分を当事者の所属していた野球部に下そうとしています。 アマ側の処分としては、最初に名前が明らかになった東京ガス・木村投手と、彼の所属する東京ガスに対して、社会人野球を統括する日本野球連盟からの処分が既に言い渡されています。 まず木村投手の1年間謹慎(対外試合出場禁止)、これはその厳しさに対する是非は別にして至極真っ当なものだと思います。 ところが、東京ガスの野球部自体も、何故か都市対抗予選が行われる5月下旬までの対外試合の出場禁止という処分が言い渡されました。 ルールを破った木村投手本人はともかく、なぜ東京ガスの野球部全体に責任が生じるのでしょう? 例えば、野球部とその関係者全員が木村投手が裏金を貰っていたことを知っており、その事実を黙認していたとでもいうのならば野球部全体で責任を取るということに異論はありませんが、何の関係もない選手まで巻き込む処分というのはいかがなものでしょうか。 それでも木村投手と東京ガスのケースは、選手が社会人であるがゆえに致し方ないとも言えますし、また不可解な連帯責任という観点からは軽微なものであると言えます。 しかしさらに驚いたのは、もう1人の当事者である早大・清水選手の出身校である専大北上高校に対する日本高等学校野球連盟の異常な反応に関してです。 専大北上のコーチが西武側と交わした裏金を容認する覚書の存在や、清水選手が退部届を出さないまま西武の練習に参加したこと、過去にも元監督が系列高校選手のプロ野球入団に際して謝礼金を仲介しようとしたことで長期謹慎を受けたという“前科”があること……。 高野連はこれらの規則違反が「学校ぐるみ」で行われたという見解を持っており、専大北上高校に対する処分として、未だ前例がない「加盟校からの除名」という可能性さえ示唆しています。 高野連の「平成19年度大会参加者資格規定」の2条には「参加学校の資格は、本連盟所属の都道府県高等学校野球連盟に加盟した学校に限る」と明記されています。 つまり、加盟校からの除名処分が下れば、もう高野連主催の大会には、一切出られないということになります。 専大北上高校の野球部は、甲子園に出場することが100%不可能になります。 選手たちは、日頃の練習の成果を発揮する場の一切を奪われることになります。 それゆえに、野球部は廃部になるのではという見方も出てきています。 一罰百戒の意味を込めて重い処分を課すということに関しては、何の異論もありませんし、むしろ積極的にやるべきことだと思います。 しかし、それは当事者に課すべきものであり、何の関係もない部員たちまで巻き込んで課すべきものではないでしょう。 卒業生と、コーチと、元監督のルール違反に、現在の部員、あるいはこの春入学する未来の部員たちがまさしく「学校ぐるみ」で積極的に加担していたとでもいうのでしょうか? さらに、不祥事を起こした企業に所属する社会人であるならばいざ知らず、彼らは高校生であり、このような社会的な問題に責任を負わねばならない立場にあるというのでしょうか? 高野連はことあるごとに野球を「教育」と結び付けようとしますが、目標に向かって努力した成果を発揮する場を、卒業生と、コーチと、元監督がルール違反を行ったことに対する連帯責任として取り上げることも、教育上必要な措置とでもいうのでしょうか? この際当事者、特に大人に対してはどんな厳罰を課してもいいでしょう。 例えば、裏金を貰うための覚書にサインしたコーチ(このコーチは……どうだったんでしょうね)には、高校野球だけでなく、アマチュア野球の全てのチームの指導者登録を禁止するなどの重い処分を課してもいいでしょう。 しかし、何度も言いますが、何の関係もない部員たちが不利益を被るような処分を下すことに、一体どんな意味があるというのでしょう。 責任の取らせ方というのも、確かに重要な社会教育だと思います。であるならば、正しい教育を施すことが重要だと思います。 少なくとも高校野球が教育の場であると高野連が主張する限りは……。
posted by bunchousann |21:30 |
野球 |
コメント(30) |
トラックバック(4)


