2006年08月12日

世代交代~ベテランの悲哀

今回もまた私と同い年の選手の話です。

8月16日に行われるギリシャとの親善試合に向けた、イングランド代表のメンバーが発表されました。
そのメンバー表の中に、あのデビッド・ベッカムの名前はありませんでした。
世界各国の多くのベテラン選手が今回のW杯で代表からの引退を宣言しましたが、ベッカムは主将の座を明け渡したものの、まだまだスリーライオンズの一員としてやる気を見せていました。
しかし、彼は多くの一流選手のように、「引退」を宣言する前に、監督の選考に漏れるという屈辱を味わいました。

もう引退してしまいましたが、日本で言えば中田英寿がメンバー落ちをするようなものと言っていいのでしょう。FAは代表メンバー発表の際に、わざわざベッカムを選考から外した理由について、時間を割いて説明したようです。

2002年のW杯を契機に、日本でもすっかり有名になったベッカム。
ただし、日本でもそうでしたが、どちらかというと、ここ数年の彼はサッカー以外の方で有名人であった感じがします。
彼のフットボーラーとしてのキャリアのハイライトは、なんと言ってもマンU時代、98-99シーズンの「トレブル」だと思うのですが、その頃の彼は、日本ではサッカー好きにしか知られていなかったはずです。

しかし、それも今は昔。
今のベッカムのプレーならば代表落ちも致し方ないのかもしれません。

近年のベッカムは、正確無比なプレースキックこそ超一流の技術を維持していますが、かつての運動量はなくなっていますし、もともとスピードのある選手ではないので、どうしてもプレー自体が緩慢に見えてしまうような気がします。
今回のW杯で同じ右サイドハーフにアーノン・レノンというスピード豊かな新星が現れたこと、また代表には選ばれなかったものの、ショーン=ライト・フィリップスというやはりスピードスターが同じポジションに存在することなどもあって、その緩慢ぶりが余計に際立つことになってしまったようです。
プレミアシップを見れば一目瞭然ですが、イングランドのフットボールは非常にスピーディーです。レアル・マドリーに移籍して、スペインの優雅ではあるが、ややスピード感に欠けるスタイルに慣れてしまった影響があるのかもしれません。
W杯期間はもちろん、それ以前から、こうしたベッカムの最近の代表でのプレーに対して、内外のマスコミから大きな批判の言葉が浴びせられました。今回の代表落ちに、その影響も少なからずあったのかもしれません。

イングランド代表のマクラーレン新監督は、これまでの彼のキャリアを尊重して、わざわざ直接代表落ちを告げたそうです。そして同時に、2008年のユーロに向けて世代交代を進めることについても伝えたということでした。

前回、中日の川上憲伸の今季の活躍に触れました。
野球選手としては一番脂が乗り切っている年代であっても、サッカー選手としてはすでにベテランと呼ばれる年代なのだ、と、一般社会人としてはまだまだ駆け出しと呼ばれる年代である私はしみじみ感じたのでした。
アスリートの寿命とは、かくも儚く短い。それゆえに、ファンは活躍した者に対しては、賞賛と尊敬を惜しまないのです。

それにしても、今日のサッカー界は、内外のベテランたちの悲哀が伝わってくるニュースばかりでした。
オランダでも、長年エースとして君臨してきた30歳のルート・ファン・ニステルローイがやはり代表から外れました。
日本では、ジュビロ磐田に所属する33歳の名波浩が、出場機会を求めて、降格危機に瀕しているセレッソ大阪にレンタル移籍するのではないかというニュースが飛び込んできました。

日本代表を見ても然り、世代交代は必然ではありますが、同い年のベッカムの代表落ちを知り、何となく感傷的になってしまうもうすぐ31歳の私でした。

posted by bunchousann |00:00 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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